こんこん、とその部屋のドアをノックし、あたしは顔を上げた。  
ほどなくがちゃり、と扉が開き、  
その部屋の主の1人がきょとん、とあたしを出迎える。  
 
ここはとある小さな街の宿屋。  
あたし達旅の一行4人、天才美少女魔道士リナ=インバース、  
ぼっけぼけ剣士ガウリイ=ガブリエフ、  
ブロウ・デーモンとロックゴーレムの合成獣ゼルガディス、  
燃えたぎる正義の王女様アメリアの四人は  
夕方この街に辿り着き、大通りの一角に構えるそこそこの宿ににふたつ、部屋を取った。  
もちろん部屋割りはいつもの通り、  
アメリアとあたし、ガウリイとゼル_____のはずだったんだけど。  
 
「どうした?リナ」  
今夜のこの部屋の主、がウリイが口を開いた。  
「ちょっと、こっちで寛がせてよ」  
返答を待たず、やおらあたしは部屋に飛び込む。  
 
折角あったかいお風呂であったまったのに、  
こんな寒い廊下にいたら風邪引いちゃうじゃない。このばか。  
ま、このくらげ頭の剣士の辞書に風邪なんて言葉は載って無いんでしょうけど。  
 
部屋は、簡素な作りだった。狭い部屋にベットがふたつ、   
壁にかけられた薄暗いランプの明かりに照らされている。  
その他にはテーブル一つ無く、他に目立った物と言えば、  
部屋の隅に置かれたガウリイとゼルの私物だけ。  
 
「さむさむさむさむっ!」  
がばっ、とベットに身を放り投げ、おふとんの虫と化すあたし。  
薄いパジャマで、暫くどうしようかとあたりをうろうろなんてしていたせいである。  
さっきまでほかほかだった湯上り肌は、  
まるで無かった事だとでも言う様に冷え切ってしまっていた。  
 
消えてしまったぬくぬく感を再び取り戻そうと、  
頭まですっぽりとお布団をかぶり、腕の中にその端々をかきあつめて抱きしめる。  
 
 
「で、どうしたんだよ?リナ?お前さんの部屋はあっちだろうが」  
ドアを閉めて、飾り物よろしくつったったまま、ガウリイが言った。  
この部屋には椅子なんて気の利いた物はない。  
「あの部屋に今、・・・ゼルがいるのよ。」  
あたしは麗しい眉毛を歪めて答えた。  
 
前々から怪しいかほりのしまくっていたゼル・アメリア両名ではあったが、  
最近になって、2人の関係は急展開してしまったらしい。  
2人っきりになるチャンスを見計っては、影で愛を育みいちゃいちゃしている。  
 
今日も、階下の温泉からアメリアの待つ自分の部屋へと幸せ気分で帰ってみれば、  
何やら中の気配が違う。  
布の擦れる微かな音に混じる切ない吐息。  
その・・・2人が、中で、いたしていたのだ。 愛の行為を。  
 
別に2人がどーのこーのになろうがあたしはいっこーにかまわないのだが、  
締め出されたあたしはたまったもんではない。  
あたしの「温泉であったかゆったりりらっくすで幸せ〜♪の気分」を壊した罪は重い!  
あとでアメリアあんどゼルに、たんまり借りを返してもらう事を心に誓い、  
あたしはこっちの部屋へ来た、というわけ。  
 
「へ?ゼルがいたっていいじゃないか。邪魔だったら追い出すだろうが、お前さんなら。」  
のほほん、とした声を投げかけてくるガウリイ。  
こ・・こひつはっ・・・・!  
隣で2人が今何の真っ最中か分かってないほど脳味噌あんぽんたんなのかっ!!  
 
言っておくが、ガウリイの気配を察知する能力はケダモノ並みである。  
ゴキブリも裸足で逃げ出す程の力の持ち主だ。  
この部屋からでも、あたしたちの部屋にゼルがいること、  
そして隣で今何が行われているか、この男なら分かる_______筈なのだが。  
 
まあ、知能の程も、違う意味でゴキブリが裸足で逃げ出す程の力の持ち主だから、  
こーいった男女の機微は理解するに至ら無いのかも知れない。  
 
あたしはびびしぃっ!と人差し指をガウリイに向け、  
「とにかくっ!あたしは今夜ここで寝るからっ!ガウリイは外っ!」  
言って、ようやく温まってきた体を、ごろん、と横たえる。  
 
