「だからさ、ごめんってば、ガウリイ」  
 
 部屋に入るガウリイの後を追って、あたしも部屋へと入った。  
 ベットと小さなナイトテーブルが一つ置いていある以外には、調度品らしいものはなにもない。  
 極々一般的な宿屋の一室だ。  
 ベットの脇に、腰に差していた剣を立てかけ、ガウリイはよくやくこちらを向いた。  
 
「なんで一人で盗賊いじめに行ったんだ?」  
 
 うわ〜・・・なんか、本気で怒ってるし・・・。  
 普段温厚な奴なだけに、怒るった時は底が知れない。  
 なのであたしは、珍しく素直に謝ることにした。  
 
「その・・・ごめんなさい・・・」  
「自分の腕に自信があるのはいいが、万が一ってこともあるだろう」  
 
 ガウリイが言いたいことは分かる。  
 こんなに怒るのも、あたしを心配してのことだし、それは嬉しいんだけど・・・盗賊いじめはまた別なのよね〜。  
 ガウリイの説教を聞きながら、あれやこれやと考えるあたしに、  
 
「お前さん、ちっとも懲りてないだろう」  
 
 ジト目で、ガウリイが問い掛ける。  
 げっ、鋭い・・・。  
 
「そんなことないわよ!! ちゃんと反省してるってば!!」  
 
 突然図星を突かれ、妙に慌てるあたし。  
 あぁぁぁぁ、まずい!!  
 これじゃあ、その通りですって言ってるようなもんじゃない!!  
 
 ガウリイはあたしの態度を見て、深々とため息を付くとぽそりと呟いた。  
 
「ちゃんと分からせないと、ダメみたいだな」  
 
 それはどう言う意味?  
 そう問い返そうとした、その時、ふいに伸びたガウリイの手が、あたしの腕を掴んだ。  
 
「へっ?」  
 
 妙に間の抜けた自分の声が、耳に響く。  
 気が付けば、あたしは宿屋の床に、ガウリイの手で押し倒されていた。  
 
「はっ、ちょ、ガウリイ!?」  
 
 声が裏返っているのが自分でもよく分かる。  
 ガウリイは、あたしの上に覆いかぶさるようにして髪に顔を埋めると、服の裾から手を差し込んできた。  
 おなかを撫でられ、びくりと体が震える。  
 
「なにすんのよ、ガウリイ!!」  
 
 怒り任せに怒鳴れば、あたしの耳元で、ガウリイは涼しい声で答える。  
 
「こうでもしないと分からんだろ? 盗賊に捕まったら、どうされるかとか」  
「そんなの・・・って、耳舐めるな!! やっ、ちょっと、やぁん!!」  
 
 ガウリイの舌が耳の中に差し込まれる。  
 ふうっと息を吹きかけられると、それだけでもう頭の中が真っ白になって、全身の力が抜けてしまった。  
 押し返そうとガウリイの胸に突っ張っていた両手が、頭の上で一つに纏められる。  
 裾から入った手は、服を一気に捲り上げ、あたしの胸を外気に晒した。  
 
「もう感じたのか?」  
 
 指でぐりぐりと、固くなった胸の先端を押し潰される。  
 息を吹きかけるように囁かれ、あたしは羞恥でその場から消えてしまいたくなった。  
 
「これだけでこんなになったら、盗賊たちになにされるか分からんな」  
「やだぁ・・・」  
 
 弱々しい声が、あたしの口から零れ落ちる。  
 
「ごめんてばぁ・・・。もう許して・・・」  
「そう言って、盗賊が放してくれると思うのか?」  
 
 ガウリイの舌が、首筋を舐め上げる。  
 喉元まで出かかった悲鳴を、あたしはどうにか押し殺した。  
 その間も、ガウリイの右手は休むことなく、あたしの胸の先端を弄んでいる。  
 摘まんだり、引っ張ったり、擦ったり、その刺激は強すぎて、声を出さないように堪えているだけで、あたしはもう泣きそうだった。  
 
「なんで声を出さないんだ?」  
 
 あたしの顔を覗き込んだガウリイが、面白そうに尋ねる。  
 だってそんなの、出せる訳ないじゃない!!  
 宿屋の壁は薄すぎて、ちょっと大きな声を出せば、間違いなく宿中に聞こえるだろう。  
 そのことはガウリイだって分かっているはずなのに、それでもあえて聞いているのだ、この男は。  
 負けるもんかと気丈に睨み付けてやれば、ガウリイは、ふっと零れそうな笑みを浮かべる。  
 
「そんな目をしたらダメだろ。もっと苛めたくなる」  
 
 そう言うや否や、乱暴に唇を重ねた。  
 唖然としているあたしの唇を割り、ガウリイの舌が侵入してくる。  
 喉の奥まで届きそうな深い口付けに、苦しくて大きく口を開いたその時、胸の先端が強く摘ままれる。  
 
