達したあとの脱力感でぐったりと荒い息を繰り返すリナの後ろへとゼロスは回り込んだ。
後ろから手を伸ばして小さな胸をやわやわと揉みしだく。
リナの身体を濡らすピンク色の液体がゼロスの手にもまとわりつき、その媚薬をリナの胸に
塗りこむように、にちゃ、くちゃ、きゅむ、といやらしい音が響く。
「…んっ…は…ぁっ…ああっっ!」
もう全身を性感帯にされたようなもので、どこを触れられても
頭の奥が痺れてその激しさに身も心も侵食されていく。
もはやリナの思考力は無いも同然だった。
ゼロスはリナの背中にゆっくりと舌を這わせ、その白い綺麗なうなじにキスを落とし、
耳朶をしゃぶってから耳の中へ舌を入れ、ぴちゃぴちゃと舐めまわす。
「…んんっ…あ…ぁ…っや…っ!」
その水音から逃れるように身をよじる。
その様子に軽く笑ってからゼロスは蜜壷へ手を伸ばして指を差し入れ、
ぐっしょりと濡れきった其処を激しくかき回した。
「あああああっっっ…!!」
――もう何も考えられない。指なんかいらない。
早く入れて、ソレを―。ゼロスのソレを。
頬を真っ赤に染めて瞳からは涙が零れて、声にならない悲鳴を上げるリナを
ゼロスは黒い笑みで眺める。
リナの欲しがってるものなんてとっくにわかっていた。
だからこそ焦らして焦らして焦らし尽くす。
その方があとのご馳走はもっと美味しくなるのだから―。
蜜壷に指を入れたまま、そのすぐ傍の菊座をねっとりと舐め上げる。
あふれた蜜をそこにすり込みながら、つぷりと舌を入れる。
「……っ!!」
ゼロスが何をしているのかわかって、リナは身を震わせた。
舌を入れてその中を舐めまわし、ほぐれたのを確認してから口を離して
蜜壷から抜いた指をそこへ差し込んだ。
ぐちゅ、くちゅと蜜と媚薬が混ざったものが音を立て、なかの敏感な粘膜へと擦り込まれていく。
抜き差しを繰り返してから指を二本に増やして、もっと強く奥まで擦り付ける。
「…ぁあっ…っは…ぁ…っっ!」
媚薬の効果なのか、その刺激はすぐに快感となってリナの身体を駆け巡った。
「おや、リナさんは此処も感じるんですねぇ。」
わざとらしく嬲るように囁いた。
「そんなに此処がお好きなら、先に此処を僕のモノで埋めましょうか。」
その言葉にリナは驚愕した。
ゼロスはそう言うやいなや指を引き抜いて、
いつの間にか取り出していた猛りをその菊座へとあてがう。
「…ぃやっ…やめてっ、ゼロス…!」
身をよじって拒否するが、聞き入れられるわけが無い。
ゆっくりとその場所へゼロスの猛りがめり込んでいく。
「ぁぁあ…っ!!」
全部入って、そこから一筋の血がリナの太ももへと伝っていった。
慣らし始めたばかりの其処に入れるには時が早すぎた。その猛りは快感よりも遥かに強い痛みをリナに与える。
「ぃやぁっ!…ぬいて…ぇっ!」
「大丈夫。すぐによくなりますよ、リナさん。」
いたって呑気な口調でそう言い、猛りを一度引き抜き、また強く押し込んだ。
「…んぁぁ…っっ!」
何度も早く腰を打ちつけて、リナの後ろを責めたてる。
パンパン、というお互いの肌が当る音と、ぐちゅくちゅ、というくぐもった音が繋がった箇所から響いて
部屋の中を支配していく。
「…は…ぁっ…んっっ……やぁ…っ!」
リナの口からは苦しそうな悲鳴が上がるばかりだった。
ゼロスはリナの小さな胸に手を伸ばし、強く揉んでから頂きをきゅっと摘んだ。
そのまま指の腹でこりこりと擦り上げる。
「…っっん…っっああ!!」
強く甘い快感がリナの身体で走る。
それに反応したのか、後ろから伝わってくる感覚も次第に痛みが引いていく。
「…っぁ…はぁ…っ…ん…っ!」
ゼロスは狭く己を締め付ける粘膜を味わうように腰を回した。
一番奥まで差しこんでから猛りをぐりぐりと押し付ける。
「っああ…っっ!」
リナの瞳から再び涙が零れた。
後ろを犯されている屈辱とそれに反応して甘い声を漏らす自分の身体と、どこにもリナの逃げ場は無かった。
「ほらリナさん、気持ちよくなったでしょう?」
ねちねちとからかうように耳元でゼロスが囁く。
「…ちが…っ、…ぜろ、すが…っ、…ぁぁっ!!」
強く貫かれて悲鳴を上げる。
