「ねぇ、リナ。ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」
「何? アメリア。改まっちゃって」
「ほら、よく木に登ったり決め台詞とポーズ取ったり戦闘中とかに動き回るじゃない?」
「……いや、前二つはあたしは用事ないけど……」
「まあとにかくっ!
うっかり動いて下着の紐が解けそうになったり、ズレちゃったり食い込んじゃったりしそうになるじゃない?」
「じゃあ、木に登ったりポーズ決めたりしなきゃいーじゃない」
「ダメよ、リナ! ポーズがいかに綺麗に決まるかで勝率が代わるものでしょ!」
「どこの確率理論だ、そりは」
「そんなことよりっ!
リナって、そういうので困ったことないの?」
「ないわよ。別に。
ってか、そんなに簡単に解けるものでもないでしょ? ちょっとあんた、使ってる下着、見せてみてよ」
「あ。……えーと、コレとか、こんな感じなものとか」
「うっわ、布面積、小さっ!
さすがは王宮育ちねー。庶民の使ってる物とかとは違うわー」
「え? コレ、普通に道中で買ったものだけど?」
「……あんたねー、こんなんじゃ、解けたりズレちゃったりしても当たり前でしょうが」
「…………ねぇ、リナが使ってる物とかも見せてよ」
「あー別にいーけどー。
はい、コレ。5枚組でこのこの品質!」
「ぇえっ!(うわっ! 思いっ切りオバサンぱんつ!)」
「いーい? アメリア。
あんたのみたいに、こんなに布面積が小さかったり狭かったりぺらぺらした生地なら、そりゃズレちゃったりややこしいところに食い込んじゃったりするのは当然よ。あたしのみたいに、幅が広くて麻とか木綿とかを選ばなきゃ。
で、紐の結び方だけど、こう……しっかりね、腰骨の少し上辺りで結べる物じゃないとダメよ。で、結ぶ時は蝶々結びとかはダメ。結び目が擦れて意外と痛いから。
まず、一つ結んでから、紐の端を……って、アメリア、何、コワイ顔して」
「……ガウリイさんがいつまで経ってもリナに手を出さない理由がよっっっく分かったわ! これじゃ、手を出したところで『開発』に時間がかかりすぎて途中で死ぬわっ!」
「……えっ……『開発』って……?」
「第一、何! その結び方っ! そんな難しいことしたら、ガウリイさん、解けないじゃないっ!」
「いや、意外とこの結び方、トイレが楽……って、何よっ! 解くって!」
「あーもーいいからっ! 行くわよ、リナっ!」
「行くって、何処にっ!」
「決まってるでしょ、下着屋さんよ!
リナが思わず『目覚め』ちゃって、ガウリイさんを一撃で悩殺出来るようなぱんつを買いに行くのっ!」
「ぇえぇえぇえッ!」
……いや……、リナは『目覚め』たら早いかなー。って。
なので、まずはぱんつから。
おまけ。
「いい? リナ。お初の時は白かピンクが相場だけど、リナの場合は、ガウリイさんの瞳の色に合わせて、ブルーを選ぶのよ」