……あつ。
あまりの暑さに目が覚めた。
窓の外はすっかり太陽が昇っていて、真夏の焼け付く光が降り注いでいる。
セミは相変わらず大音量でやかましくがなりたて、じっとりした暑さはさわやかな目覚めとは程遠い。
ぼんやりとまぶたを開け、リナは「あー」と小さく声を漏らした。
自分の裸の胸と腰に巻きつくように置かれた、筋肉質な腕。
背中では、厚い胸が静かに動いているのが分かる。
目の端に流れる金髪を見ながら、そりゃ、暑いわ、と納得する。
真夏の暑い盛り、二人そろって素っ裸でも、これだけ引っ付いたら暑いに決まっている。
そういえば、昨日はずいぶん久しぶりにセックスをしたんだった。
お預けを食らってた犬のごとく、ガウリイがなかなか放してくれなくて、結局、眠ったのは夜が明ける直前だったように思う。
んぎぎ、となんとか抜け出そうとするが、そのたびに腕がきつく絡み付いてきて、どうにも抜け出せない。
しばらく格闘していたリナだったが、やがて諦めざるを得なくなった。
こんなことで体力を消耗するくらいなら、多少暑くてもこのまま寝ておいた方がましだ。
それに――この男にこうされるのは、けして嫌いではないのだし。
ふわわ、とひとつあくびをし。
リナは目を閉じると、自分を抱きしめる腕に軽く頬ずりをした。
暑いはずなのに、ここはとても気持ちがいい。
彼女の息遣いが深い寝息に変わるまで、そう時間はかからなかった。