月が見てる。  
 あたしの心とぎこちない指先を。触れれば溢れる劣情を。  
 そんなときはお酒でも飲んで壊れてしまいたくなる───  
 クリスマスと忘年会と新年会をごっちゃにして、いつものお馴染み旅仲間だけのパーティ、10回目の乾杯の後に  
あたしは腕をひっぱってムリヤリにガウリイだけを連れて行った。  
 ヒューヒューとかリナさんやるぅとか外野の声なんぞ当然無視。  
 「ちょ、待てって、酔ってるだろお前さん」  
 ガウリイの意外に冷静な声がなおさら一層あたしの衝動を増していく。  
 酒場の喧騒が響く廊下を歩きながら、つないだ手を握り続けていたのに気づいたが、どうやら向こうにも  
手を離す気がないようだ。  
 振り返ったあたしとガウリイの目が合う。  
 無言のまま自室の扉を開けて、静かに閉めた。暗い部屋の中ただ見つめ合ったまま黙っていた。  
 ガウリイの唇がそっと近づいてくる。  
 「……キスはダメ」  
 「……わかったよ……」  
 自分のことながらあたしはダメの理由がわからないのに、ガウリイには何がわかったんだろう。  
 「あっ……」  
 身体の向きを強引に変えられ後ろから抱きしめられる。  
 「顔見てたらキスしたくなるからバックでするぞ」  
 「そんな勝手に決め……あぅっあはぁっっ」  
 服の上から胸を揉まれ乳首を指で挟みこまれて快楽が背を駆け抜ける。  
 こんなことするの初めてなのにバック……?  
 酔いの中で隠れていたが、ざわざわと後悔の念が湧き起こってくる。  
 「やっ……ああっひっぱらないでぇっ……」  
 きゅうっと乳首をいじくられてちょっと朦朧とする。  
 なにこれ、やだこれ、お酒のせい……?  
 「リナ……もうこんなに濡らして……」  
 くちゅり、と音がしてあたしの大事なところにガウリイの指が卑猥に這う。  
 でももう頭の中まで酔いがまわって……  
 「はぅっああ、そこ気持ちいい……!」  
 今まで彼の中であたしはどんな風に映っていたんだろうか。清純な乙女像をもし抱いていたのなら  
それは今夜限りでぶっ壊してあげるわ。  
 「どこが気持ちいいんだ? ……ここか?」  
 優しい溜め息のようなガウリイの声に、背筋がぞくぞくとふるえる。  
 あれ、おかしいな、ガウリイはどうして平然とこんなあたしを受け入れているんだろう……  
 なぜだか思ったように振舞えない、もっと挑発するようなことを言いたいのに黙ってしまう。  
 「ん……あっ……!」  
 「クリがふくらんできたな、こりこりしてる。乳首と一緒でクリも勃つんだよな。  
 ……お前さんさっきから黙ってるけどさ、気持ちいいなら喘ぎ声きかせてくれよ」  
 「……バカバカ! エロクラゲ!」  
 「オレはそれでも構わないけどな。お前さんとこうしてエロエロできるんだからな」  
 いろいろの間違いじゃないのかと一瞬突っ込みたくなったが、ガウリイなら本気で言ってるのかもしれない。  
 「もっもうこの大馬鹿者っ! や、あ、だめっそんな……こと、しないでぇ……いっちゃうじゃない……!」  
 「なぁ、何を我慢してんだ? いっぱいイっちゃっていいんだぜ?」  
 少し弾んだ声が耳をくすぐり、じんじんするクリトリスを巧みな指先でねちょねちょいじりまわしていく。  
 とてもじゃないがまともに返答できない。  
 ガウリイがこまかく指を振動させてぷるぷるぷるっとクリトリスの根元から芯だけを震わせてきた。  
 「い、いっちゃう……いっちゃうってば………!」  
 あたしがそう叫んだ瞬間、ぬるっとした感触と熱い痛みが身体の奥を貫いてきた。  
 「………………!!」  
 言葉にならない叫びをあげて、背筋をのけぞらせてあたしは硬直する。  
 ガウリイが感嘆の吐息をもらしてぎゅっと背から抱きついて、奥へ奥へとじわじわ侵入してくる。  
 「……いっ……ああっ!! ガウリ……っ」  
 
