「あぁ…っ…は…ぁっ…」
ある宿の一室で、リナは寝台の上に四つん這いになり、
後ろから男の欲望を受け入れていた。
その男の名はゼロス。見た目は人間とどこも変わらないが、れっきとした高位魔族の一人である。
「ああ、相変わらずリナさんの此処は狭くて、とても具合が良いですねぇ」
いつものようにのんきな口調でそう言う間も、
両手はリナの腰をがっちりと掴み、かなり早い動きで抽送を繰り返す。
「ああっ…っ」
時折、リナの小ぶりな胸を揉みしだきながら
白い背中に舌を這わせて、所有の証に赤い跡をつけていく。
「…ん…っ…やぁっ」
内壁がゼロスの欲望を絞り取るように蠢き、
リナの絶頂が近いのを察して、胸の頂きを指で摘みながら
何度も貫いて、そのまま一番奥で精を放った。
「っあ、ぁああああああ…っっ!!」
リナはびくんと身体を震わせながら
駆け巡る快感の激しさに声を上げる。
一滴も残らず注いでから、ゼロスは猛りを引き抜いた。
しかしさすがは魔族というべきなのか、それは未だに固く反り返っていて
次の獲物を狙い定めるように脈動していた。
まだ荒い息を繰り返してぐったりするリナの腰に再び手を添えて、
その菊座に指を一本ゆっくりと埋めていく。
「たしかリナさんは、こちらもお好きでしたよねぇ」
「…ちが…っ、…ぁぁっ!」
さっきの余韻も冷め止まぬなかで、敏感な腸壁を擦られてリナは息を詰める。
リナの秘所から零れる愛液と己の精が混ざったものを指に塗りつけて
また菊座へと入れ、くちゅくちゅと抜き差しを繰り返し、
徐々に慣れて来たころ指を二本に増やして、穴を広げるように
動かしていった。
「ああっ…や…ぁっっ」
強い快感が背中を駆け上がって、リナはとっさに敷き布を握りしめた。
ゼロスは菊座が程良くほぐれたのを確認してから指を抜き、
猛りをあてがって再び一気に奥まで貫く。
「んぁあっ…!」
いきなり押し込まれた太いモノにリナは涙を零して嬌声を上げた。
熱く絡み付いてくる腸壁にうっとりしながらゼロスは何度も腰を打ちつけて
貪欲なまでにリナを犯して行く。
「あっ…あぁっ…んっ」
今まで幾度も慣らされてきたせいか、痛みはすぐに快感へと変わり
奥の奥まで貫かれてリナは身を捩らせる。
「ふぁっ…あっ…は…ぅっ」
また高い快感の波が押し寄せてきて身体を震わせたとき、
急にゼロスが動きを止めた。
「…ぁっ…な、んで…?」
いきなりのことに驚いて後ろを振り向くと、ゼロスがにっこりと笑っていた。
「今夜はちょっと趣向を変えて、面白いものをリナさんにお見せしましょうか。」
その言葉に首を傾げていると、後ろから上半身を抱き上げられた。
膝立ちのゼロスの身体にリナの背中がぴったりとくっつき、
自然と結合が深まって吐息をもらす。
「…んっ…ぁ…」
そして、突然目の前に現れたモノに、リナは大きく目を見開いた。
それは正しくはモノではなくてヒトであった。
しかも現在リナを後ろから貫いているゼロスと全く同じ姿形で。
魔族であるゼロスは、精神世界にある本体が心臓とも言うべき重要な部分であり、
現実世界に具現化させているのは彼の一部である。
理論上は二体同時具現化も可能なのだろうが、実際にそれを目の当たりにしたリナは
その白い頬に一筋の汗が伝い、言葉もなく固まっていた。
「ああ、そんなに驚かないで下さい、リナさん。どちらも僕ですから。」
そんなリナに軽く言葉をかけてから、その細い身体を持ち上げた。
「え…っ!?」
同時にもう一人の彼が寝台に寝そべり、その股間にそそり立つ猛りの上へと
