「許せませんっ!
お二人の幸せな未来を、『編集部の都合』とやらで捩曲げるだなんて、そんなものっ! 正義じゃありませんっ!
というわけでゼロスさん、手伝ってください」
「いえあの、手伝ってください、と言われても…」
「何を言っているんですか! 真実を捩曲げる、すなわち悪! つまり、必然的に正しい道に戻さなくてはならないということです!」
「いやあのですから…なぜ僕が手伝わなきゃいけないんですか」
「ここはひとつ、チャバネと呼ばれても高位魔族のゼロスさん、『突然降り出した大雨の中、なぜか不自然に現れる雨宿りに最適な山小屋』とか舞台を作ることくらい、朝飯前ですよね!」
「…何か引っ掛かりますが…。まぁ、出来ないことではないですが。
それより。僕は魔族です。負の感情が生まれるのならいざ知らず、快感なんて喰らっても、美味しくないですからねぇ」
「それなら話は簡単です! ちょっと恐怖を発生させるイベントを起こせば問題ありません!
でっかいナメクジとか、触手持った人とか、知り合いにいませんか?」
「…そういうことでしたら…ちょっと面白いかもしれませんねぇ」
「オイコラちょっと待てアメリア、ナメクジはとにかく、なんだその触手ってのは!」
「必須アイテムです!
もちろん、ゼルガディスさんにも手伝っていただきます!」
「俺を巻き込むなあぁぁ!」
アメリア、極悪。