スレイヤーズ  

───暑い。  
ムクリとベットから身を起こす。暑さで目が覚めるのは不快極まりなく───  
俺は窓を開けるべく、立ち上がった。  
「ガウリイー。いるのー?」  
その動作は、扉の外から聞こえたリナの声により中断される。  
「いるよ。はいってこい───」  
「んふふふふ、見て、見てかわいいでしょー?」  
言い終わらないうちに、リナが部屋にはいってきた。やたら嬉しそうな声と共に。  
そしてその場でクルリと回ってみせる。  
「あー・・・」  
「なによ!反応薄いわね!・・・ねてたの?」  
「ああ、ちょっと、な」  
「ったく、こんな昼間っから寝るなんていい度胸ね!」  
そう言い放つと、リナは戸を閉めズカズカと大股で俺のもとにくる。  
「で───その格好はなんだ?」  
その格好───いつもの重装備とは百八十度違う、ヒラヒラとしたキャミソールワンピ。ラベンダー色の。  
「なんだってなによ!」  
と、ベットに腰掛けた俺の目の前に仁王立ちになったリナはいささか不服げに口をとがらす。  
「あー・・・なんでそういう格好してるのかなぁって」  
まずい。これ以上不機嫌にしたら、殴られかねない。だから、俺はなんとか言葉を選び選びしゃべる。  
「あ、うん、今日の夏祭りにいていこうと思って買ったの・・・」  
どうやら、急に照れくさくなったらしい。次第にリナの顔は赤らんできて───可愛い。  

こういうところはまだ少女くさい。夕べはあんなに乱れていたのに、今のリナにその面影はない。  
少し、何故かそれは寂しく感じられた。  
「夏、祭り・・・ねぇ」  
めんどくさいことにどうやらこの街はリゾート地らしく、この時期はイベント続きらしい。今、泊まっている  
この宿も、どちらかというとホテルと言った方がいいような造り。俺の正面に位置する姿見や、  
窓際の観葉植物、壁の額縁にはキレイな海の絵。無用の物達。  
「で、あんたはこのあたしがこーーーんな格好してるのになんの感想も抱かないわけ!?」  
そういうことか。うん、確かに可愛い。抱きしめたくなるくらいリナによく似合ってる。  
むき出しになった白い肌やすらりと伸びた四肢はリナの華奢な体を普段とは違って儚く見せていて  
───だから、少し、いやかなり露出が多くないか?  
その格好で外にでるつもりか?その格好を俺以外の男に見せるつもりなのか?  
「・・・可愛いと思うぞ」  
「ホントッ!?」  
いや、見せたくない。誰の目にも触れさせたくない。我ながら呆れるほどの独占欲、だな。  
「ホント───・・・俺を誘ってるとしか思えない」  
───ぐいっ  
「───っきゃっ!」  
前触れもなく、目の前のリナの腕を引っ張り俺の方に引き寄せる。そのままリナの体は  
ストンと俺の膝の上に着地した。小さな体はすっぽりと俺の腕のなかに納まってしまう。  
無駄な肉は何一つついていないのに、あちこち柔らかなリナの体は理性とかをふっとばしちまう。  

「いきなりなにする───・・・ぅんっ」  
ほおっておけば勝手に喋りだすであろう小さな唇をキスで塞ぐ。抵抗する気も起きなくなるように  
リナを貪る。角度を変え、深さを変え。そのうちリナも噛み切ってしまいたくなるほど柔らかな舌で  
俺に絡みついてきた。  
「ん・・・ふぁっ・・・」  
甘い───例えとかそんなんじゃなく、リナとのキスは甘いと思う。甘い。甘い毒。たやすく俺を惑わす。  
やがて唾液とピチャリとした音とともに唇が離れた。リナの唇の端から垂れているものを指で拭う。  
「ダメ・・・だってばぁ・・・」  
その言葉とは逆に、リナの目のフチは赤くなり、潤みだした瞳は俺を切なげに見上げている。  
頬は桜色に染まりかけていた。もう、すっかり女の顔だ。  
イヤイヤをするようにリナが首を振ると、揺れる髪と白い項が甘ったるい香りを生み出す。  
「ダメじゃないだろ・・・」  
香りに惹きつけられるように耳元で囁くとリナが小さく声を漏らした。耳朶を甘噛みし、指で項をなぞる。  

「こんな昼間っ・・・からっ・・・」  
「カンケーないだろ、時間なんて」  
項から、むき出しの肩へ、滑らせる手は止めぬまま。  
「それにっ・・・きのう、あんなにしたじゃない・・・」  
「・・・あんなんじゃ足りないぞ、リナ」  
白い首筋をきつく吸い上げる。柔らかな白い肌に残る赤い痕。  
「やっ・・・ちょ・・・あとつけないでって・・・いった・・・」  
そういえば───夏だから見えるとこにつけないで!───っていわれてたっけ。  
でも、そんなこと知るもんか。見せたくなければ、隠せばいい。  

