「たくのジェフリーちゃんを男にしてやってほしいざます」  
「ん……んんっ!」  
高笑いする自称良家の奥様に、壁に貼り付けられたナーガは苦しげにうめく。  
母親の形見の魔道服は脱がされ、  
身に着けているものといえば手袋とブーツ、ドクロのネックレスのみという状態。  
魔法を警戒されて猿轡をかまされ、うめき声を上げるのさえままならない。  
「行方不明というグレイシア姫が、まさかアナタだったとはうかつだったざます。  
気品や性格は今イチですが、  
それでもセイルーン第一王女には違いないざますものね」  
「し、しかし、いいのかジョセフィーヌ。  
こんなことがもしフィル殿下に知られたら……」  
傍らの黒尽くめの剣士がおずおずと話しかけると、ジョセフィーヌは振り返って  
ギンとウォー・ハンマーを鼻先に突きつける。  
「なぁんてこと言うざます! 婿養子のぶんざいで!  
あなたはジェフリーちゃんをセイルーン王にしたくないざますか!」  
「い、いや……わしはただ……」  
ジョセフィーヌの剣幕に、ゴルディアスはただ小さくなるしかない。  
「ん?! んん……んんんっ!!」  
にたりと顔中で笑い、ジョセフィーヌはナーガを振り返った。  
「そうざますよ、グレイシア様。  
今セイルーン王宮は、妹君のアメリア様がキメラの恋人を連れ帰られたことで、  
大騒ぎになっているざます。  
グレイシア様が恋人として騎士であるジェフリーちゃんを連れて帰られて、  
しかもすでに、ジェフリーちゃんの子供を身ごもっているとなれば……、  
この結婚に反対する者など、いないざますよねぇ?」  
ナーガの顔から音を立てて血の気が引いていく。  
 
「ふんっ! んん! んんんーっ!!」  
何勝手なこと言ってんのよっ! ふざけないでっ! と言わんばかりに身をよじらせ、  
抗議するナーガ。  
そんなナーガを見てジョセフィーヌはふんと鼻をならし、豊かな乳房をぐいと掴む。  
「……!!」  
ナーガの顔が苦痛に歪む。  
「まあったく、王女といってもがさつな女ざます。  
ジェフリーちゃんにはしとやかなお嫁さんがいいのに、台無しざます。  
お床入れの前に躾が必要ざますね」  
言うとジョセフィーヌはくるりと背後のゴルディアスを振り返る。  
「やるざますよ、ゴルディアス」  
「お前、し、しかし……」  
「婿養子のくせに何言ってるざますか! ジェフリーちゃんのためざます!」  
「は、はひっ!」  
ゆっくりとゴルディアスはナーガの内腿に手を這わせた。  
「!」  
緊張がナーガの体を走る。  
「すみません、グレイシア様……」  
一言だけ詫びて、ゴルディアスはナーガの秘所に中指を差し入れた。  
ほとんど湿り気がなく、滑りが悪いがそれでも強引に押し入れる。  
中でうごめく指に、ナーガの顔が苦痛で歪む。  
「ん、んんっ!」  
親指で茂みの中の肉芽を親指の腹で押すと、じわっと蜜が染み出てきた。  
ジョセフィーヌの顔がにたりと笑う。  
「もう感じてきたざますか? だらしない体ざますね」  
持っていた羽扇でぺちんとナーガの頬をはたく。  
「ん、んんっ! んんんーーーっ!!」  
「吊るされて指を突っ込まれて、よがって腰を振るなんて淫乱な女ざます。  
王女が聞いてあきれるざます。今まで何人男をくわえ込んだざますか?」  
 
「んんーーーっ!」  
屈辱的なジョセフィーヌの言葉にナーガは頭を振って否定する。  
「素直じゃないざますね、  
そんなことじゃジェフリーちゃんのお嫁さんになれないざますよ」  
扇ではたこうとしてふと手を止め、  
少し考えて扇の羽でナーガの背中をさっと撫で上げる。  
「んんん……っ!」  
うめき声を上げるが先ほどまでとは違い、声に甘さが混じっている。  
空を切る音と共に、ナーガの脇の下、乳房、腹、内股を羽扇が掠め、  
ゆらゆらと這い登っていく。  
「……っ!」  
ナーガの体が小刻みに震える。秘所では相変わらずゴルディアスの攻めが続いている。  
初めは嫌悪しかなかった指の動きが、徐々に快感を伴ったものになり、  
ナーガの頭が麻痺していく。  
(こんな……こ……んな)  
「お、おいジョセフィーヌ。こんなになっちまったんだが……」  
ゴルディアスの声にぼんやりと目を開けると、  
張り詰めた男の物が目に前でそそり立っている。  
「ーーーーっ!!!!」  
とたんにパニックに襲われ、暴れるナーガ。  
「静かにするざます! いい年してあなたもなんですそのザマは!   
万が一あなたの子を孕んだらどうするざますか! したいなら後ろを使うざます!」  
「!」  
体を裏返しにされ、ゴルディアスの指が濡れない蕾に触れる。  
「んんっ! んーーーっ!!」  
必死に身をよじって逃げようとするが、動くたびに羽扇が肌を掠め体から力が抜けていく。  
ゴルディアスが丹念に固い蕾を揉み解していく。  
指を差し入れられ、広げられて、前から滴る蜜が塗りつけられていく。  
 