 あたしがどんなに「嫌がった」フリをしても、強引にでも抱き込んで離さないでほしい。  
 ダメだって何回叫んでも、そんなものウソだと見抜いてほしい。  
 このワガママ全部受けとめて、許してほしい。  
 そうして優しく、笑って……愛してほしい。  
 ああ、ガウリイ……あたしのこんなどーしよーもないバカげた考えどう思う?  
 ぶっちゃけたらキライになっちゃう?  
 あたしはいつ大人になれるのかな。  
 求めてばっかりだわ。愛って与えるものだってよく聞くのに、欲しいって思ってばっかで、ほんとどーしよーもない。  
 あたしの身体全部あげるから、かわりにあなたの愛情をちょうだいってギブアンドテイクなこと吐かしそうになる。  
 純情さのカケラもない。でも何にもいらないなんて思えない。  
 あたしがあなたのこと愛してたらそれだけで、他には何もいらない、なんて、世の中ひっくり返ったって絶対ムリ。  
 愛してほしい。好きだって言ってキスしてほしい。さわってほしい。  
 大事そうに抱きしめて、どこにも行くなって執着心と独占欲をむき出しにして独り占めしてほしい。  
 オレの女だ、って大声で叫んでほしい。  
 ……ありえない……ほんと、ガウリイに限ってそんなこと……  
 痛いだけの初めての最中、あたしはガウリイの動きを受けとめながらずっと頭の中で堂々巡りをしていた。  
 
 
 それからしばらくたったある晩には当たり前のように手首を縛られベッドに繋がれ、ガウリイの指が執拗に  
あたしを責め動いて身体が快楽で痺れてどんどん理性が薄らいでいく。  
 あのパーティの晩からあたしは何かが切れたようにおかしくなって、ガウリイはそんなあたしをものともせずに  
嬉しそうに毎晩抱いていた。  
 クリトリスを散々イカされた後に長い指を入れられ、いやらしい音を立てては抜き差しを速めていく。  
 ぶるっと背筋が震えた後、ぴゅぁっと何かが脚の間に伝っていった。  
 「お。潮吹き。そんなに気持ちいいのかリナ」  
 潮……?  
 熱い雫が筋をつくり太ももに流れる。  
 ガウリイは楽しそうに指を濡らしクリトリスをしごきだす。  
 あたしのあそこはもうぐちゃぐちゃのどろどろでジンジン痺れてとろけている。  
 腰が疼き、もう何度目かわからない波が押し寄せて目の前が真っ白になっていく。  
 ぴゅぴゅっ  
 あう、また……これ自分の意思じゃどうにもできないんだけど……我慢してどうこうなるもんでもなくて、出さされている、  
というのが正しい。  
 あたしの吹いた潮でガウリイの腕まで濡れていく。  
 完全にあたしはおかしくなっていた。   
 恥ずかしいという感覚ももぎとられて欲望のままに弄られているのを喜んでいる。  
 あたしのぴんと勃った乳首をガウリイの舌がねめあげるのを見ているのさえ、ためらいがない。むしろ興奮する。最高だ。  
 でもそれを口にだすほど溺れきっているわけでもないみたいで、こうして考え事ができる余地ぐらいは理性が残っている。  
 なんで縛られてるかっていうと勢いっていうか流れっていうか、まあOKだしたのはあたしなんだけど。  
 なんやかんやで縛り上げられていじくられて、ねちょねちょにこねくりまわされて、乳首もちゅぱちゅぱ舐めまわされて……  
 あ、大きいのが入ってきた……あぅっすご、あっああっはうっ大きいよガウリイ……奥までいれたら壊れる……  
 あんたのすごいんだから……ちょ、んぁ、加減してよね……ああ……!  
 「リナ、オレの目を見て」  
 なに……? あたし目つぶってた?  
 腰つかまれて揺さぶられて、もう何がなんだかわかんないわよ……  
 けれど言われるまま目を開けて見やると、彼の熱く潤む瞳があたしを射抜いて虜にさせる。  
 「言えよ」  
 なんのこと?  
 「オレのこと好きか?」  
 まったく、笑っちゃうわね。  
 「ムカつくから言ってやんない」  
 あたしの返答を聞いたガウリイはぷっと小さく吹き出した。  
 
