ココロノオク(ガウリナ)  
 
「ふぅ・・・食った食った」  
「そこらへんの魚を釣って焼いただけにしては美味しかったわね」  
 焚き火で焼いた魚を腹いっぱい食べた、ガウリィとリナが感想を漏らす。  
 今日は、街が1日で行ける距離ではなかったので、久しぶりの野宿である。  
「クシュン」  
「おい、大丈夫か?」  
 リナのいきなりのくしゃみに心配するガウリィ。  
 こんなところで風邪をひいたら、どうする事も出来ない。  
「うん、大丈夫よ。ちょっと寒いだけだから」  
 パチパチと音を立てる焚き火に、体を近づけるリナ。  
「そうか・・・しかし、外って事もあって少し寒いな・・・もう少し暖かくならないか?」  
「へ?」  
 ガウリィの問いに、すっとんきょうな声で答えるリナ。  
「こういうことだよ」  
 焚き火の前で暖まっていたリナを抱しめるガウリィ。相手の体の温もりが、リナにもガウリィにも伝わる。  
 
「ちょっと・・・何かの冗談でしょ?」  
 ガウリィの突然の行動に、戸惑うリナ。  
「いいや、冗談なんかじゃない。ずっとリナを俺の物にしたいと思ってた。もう・・・保護者じゃ我慢できないんだよ・・・」  
 いつものボケた顔ではない。凛々しい顔に、リナの胸の奥から何かが溢れ出す。それは、ガウリィに対して初めて持つ感情であった。  

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