「うっひゃーー。何度見ても無駄にどでかいお屋敷よね・・。」  
重たい荷物をその場にどかっと下ろし、あたしはこれから身を置くことになる建物を見上げた。  
まったく、屋敷だけでなく、その敷地も半端ではない。門からこの屋敷までもかなりの距離がある。  
それぞれの手入れだって半端なものじゃないだろうに。  
金持ちの見栄と感覚のズレが生んだ無駄の産物としか思えない賜物である。  
「さてっと」  
再び荷物を持ち直して、いざ、玄関のドアをノックする。  
あたしは今日からここでメイドとして雇われるのだ。  
「お待ちしておりました。リナ・インバースさん。どうぞこちらへ」  
ノックした重厚なドアの向こうからから、執事のゼイラスさんが温和そうな笑みで迎えてくれる。  
「どうぞ宜しくお願い致します」  
ゼイラスさんに案内されて長い廊下を進んでいく。これまた無駄に長い・・。  
足音隠れる足の長い敷物の上を行きながら、前を行く背に問いかける。  
「あの・・。先日はお会い出来ませんでしたが、今日はガウリイさまは?」  
「ええ、今日はもちろんいらっしゃいますよ。先日面接の際は、お会い出来ずにとても残念がっておいででした。」  
「そうですか・・」  
内心、舌打ちをする。実のところはメイドとして働くのがあたしの本来の目的ではない。本当の目的は別にあるのだ。  
 
このガブリエフ家の次男、ガウリイ・ガブリエフが受け継いだという家宝、「ゴルンノヴァ」というものを貰い受けに来たのだ。  
貰い受けるといっても、それは、この名家に代々伝わる大事な物。  
「ちょうーだいっ♪」  
と言って、「はいどーぞ」とくれるものでもない。そこはそれ。こうして潜入して在り処を探り出し、こっそりと頂くのだ。  
念のために付け加えておくが、そこらへんのこそ泥なんかと一緒にしてもらっては困る。代々由緒正しき怪盗の一家なのだ。  
盗むのにはいつもそれなりの理由がある。コレクションや売買を目的にしているわけではなく、主に研究の対象となることが多い。  
今回も、あたしは大事な命を受け、ここにいる。今回は特に姉ちゃん直々に言い付かった一仕事。  
手ぶらで帰るなんて考えるだけでも恐ろしい。  
「こちらがガウリイ様の書斎でございます。そんなに緊張なさらなくてもよろしいですよ」  
「あ、いやぁ、そういうわけでは・・」  
別の思いで緊張していたあたしの様子に勘違いしたのか、ゼイラスさんが気遣いの声をかける。  
いけないいけない。大仕事よ、しくじるわけにはいかない。  
送り出された時の姉ちゃんの冷笑がフラッシュバックする。思わず身震いするあたしをよそに、そのドアはノックされた。  
 
「ガウリイ様、リナ・インバース様をお連れしました。失礼致します」  
「ああ、どうぞ」  
人当たりの良さそうな声が中から応える。  
「失礼します」  
促されて入った部屋もなかなかの広さだった。壁際にずらりと並んだ本棚。部屋の中央の重厚な書斎机に、その人物はいた。  
窓から差し込む光と同じ色の髪の色、この日の空の色と同じ色の瞳、整った顔立ち。きっとこういうのをハンサムと呼ぶのだろう。思わずそんなことを思いながら、つい見とれていたらしい。  
「なんだ?一目ぼれか?」  
「は?」  
「いや、あんまし見とれてるみたいだから、いきなり惚れられたのかと」  
「なっ!なによそれっ!ちょっとくらい顔がいいと思ってっ」  
「お褒めの言葉ありがとう」  
「褒めてないっ!だいたいあたしは惚れてなんてっ」  
「はは、ますます気に入ったよ。君のお姉さんからの紹介状通りのようだな。まあこれから惚れてくれても構わんぞ。俺はガウリイ・ガブリエフ。よろしく」  
「あっ・・すいません。失礼しました。ガウリイ様、私はリナ・インバースと申します。本日より・・」  
そうだった。今あたしは「メイド」としてこの屋敷に来ているのだった。慌てて言うあたしの言葉を遮って彼が言った。  
「詳しいことは聞いているよ。そちらにも書類と共に伝わっていると思うが、君には俺の身の回りの事をやってもらう。」  
 
