「っ……あ……!」
ぎしぎしと軋むベッドの上、差し込む月明かりに縁取られた栗色の髪が、冷たい炎のように空を舞う。
ゼルガディスの上に跨ったリナが上下にバウンドするたび、ささやかな乳房も淫猥に揺れる。
粘ついた蜜の音、女の嬌声、打ち付け合う肉の乾いた音。
「あッ……あぁ……ダメぇ……気持ちいいよぉっ!」
甲高い声を甘く漂わせて、リナの上体がゼルガディスの胸の上に崩れ落ちる。
それでも女の腰は絶頂を求めて激しく上下に揺さぶられ打ち上げられ、リナはがくがく揺れる腰を止められず、おのれの手綱を握る男の首に、腕を絡ませ縋り付く。
「も、イッちゃう……イっちゃうよぉ……!」
「……好きなだけイけよ……ほら!」
「あ!! ああッ!!」
胸の間に挟まれた乳首を指先でこね回され、更に強く突き込まれた一撃がリナの最奥を犯す。
「ゼル……そっ……んな、されたら……っ……あたし……!」
意味のある言葉を最後まで紡ぐことなく、リナの肢体が歓喜に震える。
絶頂に仰け反った瞬間、月明かりに浮かび上がった恍惚の表情を目に焼き付けると、ゼルガディスもまたとどめとばかりに最後のひと突きをくれて、リナの中で果てた。
繋がったままで褥に寝そべり、戯れに啄むだけのくちづけを繰り返す。
表面だけはひんやりとした無機物の肌に手を這わせると、その奥に熱がこもって、速い脈を刻んでいるのが伝わってくる。
しかしリナは次第に撫で回すだけでは物足りなくなってきて、ゼルガディスの銀の髪を掻き上げて首筋にキスしたり、鎖骨に舌を這わせたりと悪戯を始めた。
「おい、こら……もう勘弁してくれ」
「なに弱音吐いてんのよ、まだ6回目じゃない」
「元気だなお前……おれは体が保たんよ」
リナは小柄な分、人より体力が劣る。はずだった。
しかし何故か知らないが、ベッドの中ではその優劣が逆転するのだ。
リナのテクニシャンぶりも、その要因のひとつかも知れない。
「あー、だいじょぶだいじょぶ。まだまだイケるってv」
既にぐったりしているゼルガディスを余所に、リナはにっこり笑って下肢に力を込めた。
胎内に満ちた白濁が、結合部から泡立って溢れる。
「いや、もう、マジで勘弁してくれ……」
「誘ったのはあなたでしょーが。あたしを本気にさせた以上、しっかり満足させて貰いますからねっ♪」
そう言って寝そべった体勢のまま、締め付けを続ける腰をゆっくりと回しだす。
ゼルガディスは一瞬意識が遠のいたが、リナの中に収まった彼の分身は、しっかり戦闘態勢を建て直していた。
「……あ、たしも……っ、巫女の修行、してみようか、な……」
すっかりリナに主導権を明け渡し、目を閉じていたゼルガディスは、そんな彼女の言葉にうっすら目を開く。
「なん、だ……いきなり?」
「ほら……復活(リザレクション)って、特殊な修行しなきゃ……あ……つ、かえないじゃない?
だから……あたしが、復活使えれば……もっと楽しめるかな……ってv」
「……そーゆー……問題じゃ……ないと、思うんだが……」
互いに喘ぎながら、呼吸の隙間を縫って交わす言葉は、どう聞いても睦言にはほど遠い。
近付く七度目の絶頂を遠く感じながら、ゼルガディスが溜息混じりにこう囁きかけてきた。
「……おれが体力付ければいい話だろ?」