スレイヤーズ
<リナ優位END>
縋り付かせた躰を起こして、彼の腰の上、トランポリンのように跳ねさせる
と、柔らかな栗色の髪がふわふわさらさらと揺れる。
「っ、さっさと、射精しなさい……よっ」
肉がぶつかる音と、雨の音と、情欲に濡れたリナの声。二人分の喘ぎ。
ぐりぐりと臀部を押しつけて、そのまま腰で円を描く。
しつこく射精を促して意地悪するが、ゼルはやっぱり――分かってはいたが
――強情だった。
きつくくちびるを噛み締めて、膣内(なか)にだけは出すまいとしているよ
うだ。
射精せと言うリナの言葉にも、鋼の髪を振り乱して抵抗する。
「もう……っ、強情、なんだからぁ……っ」
ゼルの意地に付き合って、イくタイミングを逃すのは利口じゃない。
もとより最初から、ゼルの都合など考えていなかったのだ。今更気を遣うこともない。
それでも、どうせなら一緒にイきたいと思うのが女心だろうか。
「意地でも、イかせちゃる……っ」
ぎゅっ、と下腹に力を込める。きゅきゅっ、と自分の内壁が収縮して、ゼル
のモノを一層きつく締め付けた。
「っは、ぁんんっ!」
締め付けたモノの形が手に取るように分かるほど、リナの内壁が蠕動し、ゼ
ルを追い詰める。
「っあ……リ、ナ…………っっ!!」
びくん、とゼルの躰が反り返り、縛られた腕をめくらめっぽう振り回して暴
れ出した。
リナによってもたらされた快感に振り回され、焦らされた躰が爆ぜたのだろ
う、リナの中で彼の肉茎が一気に膨張するのが分かる。
「あ、あぁーーーーーー………っ!」
最奥へ白濁を叩き付けられる快感に、張り詰めていたリナの緊張が一気に爆
発した。
細い四肢が緊張し、縋るモノを捜して指を彷徨わせる。
絡ませる相手の指が遠く離れていた所為で、仕方無しに、二人分の体液を吸
って重くなったゼルの上着に爪を立てた。
力を失って、萎れたゼルのモノを引き抜く。
腰を浮かせると、泡が弾ける音と共に白濁が溢れ出す。
それは滴ることなくリナの脚の間で暫く揺れて、べたりと柔らかな太腿に貼
り付いた。
「ふわぁ……ゼルの、すっごい濃いよぉ?
もしかして、我慢してたの? ずっと?」
脚を汚す男の精を拭いもせず、淫靡な表情も汗ばんだ肌もそのままに、彼女
は三度、ゼルの上にのしかかる。
「黙れ」
からかわれて、ゼルの頬に羞恥がカッとのぼった。
「ほんっとに強情ね。
でもこの調子じゃ、一回射精しただけじゃ治まらないでしょ?
…………丁度良いわv」
「何が」
厭な予感がする、と顔に書いたゼルの唇を盗む。
意外なくらいあっさり開いた唇と、突き出された舌の動きが、リナの予想を
裏付ける。
「あたしも一度や二度じゃ満足できないのよねー。
………………ね、欲しいんでしょ?」
くすくすと笑い、小悪魔の顔でゼルの瞳を覗き込む。
口では強がっているが、彼が期待しているのは厭と言うほどに伝わってきた。
「…暑いんでしょ……脱がせて欲しくないの?」
緩やかに上下する胸を、白い上着越しに撫でさする。彼の体が軽く引きつれ
るように反応した。
視線を逸らしたゼルの顔を両手で包み、囁く。
「欲しいものが、いっぱいあるんでしょう?」
激しく降りしきる雨の中、崩れていく音が聞こえた気がする。
仲間としての関係。友情らしきもの。精神的な優劣。
やがて、掠れた声で囁かれる。屈服の証。
「……ほ……しい……」
「何が?」
「リナが、欲しい…………」
いきり立つゼル自身に指を絡ませて、リナは悠然と笑む。
「………………ご褒美よ」
陰茎に絡みつく混ざりモノを潤滑油に、指を滑らせる。
「ゼル……約束。
これからは雨が降ったら、きっとあたしの部屋に来るのよ……いいわね?」
素直に頷くその様に、ぞくぞくとリナの背筋が戦慄いた。