ゼロスは腰の動きはそのままに、蜜壷の傍の熟れた真珠を指で撫で上げた。
「…きゃ…ぁっっ!」
リナの身体に電気が走った。
ただでさえそこは弱いのに媚薬の効果もあいまって、とんでもない刺激となる。
くりくりと指で真珠を弄んで、きゅっと摘み上げる。
「っっあああ!!…やっ…、だめ…ぇっっ!!」
ゼロスは腰の動きを早めて一番奥で白い精を吐き出した。
「…ぁあ、あああああああああっっ……!!」
全身を震わせてついにリナは達した。
「はぁ…っ、…はぁっ…」
ぐったりと力が抜けたリナの菊座から、ずるりと猛りを引き抜く。
それはたった今大量に吐き出したにも関わらず、未だに隆々と固く反り返っていた。
突然、リナの四肢を拘束していた触手がするするとリナの身体から離れて行った。
そのまま虚空へと消え去る。
身体を支えていたものがなくなって、リナの身体は床へと崩れ落ちた。
床はいろんなものでぬめぬめして気持ち悪かったが、もはや身体を起こす気力も無かった。
そんなリナの傍にゼロスは跪いて、その口元へ己の猛りを近づけた。
リナの頭を掴んで上向かせ、それを舐めるように無言で示す。
最後の気力で顔を背けるが、猛りがずぼっと口の中へ押し込まれた。
「…っっ…ぅ……っ!」
「歯を立てないで下さいね、リナさん」
何かを諦めたようにリナの舌が動いた。
ちろりと先を舐めてから、ゆっくりと竿に舌を這わせる。
ペロペロとアイスキャンディーを舐めるようなリナの動きにゼロスは笑みを浮かべた。
リナのこういうところが可愛くて、もっと苛めたくなる。
ぐっ、とリナの唇を割って猛りを深く押し込む。
そのまま頭を前後させて、温かくて柔らかい口腔を味わう。
「…んん…っ……ふ…ぐっ!」
喉の奥まで突かれて嗚咽がこみ上げた。
がくがくと頭を揺さぶられて、涙が零れる。
やがてゼロスの猛りが一層膨らんだかと思ったとたん、熱い精がリナの喉へ吐き出された。
「…っ…あっ…が…っ」
そのえぐい味は到底飲み込むことができず、むせ返って床へと口の中のものを落とす。
それでも喉にへばりついたものは取れなくて、ごまかすように何度も深く息を吸って吐いた。
「あぁリナさん、駄目ですよ零しては。ほら。」
床に落ちた精を自分の指で掬って、リナの口元へ差し出した。
リナはぶんぶんと首を振るが、やっぱり無理やり指は押し込まれて、仕方なしに舐め取る。
ゼロスは全部舐めさせてから指を抜き、リナの身体を抱き上げて寝台へ寝かせる。
不思議そうな顔で自分を見やるリナの紅い瞳に己を映して、ゼロスはゆっくり囁いた。
「リナさん、僕にどうして欲しいのか、言ってごらんなさい。」
リナはその言葉にびくんと身を震わせた。
そんなのずっと前から決まっている。
――はやくあそこへゼロスのモノを入れて欲しい。
さっきは後ろの穴へ入れられて、それでも達しはしたが、ますます身体の熱は昂ぶるばかりであった。
蜜壷はひくひくと震えて蜜を零し、まだかまだかと待ち望んでいるのだ。
「可愛くおねだりできたら、リナさんの望む通りにしてあげますよ。」
それはとても甘美な誘いだった。
でも、まだどこかに残っていたリナの矜持が魔族に頭を下げることを拒む。
だが媚薬と今までの行為で身体はとっくにリナの理性を食い荒らしていて、
もはやギリギリの均衡でリナの心は揺れていた。
そんなリナの気持ちを見透かしているのか、ゼロスはリナの蜜壷へ唇を寄せた。
ふうと息を吐きかけて、花びらをそうっと舌でなぞる。
「ぁあ……っっ!」
「ほら、こんなに蜜が零れて、リナさんも相当苦しいのでしょう?」
そう言って蜜を指ですくって、それを胸の頂きに塗りつける。
「…っああ、…んっ…やっ…!」
両の胸の頂きを指でつまんで、優しく弄ぶ。
「素直になったらいかがです。辛いのはリナさんなのですよ。」
その言葉に、ぷつり、とリナの最後の理性の糸は切れた。
「……いれ、て…」
「どこへ何をですか?」
意地悪くゼロスは問い返す。
「…あたし、の…に…ゼロスのを入れて……っ」
耳まで真っ赤に染め上がって、息もたえだえに言葉を搾り出した。
ゼロスはにっこりといつもの笑みを浮かべた。
