「リナ」  
熱っぽく自分の名前を呼ぶガウリイの声にあたしは恐る恐る振り返った。  
目のあったガウリイはにやりと笑った。そう、まさしくにやりと・・・  
「えっと・・・(汗)」  
どうしよう?どうしたらいいのだ?  
あたしが必死に頭を働かせている間もガウリイはじっとあたしを見詰めている。その視線が痛い。  
「リナ」  
溜まりかねたように、ガウリイがもう一度あたしの名前を呼んだ。  
でも、でもどうしよう?  
あたしは青い瞳から目をそらしてあたりを見回した。  
確かに人気はないが、ここは街道。いつ人が通るとも限らないのに・・・  
多分今のあたしの顔は赤くなったり青くなったりせわしないことだろう。  
ガウリイは相変わらずニヤニヤした笑いを浮かべながらあたしを見ている。  
 
つい最近保護者から恋人になったガウリイ。  
二人の関係が変わって始めてあたしはガウリイの事を全然知らなかったのだと思い知らされた。  
こんなにケダモノだったなんて・・・;  
それともあたしが知らないだけで男の人はみんなそうなのかしら?  
とにかく、まあ、・・・確かにあたしも、その・・・気持ちいいし。キライじゃないのよ。それどころか、ガウリイうまいし。あんなことされたらあたし・・・  
て、ああっ!思い出したらなんか火照ってきちゃうし!  
多分ガウリイは解かっているんだろう。あたしが拒めないって。  
結局逡巡の末、あたしはガウリイの手を取ってしまった。  
 
ガウリイはあたしを街道脇にそれた茂みに連れて行くと、いきなり激しくキスをしてくる。  
未だに慣れないあたしの口内をガウリイの舌が器用に蠢く。舌を絡められたり天井を舐められたり、唾液の混ざり合う音がクチュクチュといやらしく耳に響く。  
やっぱりガウリイのキスはうまくて、何にも考えられなくなる。じわじわとしみこむように甘い痺れが広がってあたしの身体を侵していく。  
「んぅ・・・はん、ふあ」  
唇が離れてはまた塞がれる。  
あたし・・・キスだけでこんなに感じちゃうなんて、変なのかな?  
なんかもうあそこが熱くなってる・・・  
「んあ・・・っは・ガウリイ」  
耳を舐められるとぞくぞくしちゃう。  
ねっとりと温かいガウリイの舌が耳の中にっ・・・こいつ絶対あたしが耳弱いってわかってやってる!  
「ひゃあっ、や・・・」  
「リナ」  
耳元で喋られると、と・吐息が〜。  
くすぐったさに身を捩って逃げようとしてもガウリイの腕はがっしりとあたしを離さない。  
「やん・・あ、ガウリイっ・・そこ、やめてぇ〜」  
「くっくっく」  
だから耳元でわらわないでよっ!  
「ああっ」  
背筋がぞくぞくしておしりがむずむずしちゃう。  
いつのまにかはだけた胸元をガウリイのごつごつした手がゆっくりと撫でる。あたしの小さい胸なんかその大きな手にすっぽりとおさまっちゃうのが少し悲しい。  
「っは・あ・・・んんっ」  
撫で回すガウリイの手に思わず身を捩ると、するりと服が剥ぎ取られる。  
なんか思い通りに操られているみたい。ガウリイの思うとおりに反応を返してしまう。  
足が立たなくなるとガウリイはあたしを木に押し付けて更に愛撫を続ける。  
「あっ、・・はん、あはぁ」  
ぴちゃぴちゃと音を立ててガウリイの舌があたしの胸を嘗め回す。  
あたしが崩れ落ちないように足の間に差し込まれたガウリイの膝が、身じろぐたびにあたしを刺激する。  
 
「は、ガウリイ、もう、おねが」  
「もう我慢できないのか?」  
ガウリイの膝がグイッとあたしのあそこを押し上げてくる。  
「んあっ」  
思わず声を出すあたしをガウリイは更に焦らしてくる。  
あたしのつんと立った乳首を甘噛みしたり吸い上げたり、あたしは思わず胸元のガウリイの頭を抱きしめてしまう。金色の髪は手入れなんかしていないはずなのに腹が立つほど触り心地がいい。  
「リナ」  
ガウリイはあたしの腕をそっと外すと、下から覗き込むようにキスをした。  
そうしながらあたしのズボンを下ろしていく。  
「ん・・はん」  
もどかしくってあたしはガウリイが脱がせやすいように脚を動かす。  
ズボンを脱がせたら今度は下着に手がかかる。  
ガウリイはキスをやめて、これから晒されるあたしのそこを見ながら手を下ろしていく。  
「あっ」  
下着をはがれる瞬間、溢れたものであそこと布に糸をひくのを感じてあたしは恥ずかしさに顔を染めた。  
「びちょびちょだな」  
ガウリイにもしっかり見られたみたいだ。下から揶揄するようにあたしを見上げてくる。  
「・・・ガウリイのせいなんだからっ」  
「そっか?」  
くちゅ、と音を立ててガウリイの指が溢れる液をすくう。  
「はっ・・・」  
もどかしい刺激に震えるあたしの前でガウリイは指についたそれを舐める。その仕草が妙に色っぽくて見ているあたしが赤面する。  
「ガウリイ・・・あんっ」  
呼びかけるあたしに答えるようにガウリイの指が中に差し込まれる。そしてその指を追いかけるようにガウリイの唇がそこに触れる。  
「あん、ふあ・・・あ・・ああん」  
いやらしい水音とあたしの喘ぎが静かな中やたらと大きく聞こえる。  
ぐにぐにとガウリイの指があたしの中を押し広げて引っ掻き回す。舌があたしの敏感な芽を探り出して転がす。  
 
