安宿の一室、階下から微かに聞こえる喧騒  
鍵を閉めるのももどかしい様子で部屋に入るなり、あたしは壁に押し付けられた  
黒髪短髪、顔はなかなかのハンサム。背はあたしよりやや高いくらいか  
彼の名はアラン。とある依頼で一緒になって、依頼終了を祝って酒場で飲み交わした  
相手が魔法も使えるとあって話も弾み、杯も進んだ  
ほろ酔いのまま、その勢い  
「彼氏以外の男も試してみないか?」との誘いに好奇心から乗った  
月明かりが僅かに照らす部屋の中、二人の荒い息  
貪るようにお互い口付け、身体を弄り合う。脱ぐのも面倒と最小限に肌蹴た状態で行為は進んだ  
あたしはいつもの魔道士スタイルではなく、依頼で着た真っ赤なタイトのワンピース  
その裾をたくしあげられ、下着の片紐をほどかれて引き下ろされる  
片方の足首にそれが引っかかったまま、股間を弄られて腰が揺れた  
荒々しく探られたそこは既に濡れていた  
這い上がってきた片手が細い肩紐をずらし、胸の膨らみを揉みしだく  
「んっ、は、あ、んっ、んっ」  
あたしは身悶えながら腰を彼の手に押し付け動かしていた  
 
「ああっ!んっ・・・・・・」  
片脚を抱えられ、待ち望んでいたモノを受け入れてあたしは壁に背を添わせ感じる  
「んっ、あ、あっ、んっ、っは、ぁ、い、い・・・・・・」  
奥まで突き入れられてすぐ始まった腰の動きに合わせてあたしは喘ぎ、自らも腰を動かしていた  
「あんた、いい、カラダ、してんな・・・・・・めちゃくちゃ気持ちいい」  
あたしの奥へ腰を突き入れながら荒い息の彼が呟き、その動きを速めていく  
激しい動きと共に安宿の壁がミシミシと軋む  
流石に壊れたりはしないだろうが、その頼りなさが壁の薄さを伝えてきた  
おそらく今あたしがあげている恥ずかしい声も廊下まで聞こえてしまっているだろう  
頭の隅ではそう思っても、恥ずかしさは募っても気持ちよさに声は抑えられなかった  
身体の奥を打ち付ける快感に痺れ、どうでもよくなってくる  
乱れる吐息と鼻にかかった声。ぐちゅぬちゅいやらしい音が満たす部屋で彼にしがみつき腰を振るだけ  
時間の感覚も朧気な中、ただ気持ちよさを求めてあたしたちはお互いの身体を貪っていた  
激しい行為のせいで結合部は泡立ち、掻き出されたものが脚を伝い床をも濡らしていった  
「あっ、あっ、あっ、んっ・・・・・・あた、し、もう・・・・・・イッちゃ・・・・・・」  
彼の首に腕を回し腰を揺らしながら、迫りくる感覚にあたしは目を瞑り待ち受ける  
あたしの声に応えてか、彼の動きが一層激しくなりあたしは一気に押し上げられた  
ガクガクと震える身体を反らせあたしは達した  
強く締め付けるあたしの中に突き入れたまま、彼が小さく呻く  
やがて弛緩したあたしの中から引き抜くと股間へと熱さをぶちまけた  
裾を捲くり上げられ、露になった下腹部を白濁したものが濡らしていった  
 
しばらく二人壁に寄りかかり、乱れていた息を整える  
やがてあたしを壁に押し付けていた彼が身体を離し、  
あたしはまだあまり力の入らない身体を壁にもたれかけたまま、自らを見下ろす  
外に出してくれたのはいいけれど、いまだ剥き出しになったままの下半身は白濁にまみれていてすごくいやらしい  
茂みからお尻のほうまでおもらししたみたいになっていて、太ももを伝い床にも滴っている  
部屋にあったのを持ってきたのか、戻ってきたアランが手にしたタオルであたしの下腹部を拭ってくれた  
「・・・・・・エロイな」  
「・・・・・・言わないでよ」  
力の入りきらない身体を壁に預けて、されるがままに拭われながら、あたしは恥ずかしさに顔を赤らめていた  
アランは屈むようにしてぬるついた所を拭っていく  
「ん・・・・・・ふ・・・・・・」  
拭われる感触と間近で見られている羞恥心とでイッたばかりの身体が再び熱を帯びているのをあたしは自覚していた  
無駄とはわかっていても、熱くなりがちな息を唇を噛んで堪える  
「やっ、ちょっとやめてよ」  
タオルではなく彼の指が直接股間を弄り始めたのに気付いて、あたしは制止をかけた  
「でもまた溢れてきてる」  
あたしの制止など聞くつもりはないらしく、彼の手は動きを止めなかった  
「そんな、ことっ、んあっ!!!」  
深く指を突き入れられて、あたしは声をあげる  
「まだ足りないみたいだな」  
二本の指をぐちゅぐちゅ出し入れしながら楽しそうな声が聞こえてくる  
「や、あ。や、め・・・・・・」  
拒絶の声とは反対にあたしの腰は既に彼の指に応えていやらしく動き始めていた  
「俺もまだ足りない」  
アランはニヤリと笑うとあたしを抱え上げ、部屋の中央にあるベッドへと運んだ  
 
