「何か変なところがあってもギャグで片付けられるのがスレイヤーズのいいところだよな」  
「は?」  
 
これから野宿で、火をおこして、どっちが先に見張りをするかを決めようというところで、  
いきなり意味のわからないことを言い出したガウリイの方へ振り向くと  
 
「…あ、あんた…どしたの?それ。なーんでまたくらげのきぐるみなんか…」  
「いやこれ…きぐるみじゃないんだ」  
「ふぇ?や、だっておかしいでしょ。さっきまで人間の姿してたじゃない。頭の中身は別として」  
 
何本もの足?をうにょうにょと動かしつつ、そのうちの一本を人の姿の彼がよくするように、頬にぽりぽりと持っていく。  
 
「実はオレ…くらげの国の王子になる夢を前に見てな。ちょっとせっかくだからそれを再現してみようと思って。」  
「…えっと、意味がわかんないんですケド。ていうかそれほんとにきぐるみじゃないの?」  
「ああ、前にお前さんに触らせてやったこと、あったろ?」  
「いやだからそれあたし知らないし。あんたの夢の中のあたしは、あたしであってあたしじゃないのよ?わかる?」  
 
やー  
すでに身も心もくらげになっちゃってるやつに、言ってもわかんないかもしんないけど。  
 
「結構…モノはいいんだぜ」  
 
照れながらガウリイがこっちに寄ってくる。  
顔だけいつもどおりっていうところが何かまた意味分かんないんだが…  
 
「ってちょっと!あんたは何やってんのよっ!」  
 
いつの間にやら何本もの足?に体を持ち上げられてしまっていた。  
じたばたともがいてみるものの効果はなく、さらに絡みついてくる足?の数をふやされて、あたしは身動きが出来なくなってしまった。  
 
「いやっ!ちょっと!ガウリイ!」  
 
器用に指のない先端をいろいろなところに潜り込ませ、ガウリイはあたしの服を脱がせようとしている。  
さすがにこんなとこでなんかよくわかんないまんまするのはイヤだよーーっ  
 
「ちょ…ほんとにやめてってばっ!こんな森の中じゃ、危ないじゃないのっ!」  
「だからいいんじゃないか」  
「なーにがぁぁ!!」  
 
すっかり胸元ははだけられ、下の下着はご丁寧に脱がされ、食ってくれといわんばかりの格好になっているあたし。  
 
「や、やっぱり触手っぽいものに襲われる女の子って、男の夢っていうか…」  
 
なんか昔どっかで聞いたことあるようなセリフを、うれしそうに言うガウリイ。  
あんたにもンな趣味あったんかいっ!  
 
「だけどな、オレ以外がリナに触るなんてぜったいに許せないんだ。それがたとえ人じゃなくても。  
 だったら、オレ自身が触手の役をすれば問題ないだろ?」  
「大アリよっ!何考えてんのよ!いいからおろせーーーっ!!」  
「大丈夫だって。気持ちよくさせてやるからな」  
 
とたんに、それまでの動きとはガラリとかわって、何本もの足?があたしの身体を探り始めた。  
 
「っあ…や……やめ…」  
 
ヌメヌメした足?が、あたしの胸の先端やら何やらに、ぬるぬると吸いついてくる。  
いくつかのそれは胸を揉むようにして巻きついたり、ゆるんだりを繰り返す。  
いつものガウリイの手や舌とは違う感触に、けれどあたしはしっかり反応しはじめていた。  
 
「…んふぅ…っ……ああっ」  
 
足?がヌメヌメしているせいか、それともあたし自身が十分なほど濡れてしまっていたせいか、  
それはあたしの中心のなかに、ゆっくりと侵入してきた。  
中をかき回され、こすられ、軽く抜き差しを繰り返され、さらに蜜が溢れだす。  
それでも絶えず胸の先端や耳に同時に刺激を与えられ、いつもより感じてしまってるのは明らかだった。  
 
「リナ…」  
 
くらげなのに。  
くらげの足?で感じさせられてるのに。  
耳元でガウリイの低い、けれども甘い声でせつなげに名前を呼ばれると、ついガウリイに抱かれてるような気になってしまう。  
…いや、実際今あたしを好き放題してるのはガウリイなわけだけど。  
 
「や…っ!はぁ、っああん」  
 
中心を攻め立てるその動きが、激しさを増していく。  
気がつけば入れられている足?の本数が増え、波が来る前の高ぶりが体に走った。  
 
「っくあぁああぁぁっ!」  
 
いつも以上に高い声で鳴くのと同時に、頭の中が真っ白になる。  
鼓動がさらに加速して、下の口はきゅうきゅうと勝手に締め付けを強めていった。  
 
「が…ガウ…っ」  
 
どうにか後ろを振り返ろうにも、しっかり宙で固定されて、しかもイったばっかりということもあって、まったく力が入らない。  
うう…ガウリイとキスしたいのに…  
 
「ほら、リナ。まだこんなもんじゃないぜ?」  
「ひぅっ!あ…っ、やあっ」  
 
体中を、ヌメヌメした足?が這いまわる。  
あたしは全身をその粘膜のような液体とあたし自身の蜜で濡らしていた。  
たださすられるだけで、電気が真ん中に向かって走っていくようだ。  
いつもと状況が違うとはいえ、ガウリイはしっかりあたしの弱いところを重点的についてくる。  
 
「や、あ、ま…また……っあああああぁ!」  
 
結局何度も何度もイかされて、いつの間にかあたしは意識を失っていた。  
 
 
「で?」  
 
すっかり元の姿に戻っているガウリイに包まれた状態で目を覚ます。  
いつもの情事のあとのように、あたしの髪をゆっくりと撫でている彼に、開口一番そう言った。  
 
「うーん…なぁ、リナはどうだった?気持ちよかったか?」  
「んなっ!ば、ばかなこと言わないでよ!気持ち悪いに決まってるじゃない!!」  
「の割にはいつもよりだいぶ濡れてたけどなぁ…あでっ」  
 
腕をのばして、ガウリイのほっぺをむぎゅっとつまむ。  
 
「そ、そりゃあ…ちょっとはそんな事実もあったかもしんないけど!」  
「ちょっとか?」  
「あのねぇ……あ、あたしはっ」  
 
そのまま横から垂れている彼の髪の毛をぎゅっと引っ張って、顔を引きよせ、ようやく今晩はじめてのキス。  
 
「…いつものガウリイがいい」  
 
たぶん顔が真っ赤になってるであろうあたし。  
ガウリイはすこし驚いたような顔をして、けれどもすぐにだらしなくゆるませた。  
 
「そっか。」  
「そうよ。」  
 
今度はさっきより深いキス。  
ガウリイの首に腕をまわし、あたしは夢中でそれに応えた。  
 
「いや、な。たしかに触手っぽいものに襲われる女の子っていいと思うし、実際リナもかわいかったんだけどな。  
 オレがやるとリナが襲われてるところがちゃんと見えないんだよなー。  
 ほら、後ろからだと、リナの頭しか見えないんだよ。それじゃあ別に触手もなんも関係ないしなぁ…」  
「……いや…えっと」  
「やっぱり普通が一番だよな♪  
 というわけで、オレはまだまったく気持ちよくなってないから、今度こそ本番な」  
「え?いや、ちょっと待てッ!てそもそもあんたが悪いんじゃないのよぉぉーーっ……っあ」  
 
すっかりやる気になったガウリイに押し倒され、耳にキスされただけですっかりやられてしまい、  
結局その後もふたりの営みは続いたりして…  
 
お、おとこって……  
 
 

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