しかし_____  
 
一歩、また一歩と、ガウリイはこちらに近づいて  
どさり、とあたしの隣に寝転んだ。  
長い金髪がふわり、とあたしの手のひらに舞い落ちる。  
「な、ななななっ!」  
以外だった。いつもならあっさりドアの外で見張り番よろしく雑魚寝を始める筈なのに。  
火炎球のひとつでも食らいたいのだろうか。  
 
「おっと、火炎球を食らわすのは簡便してくれよ」  
あたしの脳内お見通し、とでも言うように釘を刺す。  
そりゃ、これだけいろいろ食らってればパターンも読めるか。  
「いつもなら出て行くとこなんだが、今日は、日が悪い」  
「なんで?」  
「風邪引いた」  
か、かぜぇ!!?  
驚きのあまりあたしはけひょ、とよくわからない音を出してしまう。  
あのガウリイが、風邪!?!?  
 
「ちょっと、ゾンビの脳みそは風邪引かないのよ!?分かってる??」  
「お、おまいは俺をなんだと・・・・」  
微妙な表情をうかべつつ、ガウリイは枕を抱きしめながら、  
俺だって風邪くらい引くさ、と呟いた。  
「だから今日はここでねかせてくれ」  
 
「どれどれ?」  
ガウリイの額に手を当てると、さっき浸かっていたお湯のような熱が伝わってきた。  
けっこう、熱い___。  
しょうがない、今日は勘弁してあげようか、と考えてから、はた、とあることに気づく。  
このベッドは、くっついて並んでいるのだ。しかも狭い。小さい。  
あたしたちはまるで、夫婦のように睦まじく  
下手すると隣で愛し合ってるゼルとアメリアの次くらいに仲良く  
並んで、寝そべっている。  
うわ〜   
 
ええい、一晩だけだっ!と、がばっと布団をかぶりなおす。  
隣の部屋では、まだ、2人の気配が微かに、しかし確かに、壁一枚隔てたそのむこうで、  
貪るように蠢いている。  
アメリアの声で、ゼルガディスさんっ!と聞こえたような気がした。  
すき・・・っ 好きですっ・・・ぅ・・ぁ・・・ああっ!!  
 
う、うひいいいいいいい!!!  
リアルにイメージしちゃうじゃないっっ!!!!!!  
 
頭を抱えて真っ赤になってるあたしをよそに、おやすみも言わず、  
ガウリイはいつの間にかすやすやと寝息を立てている。  
よく眠れるわねー、こいつ。  
 
あたしは、ゼルの肌ってごつごつして痛くないんだろうかとか、  
セイルーンの正当な王族が流れ者の男の愛を受け入れて、後で問題になるんだろうなとか、  
色んなことぐるぐる考えちゃってしょうがないっていうのに。  
 
・・・・やばい、ちょっと、もやもやしてきた・・・  
 
もやもや。  
 
正直言うと、あたしは、時々1人でこっそり、することがある。  
ガウリイと行動を共にしはじめた最初の頃こそ我慢していたが、  
どこかで慣れてしまうもので、野営中、  
彼が寝てるその横で密かに行為に及ぶ事もしばしばとなった。  
むしろ隣にガウリイが寝ていることで、恥らうきもちがあたしを燃えさせてくれたりもするのだ。  
 
(あんな声聞かされちゃ、しょうがないわよね・・・・。)  
隣の声の主たちを呪いながら、あたしの手はするするとパジャマの下に伸びる。  
ガウリイの大きな寝息に安堵しながら。  
 
 
「・・・んっ・・・・」  
衣擦れの音を立てないようにゆっくり、ゆっくりとあたしは自らの体を優しく撫でて行く。  
じっくりと自らに施す、弱弱しい愛撫。  
直ぐに終わらせる気は無かった。  
隣の部屋には愛し合う2人の動きが感じられ、あたしに淫らな想像を与えてくれる。  
すぐ隣には、熱を出し弱ったガウリイが、何も知らずに眠っている。  
その寝顔を見ながら、あたしは更に興奮を高めた。  
こんなおいしい夜には、なかなかめぐり合えない。  
今、アメリアはどんなふうにゼルに愛されているんだろう。  
今、ガウリイが目覚めてあたしを見たら、どうするだろう。  
押さえつけて、甘く囁いてくれるだろうか。  
隣でそうするゼルのように。  
 
あたしは決して実現したくない、でも焦がれてやまない妄想にふける。  
 
ガウリイは、唇をあたしの肌に押し付けて、  
息を吐きつけ、、耳から、首から、少しずつ ゆっくり舐め回して  
あたしを狂わせてくれたりするだろうか。  
それとも、あたしを、嫌ってしまう?  
どんな魔法をぶつけても、次の瞬間にはのほほんと笑うこいつが、  
本当のあたしを知ってしまったら。  
冷たい目をして、あたしを軽蔑して、見下して・・・・・  
哀れな女だと、冷笑するだろうか。  
 
