<ラブラブEND>
「……んっ……出しなさい……よ……っ」
縺れた舌をほどいて甘くねだる。
もう、他のことはどうでも良いと思った。
ゼルが欲しい。
最初は本当に、ただ興味があったから。
セックスしたかったから。
仲間内での恋愛感情なんて、連携を乱すだけだ。それは分かってる。分かっ
てるけど、でも。
「…………リナ……ぁっ!」
その声で、そんな風に呼ばれたかった。
身体の奥の奥で、彼を感じてみたかった。
子宮に叩き付けられる熱に、額が熱くなる。思考が染まる。
「あっ、あ…………!」
陸に打ち上げられた魚のように、躰が震えた。
きゅんと膣(なか)が収縮して、ゼルをぎゅっと締め付ける。
「っは…………はぁ……」
がくんと脱力した躰を、彼の上に投げ出す。繋がった場所を離しもせず。
リナの中から溢れ出した白濁が、だらりとシーツに垂れた。
(怒られる…………よね)
痺れた躰でゼルの両手足を解いてやる。
戒めから解放されたゼルは、腹立たしそうに、ひとつ舌打ちをした。
「ったく」
しかし予想に反して、彼は怒鳴りも、殴りもしてこない。
「…………怒ってないの?」
「呆れた。まさかお前さんに犯られるとは思わなかった」
ゼルはあーあー、と心底口惜しそうに腕で顔を覆い、それからおもむろに、
リナの腕を掴んで引き寄せた。
「襲うのは俺の方だとばっかり、思ってたんだがなぁ」
「へ?」
きょとんとするリナを無視して、彼は床に蹴り落とされたブランケットを、
足で器用に引きずり上げる。
「ちょっと、ゼル、今のって」
「五月蠅い黙れとっとと寝ろ。明日朝一番に出発するって言ったのは誰だ?」
室内灯を消すのも億劫なのか、リナを腕に抱いたまま、ゼルはブランケット
を肩まで引き上げた。
「誰もそんなこと言ってないわよ、こんな大雨なのに!
てゆーかあんた何誤魔化してんのよ! 答えなさいよ、ねぇ、ゼルってば!」
目を瞑って眠ろうとするゼルに畳み掛けると、彼はやはり「五月蠅い」と一
言呟いて、リナをもっときつく抱きすくめてくる。
「………………明日から厭って位、教えてやるよ」