「ゼルガディスさん『すき』って10回言って下さい」
「唐突に何を言っているんだアメリア?」
アメリアの唐突に何の脈絡もない発言にゼルガディスは怪訝な顔をした。
「何でもいいですから10回『すき』って言って下さい」
アメリアの迫力にゼルガディスは頷くしかなかった。
「すきすきすきすきすきすきすきすきすきすき…言ったぞ…」
多少ウンザリした顔をしながら言い終える。
「ゼルガディスさん私の事どう思います?」
「仲間だ」
彼女の言葉に即座に答える。その瞬間、アメリアはガクッと項垂れてしまう。
「……っ」
拳を握りしめて、顔を俯かせたままアメリアは小刻みに震えていたが。
『そこは好きって言う所ですー!』
そう心の中で叫ぶと夕日に向かって全速力で走り去って行ったのだった。