「……んぅっ……ふ……っ」  
 
少女の苦しそうな声と共に、卑猥な水音があたりに響く。  
ずちゅ、ぬちゅ、と、その小さな口を出たり入ったりするモノは  
少女の唾液と先端から漏れ出ている汁によって、ぬらぬらといやらしい光りを放っていた。  
そこはとある宿の一室で、さして大きくもない普通の部屋だった。  
窓辺に寄せられるようにして備え付けられた寝台の上に仰向けになった男は、ふと上半身を起こして  
いじらしいほど懸命に己の一物を銜え込んでいる少女の紅い髪を、そっと撫でた。  
 
「どうです、リナさん、僕のオチ○ポはそんなに美味しいですか?」  
 
とても嬉しそうに、とても意地悪げに囁かれた問いに、男の股ぐらに顔を埋めていた少女は強く眉をひそめた。  
男根から口を離して、口元を手の甲で拭ってから、不機嫌そうに男を見上げる。  
 
「……あんたが舐めろって言ったから舐めてんのよ。  
こんなの、美味しいわけないじゃない。冗談は一昨日言ってちょうだい」  
 
いつになく機嫌が悪い少女の様子に、男は全く怯むことなく、にっこりと笑った。  
 
「ああ、そうでしたっけねぇ、何せ僕も年ですから、すっかり忘れてましたよ、  
そんな数十分前の事は。でも、リナさんも、まんざらじゃないでしょう?」  
 
白々しいにも程がある口調でのたまわった男は、  
少女の桃のような尻を両手でいきなり掴んだと思ったら、ぐいと己のほうへ引き寄せた。  
 
「ちょっ、何すんのよ……っ!?」  
 
男の顔に対して尻を突き出すような格好にさせられた少女は、慌てて声を上げるが、  
すぐに生温かいモノがぬるりと己の秘部へとあてられて、咄嗟に身を強張らせる。  
 
「あっ……んぁっ……や……っ」  
 
男は、少女の綺麗な桃色のひだを何度も舌でなぞって、  
蜜を舐めとって、そしてずちゅっと強引に指を一本突き入れた。  
 
「ほら、こんなに濡れてるじゃないですか。  
僕のモノを舐めるだけでこうなるなんて、リナさんもずいぶんといやらしくなりましたねぇ」  
 
「ちがっ……ああぁ……っ!」  
 
否定の声を掻き消すように、ぐちゅ、くちゅ、と音を立てて少女の秘所がかき回される。  
指はすぐに二本に増えて、中でかぎ型に折り曲げられて、容赦なくある一点を責める。  
 
「っぁ……やめっ……んぁ……っっ」  
 
甘い声がひっきりなしに部屋に響いて、男はますます笑みを深めながら、  
花弁の奥の小さな突起を、そっと指の腹でなぞる。  
びくんと少女の身体が一際強く震えて、内壁が男の指をぎゅうと締め付けて  
 
指にかき出されるようにして零れ出た愛液を、男は美味しそうに舌で舐め取った。  
 
「あぁっ……やっ……もう……っっ!」  
 
頭の中に火花が散って、男の容赦ない責めによって少女が達しそうになったとき、突然指が引き抜かれた。  
驚く間もなく、男が少女の下から這い出るようにして身体を起こしたと思ったら  
細い腰をぐっと掴んで、いきなり後ろからその男根を突き立てた。  
 
「ああぁ……っ!!」  
 
太くて硬いモノが突然押し込まれて、少女は高い声を上げる。  
そのまま揺さぶるようにして、何度も強く貫かれて、また頭の中が真っ白になって、  
咄嗟に敷布を強く握り締める。  
 
「あっ……っやぁ……あっ!」  
 
「どうです、リナさん、下のお口で銜え込んだ方が、もっと美味しいんじゃないですか?」  
 
なんともわざとらしく、男は少女の耳元へと唇を寄せながら囁いた。  
少女はその吐息から逃れるように首をぶんぶんと振って、目尻に涙を浮かべながら  
たたき付けられるようにして己のナカを蹂躙する肉の塊に、ただ喘ぐしかない。  
 
