賑やかな鳥の声と射し込む陽光によって、あたしの意識はゆっくりと覚醒した。
「ん・・・。」
身体がやけに重たく、気だるい。えーと・・あたしどうしたんだっけ?
はっきりとしない思考を巡らせて記憶を辿りながら、目の前にあるものを認識して、
あたしは激しく硬直した。
「・・・・!!」
目の前には厚く逞しい胸板。見上げたそこには、憎らしいくらい端正な顔と流れる金髪。
昨夜の出来事が一気にフラッシュバックして、思わずクラクラする。
『そうだった・・。あたし、昨日結局こいつにあんなことやこんなことを・・(///)』
ついリアルに思い出してしまい、赤くなるのが自分でもわかる。
決して夢ではないことも、脚の奥に今も微かに残る違和感が、嫌なくらい教えてくれている。
『あーもう!なんでこんなことになってんのよっ!情報を集めてお宝の在り処を突き止めなくちゃいけないのに』
そう。本来の目的はお宝「ゴルンノヴァ」を見つけ出し、持ち帰る事。まだ何の情報も得られていないうえに、いつの間にかあたしの知らないところで結ばれていたらしい契約とかでこんな昨日あったばかりの奴なんかとこんなことに〜(悔)
あの姉ちゃんが、契約書と名の付く物に目を通さないわけはない。そのあたりは抜かりの無い人だ。
実際、こちらに来る前にも、
『既に契約の方は済んでいるわ』
と言われたのみで、あたしは目を通すことも出来なかった。
もし、昨夜彼が言ったことが嘘だったとしても、あの時あたしにそれを確認する術は無かった。時を元に戻せるはずも無い。
過ぎてしまったことはどうしようもない。こうなったら是が非でもこの男から情報を聞き出して、お宝を持って帰らなくては。
「ひゃんっ!」
考え事に没頭していたところへ、ふいに与えられた感触に、思わず悲鳴が漏れた。
隣であたしを抱きかかえるように眠っていたはずのガウリイが、いまだ違和感の残る脚の奥に指を差し入れてきたのだ。
「おはよう。何一人で百面相してるんだ?」
脚の間で前後に指をざわめかせながら、涼しげな表情で彼が言う。ちょっと朝っぱらからなんてとこ触ってんのよ〜〜〜
「ちょっ・・ガウリイ様っ・・やめっ・・んっ・・」
なんとか逃れようとするが、太い腕に閉じ込められていて、抜け出すことは叶わない。もう〜!このえろスケベ男!!
「ガウリイ様っ・・ん・・だめです・・。朝から、そんなっ・・。んふぅ・・。」
とっとと張り倒してトンズラしたい気持ちをなんとか押し留め、哀願してみるが、止めるどころか愛撫の動きは巧みになっていくようで
また次第に身体の奥が熱くなり、彼の指に触れられているそこが潤んできているのを、あたしは恥ずかしさと共に感じていた。
「ほら・・。もうこんなになってるぞ」
そんなあたしを楽しんでいるように、彼は言う。指の動きは止めないままに・・。
「っ・・それは・・そんなことっ・するからっ・ん・・ん・・んっ・・っはぁんっ・・んっ・・」
くちゅ、くちゅ、と朝の光景には似つかわしくない水音がやけに耳に響く気がする。だめ・・あたし・・また・・。
「でもまだそんなに触ってないのにもうぐちょぐちょだぞ。やらしいんだな、リナのここは」
からかいを含めるような声でガウリイが囁く。もうっ、耳元でそんな事言わないでよ・・。
認めたくないけど、また新たな蜜が自分の内から溢れ出すのを感じる。お腹の奥がじんじんする。どうしよう・・。
あたしはいつしか抗うことを忘れ、彼の二の腕へ縋り付き、襲い来る快感に耐えるしかなかった
「声出していいぞ、ほら・・」
言ってガウリイは、前部の感じやすい芽にも愛撫の手を伸ばしてくる。
「ひあっ!!んんっ!!はぁっ!!だっ・・めっ・・!!」
敏感な箇所を強く弱く刺激され、身体が勝手に跳ねる。
なんとかその指から逃れようとしたけれど、抱えられたままではそれも叶わなくて、
逆に火照ってたまらない頬と、胸をガウリイへと押し付ける恰好になるだけだった。
ガウリイの厚い胸板に押し付けらた自分の胸の先が触られてもいないのに堅くなっているのがわかる。
きっと彼にもわかってしまっているだろう。しかしどうすることも出来ない。
休み無く送り込まれる快感の波にさらわれないように、ただ耐えるだけ。