たまらなく気持ちよくてあたしはされるがままに体を震わせて声を上げる。  
「ひあっ、あん・・・ああっ・・ふあ、は、あん」  
力の入らない体は太股を抱えているガウリイの片手と、あたしの股に顔を埋めるガウリイの頭についたあたしの手で何とか立っていられる。  
「あっ、・・・っ、し、舌が中にっがうりっ」  
指に代わってぬるりと舌が中に入ってくる。中をかき回しては音を立てて吸い上げる。  
「あ、あ、あ、も、もう・・・」  
体の震えが止まらなくなり、押し寄せる快感に目眩がする。  
「ダメ、イク、っイっちゃう・・あ、あっ、ああああっ――!!」  
意識が遠くなって倒れかけた体を力強い腕で抱きとめられた。  
一人でイカされた悔しさに睨みつける。  
「また一人でいっちまったのか?」  
あたしが一人でいかされるのを嫌がっていると知っていてこれだ。どうもガウリイはエッチの時あたしをいじめて楽しむことが多い。  
「あんたがっ・・・ひゃっ」  
言い返そうとしたらいきなり体を反転させられて、されるがままに今まで背にしていた木に手をつき腰を突き出す格好になる。  
「・・んああっ」  
抗議しようとしたら間髪いれずに後ろから挿入されていきなり激しく突き動かされる。  
「ひあぅ、や、まだ、だめっん、あん、あっ」  
いったばかりでいまだヒクつく内壁を容赦なく蹂躙されて悲鳴のような嬌声が出る。ガウリイの太くて硬いものがあたしの感じる場所を責めて奥まで突き上げる。  
「ああっ、あぅっ、だめぇ」  
肌のぶつかる音、濡れた肉の擦れる音、泡だってはじける水音がいやらしく響く。  
緩急をつけて抜き差しされ、追い詰められる。  
「ふああっ、ああん・・・」  
「もうイキそうなのか?」  
「あんっ・・っく、まだ」  
ガウリイの言葉に悔しくて必死で我慢する。  
するとガウリイは更に激しくあたしを攻める。  
「うっ、あふ、あん、あっ」  
高められた快感は体内に溜まって行き場が無く爆発しそう。でもまだイクわけにはいかない。  
 
「ひっ、ああっ、だ、だめっそこはあっ」  
それまで腰を掴んでいたガウリイの手が、すっと動いてあたしの敏感な肉芽に触れた。もう片方の手は胸をそっと包み込んで揉みあげてくる。  
「リナ、リナ」  
「ああっいやっ、だめえっ」  
あまりの快感に体がばらばらになりそうだ。意識も飛びそう。  
腰の激しい動きはそのままに、ガウリイはあたしの肉芽を捻ったりつぶしたりしてくる。胸も乳首を転がされる。  
「あっ、もう、やっ、ああっ」  
「うっ、リナ、はあ」  
「もう、ああっいっちゃうぅ――ひあああっ!」  
たまらなくなって、あたしは中にいるガウリイを締め付ける。  
ガウリイは一瞬大きく膨らんだかと思うと中に精を吐き出した。  
「ふあっ、あっ」  
たたきつけられるそれにあたしの体はびくびくと震えた。  
 
 
 
気がつくと、あたしは木の根元にあられもない格好でうつぶせていた。  
「お、気がついたか?」  
あたしを抱きしめていたガウリイが、身じろぎしたあたしに気付いて覗き込んでくる。  
そのガウリイに離して、と言うとあっさりと解放された。  
「う・・・・・・」  
改めて自分の格好を見るととんでもなく恥ずかしい。  
上着は肌蹴て引っかかっているだけだし、下に至っては何もつけていない。  
しかもあそこからはあたしの愛液とガウリイの精液の混ざったものがとろりと溢れてくる。  
「・・・・・・」  
たいしてガウリイはと言うと、あれだけを出していただけなので汚れをぬぐってあっさりと片付けている。それだけでもう元通り。なんだか不公平だ。  
「ん?どうした?」  
じっと見ているあたしに気付いてガウリイが首を傾げながら聞いてくる。  
「べつにっ」  
あたしは顔を背けると身支度を整える。  
そうしてガウリイと共にまた街道に戻る。予定外の時間を食ったが日が暮れる前に街には着けそうだ。  
街に着いたら宿を取る。部屋はいつも一部屋だ。  
隣を歩くガウリイをチラリと見上げる。  
今夜はもうしないよね?・・・でも、ガウリイだし・・・。  
溜息をつきつつ前を向き直る。  
多分また、今夜も求められたらきっと応えてしまうだろうな。さっきのもやっぱり・・・よかったし。  
自分に呆れつつあたしは街道を歩いていく。  
 
 

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