見知らぬ孤島で二人きり……  
誰と誰がって?……そりゃあ……あたしと………  
 
「なんだ?」  
 
びびくぅぅっ!!  
透かした顔でゼルガディスがあたしの前を立っている。  
あたしは思うわず上擦った声を出す。  
「……へっ、べべべ、別にっっ」  
な、なんでドキドキしてるんだろ。ただ側に居るのがゼルが一人なだけぢゃない。  
いや……二人きりって所に反応しちゃってるのかな?  
最近隣に必ずガウリィが付き纏っていただけに、慣れちゃってたのかな?  
だから、いつもと違う光景が、訳も解らず、ドギマギと………  
「んなワケあるかっ!!」  
と、一人突っ込みをする、あたし。  
隣でゼルガディスが不思議そうにあたしを見ている。  
ほらきた。余計な事を考えてるから、変な目であたしを見てるぢゃない……。  
こほんっと咳払いをし、気を取り直して話す事にしてみる。  
「ね、ねぇ、ゼルガディス。あたし以外でこの島に誰か見かけなかった?」  
「いや、見かけなかった」  
さらりと返答される。確かにそうかもしれない。  
あたしも幾度と無くこの辺を浮遊魔法で探索したことか……。  
誰も居ないんだから、そんな答えしか返ってこないわよね。  
さて、どうしたものか……。  
とりあえず食料の心配は必要無いみたい。  
何故かこの孤島には、綺麗な作りの大きな館があって、そこには食材があるから。  
数種類の調味料と調理機器、火も起こせそうだし、間違いなく使えるわね。  
とはいえ、その辺が少し奇妙ではあるけれど……。  
構わず利用できる場所は利用する事にして、あたしとゼルガディスは今日の夕食を終えた。  
あたしは食べる係でゼルガディスは作るが係り。だから作る心配も無く、  
腹ごしらえをした後は……寝るだけとなる。  
そこで一つ大きな問題があった。  
何故かこの館にはソファーが置いてなくて、ベッドはたった一つだけ。  
しかも館の中の一部屋一部屋が広いのに対してベッドの置いてある部屋だけ狭っ苦しい。  
「……ほんとにコレ、どーにかなんなの?」  
ベッドの上で胡坐をしてぼやく。  
この声が聞こえたらしく、ゼルガディスが部屋の外で一喝する。  
「良いだろ?床で寝ないだけマシだ。時期にこの空間に閉じ込めた奴の正体が掴めるさ。」  
「それもそうね……」  
ゼルの言葉に軽く返答するあたし。  
 
それにしてもこの空気、苦手かもしれない。  
ゼルはどちらかと言えば余計な事を一切話そうとしないタイプだから、とりつく島も無いようで……。  
会話が沈黙し、仕方なく寝間に雪崩れようとする。  
その時、無防備なあたしの前に、破壊締めしようとするゼルが居た。  
「なっ!?」  
驚くあたし。  
ゼルに腕を握り締められ身動き取れない状況になるが、一向に緩む事は無い。  
かなり力強く握られているので、やがて痛みが伴う。  
「痛いって!」  
そういう反応が気に食わないのか、ゼルはあたしの唇を塞いだ。  
「んんっ……」  
目を仰天してしまい、成すがままの状態。  
頭が真っ白で何も考えられないけれど、本能が恐怖心を芽生えさせた。  
「や……」  
手を振り払おうとするが、限り無く非力な自分は制止する事も出来ず、  
今度はゼルの手があたしの胸を服の上から揉み始める。  
「ゼル!!やめて!!」  
あたしは必死で叫ぶ。  
だけどゼルには声が届いていないのか、一心不乱にあたしを責めようとする。  
「……んんっ!!?」  
ゼルはあたしの服をビリビリに引き裂き、肌が露になる。  
胸を曝け出してしまい、今まで我慢出来た羞恥心を高上させてしまう。  
恥ずかしくて火が出そうだ。  
「やめて!!ゼルガディス!!!」  
何度も叫んだつもりだけど、まだ声が届かない。  
もしかして本気でやっているけど、しらを切っているのだろうか?  
そんな疑問が押し寄せ、あたしは頭の中で混乱させている。  
意識を思考に巡らせている内に手が下半身に向かいつつある。  
正直そこを触れられると、今のあたしじゃ居られなくなるような気がした。  
既にこの状況からでも、もうゼルとの仲で今までみたいな関係は築けないと思う。  
胸の奥が痛くて堪らなかった。  
「……いれるぞ」  
ボソッと小さな声でゼルが呟く。  
その瞬間、あたしの中でゼルの硬い何かが入ってくるのを感じた。  
「ひぃあっ……」  
 
ぬぷっ……  
 
ぬめりつくアソコに…、ゼルの……恐らく指らしき部分が、あたしの中を責めて…  
「ぁっ……ゼル、やめてっ!!……あぅっ……ぅあっ、…く」  
背筋がぞくぞくとしてきて、快楽があたしを襲う。  
既に胸や太腿を触られ、敏感になっているのに、そんなコトをされてしまうと……  
「いやぁあっ……あんっ……助け…て、……ガウ……」  
ガウリィと言いそうになる。そこで意識がそこに集中してしまい、  
あたしは元のあたしに戻れるようになった。  
ゼルが油断している隙をついて、あたしは彼の股間にとある一撃を仕込んだ。  
これで暫くは持つだろうと、即座に部屋から飛び出し、必死で衣類を探し出した。  
なんとか見つけ出した格好はバニーちゃんだったけど、まぁ良しとしましょう。  
さて、どうやってここから出ようかな……。  
 

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