やはり彼にもわかってしまったのか、脇のあたりから、臀部の辺りへと空いている腕を這わされ、
逃げようとしていた腰も引き戻される。胸も一層押し付けられる形になる。
「あっ!やっ!!くぅぅんっ!!」
引き寄せられ、外側を這っていた指を突き入れられて、あたしはガウリイの腕を掴む手に力を込めた。
「んっ・・ふぅっ・・ん。っはぁ・・ん・・んっ・・ぁあんっ・・はうっん・・。」
指はいつしか2本、3本と増やされ、内部を蠢きまわる。親指は肉芽を爪弾き、
瞑った瞼の裏で火花が散った。だめ、、もう何も考えられなくなって・・。
「ひゃうんっ!」
急に指を引き抜かれて、悲鳴が漏れる。乱れきった息を整えられないまま、仰向けに組み敷かれた。
脚を大きく割られて、彼の熱いモノが押し当てられる。
触れているその部分がひくついて待ち望んでいるのが、自分でもわかる。身体の奥がじんじんと疼いて熱い。
そんなあたしを知っているだろうに、彼は入ってこようとはせずに、入り口に留まったままだ。
じれったさに耐え切れず、見上げた青い瞳は、そんな様子を楽しんでいたようだ。・・悔しい。
「入れて欲しいのか?」
あんな風にしておいて、しれっとして彼は言う。わかってるくせに・・こいつはっ
だんだん腹が立ってくるが、問いながらもさわさわとスリットを行き来する感触に、身体と心が鬩ぎあう。
「ん・・ふぅ・・ぁん・・はぁ・・はぁ・・そんな・・ことっ・・はぁ・・ないっ・・です・・」
「じゃあやめていいのか?」
また彼が問う。このままやめられたらどうなってしまうかわからない。そんな身体の声のせいか、
あたしは意に反してその問いに首を横に振っていた。その時の目は哀願するように潤んでいたのかもしれない。
「そんな表情されたら、こっちが堪らないな。」
「きゃうんっ!!・・・ぁああああんっ!!!」
脚を肩に掛けられた次の瞬間、一気に最奥まで貫かれ、真っ白な世界へと心が弾ける。
「っはぁっ・・あんっ・・あっ、あっ、あっ、っはぁ・・ぁあんっ・・!」
やっと得られた快楽の波へ投げ出されたのも束の間、彼の激しい抽送によって引き戻される。
「んっ・・ふぅ・・んっんっんっんっ・・っはぁっ・・んくぅっ・・んっんっんっんっ・・」」
一層激しさを増していく彼の律動によって揺れるベッド、何度も押し寄せる快楽の波。
翻弄されるしかないあたしは、やがて握り締めていたシーツをより固く握り締め、声も無く背筋を仰け反らせる。
あたしの中で締め付けられていた彼が熱い迸りを放つのを遠く感じながら、弛緩していく身体をシーツの海へと沈ませていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
先に目覚めた時よりも、より気だるさを増したあたしとは対照的に、
程なくガウリイは起き上がるとガウンを羽織り、ベッドを出て行こうとする。
「今日はゆっくり休んでいるといい。」
ガウリイの様子に戸惑いを見せたあたしを安心させるような口調で、彼が言う。
「あ、いえ、そんなわけにはっ・・うきゃっ!」
起き上がろうとしたあたしだったが、腰に全く力が入らず、再びベッドへと逆戻り。
そんなあたしをきょとんと見ていたガウリイが、急に楽しそうに目を細めると
あたしの体の下に手を差し入れ、抱き上げる。
「って・・えっ?ちょっ・・ガウリイ様っ?!」
「そんなんじゃ、一人で汗も流せないだろ?」
そう言ってバスルームへと向かうガウリイ。いや、あのそれってどういう・・・。
言葉の意味をいつもより遅く理解しても、逃げ出すことも出来ず、あたしは抱えられたままバスルームの扉をくぐっていた。
一人ではかなりの広さと思えるバスタブに下ろされ、シャワーから注がれるお湯の心地よさに、ほっとため息が零れる。
先程まで体中に纏わりついていたものが流れていく。それはとても心地いいのだが、
後ろに在る存在のおかげでそれに心委ねることもならない。
あたしは今、バスタブの中、彼の脚の間に身を置き、抱えられているような状況にある。窓からは朝の陽光が降り注ぐ明るい室内で
肩の上に半ば顎を乗せる体制で、あたしとしては恥ずかしいことこの上ない。
「ここもきれいにしないとな」
「ひゃっ、やっ・・はぁぁん」
脚を彼の脚にひっかける形で広げられ、秘所へとシャワーが注がれ、もっと恥ずかしい状態へと追い込まれる。