ねえ、  
ねえガウリイ、あたし、こんなこともするんだよ______。  
 
堪らずに、あたしははぁぁ、っと息を吐いた。  
あたしは既にパジャマをはだけ、あられもなく胸を晒している。  
さっきまで寒さにふるえていた肌が、じっとりとした汗を噴きだしてゆく。  
布団の下で、自らの胸を弄り甘い危うい妄想に耽りながら、  
直ぐ横を流れる長い金髪に、ふと、感情を刺激された。  
 
寂しい_____。  
 
絶望的な寂しさ虚しさを突如感じた。  
普段は、こんなこと思わない。 けれど、今、ガウリイのその太い腕に触れてみたい。  
その逞しい背中に思いっきり抱きついてみたい。  
そんな気持ちが強くなって、あたしは半身を起こした。  
向こう側に向いたガウリイの顔を覗いて、なぜだかほっとする。 まつげが長い_。  
 
「・・んん・・むにゃむにゃ・・・・」  
心臓が飛び出しそうになった。 ガウリイは心地良さそうに寝返りを打つ。  
今、もし目を開けられたら、あたしがどんなかっこでガウリイを見つめているか、分かってしまう。  
 
(あぶないあぶない)  
ガウリイは、今度はこちら側を向いている。これではあまり無茶は出来ない。  
ふとんに潜り込みなおして、直ぐ近くでガウリイの顔を見つめた。  
 
けれど、あたしの気持ちは治まらなかった。ヤバい。  
 
つ、と、指先を伸ばして、ガウリイの胸に触れる。  
がっしりと筋肉のついたそれは、あたしの柔らかさとは正反対で。  
つつ、と指先を下に向かって走らせても、その強さは変わらなくて。  
このまま抱きしめたら、どんな手ごたえが帰って来るんだろう、と、  
本能的な欲求をあたしに呼びおこす。  
あたしなんか、くるまれて包まれてしまうんだろう。  
ぽふ、と、その胸におでこをくっつける。  
厚い。そして、熱い___。  
そしたら、もうとまらない。眠っているのをいいことに、  
ガウリイの全身をするすると抱きしめてしまった。  
感じる。あたしには無いその逞しさを。強さを。  
背中にのばしたあたしの腕は、脇腹までがっしりとした筋肉の強さを伝え、  
抱えようとしても収まりきらないその大きな体はあたしに例え様も無い安心感をもたらす。  
そして、あたしのふとももに当たる熱く硬いかたまり_____。  
 
え!?  
 
気が付くと、唇を吸われていた。待ちきれなかったとでもいうように、  
ねっとりと舌が進入し絡み付いてくる。  
堪らなく狂おしい甘さに、あたしは動きを返してしまった。  
ガウリイの舌が、あたしの舌の片側を丁寧に舐め回しては、  
ぞくりとするような快感を与えた。  
驚愕と溺れるきもち、半々に締められたキス。  
 
「あんた、いつから、起きてたのよ?」  
ガウリイはその胸にあたしの頭を抱え、栗色の髪を愛しむように、ひとふさひとふさ口づけを与える。  
「じつは、最初から 寝てない」  
その言葉に、顔から日が出そうになるが、顔ごと抱きしめられているので怒りをぶつけられない。  
「近くでこんなことされてぐーすか寝れるか。隣の2人にも、おまえさんにも。」  
抗議の声を上げようとして再び唇を塞がれた。  
隣のこと、気づいてたんだ____。  
 
ガウリイの両手が、あたしの胸を揉みはじめて、力が入らなくなる。  
そういえば、パジャマを肌蹴たままだった。  
死ぬほどの恥ずかしさも、与えられる快感にどこ吹く風。  
さいしょは、ゆっくり、回す様に。だけど、だんだんと、  
一番強い快感を与えてくれる所ばかりを狙って。  
その両手は、指先は、あたしの胸を、弄り続ける。  
「はぁあ・・・・んっ!」  
もう、あたしは、抵抗出来なかった。  
 
あたしの唇から離れた彼の舌は、首筋を通って、  
震える様な微かな快感を置き土産に、だんだんと下へ降りて行く。  
胸まで辿り着いたけど、だけど舐めて欲しいところを舐めてはくれず横を通り過ぎて、  
でも離れず近づかずに、焦らされる。  
「ねえ」   
ガウリイの手がびくっと止まる。「嫌・・か?」  
「嫌じゃない。でも、気づいてたの?あたしがどんなことしてるか、全部」  
「ああ     押さえるのに必死だった。お前、どれだけ俺がこうしたかったか・・・・  
気が狂うかと思ったじゃないか」  
 