「いいですよ。ただし条件があります。ご自分で、僕によく見えるように入れてごらんなさい。」
そう言ってゼロスは自らが寝台に横になり、リナの手を引っ張って起こし、
その猛りきったものへ触らせる。
「……あ…」
それはどくどくと脈打って、先走りの汁を垂らしていた。
リナは吸い寄せられるようにゼロスの腰へ跨り、片手で猛りを支えながらゆっくりと腰を下ろした。
「…っは……ぁあっ!」
ゼロスの視線が痛いほどそこに注がれているのを感じながら、全てを飲み込んだ。
待ち望んだ熱いものが自分のなかを満たして、大きく息を吐く。
そしてほぼ無意識に腰を揺らし始めた。
両手を寝台につけて身体を支え、ゆっくりと腰を上げてはまた下ろす。
「ぁっ…、はっ…んんっ…ふぁ…っ」
ただ欲望のままに動くリナをゼロスは蕩けるような表情で眺めた。
リナの細い腰を掴んで、下から強く突き上げる。
「…っっああ…!」
突くたびにリナの身体は跳ね上がり、口からは甘い嬌声が漏れた。
揺さぶって、かき回して、貫いて、何度も与えられるその熱は
リナの身も心も歓喜させる。
「…っぁぁ、…っは…ぁ…、もうっ…!」
ぶるりとリナの身体が震えた。
ゼロスは強く下から何度も腰を打ち付ける。
「あああああああっっ……!!」
背を弓なりに反らして、リナは快感の高みへと昇った。
熱くしびれる何かが全身を駆け巡る。
リナはそのままゼロスの上に崩れ落ちた。
お互いの肌は重なり、動悸が二人を包む。
「まだ僕がイってませんよ、リナさん。」
そう言い放ってゼロスはリナの桃のような尻を掴み、がくがくと揺さぶった。
「…っぁぁ…っ!」
途端にリナは悲鳴を上げる。
まだ抜かれてなかった猛りがリナのなかで暴れ回る。
「は…ぁ、っっ…んんっ!」
同時に下から強く突き上げて、リナの身体がまだ跳ね上がった。
「…ぜろ、す…っ、まっ…て、っぁぁ……!」
リナの制止は無情に却下されて、ゼロスは己の好きなようにリナを弄ぶ。
休むことも出来ず、与えられる感覚に甘い喘ぎを漏らすことだけリナの出来ることだった。
突然、ゼロスが身体を起こした。
猛りを引き抜いてリナの身体を押し倒して反転させ、四つんばいにさせてから
再び後ろから一気にリナの蜜壷を貫く。
「ああっっっ…!!」
そのまま激しく腰を打ち付けて、熱いなかをどこまでも貪っていく。
「…あっ…んっっ……は…っぁ」
リナはもう何も考えられなかった。
自分の身体が熱いのか、ゼロスのものが熱いのか、ただ迫り来る快感だけが頭の中で鮮明で
ぐちゅぐちゅと音を立ててゼロスのものを貪欲に銜える其処が自分の全てだった。
ゼロスは何度もリナを貫いてから、一番奥で大量の熱い精を放った。
「……っっぁぁ!」
その熱さにリナは身を震わせた。
ゼロスは一滴も残さずに精を吐き出してからゆっくりと猛りを引き抜いた。
リナの身体を仰向けにして、その唇へ己のそれを重ねる。
リナは呆然と虚ろな目でゼロスの唇の温もりを感じていた。
何度も重ねては離し、やがて舌を差し入れてリナの口腔を貪る。
どこか怯える風なリナの舌を絡め取って吸い取った。
次第にリナもゼロスの動きに合わせていき、お互いの唾液を交換し合う。
ひとしきり味わってから、ゼロスは唇を離した。
リナの潤んだ紅い瞳を優しく見ながら、静かに口を開く。
「リナさん、僕は、こんなに何かに執着するのは始めてのことだったんです」
どこか寂しげな瞳のゼロスを、リナは呆然と見上げた。
「あなたたち人間は、僕ら魔族に比べればあまりにも弱くて小さい。
ただ僕らの食料としてしか価値は無いと、ずっとそう思ってました。
でもリナさんと会って、僕の価値観は初めて揺らいだ…。
だから確認したかった。リナさんはただの食料なのか、それとも…」
そこでゼロスは言葉を切った。それきり黙りこんでしまう。
リナはゼロスの言葉を信じられない気持ちで聞いていた。
この魔族が何を言いたいのか、勘の良いリナは察してしまった。
「ふざけないで…っ!」
急に怒りがこみ上げて来て、ゼロスの頬をその手の平で打った。
ゼロスは避けることもせずにただ目を見開いた。
「リナさん…」
「あんたが何を考えてようがあたしには知ったことじゃないわ…っ!