「……んぁっ……あっ……ふぁ……ぁっ!」  
 
そんな少女の姿を、男は、残酷なほどに冷たい瞳で眺めて、  
ちろり、と赤い舌をのぞかせて舌なめずりをする。  
ふと腰を支えていた手をずらして、少女のやや小ぶりな胸をやわやわともみし抱いて  
腰の動きを早めると、びくびくと内壁が蠢いて、胸の頂きをこりこりと指の腹で弄べば、  
 
「ぁっ……、ぁぁあああ……っ!!」  
 
その甘美な刺激に押されるようにして、ついに少女が達する。  
こぽりと繋がり合った箇所から蜜が零れて、少女の綺麗な白い太ももを伝い落ちていった。  
一度動きを止めていた男は、痙攣する秘所の締め付けを散々味わってから、ゆっくりと肉棒を引き抜く。  
そして、少女の身体をひっくり返して仰向けにさせてから、また貫いた。  
 
「あっ、まってよっ……あ、やぁぁ……っ!」  
 
達したばかりの身体に、まだ硬さを失っていないどころかますます大きく膨らんだ  
男のモノを突きたてられて少女は悲鳴のような声を上げる。  
足を大きく開かせて、回すように腰を動かしながら、何度も奥まで肉棒を突き入れて  
熱く絡みつく内壁を貪欲に味わっていく。  
 
「っぁ……ぁあっ……ふ……っぅ!」  
 
不意に男に唇を塞がれて、少女は苦しそうに男の背中に手を回したと思ったら  
せめてもの抵抗で爪を突き立てた。  
男は全く意に介した様子はなく、舌を絡めて、少女の上下の口を同時に犯しながら  
更に何度も奥まで突いてから、ついに精を吐き出した。  
 
「……んぅ……むぅっ……んんっ!!」  
 
びくん、と少女の身体が震えて、目が眩むような再びの絶頂の中で  
ナカに注がれる液体の熱さに息を呑む。  
全部吐き出してから、男はようやく唇を離して、少女の唇の周りの唾液を舐め取ってから、  
ちらり、と恍惚と怯えの入り交じる紅い瞳を射抜くように見つめた。  
 
「……な、なによ……っ」  
 
まるで狩人に追い込まれた獣のような気分になった少女は、身をすくませて、咄嗟にそう聞いてしまう。  
 
「いえ、なんでもありませんよ。  
ただ、リナさんは、僕の背中にいくつ傷を付けて下さるつもりなのかと思っただけですから」  
 
にっこりと眩しいほどの笑顔で返されて、少女は目を丸くしてから  
急に堪えきれないように視線をそらした。  
内心で舌打ちしながら、男から逃れるように身体を強引に起こしたら  
ぐいと手首を引っ張られて、あっという間に再び寝台の上へと押し倒される。  
 
とても冷たい瞳に見下ろされて、少女が思わず息を呑んだ時、ふわりと額にキスが落とされて、  
その優しい感触に驚いてる間に、また秘所へと何かがあてがわれて、まさかと思ったときには  
もう男のモノは一気に少女の中へと埋め込まれていた。  
 
「……あぁっ……っ!」  
 
思わず目を瞑って、奥にごりごりと擦り付けられるような責めに、身を捩じらせたら、  
ガッチリと腰を固定されて、先ほどとは打って変わって焦らすようにゆっくりと  
男のモノが出し入れを繰り返す。  
 
「……ぜ、ろす……っ、あんた、何回スるつもり、なのよ……っ!?」  
 
その動きに苛ついたのか、それとも本当に言葉通りの内容を男へ訴えたかったのか、  
頬を真っ赤に染めながらの少女の抗議に、男はとても優しい微笑を浮かべた。  
 
「それはもちろん、リナさんが満足するまでですよ。僕は魔族ですので、何回でもデキますし、  
今止めろと言われても止められますが、リナさんはそうはいかないでしょう?」  
 
「…………はぁ!?」  
 
少女は驚きも露わに目を見開いて、信じられないとでも言うかのように  
男の涼しい表情を見上げた。  
満足してないのは男の方なのは明らかなのに、まさか、リナが満足するまでなどという台詞を  
持ち出した事にも驚いたが、何回でもデキるという告白が、遅れてやってきた恐怖を  
少女の思考へと伝わせて、ぞっとするような冷たい汗がその頬を伝っていく。  
 
「……ちょ、あんた何言ってんのよ、冗談もいい加減にしてよ、大体、あたしがいつ  
満足してないなんて言ったのよ、あたしはもう寝るから、あんたもとっとと帰りなさいよ」  
 