ガウリイはあたしの上に覆い被さっている。 さっきまで、頭の中で夢描いていた光景。  
恥ずかしいけれども、あたしの中に無上の喜びが広がっている。  
ねえ。もっと吸ってよ。もっと、その唇の感触をちょーだい。  
 
「あぁん・・・・」  
ガウリイの舌先が、あたしの胸をちろちろと舐め回す。  
片側の膨らみを味わっては、つーっと舌を滑らせ、もう片方の膨らみへ辿り着く。  
その滑りがたまらなく気持ちよくて、あたしは身をくねらせた。  
それ、結構口渇くのに。大変なのに。  
でも、こうして欲しかったの。  
 
「俺の隣でするってことは、俺にこうして欲しかったんだろ?リナ」  
「違っ・・・・」  
出る言葉は、きもちとは違う言葉。  
普段のように攻撃呪文を唱える条件反射は出なかったけど。  
後で、覚えてなさいよ。  
 
「俺は、こうしたかった。ずっと。  リナと、こうして_____」  
「熱出してる・・くせにっ・・・  ・・んん・・ふぅっ」  
「汗をかけば、熱なんぞ引くさ」  
 
ガウリイの手が、あたしのうちももを辿って、その中で波打つ泉を布越しになぞる。  
もう、中は凄い事になってる。  
あたし、こんなに融けてるから、だから、脱がせてよ。ガウリイ。  
 
でも、恥ずかしくて、こんな自分を見せて嫌われたらどうしようっていう気持ちがぐるぐるしてて。  
そんなあたしをもて遊ぶように、泉のふちを行ったり来たり。  
嫌。中に。もっと奥に。   お願い。触って。   触ってよ、ガウリイ、  
その細い指で、あたしをかき回してよ。  
 
気持ちを見透かしたように、その手はあたしを脱がしにかかる。  
もうとろとろになっていたそこは、  
下着を十分に湿らせて あたしのももにどろりとした筋道を作った。  
「あぁあぁっ!はっ・・・・!」  
歓喜する程の激しい快楽が走った。指が、あたしのそこを上下する。  
立ち上るにおいに戸惑われやしないかと心配になる。  
そんな心配をよそに、ガウリイはあたしをしっかり抱きしめる。  
あたしの表情、声、少しも逃すまいと 怖いくらいに求めてくる。  
 
「なめていいか?」  
「んなっ・・駄目よ!」  
「舐めたい」   あたしを見つめる目が、可愛く思えた。  
「リナのここ、舐めたい」  
「リナの可愛い、ここ舐めたい・・・・・」  
 
その姿が捨て犬みたいにいぢらしくて、あたしは沈黙で答えた。  
それを了解と受け取り、嬉々として顔を下げていく。  
あたしの両足を抱えて位置を直すガウリイ。  
あたしの頭がベッドにぶつからないように優しく手でささえてくれた。  
 
ゆっくり、両足を開かされる。上から二つの青い瞳に見られてる。恥ずかしくてたまらない。  
日常生活では決して有り得ないポーズをガウリイの手によってとらされ、  
あたしは羞恥心に耐えられずにそっぽを向く。  
部屋の中は薄暗いけど、長年連れ添った相棒の目に、  
自分でも滅多に眺めないそこを初めて晒すのだ。  
 
うひぃぃぃ 冷静になるとめちゃめちゃ魔法でぶち飛ばしたいっっっ!  
あたしはぎゅ、っと目を閉じる。  
ぺちゃ、ぺちゃ、  
「ひっ!」  
稲妻のような快感が体中に走り、あたしはシーツを噛んだ。  
ガウリイの舌が、あたしのそこを這いずり回る。  
舐め取られても舐め取られても、あとからあとから湧き出てくる。溢れて来る。  
指より先に、入ってくる彼の舌。  
「ああ。・・・んやっ!ああぁあ・・・ん  あっ」  
ちろちろと、あたしが1人でするときに一番いじる所を責められ、  
そこを中心として頭上まで全身に快感が走る。  
ガウリイの与えてくれる唾液と混じってドロドロだ。  
 
正直言うと、この光景を妄想し、1人楽しんだ事もある。  
いま、ガウリイがあたしのここを舐めている。妄想なんかじゃなく、現実に。  
1人で、指で弄るのとは性質が違う快感。硬い指とは違うぷるぷるとした舌の感触。  
こんなの、こんなのって___!  
 