「んんっ……!」  
ナーガの肩ががくがくと揺れ、  
びくっと大きく震えるとそのまま脱力したように動かなくなった。  
「お尻でイクなんて、なんて淫乱な王女ざましょ」  
ふんっとジョセフィーヌは大きく鼻を鳴らした。  
「あなた、遠慮は無用ざます。これは躾ですからおもいっきりやるざます!」  
「よ、よし、いくぞ!」  
「んっ! ん、んーーーっ!!」  
ぐいと、強引に太く堅いものがねじ込まれる。  
「うんっ!! ん、んんーーーっ!!」  
体を襲う激痛にこらえるように、ナーガは弱弱しく首を振る。  
快感はひとかけらもなく、痛みだけが体を駆け抜ける。  
「何か言いたそうざますね」  
ジョセフィーヌがナーガの猿轡を外す。  
「なんざますか? 話だけなら聞いてやるざます」  
「い、いたい……抜いて……、お、ねがい……」  
哀願する口調のナーガに、にやりと笑うジョセフィーヌ。  
「たいぶ素直になったざますね。でもまだまだざます。あなた、もっと気合れるざます!」  
「お、おう」  
ゴルディアスの腰が激しく動き、肉のぶつかる音が響く。  
ナーガの喉から悲鳴のような声が漏れる。  
「や……め……壊れちゃう……あううっ!」  
「駄目ざまず。ジェフリーちゃんにふさわしい女性になるまで、  
まだまだ仕込むことがたくさんあるざます!」  
ぐいとジョセフィーヌは指をナーガの口に差し入れた。荒々しく口内をかき回すと、  
口と後ろの2つの刺激にナーガが苦しげにうめき声を上げる。  
その様子を悠然と眺め、ジョセフィーヌは厚い唇をぺろりと舐めた。  
「これからざますよ、ふふふ……」  
 
「ナーガ!」  
懐かしい声で呼ばれ、壁に繋がれたまま意識を取り戻したナーガは、ぼんやりと目を開いた。  
目の前にいたのはかつて一緒に旅をしていた栗色の髪の少女と、  
見知らぬ長身の金髪の剣士。  
「なんてこと……ひどい」  
白い肌にいくつも浮かび上がった赤い傷とあざを見て、リナは思わず息を呑んだ。  
「リナ……どうしてここに……」  
「話は後よ。ガウリイ、お願い!」  
「おう!」  
ガウリイが剣を振り下ろし、金属音とともに手の戒めが外れ、  
ナーガの体が床に崩れ落ちた。  
「大丈夫? ナーガ。アンタにしてはドジ踏んだもんね」  
ナーガの肩にマントをかけつつ、憎まれ口を叩く。こういう所は変わらない。  
「どうしてリナが?」  
「アメリアに頼まれたのよ。姉さんを捜してくれって。  
城であんたの肖像画見せられた時は、さすがに驚いたけどね」  
「積もる話は後にしてくれ。……どうやらお客が来たようだ」  
ガウリイの声に、リナの顔を緊張が走る。  
どやどやと武器を構えて、ジョセフィーヌとゴルディアスが部屋に入ってきた。  
余裕の笑みを浮かべたガウリイが、すらりと剣を構えたその時。  
「ぐはっ!」  
叫び声を上げてガウリイが倒れた。  
「ガウリイ!」  
一瞬、何が起こったのかわからなかった。あわててリナがガウリイに駆け寄ると、  
ガウリイの鎧が真っ赤に染まり、大量の血が流れ出ている。  
「ナーガ! どうして!」  
背後でナーガが呪文を詠唱していたのはわかっていたが、  
まさか後ろからガウリイに向けて攻撃魔法を撃つとは思いもよらなかった。  
 
※リナ強姦あります。ご注意ください。  
 
「ごめんねリナ。でもわたしはもう、ジェフリー様たちの性奴隷として、  
お仕えすることこそが最大の喜びなの」  
微笑みさえ浮かべるナーガを見て、リナは寒気を覚えた。  
「リナ=インバースざますね。久しぶりざます。  
男は倒れたし、もう逃げられないざますよ。さっさと降服するざます!」  
「誰が!」  
リナが魔法の構えをとる。  
「あーら、リナ。わたしたちと戦って勝てたとして、その人はどうなるかしら?  
その出血じゃあ、今すぐリザレクションをかけないと助からないんじゃなくて?」  
「くっ……!」  
ナーガの言う通りだった。ガウリイの顔色はすでに土色になりつつある。  
かつては血を見ただけで気絶していたナーガなのに、  
今は頬を赤らめ、うっとりと恍惚とした表情を浮かべている。  
「かけてあげてもいいわよ、リザレクション。降服するならね……」  
「リザレクション……使えるの? ナーガ」  
「これでも聖王家の生まれなのよ。さあどうするのリナ、その人を見捨てるか、  
それとも……」  
リナに選択の余地はなかった。  
 
「ん、んくっ、んん!」  
ゴルディアスに後ろから貫かれ、腰を打ち付けられるたびに小柄なリナの体が跳ねる。  
口には猿轡をかまされ、手は縛られ壁に繋がれている。  
頬には幾筋もの涙の跡。  
ガウリイにリザレクションをかけながら、その様子を悠然と眺めナーガは艶やかに微笑んだ。  
「お喜びくださいジョセフィーヌ様。  
優秀な性奴隷がジョセフィーヌ様のしもべになりましたわ」  
そう言うと、ちらと横たわるガウリイに目をやる。  
「2人も」  
ナーガのいつもの高笑いが部屋に響き渡った。  
 
終わり  
 

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