でも、ここまでされて、それでいきなりそんなこと言われて、
はいそうですかって納得できるとでも思ってんのっ!?」
頬を紅く染めて自分を睨むリナを、ゼロスは綺麗だと思った。
なんなんだろう。この感情は。リナに会ったときからずっと己の内で騒ぐこの気持ちは。
ただこの娘を欲しいだけなのか、それとも―。
「…僕を、殺して欲しいと言ったら、リナさんは聞いてくれますか?」
リナは目を見開いて固まった。
ゼロスの言葉が頭のなかで鳴り響いて、動悸がどくどくとやけに大きく聞こえる。
冷たい汗が一筋頬を伝っていった。
「…あんた、それ、本気で言ってんの?」
リナの声は掠れていた。
「さあどうでしょう。…でも、今リナさんに殺されたら、とてもすっきりするだろうなと思ったんです。」
言葉にならない何かがリナの中で膨れて、気づけばもう一回ゼロスの頬を打っていた。
が、その手は寸前でゼロスに止められ、ゼロスはゆっくりとその手に口付けを落とす。
「綺麗な手ですね…。どうです、獣神官ゼロスを滅したものとして名を上げたくはありませんか?」
「そんなことしなくても、とっくにあたしは有名よ…っっ!!」
リナは手を引き抜いた。
「あんた、馬鹿なんじゃないのっ…!あたしなんかに殺されなくたって
あんたみたいなやつはいつか寝首かかれてポックリ行くのが世の中のセオリーなのよ、
そう決まってるんだからっ…!」
リナは顔を真っ赤にして一気にまくし立てた。
ゼロスはそんなリナを見ながら、何か温かいものが身の内を流れるのを感じていた。
魔族として、あってはならないその感情(こころ)を、
鬱陶しく思いながらも、それでも捨てることはできなかった。
そんな自分をその大きな瞳で真っ直ぐ見つめるこの少女を、この上なく愛おしいと思う。
ゼロスはリナの紅い髪を一房とって、それに優しく口付ける。
その怒りで上気した頬を、瞳を、額を、そして唇にいくつも接吻を落とした。
「…ぜろ、す…っ」
「リナさんは、僕とこうするのはお嫌いですか?」
「…はぁ…っ!?」
リナは素っ頓狂な声を上げた。
さっきまで自分を無理やり犯していた男から出る台詞とは思えない。
なんと答えればいいのか迷って、顔を背けて呟いた。
「嫌いに、決まってるでしょ…っ」
しかしその顔は耳まで真っ赤に染まっていて、ゼロスはくすりと笑って
その唇に食らいつく。舌を絡めて貪ってから、首筋、鎖骨へと舌を這わしていく。
「…は…っ、…あんた…っ、ひとの話、聞いてんの…っ!?」
「ええ、聞いてましたよ。でもあまりに美味しそうなのでつい。」
「…や…っ、…ばか…ぁっ!」
リナは与えられる刺激に身を捩った。
何もかもお見通しのゼロスには敵わない。
そんな風に思いながら、この魔族である男の不器用な感情(こころ)を
全身で受け止め続けるのだった――。
<終わり>