「ふ・・・・ぁ・」  
動きが止まりあたしが呼吸を整えると、ガウリイが、服を脱いでいた。  
窓から差し込む月明かりに照らされた、戦士の引き締まった体を見て、  
あたしの柄にもなく、きれいだなと思ってしまう。  
 
がっしりとした筋肉と、滑らかな、それでいてしっかりとした腰の曲線。  
その中心に、ぴくんと動く長い影。  
「俺のも・・・触ってくれ」  
ガウリイが、大きな手であたしの手を掴むと、ガウリイのそれへと導いた。  
熱い・・・・・  
モノを見るのは初めてじゃないけど、ちょっと怖い。  
どう触ったら気持ちいいんだろう、痛くないかなとか思いながら動かすと、、  
ちょっとだけぬるぬるした。すぐに乾いてしまったけれど。  
 
ガウリイが瞳を閉じて、震えるように息を吐く。  
気持ちいいんだな、と思うと、例え様もない愛しさが込み上げた。  
暫くいろいろ弄り続けた。筋を一刺し指でなぞり、  
その下の柔らかいところをふにふにする。  
__口でなめてあげたら喜ぶんだろうな。  
でも、少し怖かったので、やめておいた。  
 
あたしの手を止め、  
ガウリイがその両腕であたしを優しく横たえる。  
そして、あたしを包み込むように両手を置いた。  
軽く、ついばむような優しいキスが、ひとつ。  
 
「いくぞ」   「ん・・・」  
耳元でささやいて、ガウリイはあたしの中に身を沈める。  
あたしをかきわけ、ずぶ、と、あたしの中に伝わって来る感触。  
ああ、人間ってこういうふうに出来てるんだ。  
あたしはガウリイを受け入れるように、ガウリイはあたしの中に入れるように。  
______ひとつに、なれるように、できてるんだ。  
「ああああああああああっ!」  
「う、、、あ、、」  
あたしだけじゃなくて、ガウリイも声を上げる。  
きもちいい・・・きもちいい。  
狂おしいようなこの快感。  
 
あたしを気遣って、ゆっくり動きはじめるガウリイ。  
凄い。中の形が分かる。おなかの裏がわにガウリイがいる。  
突き上げてくるガウリイの振動がうれしくて気持ちいい。  
あたしは赤ちゃんのように丸まって、堪らずにシーツを銜えながら  
ガウリイの与えてくれる快感に酔いしれる。  
時折ぽたり、ぽたりと汗が落ちてきた。  
ぐぐ、っと突き上げるガウリイの表情は険しい。  
ガウリイは激しく動いて、、時折ゆるく中をかき回す。  
あたしはそれに弱いみたいで、ぞくぞくっと身を震わせる。  
 
いま、あたしたちは、ひとつだ。  
 
飛び散る汗。あたしの息。隣に聞こえて欲しくなくって洩らせない声に苦しみながら、  
伝わってくるる激しい動きに、快感に、身を任せる。  
 
 
「ごめ、、、いくっ・・・」  
ガウリイが、これまでで一番激しく動いた。  
あたしはもうたまらない。たまらない。たまらない。息が出来ない快感。  
頭が真っ白になりそうで、もう何も考えられない。  
ガウリイの手が、たくましさが、暖かさが、あたしを包んで離さない。  
 
ああ!ガウリイ!!  
すき。  好きぃ・・・・っ!  
 
それは声になっていたのか、あたしには分からない。  
一つの白い闇になって、2人とも、果てた。  
 
 
結局。  
このことは、隣の2人も気づいてたみたいで。  
お互いの部屋にも戻らず、  
いつのまにか昼間で眠りこけた。  
 
目を覚ますと、ガウリイの風邪はけろりと治っていて、  
「な?汗かけば治ったろ?」とにやにや笑う顔面にスリッパを命中させる。  
 
「ああ!リナさんが愛に目覚めるこんな日がとうとう来たんですね!」  
「いやぁ・・なんつーか、苦労するぞ旦那」  
なんて言って来た全員にもれなく火炎玉(ファイヤーボール)をお見舞いした。  
「なんで俺までっ!!」というガウリイの悲鳴が聞こえた気はしたけど問題無し!  
乙女(ってもう使えないのかしらこのフレーズ)をからかう罪は重い!!  
結局、次の日から、宿を取る時は、  
カップルに分かれて泊まるようになった。  
 
それまでと、何かがかわってしまうかもしれないけど、  
相手と共に戦う事が怖くなってしまうかもしれないけど、  
あたしたちは、それまでとは違う一歩を、踏み出したのだった____。  
 

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