あたしの名はリナ・インバース。  
空前絶後の大魔道士にして多少は剣技もたしなんでいる、ま、いわば史上最強の美少女魔法戦士っていったとこかしら。  
あたしの活躍のほどはみんなも知ってると思うけど、最近、新刊が出たの知ってる?  
あれは、作者をどつき回し…もとい、か弱い女の子が軽ーくほっぺたを触って、ストーリーを変えてもらったんだけど…せっかくなので裏話をみんなに教えるね。  
ただし、口外無用。  
特にナーガになんか教えるようであれば、どっからか竜破斬(ドラグ・スレイブ)が飛んでくることぐらいは覚悟してね(はぁと。  
 
  *  
 
とゆーわけで、あたしとジョージは二人、山奥の小さな廃村に向かっている。  
え、なにが「とゆーわけ」なのかって?  
そりゃそうね。  
簡単に説明すると、「逃げ出したスイートポテトを始末しに行く」ってこと。  
ただし、ふつーのスイートポテトじゃないの。  
凄腕のパティシエ、ジョージが品種改良したので、自力で動くことができるし、何よりも「死んだ植物はすべて養分にできる」ってこと。  
つまり放置すると木造建築はすべてヤツの養分となってしまう。  
そこで、「ジョージの店のケーキ食べ放題」という条件で、ヤツを始末することにしたの。  
ま、火炎球(ファイアーボール)一発で済むんだから、見つければ楽な仕事…と思ってた。  
それはあたしの油断だったのかもしれない。  
 
村に着いたのは、あたりがだいぶ暗くなってからだった。  
途中、雨が降りそうな雰囲気があったが、降る前に村につくことができた。  
とりあえず、村の入り口に近い家に入って横になった。  
本格的な探索は明日からだ。  
とはいえ、安心して熟睡できる環境でもない。  
あたしは部屋の隅に腰を下ろすと、マントで身体を覆って仮眠していた。  
 
夜半。ジョージが静かに部屋を出て行った。  
(…トイレか……)  
あたしは再びまどろもうと目を閉じた。  
そのとき。  
「ぎゃぁぁぁぁ!!!」  
家の外から悲鳴が上がった。  
ジョージのものだろう。  
あたしは飛び起きると、呪文を唱えつつ外に出た。  
「明かりよ!(ライティング)」  
空中に光の玉が出現し、あたりを照らす。  
ジョージが芋のツルに手足を取られているのが見えた。  
ジョージに火炎球をぶつけて回り一帯を燃やす、という手も考えられたが、万一やけどをしてケーキが作れなくなってしまっては一大事だ。  
あたしはジョージの周囲のツルを凍らせることにした。  
「氷の槍っ!(アイシクル・ランス)」  
幾本もの光がツルに向かっていき、当たったところが凍りつく。  
(楽勝!あと2発、ってとこね)  
あたしがそう思ったときだった。  
 
ドどがっ!!  
あたしは地面にひっくり返っていた。  
何かがあたしの右足をひっぱったからだ。  
右足を見ると…ツル!  
ジョージはスイートポテトは1匹と言っていた筈だけどどういうこと?!  
あたしはあわててショートショードを抜き、ツルを切ろうとした。  
すると、別のところからツルが延びてきて、あたしの右手に巻きつく。  
そして、ほぼ同時に左手、左足にもツルが巻きついた。  
(や…やばい)  
同時に4本のツルを焼ききるには火炎球(ファイアーボール)ではダメだ。  
周囲に十数本の火柱が立てて焼ききるしかない。  
あたしは炎の矢(フレア・アロー)の呪文を唱え始めた。  
すると、別のツルがあたしの口めがけて伸びてきて、口の中に入ろうとしてきた。  
あたしは呪文を唱えるのを中断して、口を閉じた。  
呪文は他人に聞こえる必要は無いが、ちゃんと発音しないとだめ。  
ツルなんかが口の中にはいった状態ではまともな発音ができない。  
あたしは口を閉じたまま頭を上下左右に振って、なんとかツルを交わそうとした。  
すると、あることに気がついた。  
 
服が溶け始めている。  
 
あたしは改めてジョージの言葉を思い返した。  
(死んだ植物はすべて養分にできる)  
今、あたしの着ているものは、肩当(ショルダーパット)と、一部の宝石類を除いては全て綿……。  
ってことは何!こんなところで裸にされるの?!  
あたしは呪文の完成を急いだ。  
 
こうしている間にもツルはどんどんあたしの身体に巻きついてくる。  
腰、腹、胸……そしてついには額にもツルが巻きついてきた。  
これで頭を動かすことすらできなくなってしまった。  
(ほんとーにやばい)  
あたしにできることは、なおも口の中に進入しようとするツルにたいして、唇をぎゅっと結び、歯を食いしばって進入を阻止することだけだった。  
そうすれば、ツルもそう力があるわけではないので口の中には入ってこれない。  
口の中に入ろうとするツルと入られまいとするあたし。  
こう着状態になった。  
しかし、それはあたしにとっては望まない展開だった。  
あたしが何もできない間に、あたしの服はどんどんと溶かされていく。  
 
ドサッ  
ドサッ  
 
時折、地面に何かが落ちる音がする。  
周囲を喰われた宝石やショートソードがあたしの身体から離れていくのが分かる。  
全身の皮膚で、夜のひんやりした空気と、気色悪いツタの触感を感じる。  
(仕方ない。服はあきらめよう。でも全部消化してあたしを離したら…覚えてなさいよ)  
しかし、スイートポテトの特殊能力はそれだけではなかったの。  
 
股間を探っていたツルが1本、あたしの中に侵入してきた。  
あたしはあわてて下半身に力を入れる。  
さすがにツルの1本程度、どうにか防ぐことができた。  
けど…けど…それだけ。  
あたしは受身一方でどうすることもできない。  
どうしよう…そう考えてたあたしに、ツルが新たな動きをしたの。  
それは…それは…ツルの分際で、あたしの胸を揉み始めたのよ。  
そりゃぁ…そりゃぁ、ナーガにくらべりゃ、胸はないわよ。  
でも、あたしだって女の子。  
出るとこは多少出てるし…さわられたら……ねぇ……。  
いくら気色悪くても、何度も何度もされたら…だんだん……その…気分が出てくるの、仕方ないと思わない?  
あそこも……熱くなってきたのが分かるし……その………濡れてくるのが分かるの。  
そうなると、いくらあそこに力を入れてもツルが入ってくるの、とめらんないのよ。  
で……胸とあそこ、両方をいじられたら声だって出るでしょ?  
……思わず声を出しちゃったわよ。  
当然、口の中にもツルが入ってきたの。  
太さは1cmぐらいだったかな。  
でも噛み切れなかった。  
だって…だって…あんな変なスイートポテトのツルよ!  
噛み切れる!?  
 
その後のことは、良く覚えてない。  
口やあそこには何本ものツルが入ってきてかき回すし……その……お尻の穴にも……。  
また、それが上手なの!  
……だから……あたし、スイートポテトにイかされちゃった。  
しかも何度も。  
ふつーなら、一度イったら少し休むんでしょ?  
イってもイっても繰り返すのよ、ツルの分際で!  
もう、途中からは意識は朦朧、頭の中真っ白。  
 
あたしが意識を取り戻したのは、顔に当たった雨粒の冷たさのせいだったわ。  
気がつくと全裸で放置され、身体中に雨があたってたの。  
 
あとでジョージに聞いたんだけど、あのスイートポテトは水分が不足すると動物の体液を吸収するようになってたんだって。  
で、水分が十分なら獲物は離すらしいの。  
だから、あたしを救ったのはなんと「雨」。  
 
多少身体はふらつくけど、どうにか魔法は使える。  
「火炎球(ファイアーボール)!」  
怒りの火炎球5連発で、スイートポテトを真っ黒に炭化させたけど、あたしの怒りはおさまらない。  
 
あたしの初めて敗けた相手が「スイートポテト」で、救いの神が「雨」。  
こんな恥ずかしいことないでしょ!!!  
だから、ここだけのひ・み・つ(はぁと)  
 
あ、ちなみに、キュリアン・タウンのジョージの店。今、閉店しているはずよ。  
あたしが本気になってケーキを食べたから、材料がなくなったんですって。  
 
 

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