「うっ、くぅん……」  
 
歯を食いしばり、リナは今にも零れ落ちそうになる嬌声を、寸でのところで押し止めた。  
両手両足は拘束されているが、すでに抗うだけの力などない。  
ただ、快感に流されないよう、身を固くするだけで精一杯だった。  
 
「おやおやリナさん、どうしたんですか。そんな切なそうな顔をして」  
 
闇の中、楽しげな男の声が反響する。  
リナは唇を噛み締め、声のした方をキッと睨み付けた。  
くすくすと、笑い声が大きくなる。  
 
「我慢することなんかないんですよ。気持ちいいんでしょ?」  
 
リナの秘所で、蠢いていた触手の動きが激しくなる。  
中をほじくり返し、溢れる蜜をぷっくりと膨れた肉芽に擦りつければ、リナは目を大きく見開き、背を仰け反らせた。  
 
「……!! ……!!」  
 
喉が引き攣り、声すら出ない。  
絶頂に押し上げられながらも、リナは必死に抵抗をしてみせた。  
 
「ああ、いいですね。その負の感情。実に素晴らしいです」  
 
うっとりとした顔で、リナの目の前に、男が姿を見せた。  
リナの頬を掠めるように指で撫で、小さく舌なめずりをする。  
 
「ゼロ、ス……」  
 
涙で滲む瞳で、リナはゼロスを睨み付けた。  
その怒りの感情にすら、ゼロスは嬉しそうに微笑む。  
 
「いってしまいなさい、リナさん。ああ、もしかして、ガウリイさんに悪いと思っているんですか?」  
 
ゼロスが、ちらりと後ろに視線を送った。  
そこ――ちょうどリナを正面から見られる位置に、同じように両手両足を拘束された、ガウリイの姿がある。  
 
「大丈夫ですよ。ほら、ガウリイさんは、あなたの痴態を見て、こんなに興奮しているじゃないですか」  
 
ガウリイの中心にある肉棒は、すっかり大きく膨れ上がっていた。  
ゼロスの操る触手にそこを撫でられ、ガウリイは喉の奥で声を噛み殺す。  
 
「さあ、良い声で鳴いて下さいよ。そして僕に、お二人の負の感情を、もっと食べさせてください」  
 
妖しい声で囁いて、ゼロスはいつもみたいに、笑った。  
 
 

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