「ひやぁっ・・・!!」  
 
 離れた口の隙間から、あられもない悲鳴が飛び出た。  
 
「どうしたんだ? 我慢してたんじゃないのか?」  
 
 言いながら、更に胸への愛撫を執拗に繰り返す。  
 
「んっ、んん、ぁん・・・」  
 
 一度声を出してしまえば、もう耐えるのは難しくなる。  
 それでもどうにか堪えていると、今度はガウリイの口が胸の先端を口に含んだ。  
 
「ふぁ・・・!!」  
 
 吸われて、甘噛をされ、舌で転がされる。  
 背筋をゾクゾクしたものが駆け上がった。  
 
「やっ、やだぁ、ガウリイ・・・」  
 
 あたしの懇願も聞いていないフリをして、尚もしつこく胸に舌を這わせる。  
 吐く息が熱い。  
 いつのまにか、押さえつけられていた両手が自由になっていたが、すでに抵抗するだけの気力をなくしたあたしは、シーツを掴んで耐えるだけで精一杯だった。  
 
「ひあっ!!!」  
 
 その時、いつの間にか下へと降りていたガウリイの手が、あたしのズボンを下着ごとずり下ろした。  
 隠すものがなくなった場所に、ガウリイの指が這う。  
 
 そこは、確かに湿り気を帯びていた。  
 
「もう濡れてるぞ」  
 
 割れ目をなぞると、くちゃくちゃといやらしい音が耳に付く。  
 
「うあ、あぁ・・・」  
「無理やりされても感じるなんて、いやらしい体だ」  
 
 おかしそうなガウリイの声。  
 その台詞を否定するように、あたしは弱々しく首を横に振った。  
 でもそこは、ガウリイの指が動く度にますます蜜を吐き出して、ガウリイの言葉を肯定してしまう。  
 
「ん、あっ、うぅん」  
「気持ちいいんだろ? しっかりと指を咥え込んで、ここもぷっくりと膨れて」  
 
 いきなり指を二本差し込まれ、圧迫感にあたしは背の反らす。  
 親指で膨れた肉芽を弄ばれ、強すぎる快感に、喉を震わせてあたしは喘ぐ。  
 いつしか水音は、ぐちゃぐちゃととんでもないほどの音を立てるようになっていた。  
 溢れた蜜が、おしりを伝ってシーツに染みを作る。  
 
「淫乱だな。どんどん溢れてくるぞ。ここもこんなに悦んで」  
「あぁぁん!!」  
 
 言葉で嬲られながら、あたしは達した。  
 息を荒くし、ぐったりとしているあたしの足を、ガウリイが持ち上げ大きく開く。  
 
「オレも満足させてくれよ、リナ」  
 
 十分に潤ったそこに、熱く滾ったガウリイのものが押し当てられた。  
 くちゃくちゃと蜜を絡ませるためにガウリイが動けば、達したばかりだと言うのに、あたしのそこは物欲しそうに口を開ける。  
 
「ふぁ、がうりい・・・」  
 
 あたしの瞳になにを見たのか、ガウリイは楽しそうに笑うと、一気にあたしの中を貫く。  
 
「ひゃぁぁぁ!!!」  
 
 いきなりの衝撃に、あたしはあられもない悲鳴を上げる。  
 ガウリイは構わず、あたしの中を激しく突き上げ出した。  
 
「あっ、だめ、がうり、あん、あっ」  
「なにが、ダメなんだ? こんなに締め付けて、くっ・・・」  
「ふぁ、あぁぁぁん!!!」  
 
 ますます激しくなるガウリイの動きから生み出される快感を、あたしは髪を振り乱して貪る。  
 
「いっちゃう!! いっちゃうよ、がうりい!!」  
「いいさ、いけよ、リナ!!」  
 
 迫上がる快感に、あたしは体を震わせ絶頂を迎える。  
 ひくつき、収縮するあたしの中で、ガウリイが最奥へと自身のそれをぐいっと押し込んだ。  
 
「出すぞ、リナ・・・!!」  
「あぁぁぁぁぁ!!!」  
 
 その瞬間、熱いものがあたしの中へと叩きつけられ、呆気なく、あたしは気を失った。  
 
 
 
「うっ・・・ん・・・」  
 
 気が付くと、あたしはまだ裸でベットの上に横たわっていた。  
 ・・・・・・って、  
 
「なによこれ!?」  
 
 両手首をベットに固定されていることに気付き、あたしは思わず声を張り上げる。  
 
「おっ、気付いたか、リナ?」  
「気付いたか、じゃないわよ!! なに縛ってんのよ!! 解きなさいよ、これ!!」  
 
 喚くあたしに、ガウリイはにやりと笑う。  
 なにか・・・激しく嫌な予感が・・・。  
 
「だーめ。だって、あんなに気持ちよくなってちゃ、おしおきにならんだろ?」  
「・・・・・・はい?」  
「リナが、もう盗賊いじめをする気も起きないくらい、しっかり体に叩き込んでやらないとな」  
「ちょ・・・!!」  
 
 抗議の台詞は、ガウリイの唇によってあっさりと遮られた。  
 その後のことは・・・ごめん。ちょっと言えないや。  
 
 
おわり  
 

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