今度は二人とも全て脱ぎ捨て身体を重ねた  
「う、あ、ああん!」  
大きく脚を開かれ、いきなり入ってきた彼にあたしは枕に頬を擦り付け喘いだ  
間を置かず揺すられてあたしは鳴く  
自らも腰を揺すり、さっきとはまた違う動きに応えていった  
立ち上がった胸の先を舌で攻められ、深く浅く揺すられてあたしはシーツを握り締める  
「あっ!ああん!いいの、そこっ・・・」  
「ここか?」  
気持ちいい所を執拗に攻められ、あたしは声もなくこくこくと頷き身を捩じらせる  
やがてまた達したあたしをアランはうつ伏せにすると、後ろから入ってきた  
力は入らないあたしとシーツの間に手を入れて、胸を揉みながら腰を叩きつけてくるアラン  
肌のぶつかり合う音とあたしの喘ぎ声が薄暗い部屋を満たしていった  
そしてまたあたしは限界を迎え、アランはあたしから引き抜いたモノを閉じさせた太股で挟み擦ると吐精した  
今度は腹部から胸にかけて白濁が飛び散った  
 
「何度抱いても抱き足りないな。あんたは」  
「ありがと。でもだめよ」  
やっと行為を終え、お互い服を整えながら交わされる会話  
「そうだな。俺も命が惜しいんでな」  
「バレたら殺されるかもね」  
苦笑交じりの声にあたしも苦笑で答える  
「じゃあ俺は一足先に発つことにするよ」  
「そう」  
「あんたは大丈夫なのか?もしバレても」  
「さあね?・・・・・・なによ、心配してくれてるの?」  
「一緒に逃げるって手もあるぜ」  
冗談か本気かわからない言葉にあたしは首を振って答える  
「あたしの旅のパートナーはあいつだけだから」  
「そうか」  
夜明けにはまだもう少し。静まり返った街角であたしたちは別れた  
お互い振り返ることもなく  
 
「ん・・・・・・」  
目覚めると眩しい日の光と鳥の囀り。そして見慣れた腕とぬくもりに包まれていた  
「ゆ、め?」  
周りを囲う腕の中、身体を反転させると見慣れた厚い胸板と金の糸  
「おはよう、リナ。どうかしたのか?」  
青い瞳が姿を見せ、まだ少し眠そうな声が問いかけてくる  
「変な夢みちゃった」  
「夢?どんなのだ?」  
「・・・・・・浮気する夢」  
「・・・・・・」  
しばしの沈黙の後、抱きしめる力が強くなる  
「ちょっと、苦しいってば」  
「・・・・・・誰とだよ」  
不機嫌な声、というより拗ねてるのか?これは  
「妬いてるの?」  
なんだか可笑しくてからかう様に言うと真剣な声がかえってきた  
「当たり前だろ。で、誰とだよ」  
「あたしも知らない人よ。依頼で出会って酒場に行ってそのまま酒の勢いで」  
「・・・・・・おいおい」  
「だから夢だってば。かなりリアルだったけど、ってちょっとガウリイ何してんのよ?」  
「そんな夢忘れさせてやる」  
「もう朝っ!あんっ、やだってもう!」  
「リナが悪いんだからな」  
「夢の事までしらないわよ、んあっ、や、めっ」  
 
「あっ、やっ、がう、こわれっ、ちゃ、う」  
朝の日差しの中、シーツの上に押し倒されて激しい律動にあたしは喘ぐ  
「お前はオレだけのものだからな。誰にもやらん」」  
耳元で囁かれたいつもより低い声に背筋がざわめいた  
嬉しさなのか恐れなのかもっと他の感情なのかわからなかったけれど  
不思議と彼の言葉を否定する気は起こらなかった  
答えの代わりに彼にしがみ付き、たまらない気持ちよさに身を任せた  
「あっ、あん、がう、り、いい、の、あ、あ、すご、いっ」  
やってきた波に脚も絡ませて身を震わせ、奥で解き放たれる熱をあたしは感じていた  
 
 
そんな夢のことなどすっかり忘れた頃  
「・・・う、そ」  
あたしは驚きに思わず呟いていた  
依頼を受けて訪れたある領主の屋敷の一室  
容姿も名前も夢の中とそっくりそのままの彼がそこにいた  
 
<了>  
 

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