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「で、何だって?」
「さっきから何聞いてんのよこのクラゲ。もういい」
リナがぶんとむくれて部屋を飛び出そうとする。
原因はゼルガディスと彼女のケンカだ。
「まぁまぁ、待ちなさいって」
辺り一面に怒気を撒き散らすリナを、ガウリイは止めようとして
―――何故か後ろから抱きすくめてしまう。
「うっさいわね触んないでよバカクラゲ。いーわよもう寝るから」
八割方八つ当たりでガウリイをぼかぼか殴り、リナは彼の腕から抜け出そう
とする。彼氏以外に抱かれる趣味はないと言うことだろうが、じたばたじたば
た暴れる様は、まるで兎か栗鼠のようで何か可愛い。
普段はのほほん顔の下に隠して在る意地悪な部分が、性悪なイタズラをガウ
リイの本能に囁いた。
「待ちなさいって。お前がそんな風に怒って殺気撒き散らしながら戻ったら
幾らアメリアでも起き出すぞ」
「って何してんのよ! こらボタンを外すな! ガウリイ!
いい加減にしないと火炎球(ファイアー・ボール)じゃ済まないわよ!?」
彼女が着ていた寝間着のボタンをプチプチ外していく。勿論リナもそれに気
付かないわけもない。
やっぱりじたばた暴れ出す。と、リナが無理に躰を反転させた所為で、安い
パジャマのボタンが儚くも宙を飛んでいった。
「きゃあっ!!」
一気に胸をさらけ出してしまったリナは、堪らず悲鳴を上げてその場にしゃ
がみ込む。それを見逃さずにガウリイはリナの背後を取って床に座り込んだ。
淡い胸に手を這わせる。ガウリイの掌にすっぽり収まってしまうくらいだ。
「やだぁっ! やだやだやだ!」
「ヤダって言いながら乳首勃ってきたぞ〜♪」
「やめろっつってんでしょこの……っん!」
勃ちかかった乳首を軽く摘まれ、びくんとリナの躰が跳ね上がる。
そのままこりこりと擦ってやると、リナは息を荒らげながら膝を立て、躰を
前方に倒していく。しかしガウリイの手の位置が変わらない所為で、余計に乳
首が引っ張られてしまっていた。
「離し、て……っ!」
最後の抵抗と言わんばかりに肘鉄を食らわせようとリナが振り向き―――振
り向いた瞬間、ガウリイの手がパジャマのズボンに突っ込まれる。神速。
「ひゃあぁっ!?」
「あれ、なんだリナ。お前もう濡らしてんのかぁ。やらしいやつだなぁ」
手を潜り込ませたショーツの中心には、もうしっとりとした染みが出来上が
っていた。そこを起点にやや上方を爪の先で掻いてやる。
「んんっ! っん! や、め………!!」
必死に躰を捩るリナの目尻から、つうっと涙が零れた。
それを舐め取りながらも、ショーツを押し込める手の動きは速さを増してい
く。
「ほらほら、イきそうなんだろ? イっていいんだぞ、リナ」
「や、だっ…………やだよぉっ………んっ、んっ、んっ…………
……い、いやぁぁっ……ゼル………っっ!!」
不意にがくがくとリナの腰が前後に揺れ、ぴんと四肢が張り詰める。
ぞくぞくと背筋を駆け上がる快感に声をあげそうになるが、最後に上げた悲
鳴は、愛する男の名前だった。