二本の指によって割り広げられたそこからは、いまだ内部に残っていたらしい残滓が溢れ、流れていく。
昨夜からの行為の揺るがない証拠のようにも感じられるその情景は、あたしの心をざわつかせた。
シャワーが止められ、ガウリイは泡立ったスポンジであたしの身体を洗い始める。
・・洗っているというより・・なんか・・。
「あ、あのっ、ガウリイ様っ、自分で洗えますっ」
「遠慮するなよ。ほら・・」
「遠慮なんかじゃなくって・・んんっ!・・」
冗談ではない。こんな風にまさぐられ続けたら、また変になってしまいそうだ。この男、それを狙ってるんじゃ・・(汗)
案の定、身体中泡だらけにされた頃には、あたしはすっかり身体を熱くさせられていた。
絶対それをわかっているはずの彼は、続いてあたしにこう言う。
「今度はリナに洗ってもらおうかな」
スポンジを渡され、振り向かされる。熱く火照り、気だるさも残ったままの身体をなんとか動かして、彼の身体を洗っていく。
広い胸、逞しい腕、そして・・。
「あの、背中向けて頂けますか?」
背を流そうとそう促すと、彼は何を思ったかひょいとあたしを持ち上げ、抱き上げる。
「きゃっ!ちょっとっ、何をっ?」
「これで届くだろ?」
全て解決したように言う。つまり何?この体制で後ろに手を回して洗えと?
思わずキッと見返した彼はそれに動じる風も無く、挑戦的な瞳で見つめているだけだ。
・・・わかったわよ。やってやろうじゃないの。やればいいんでしょ?
そう決めてかかったあたしはすぐ後悔することになる。
その体制で彼の広い背中を洗おうとすると、必然的に彼の胸に自分の身体を押し付けることになり、
全体を洗おうとすると、何度も体制を変えなくてはならず、結果、何度も身体を擦り付けることになるのだ。
ただでさえ火照っていた身体が更に熱を帯びる。やっと洗い終えた時には、すっかり彼に凭れ掛かっていたあたしだった。
「どうした?まだ残ってるぞ」
そんなあたしに彼が囁く。鬼かあんたは!耳元で囁くのも止めて欲しい。
ふうっ・・っと息を吐いて、彼の脚へとスポンジを滑らせる。これも無駄に長いのよっ。
そしてついに最後まで視界から排除してきたものに取り掛かろうとして、しばし固まる。
「どうした?」
「え・・いや・・そのっ・・」
信じらんないっ!なんで、また元気になっちゃってるかなっ!!(汗)
しかも、明るいところで目の当たりにしたそれは、何度も自分の中に迎え入れたものだとは信じられなかった。
こんな大きいものが、あたしの中に・・?
思うところがわかったのか、ああ、そうかというようにガウリイが言う。
「ああ、リナがあんまり艶っぽく洗ってくれるもんだから」
「艶っ・・なっ!何よそれっ!あたしのせいっ?」
思わず言葉を荒げてしまったあたしに気にすることなく、彼は続ける。
「ああ、めちゃくちゃ色っぽかったぞ。熱い吐息も、潤んだ表情も。まるで誘ってるようだった」
「だっ!誰が誘ってっ!!」
顔が茹で上がっているのが自分でもわかる。
そんな様子を可笑しそうに見ている彼にも腹が立てていると、またしてもふいをつかれる。
「ひゃんっ!」
彼の指がまたあたしの秘所へと滑り込んだのだ。そして、そこは石鹸の泡とは違うぬるつきが彼の指へと細い糸を紡いでいた。
「これはなんだろうな?」
にやりと意地悪な笑みを浮かべてガウリイが言う。何も答えられないあたし。
「ここは誘ってたって言ってるみたいだな。」
更に奥へと指を進めながら、彼が言う。欲しがるように締め付けるそこがあたしの代わりに応える。
「くっ、ぅぅん。ん・・・」
ガウリイは、あたしをバスタブの底にうつ伏せにさせると、腰を持ち上げ、一気に入ってきた。
「はぁぁあんっ!!!」
泡に滑るバスタブの底に顔と胸を押し付ける形で激しく動かされ、バスルームに肌のぶつかり合う音が響く。
「はうっ!!あんっ!あんっ!あんっ!やっ・・あ・・こんな・・あんっ!あんっ!・・」
こんな明るい所でしかもこんな体勢で・・でも、またあたし、どうしようもなく気持ち良くなっちゃってる・・。
最後は持ち上げられ、揺さぶられて昇りつめたあたしは、自分が逃れられない沼に沈みかけているのを実感し始めていた。