リナの腰を導く。
「えっ、ちょ…っ、まって…っっ!」
秘所へとあてがわれたもう一本の猛りにリナは激しく動揺した。
既に後ろの菊門を犯されている状態で、前の泉も犯されたらどうなってしまうのか…
現実離れしたこの状況に頭がついていかない。
そんなリナには構わず、寝そべった方のゼロスがリナの腰を掴み、
その濡れた泉へゆっくりと猛りを沈めていく。
「ぁぁ…っ!!」
リナは声にならない悲鳴を上げた。
すでに後ろに入ったモノによって膣内はかなり狭くなっていて、
その狭さを無理矢理押し分けて太いモノがねじ込まれて、息もできないくらいの
圧迫感に身体を震わせる。
やっと全部入って、目尻に涙を浮かべながらくたりと前のゼロスに凭れ掛かったとき、
後ろのモノが引き抜かれたと思ったらまた貫かれて、
「あっ…やめ…っ…あぁんっ!」
なかの薄い膜を通して二本の猛りがごりごり擦りあって
その強すぎる感覚に気がおかしくなりそうになる。
「ふぁっ…あっ…んぁっ!」
更に寝そべってるゼロスが下から強く突き上げて、
その小柄な身体が跳ね上がった。
突かれながら腰を揺さぶられて、その間も後ろは抽送を繰り返して、
身体がバラバラに壊れてしまうかと思った。
「ぃやっ…ああっ…ぁっ!」
敏感な腸壁も、先ほどの行為で熟れきっていた内壁も、余すことなく猛りが
擦りあげていって、快感というよりも言葉にならないその衝撃は
リナに二度目の絶頂を呼び寄せる。
「あっ、ぁあああああああっっっ……!!」
その喉から甘い叫びを迸らせて、リナは達した。
同時に前後のゼロスが震えるリナのなかへ大量の精をぶちまける。
後ろからも前からも熱いモノを注がれて、
その熱さに息を呑みながら、
身も心もゼロスに侵されて行く気がした。
やっと痙攣が終わって、リナはぐったりと力つきる。
秘所も菊座も注がれた精液とあふれた蜜でぐちゃぐちゃで
どこもかしこも溶けてしまったかと思った。
ゼロスはそんな彼女を愛おしそうに見ながら、後ろの猛りをゆっくりと引き抜いた。
「んぁっ…っ」
とろとろになったリナのなかを味わうように抽送を繰り返し、
更に下のゼロスが腰の突き上げを再開する。
「ああっ…やめ…っ…もう…っ」
達したばかりの身体を容赦なく突き上げられて、
またあの波が押し寄せてくる。
「ぃやっ……まって…っ…あっ!」
いろんな液体で抽送が楽になったせいか
さっきよりも早く身体のなかを行き来する猛りに身体中が痺れて、
リナはまたすぐ達してしまう。
「ぁああああっ…っ!!」
それでもゼロスの動きは止まらず、与えられ続ける刺激に
リナはいわゆるイきっぱなしの状態になり
びくびくと全身を震わせて、
「ふぁ…っあ……やぁぁっっ」
頭の中に火花が飛んだ瞬間、ガクンとその身体が崩れ落ちた。
リナが気を失ったのを見て、ゼロスはようやく動きを止めた。
猛りを抜いてからリナの身体を抱き上げ、
片手を振って、二人目の自分をあっさりと消し去る。
また二人だけの空間に戻って、
眉根を寄せて気を失っている少女を
その腕で包み込んだ。
少しやり過ぎただろうかと思いながら、もっともっと苛めたいと思う自分も居て、
この飽くなき欲望がどこから湧いてくるのか自分でも不思議だった。
その紅い髪を撫でながら
やわらかな頬や額へキスを降らせていたら、
少女の瞼が微かに動いた。
次はどんなことを彼女にしようか――と黒い欲望を膨らませながら、
より一層その身体を優しく抱き締めるのだった。
<終わり>