恐怖もそのままに、早口で一気にまくし立てた少女を、男は静かに眺めて、そして再び強く貫いた。  
 
「……あ、ぁぁっ……っ!」  
 
最奥へと当たる感覚に、少女の白い喉が震えて、何度も繰り返される肉棒の抽送に、また甘い声を漏らす。  
 
「ほぅら、リナさんの此処はとても素直ですよねぇ。  
ぎゅうぎゅうと僕のモノを締め付けて、そんなに僕のオチ○ポは美味しいんですか?」  
 
今日何度目か分からない卑猥な質問に、少女は目を瞑ってから、ようやく何かに気づいたように口を開く。  
 
「あんた、あたしに……、何を、言わせたいのよ……っ」  
 
男はとても嬉しそうに微笑んだ。  
 
「もちろん、今、リナさんが思ったとおりの事をですよ。  
今日はリナさんがソレを言うまでは、僕は帰りませんから」  
 
さりげない口調でとんでもない事を言われて、少女は目を見開いた。  
 
「そ、そんなの、言えるわけ……あっ……ない、じゃない……っあぁっ!」  
 
喘ぎながら、必死に抵抗するが、男の責めは一向に止む気配が無い。  
 
「ああ、べつに言わなくてもいいですよ。僕は何も困りませんからね」  
 
やばい、これはやばい、この男は本気だ、本気で自分の口からその言葉を聞くまでこの状態を続けるつもりなのだ  
 
と、少女は止まりそうな思考の中で、絶対に気がつきたくなかった事に気がついてしまった。  
ぎゅう、と固く眼を瞑ってから、何度か躊躇うように口を開いて、そして意を決したように言った。  
 
とても小さい声で言われたソレを、男の耳はなんなく聞き取って  
そうしてようやくその瞳に温かいものを浮かべる。  
 
「よく言えましたねぇ、リナさん。じゃぁ、ご褒美を上げましょうか。」  
 
そうして少女の身体を抱き上げたと思ったら、寝台の上に腰を下ろした自分の上に座らせて、  
再びその身体へと熱を打ち込む。  
 
「……あぁっ……やぁっ……!」  
 
男の首にしがみついて、少女は嬌声を上げる。  
そのまま下から揺さぶられて、かき回すように腰を動かされて、その激しさにうっすらと涙を浮かべながら、  
 
「……ちょ、まってよ……っ……こ、れの……どこがっ……ごほうび、なのよ……っぉ…!」  
 
男の理不尽な行動に抗議の声を上げれば、返事の代わりに、唇を塞がれて、口腔内を舐めまわされて、  
舌を絡め取られて、ただされるがままに意識が溶けるような甘い快感に、全身を委ねるしかない。  
 
唇を解放されると同時に、また男の精が身体の奥に注がれて、びくびくと震えながらそれを受け止める。  
 
荒い息を繰り返す少女から、男はようやく肉棒を引き抜いて、そしてゆっくりと立ち上がった。  
 
男の腕から解放された少女が顔を上げたときにはもう、男はいつも通りの神官服に身を包んでいた。  
 
「じゃぁ、リナさん、僕は帰りますから。また、いつか、お会いしましょうね」  
 
あっさりと別れの言葉を告げる彼を、少女は呆然と見上げて  
そして咄嗟に何か言おうとして口を開いた時にはもう、彼の姿は虚空へと消えていた。  
 
まるで何事もなかったように部屋の中にぽつんと一人取り残されて、しばらく呆然としてから、  
ぼふん、と音を立てて少女は寝台へと倒れこんだ。  
はずみで、股の間から男が散々注いでいった液体が零れ出るのを感じながら、そのまま目を閉じる。  
 
あの男との逢瀬は、いつもこんな感じで、いつ来るのかも、もう来ないのかも、少女には何一つとして分からない。  
 
ただ、嫌がりながらも、素直に喜んでしまっている自分の身体が死ぬほど憎くてそして、少しだけ切なかった。  
 
自分の頬を伝っていく温かいものが何なのか、知りたくないと思いながらも、彼の体温を思い出すように、少女は  
 
、自分の身体へと腕を回して、強く抱き締めた。  
 
 
 
 
<終>  
 
 

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