「リナ?」  
宿の廊下で、パジャマ姿のリナがちょうどドアを開けようとしているところに遭遇した。  
「ガウリイ、あんたもお風呂上がり?」  
「ああ、なんだ。お前さんもか。」  
リナはドアノブから手を放し、にっこりとこっちを向いた。  
…かわいいぞ、おい。  
風呂上がりのいい匂いがしてますますおいしそうなリナに近づくと、オレはそのまま壁に手をつき、リナを囲い込む。  
逃げ場がないように、けれどリナの背中に痛みを感じさせないように、リナを挟み込んだ。  
「が、ガウリイ…人が来たらまずいってば…」  
頬に手をかけたオレの行動を予測したのか、顔を赤くしながらリナが上目づかいにオレを見た。  
それは逆効果だぞ、リナ。  
「大丈夫。気配くらいちゃんと読めるさ」  
確かに、わりと安全なこういう場所で、しかもリナといちゃついている時はおそらくふだんより多少勘はにぶるだろう。  
それでも誰か近づいてわからないほど、戦士としての働きは衰えてないつもりだ。  
「…ん……」  
上唇、下唇の順に、自分のそれで挟み、軽く歯を立ててやる。  
ちゅっと音を立てて、今度は深く舌をもぐりこませると、のどの奥から小さな声が上がった。  
「……ぅ……っん…」  
やばい。  
いい匂いのするリナに近すぎて、頭がくらくらしそうだ。  
オレは片手を背中から頭にまわして抱え込み、さらに角度を変えて、深くむさぼる。  
小さな舌を吸い上げ、歯列をなぞり、時々唇に軽く歯を立てる。  
荒い息をつくリナの腕が、いつのまにかオレの首にまわされていた。  
「…っあ…ガウリ…っ」  
口の端からあふれた唾液が流れ、息をつこうと少しばかり離れると銀の糸が繋がる。  
リナの身体から力が抜けていくのがわかった。  
 
と、同時に、オレはふと近くに人の気配を感じ取る。  
ちょうど階段の辺りだろうか。  
リナはオレの身体にさえぎられて見えないだろうし、オレ自身背中を向けている。  
この気配は…シルフィールか?  
「ねぇ…っ、ガウリイ……そろそろやめなきゃ…ほんとに、誰か来ちゃう…」  
いやぁ、もう遅いんだけどなぁ…  
すっかり力の抜けたリナが弱弱しくオレの胸を押してくる。  
「大丈夫だって」  
見せつけてやればいいさ。  
「でも…これ以上したら……」  
「したら?」  
「とまんなくなるじゃん……」  
恥ずかしそうにうつむくリナ。なんだこいつ、なんでこんなにかわいいんだ?  
「ご、ごめんね?あたしも…ガウリイとこういうことするの嫌いじゃないし…むしろできないのがさみしいんだけど…」  
「いや、リナのせいじゃないだろ。仕方ないさ。あの日が終わったら、1週間分やろうな」  
「…いっ、1週間分?」  
「オレだってさみしいんだぞ。でもな、あの日がないと困るだろ?じゃないと将来リナにオレの子産んでもらえないしな」  
そう言うとリナはさらに真っ赤になってオレの胸に顔を埋めるようにして隠した。  
後ろの方で立ち去ろうとしない気配がまだあったが、リナはどうやら気付いてないらしい。  
「リナ、最後にもう1回だけ。な?」  
「…う、うん…」  
 
 
いやぁ。よくよく考えてみたらオレちょっとひどいことしたかなぁ…  
でもなんかシルフィールって苦手なんだよな。  
ま、これでオレとリナの仲をわかってもらえたら問題ないだろ。うん。  
こーんなかわいいリナを他の男に見せてやるなんて絶対無理だから、ゼルの前ではやらないけどな。  
 
 
 

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