 「はは、お前さん面白いなーもっといじめたくなってきた」  
 胸が高鳴る。嬉しい。  
 ガウリイはぬるぬるに濡れた愛液を指にからめて後ろにまわした。  
 その指を後ろの穴にこすりつけて、まるでほぐすように動かしてくる。  
 気持ち良いのかくすぐったいのか変な気分になっていると、何の前触れもなく指がにゅるっともぐりこんで、  
背がふるえるほどの衝撃が走った。  
 「く……すげーしめつけ……」  
 ガウリイの腰の動きが一瞬だけ止まったけど、ムリヤリまた差し貫いてきた。  
 頭の芯が焼け付くようで、あたしはもうたまらなかった。  
 自ら腰を振りガウリイの名を何度も呼んで、イク、と何度も絶頂を叫んだ。  
 こんなの知らない、こんな気持ちいいこと知らない、こんなにガウリイのことが好きだって知らなかった。  
 激しく抜き差しされてお尻にも指つっこまれて、乳首は舌で転がされて今度はクリトリスを指で押し潰されてる。  
 あたしになんてことしてんのこの男。どんだけテクニシャンなのよ。  
 もういいわよ、おかしくしたらいいわよ、あたしはもうあんたにメロメロなんだから。  
 「いっちゃういっちゃういっちゃうぅぅあああんもう、もうおかしくなっちゃうぅもっとしてぇもっとおっガウリイっ……!」  
 「オレもイク……リナっ……!」  
 熱い迸りが身体の中を焼く感覚にはまだ慣れない、あたしはかろうじて動かせた指先でシーツを掴み、  
声も出せず身悶えしながら気を失った。  
   
 
 ガウリイの呼ぶ声で目を覚まし、縛られていたはずの手足がいつのまにやら解放されているのに気づいた。  
 「あ、あれ? あたし……」  
 何か言おうとしたが、ガウリイが試すようにあたしのあごを軽く持ち上げてきたので黙って唇を閉じた。  
 ガウリイはそのままそっと唇を重ね合わせた。  
 色んなことをしたというのに、これがあたしたちのファーストキスだった。  
 頬をなでられ髪に手がのび、その優しさに瞳をつぶると、やわらかく舌先がねじこんでくる。  
 その舌の動きがさっきまでのガウリイの腰の動きを再現してるようであたしはまた身体を潤ませてしまった。  
 「なんだ? キスだけでまた感じてるのか?」  
 にやにや嬉しそうなガウリイは無視して、ほっぺにあたしからキスをした。  
 間髪入れずくるりと身体を回転させられバックから抱きしめられる。  
 最初に交わった時と同じように胸を後ろからもみこまれ熱く吐息がもれる。  
 「ほんとはオレのこと好きなんだろ?」  
 まだ言うか、この男は。  
 「なぁ、リナ……」  
 ささやきながら大きいままの猛りをずぶずぶと入れてきた。  
 余韻の残る身体が悲鳴と狂喜に震えてやまない。悔しいけどすごい……  
 「なによ……好きよ、大好きよ! バカ!」  
 「ああ、バカでもいい……嬉しいさ。ありがとう。オレも大好きだよ」  
 ガウリイは心底嬉しそうに、ほんとに、これ以上ないくらい嬉しそうにそう言うと、激しく動き始めた。  
 ──あたしはとうとうこの優しくてひどい男のモノになった。  
 
 
      ...end.  
 
 
 

テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル