エッチすれば欝淘し (前編)   (仰げば欝淘し)  
 
それは、よくある日常風景からはじまった。  
「おらテメぇ、ナメてるんじゃねーぞ」  
「あんだとゴラァ、こっちが甘い顔していると付けあがりやがって」  
ある日のうららかな昼下がり。  
とある町のある通りでの、ちんぴらたちの基本営業動作・・・・  
平和な風景であった。  
でもって、その連中がからんでいる相手がこのあたし・・戦士にして天才魔道士たるリナ=インバース  
だったりした日には、このあと展開される情景は、もはや決まっているも同然。  
あたしは口の中で呪文を唱え・・  
「風波礫圧破!」(デイミルウイン)  
つぼごぉむ!  
『のぐわあああ!』  
ちんぴらたちは、呪文一発でまともに吹っ飛び・・  
「・・・へ・・・?」  
あたしは思わずつぶやいて、ぼーぜんとその場に立ちつくす。  
連中を蹴散らした今の一撃は、あたしが放ったものではない。  
やったのは、横から聞こえた野太い声の主だった。  
 
「はっはっはっはっは!危ないところだったな!」  
その野太い声で、デカい笑い声をあげながら、ずずいっ、と、人ごみの中から出てきた  
のは、としの頃なら三十前後の、がっしりとした大柄の男。  
動きやすそうなラフで地味な服装に、黒い髪をだらしなく肩まで伸ばしている。  
・・・まぁ、このおっちゃんがやんなくても、あたしが自分でちんぴら連中を吹っ飛ばして  
いただけの話ではあるが、いちおーこーいった場合、礼を言うのが世間さま一般での通例、とゆー奴である。  
「・・・あ・・・どぉも・・・ありがとーございました」  
「はっはっは。礼には及ばないぞ。僕ぁただ、務めを果たしただけだからな」  
ぺこりと頭を下げるあたしに、いったい何が楽しいのか、おっちゃんは首を左右に振り髪をなびかせて  
またまた笑いつつ、わけのわからんことを言う。  
「ま、何をともあれ。そういうことで、これからもよろしくな。リナ=インバースくん」  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  
「・・・は?」  
にこやかな笑顔でそう言われ、思わず眉をひそめるあたし。  
・・・いや・・・・いきなし『これからよろしく』とか言われても・・・・  
「おお!そう言えば、自己紹介がまだだったな。僕ぁキンパチ=センセイモード。  
 君の教育係を負かされた。と、いうことで、よろしくな」  
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はい?・・・・・・?」  
男の言葉にあたしの目は点になったのだった。  
 
「はっはっは。リナくん、きみのことは聞いているぞー。  
 いい噂、悪い噂、エッチな噂、いろいろとね。  
 まぁ、エッチな噂の方が多いかな?はっはっはっはっ」  
とりあえず立ち話もなんだから知覚のメシ屋に案内されて。  
キンパチと名乗るおっちゃんは、いきなりそう切り出した。  
「まあ、リナくんにはリナくんの生き方があるから、それはそれでいいと僕ぁ思うんだが、  
 やっぱりそういうことを気にする人もいるからな」  
「・・・・で?・・・」  
いまいち話が見えず、キンパチに先をうながすあたし。  
「つまりだ。僕の所属する。クランドール・シティの魔道士協会の評議長もそういう人だった、  
 ということだ。評議長は心配されてるんだよ。  
 このままリナくん、きみが好き放題に悪逆非道の限りをつくしていると、きみだけじゃなく、  
 魔道士全体の風評が落ちるんじゃないか、ってね」  
「・・・悪逆非道・・・って・・・」  
ウインクしてくるキンパチに、背筋がゾッとするあたし。  
「そこで、だ。ならばきみを、常識ある真っ当な魔道士として教育する必要がある。  
 その教育係として、この僕が送られてきた、というわけなんだよ」  
「・・・ちょ・・・ちょっと待てぃっ!」  
言ってあたしはキンパチをにらみつける。  
「何なのよそれはっ!?  
 あたしが魔道士全体の評判を悪くする!?  
 そんなことあるわけないとは限んないけどそれはそれっ!  
 勝手に『教育する』とか決めて、一方的に教育係押し付けるなんて、それこそ超巨大なお世話、  
 いくらなんでもめちゃくちゃでしょーがっ!  
 あたしの意見とか立場っつーもんはどーなのよ!?」  
 
キンパチはあたしの反論を、いちいちうなずいて神妙にきいてから、  
「はははははは。馬鹿だな。リナくん。そんなものあるわけないじゃないですかぁ」  
「朗らかに言うなぁぁぁぁぁぁっ!」  
「まあまあ、落ち着いて」  
キンパチは、運ばれてきた料理をがつがつ食べはじめながら、  
「照れる気持ちはわかるけどね。もっと自分に素直になろう」  
「・・・・・・・・・・・おっさん・・・・・・・・・・」  
十年前に流行った、騎士同士のチープな師弟物語にでも出てきそうなセリフに、拒絶反応を  
通り越し、脱力感すらおぼえるあたし。  
「はっはっはっ。リナくん、『おっさん』はないだろう。  
 僕のことはこれから『先生』って呼んでくれていいよ」  
「いやぢゃぁぁぁぁっ!」  
あたしの魂からの抗議にも、キンパチは顔色ひとつ変えずに、食事をもぐもぐ続けつつ、  
「まあまあ。・・そうだ。いいことを思いついたぞ。  
 お近づきのしるし、と、先生への教育費という意味を含めて、この後、リナくんが体で先生に  
 払うのはのはどうだろう?いろいろ僕もリナくんの事知っておきたいし」  
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  
・・・・・・・・・・・・・・・んっふっふっふっ・・・・・・・・・・・・・・・  
この瞬間。  
あたしは悟った。  
こーゆー奴は言ってもムダだと。  
言ってムダならやることは一つ!  
あたしは口の中で呪文を唱え・・・  
「風波礫圧破!」(デイミルウイン)  
 
ずごどわぁぁぁぁん!  
 
・・・しかし・・・  
キンパチを吹っ飛ばした一撃は、あたしではなく、キンパチ自身の放ったものだった・・・・  
 
「・・・・で?」  
吹っ飛んだ店をダッシュで逃げ出したそのあと。  
とりあえず、追っ手がないのを確かめて、ひと落ち着きしたあとで、あたしはキンパチに問いかける。  
「一体何のまね?今のは」  
「ん?今の、とは?」  
「だから、さっきの店で、自分で自分の呪文に攻撃呪文ぶっ放したでしょーが。  
 あれって一体どーいうつもりでやったのか、って聞いてんのよ」  
「はっはっは。決まっているじゃないか、リナくん。  
 きみはさっき、先生に向かって呪文かけようとしてただろう?」  
「当たり前よ。あんなくそ勝手なこと言われたら、呪文の一発もぶっ放したくなるのが女の子、ってもんよ」  
「だからなんだ。先生は『きみがこれ以上騒ぎを起こして、魔道士のイメージ・ダウンになるのを防ぐ』  
のがそもそもの目的で、派遣されたんだからな。  
 ということは、君が呪文をぶっ放す前に、先生が同じことをすれば、目的は達成される、という訳だ!」  
「・・・・・・・・・・」  
・・・・・そ・・・そーかなー・・・・あたしがやろーとおっちゃんがやろーと、魔道士の風評が落ちるのは  
一緒のよーな気がするんだけど・・・・・  
 
「・・・・・・・まぁ・・・それはとにかく・・・・・  
 あたしは、おっちゃんを自分の教育係だなんて、認めるつもりはぜんっぜんないから。  
 おとなしく、その、なんとか、って町の協会に帰ってね」  
「はっはっはっ・まあそう言うな、リナくん。  
 確かに最初は戸惑うかもしれないが、なぁに、心配することはない。女の体と一緒さ。最初は拒絶しても  
 最後はトロトロのメチョメチョさ!」  
・・・・・・なんて下品な例えを堂々と・・・・・アホか・・・・こいつは。  
「先生が、絶対きみを、真っ当なかたぎの魔道士に更正させてみせるよ!」  
「・・・・・更正・・・・って」  
「大丈夫。教育は愛だ!愛を持って接すれば、どんなことでも絶対成し遂げられる!」  
「・・・・・・・・・あ・・・・・あのねぇ・・・・・・」  
はぅぅぅぅぅぅぅ・・・・・・  
おっちゃんのことばに、あたしは深いため息をひとつつき、  
「そもそも、『教育は愛』なんて、くそ月並みなこと言うよーな、型にはまった人間が、いろんな個性持っている  
人間を教育できる、なんて思っているの?」  
「はっはっはっは!心配しなくていいぞ、リナくん!  
 こう見えて、先生、個性にはちょっと自信があるからな!  
 その証拠に、先生、前の教え子に『お腹の赤ちゃんどうしてくれるの?』とか言われて減給処分になったからな」  
・・・・・いや・・・・堂々とした態度でンまこと言われても・・・・っていうかそれで減給だけって済む事が風評が落ちる  
ことじゃないのか・・・・・・?  
「まぁ、そんな些細な事は置いといて・・・リナくん!  
 きみには教育の大切さを考える必要はないんだ!  
 なぜって、きみがどう言おうが思おうが、先生、問答無用で君について行って体で教育するんだからなっ!  
 リナくんの体に僕の愛を叩き込んで、人間の素晴らしさ、平和の尊さを教え込むからな!  
 はっはっはっはっはっはっは!」  
「うああああああああああああああああああああああああああ。」  
きっぱり朗らかに言い放たれて。  
突っ込み所満載の主張に何も反論できず、あたしは頭を抱えて呻いたのだった。  
 
 
「はっはっは。リナくん。体を洗うときは胸からだ。どれ、先生が洗ってあげよう」  
「はっはっは。リナくん。女の人はいつ襲われるか分からないから、下着は新しい物を常に履くんだ」  
「はっはっは。リナくん。男の性器を持つときの強さはヒヨコを持つぐらいの強さでだ」  
「はっはっは。リナくん。フェラしている時は、相手の目をきちんと見てフェラするんだ」  
「はっはっは。リナくん。男の人の性欲を高めるには、お尻の穴をなめるんだ」  
「はっはっは。リナくん。フェラの最中には常に口の中で舌を動かして、相手の感じるトコを探すんだ」  
「はっはっは。リナくん。男の人がイッた後が肝心だぞ。性器についている精子を残らず舐めて飲み込むんだ」  
「はっはっは。リナくん。恥垢があったら舌ですくって、相手に見せて飲み込む!それがベスト!」  
「はっはっは。リナくん。陰毛が口に入ったら吐き出しては駄目だ。相手に見せてから飲み込む、恥垢と同じだ!」  
「はっはっは。リナくん。口内射精は、すぐ飲み込んではいけない!たくさんの命の尊さを味わって飲むように。」  
「はっはっは。リナくん。顔射では常に自分の顔を想像しろ!相手が燃えて二回戦やるくらいの場所にかけさすんだ!」  
「はっはっは。リナくん。顔射は受身ではない!攻めだ。攻めの姿勢で受け止めろ。男の愛を感じろ!」  
「はっはっは。リナくん。精子にはたくさんの未来が詰まっている。一滴もムダにするんではないぞ!」  
 
 
 エトセトラエトセトラ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・  
 
 
 
「どやかましいぃぃぃぃぃっ!!!」  
とーとーあたしが絶叫したのは、その日の昼の食事中、普通にウインナーを食べていると、ウインナーを男のモノのように  
大切に食べてみなさいと説教されたのがきっかけだった。  
 
また今晩、男の人の尊さを教えるつもりなのだろう、キンパチは虎の巻のようなものを食事の最中も手放さない。  
教育の名を借りたキンパチの欲望を毎晩受け止め続けるあたし・・・・・  
本人は愛の教育はBまで。性器を入れるCまではいかない、もう教え子に悲しい思いをさせない、と、  
のたまっているが自分勝手にイッて、要求不満なあたしを放って置いて高いびき。  
あたしは、キンパチが寝た後に自分で慰める日々・・・・・  
これでストレスのたまらない訳はない。  
「おや?どうしたんだリナくん?」  
「『どうしたんだリナくん』ぢゃないっ!いーかげんにしてほしーわねっ!」  
「ずいぶんご機嫌斜めだなリナくん。困っていることがあったら、先生に包み隠さず言ってごらん、もう深い仲bなんだから」  
「おっしゃそれなら言うわよっ!  
 そもそもあたしは、おっちゃんの存在そのものに困ってんのよっ!  
 無意味に食事中もトイレの最中もお風呂に入っているときも説教されるわ、あたりかまわず人がいる町中でフェラさせるわ、  
 夜は自分だけ満足して相手も考えないわ!」  
「はっはっは!何言っているんだ、リナくん。先生がいないと、リナくんは悪逆非道の道に突き進むじゃないか!」  
「あたしを風俗嬢にさせる気かっっ!!」  
力いっぱい叫ぶあたし。  
すでにメシ屋の客は、あたし達の会話に引いていて、次々と帰っていく。切れそうな店の主を残して・・・  
 
「それに何よりっ!あたしのような天才美少女とエッチできるだけで最高に幸せのはずなのに、いちいち文句ばっかり言いまくってっ!  
 あたしはここ二週間全然イッてないのよっ!」  
「はっはっはっは。しかたないじゃないか。先生は以前、教え子を腹ませた事があるんだ。たったそれだけで減給なんて割りにあわん!  
 先生というのは聖職だけど、お金がないとやっていけないんだよ」  
「なぁぁに言ってんのよっ!あんたの教え子のその後の人生は無視で、自分のことだけ心配してるなんて先生どころか人間として  
 決定的に間違っているわ!」  
「それが先生の教育方針だからなぁ」  
「『教育・方針』で済ませるなぁぁぁっ!  
 第一教え子に手を出した時点で犯罪よ!あたしよりあんたの教育方針とやらのほうが評判落としにつながるだろうがぁぁ!」  
「いつの時代も教師は批判の的さ。僕ぁ気にしない!」  
「あんたが気にしなくても他が気にするのよっ!」  
「教育というのは、ある意味エロスだよ」(ここだけ武田鉄也風に)  
「すでにエロスだろーーーーが!!!!!!」  
「はっはっは!リナくん、本番がエロスだと四日前の晩に六回目のフェラの後、講義したじゃないか!  
 先生の教えたことを早速忘れているな。よし、今晩は補修授業をやるぞ!  
 まぁ、以前は生本番も愛の教育と思ってバンバンやっていたが、減給されたからなぁ・・・・  
 教育も金には勝てぬか・・・・・」  
「何、自分勝手な教育を作っているんじゃぁぁぁぁ!」  
 
「いやいや、先生も役人の一人さ。教育の場を離れるとなにもできん」  
「あんたの場合、役人辞めたらすぐ逮捕よ・・・・」  
「実はこの教育だって風当たりがきついのだ、最近。生徒が辞めていくんだよ、しかも可愛い女生徒だけ。  
 なぜ分かってくれないんだ社会は」  
「わかるかぁぁぁっ!あんた、可愛い生徒だけ選り好みして教育しているでしょーが!」  
「おお!さすがリナくん。私の教え子だけのことはある。そりゃ、誰だって可愛い子を教えて、社会の男は狼だと教えたいだろ?  
「・・・・・・・・・・まさか教育界にすでに狼がいるとは・・・親は泣くでしょうね」  
「それに時間がないんだ。40人クラスだと全員に時間をかけられないからね。だから僕ぁ、以前から15人クラスを主張している」  
「あんた・・・・・・可愛い子だけ自分のクラスに選ぶでしょ?」  
「うっ!それも先生の教育方針だ!」  
「だからそれで済むかぁぁぁぁっ!」  
 
本当ならここで、攻撃呪文の一発もぶちかましてやるとゆーのが通例だが、ンな気配でも見せようなら、おっちゃんは即座に反応して、  
自分で自分を吹っ飛ばすだろう。それではストレス解消にならない。  
となれば、一体どうすれば・・・・・・  
などとあたしが思っていると・・・・・・・・  
 
 
「ほっほっほっほ!男連れとは珍しいわね、リナ=インバースっ!」  
ごがんっ。  
店の戸口から上がった馬鹿笑いに、あたしはひとたまりもなく、テーブルの上に突っ伏したのだった。  
「・・・・・・・・う・・・・・うああああああああ」  
呻きながらなんとか身を起こし、声のほうをふりかえる。  
しかし確かめるまでもない。そこには、変なコスチュームに身を包み、無意味に胸をそらせる人影がひとつ!  
自称あたしのライバルこと、ただのたかり屋、白蛇のナーガ!  
ぬああああああっ、ややこしい所にややこしい奴が増えてどーするっ!?  
「・・・・・・・な・・・・何だ?」  
驚きの声を上げるキンパチから視線をそらし、あたしは香茶をふくみつつ、  
「・・・・し・・・・・知り合いよ・・・一応・・・・・」  
「・・・・・・・なんと可憐な・・・・・」  
 
ぴぷぅっ。  
 
おっさんのつぶやいた言葉に、思わずあたしの吹き出したお茶はテーブルさえも飛び越した。  
・・・・か・・可憐て・・・・・おっさん・・・・・  
ツッコミを入れようと戻した視線の先にキンパチの姿はなく・・・・  
「いやー。ははは。ナーガさんとおっしゃるんですか」  
野太い声にふり向けば、一体いつの間に移動したのか、ナーガの前に佇むおっさんの姿。  
 
「あなたは?」  
「はいっ!僕ぁ、今度クランドール・シティから、リナくんの教育係として派遣されてきた、キンパチ=センセイモードといいます。  
 いやぁ、けどリナくんの知り合いに、こんな素敵な・・・・・  
 ・・・・・・・あ!いや!失礼!なんでもないです。あは・・・・・・あははははは!」  
ナーガの問いに、しどろもどろで答えるキンパチ。  
・・・・・・どーでもいいが、顔だけ赤らめるのはやめろ。おっさん。  
「ふっ。なるほど。」  
ナーガは面白そうに、ちらりっ、と、あたしの方に視線を走らせ、  
「わかったわキンパチさん。そういうことならこの白蛇のナーガも協力させてもらうわ」  
「ああ!それは助かります!」  
ナーガの言葉にうなずくキンパチ。  
お・・・・・おにょれナーガっ!さては人事だと思って、あたしをからかう気でいるなっ」  
・・・・・おーし・・・・・・  
そっちがそうなら・・・・・・・  
 
「あ・・・・あのキンパチ先生・・・・・・」  
「なんだねリナくん、唐突に先生なんて言葉を・・・・・」  
「いえ・・・・あたしもようやく先生の教育が少し分かってきて・・・・それでお願いがあるのですが・・・・・」  
「おお!ようやく僕の教育が実る時がきたのか。なんでも言いたまえ!リナくん」  
「あの・・・・実はその友達のナーガさんなんですけど、小さいときから貧乏で満足に学校にも行っていないんです。  
 そこで・・・自分勝手なお願いなんですが、ナーガさんにもキンパチ先生の授業をあたしと一緒に受けさせたいんですけど・・・・  
 無理・・・・ですよね・・・・・」  
と、わざとらしく演技しながら、チラリとナーガに視線を走らせる。  
「・・・お・・・おお・・・・それは・・・・・ナーガさん、あなたのような不憫な子をそのままするほど社会は腐っていたのか。よろしい!  
 僕が責任をもってあなたに特別授業をします。何年かかろうと!」  
「ありがとーございまーす、良かったねナーガさん」  
固まるナーガ。  
「ちょ・・・ちょっと、そりゃ協力するとはいったけど・・・・」  
「キンパチ先生、早速今日からお願いします」  
「よし!わかった。先生も全力で頑張るからな!さあ、こんなしみったれたメシ屋なんか出て、隣町の宿屋まで行こう」  
「はい!先生、さぁ、ナーガ行きましょう」  
「リナ、あんた・・・・」  
「さぁ、ナーガさん、僕の手を握って。手をつないで輝かしい未来に向かいましょう」  
「そーしましょ、そーしましょ、先生!」  
「リナ!騙したわねえぇぇぇ!!!!」  
 
飯屋のオッサンの怒りに満ちた顔に見送られながら、あたしたちは未来?に向かう旅路に向かうのであった。  
 
 
 
 
 
次回予告!  
 
ついにリナの前に姿を現した第二の刺客・・・・もとい生徒!  
キンパチの教育方針とは?Bまでの教育方針がくずれ、禁断のC解禁にいくのか?  
そして、どーでもいいっつったらどーでもいいことではあるが、果たしてキンパチの運命はいかに?  
教育現場の相克を描いた2ちゃんねるスレイヤーズ小説の意欲作!  
現代のただれた教育界に一喝できる超問題作!  
Hすれば欝淘し!  
なぜか創作意欲が沸いたので(ほとんど盗作だが)一週間ほどしたら次回作ができるはずだ!  
チンポの先を濡らして風邪を引かぬように待て!  
 
 

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