ワンピースの胸元をぐいと引っ張ると、たやすくまろびでる柔らかな膨らみ。そのたやすさに腹が立ち、  
いつもより荒々しくもみしだく。形が変わるほど。  
「っ・・・いたいって・・・ばぁ・・・」  
乱暴な愛撫にも、手の中の膨らみの尖りはひきしぼられてきている。素直に反応するリナの体が愛おしい。  
きつく張った乳房を右手で弄びながら、なだらかな線を描く首筋と肩にキスを落とし左手はリナの膝へと。  
膝を割り、太股をなで上げると、湿り気を帯びた肌は俺の手のひらに吸い付いてきた。  
「リナ・・・濡れてる」  
下着に到達した手はソコが確かに湿ってるのを感じ取った。布越しにもはっきりとわかる。  
「・・・っ・・・ばかっ」  
布越しに筋をなぞり、花芯に円を描くように刺激を与えるとリナの体は俺の腕のなかで跳ねた。  
リナのナカからあふれ出た蜜が更に下着を濡らす。下着を止めていた紐をほどき、床へと落とす。  
水分を吸った布は音をたて床に落ちた。リナの膝に両手をかけ一気に開く。  
「やっ・・・やだ!ガウリイ!」  
露わになった花弁を隠そうと、リナは必死にもがくが、俺の膝に脚を固定され動かせぬまま。力の抜けた  
体は思うように動かないのか、あっという間に上半身も俺に拘束され、かすかに身を捩るだけ。  
リナの動きにあわせ花弁の肉は揺れ動く。まだゆうべの熱は引いていないのか、花弁は赤く充血していた。  
「なんで?リナのココ・・・すげーキレイなのに」  
言いながら、リナの花芯をねぶる。抵抗する気を快楽で押し流してしまうように。  
「・・・っゃ・・・ぁあ・・・やだぁ・・・」  
「ゆうべ、キレイにしたから、よく見えるだろ?ほら」  
そう、いつもならリナ自身を覆う薄い茂みは、今はなく───花弁は無防備な姿を晒されている。  
言葉の通りに俺がゆうべ全て取り去ったから。そして、目の前には───鏡。  

「・・・やぁ・・・やめてっ・・・ぁあっ」  
リナは目をそらさない。そらせない。鏡に写った自分の花弁を蹂躙する俺の手の動きから。  
指は既に甘蜜にまみれ、リナの裂け目を伝い落ちた蜜はワンピースの裾にシミを作っていた。  
「・・・ふぁっ・・・あっ・・やだっ・・・やめてっ・・・」  
こんなに濡らして、俺の指を締め付けて、もう少しでイキそうなくせに、まだイヤだっていうのか?  
「───あっ」  
卑猥な音をたてながら、俺は指をリナの蜜壺から抜き取った。  
すがりつくような瞳で見上げるリナの手を濡れそぼった花弁にあてる。  
「イヤなら・・・自分でしろよ」  
「・・・っ!なんで・・・ああっ」  
リナの手に重ねられた俺の手が、細い指を花弁に潜り込ませ、蠢かせる。  
何度か花芯との往復を繰り返すうちに、リナの手は自ら動き出し快楽を貪った。手を離してもそれは続く。  
俺の与える僅かだが確実な快楽───乳房をこねるとか、キスをするとか───に触発させて。  
「リナ───・・・キレイだ」  
鏡に写るリナと視線を絡ませ、俺は呟く。本当にキレイだ。  
「やぁ・・・ガウリイ・・・みないでみないでぇ・・・っぁあああっ!」  
リナは俺の視線に突き刺されながら達した。  

ぐったりとしたリナの体を持ち上げ、手早く露わにした俺自身の猛りを花弁にあてがう。  
リナの体重と重力によって、それは一気にリナに突き刺さった。  

「ふぁぁぁっ───!」  
「───っ・・・リナ・・・見ろよ。しっかりくわえ込んでる・・・」  
鏡には、俺とリナの結合部がまざまざと映し出されていて。  
グロテスクとも、美しいとも表現できるようなソコは俺が動き出すたびに蜜を吐き出した。  
「あっ・・・だめっ・・・んんっ・・ぁっ」  
やっぱりリナも目をそらせずに、羞恥と快楽に身悶えながらソコを見ていた。  
激しく腰を突き上げると、リナも腰を使いだした。  
「・・・っは・・・リナっ・・・」  
「ぁっ・・・がうりぃ・・・がうりぃ・・・」  
いつもは凛と張ったリナの声は俺に抱かれるときだけ柔らかくなる───  
その柔らかな声で俺を呼ばないでくれ。どうしようもなく愛しくなって、気が狂いそうになるから。  
ずっと、この声で呼ばれたい。キスのしすぎか赤く艶やかに光る唇、揺れる乳房、上気した白い肢体、  
俺とリナの間に舞う栗色の髪、あふれ出る蜜───鏡に写るリナの姿。全部俺だけのものにしたい。  
誰にも見せたくない───けれども、俺に束縛されて大人しくしてるリナはリナじゃないから。できない。  
「やっ・・・がうりぃ・・・あたしっ・・・もう!」  
打ち付ける激しさに押し流されてしまったリナのナカが俺を締め付ける。  
耐えきれずに、抜き取ると吐き出された白濁がラベンダー色の布を汚した。  

 
 

「・・・ガウリイなんて大っキライ・・・」  
行為をおえ、息を整えたリナがポソリと呟いた。これはかなり、おこってるな。ちょっと虐めすぎたか?  
「ごめんな・・・」  
「せっかく、あたしが・・・」  
悲しげなリナの目線がしわくちゃになったワンピースに注がれる。  
後悔はしてないけど、罪悪感が俺を苛んだ。  
「わかってる・・・俺のために着てくれたんだろ?」  
「ちがうわよっ!」  
「でも、俺、リナのいつもの格好も充分可愛く見えるから」  
「バカ・・・あんたなんてキライなんだから・・・一緒に夏祭りいってあげないんだから」  
「ん、ゴメン───」  
「だから、だから───今日はずっと側にいなさいよ・・・」  
耳まで赤くしたリナを思わず俺は力をこめて抱きしめた。どうしようもない愛しさを込めて。  

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