あたしにあてがわれた自室は、ガウリイの寝室のすぐ隣らしい。  
先ほどの書斎も含め、ガウリイのプライベートルームともいえるこの屋敷は、「離れ」ということになるらしい。  
普通のシゴトでは、潜入するまでにかなりの情報を得ているものなのだが、今回はその情報収集も兼ねている。  
こちら離れの方は、既に調べ終わった。特にこれといって収穫はない。隠し部屋のようなものがあれば別だが、狙う獲物は本宅の方か。  
「うーん。何にしてもまずは彼から情報を聞き出すほか無いわね」  
と全ての表向きの仕事を一通り終えて自室で考えていた時、部屋の呼び鈴が鳴った。隣のご主人様からの呼び出しである。  
「なんだろう?こんな時間に。何かあったのかしら?」  
「お呼びでしょうか?ガウリイ様」  
「ああ、リナも一緒にどうだ?」  
ワイングラスを差し上げてバスローブ姿の彼が言う。  
もしかしたら、何か聞きだせるかも?そう思い応えたことを、後悔する事になるとは。  
・・しかし、思いのほか口は堅く、夜も更けるばかり。しかも、あたしってば、そんなに酒に強い方ではない。  
頬もなんだか火照ってきたようだし、今日はこの辺で切り上げるかと思い、立ち上がりかけたその時。  
「どこへ行くんだ?」  
手首を掴まれて、先ほどまで腰掛けていたベッドへ引き戻される。  
「どこって、もう夜も更けて参りましたので、自室に戻らせて頂こうかと」  
「夜の相手は、酒の相手だけじゃないだろう?」  
「へ?」  
思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。何言ってんだ?この男。  
 
契約書にあったはずだぞ。こういうことも含まれるって」  
そう言って、ベッドに押し倒されるあたし。契約書?それって確か姉ちゃんが・・うそっ?何よそれっ!!!  
「承諾済みじゃなかったか?」  
見下ろして問われる。・・承諾済みも何もそんなこと聞いてないわよ〜〜!って叫びたいところだったが、  
もし契約破棄で手ぶらで帰ったりなんかしたら・・・。考えたくも無い。  
「い・・いいえ。お酒のせいか、ちょっと失念してました。もちろん・・承諾済みです」  
「んんっ!」  
ともかく今ここでクビになるのは、死よりも危険だ。それだけは避けなければ。  
などと考えている間に、ガウリイのキスが唇を塞いで声も思考も消えうせる。  
「・・はぁっ・・んっ・・」  
一度離れたかと思うとすぐにまた塞がれる。今度はさっきよりも深く。ガウリイの舌が、潜り込んできて、あたしのを追いかける。  
やがて、絡めとられ、口内を侵入者によってまさぐられ、背筋に電気が走る。  
体の奥がなんか熱くて・・キスされただけなのに、こんな・・こんなのって・・。  
なんとかこの場を切り抜けなくてはいけないはずのあたしは、自分の体の力が抜けていくの遠く感じるしか出来なかった。  
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
 
力の抜け切ったリナの頬へ、そして耳へ、ガウリイの唇と舌は移っていく。紅く染まった耳朶を舌がなぞった時、息を乱したままのリナの吐息に甘い旋律が混じった。  
それを聞いていいものをみつけたというように目を細めるガウリイ。しかし、愛撫の動きは止めず、更に調べ上げるように耳を舌が這っていく。  
「ひゃっ・・ぁん・・。」  
耳の奥へまで舌が這いこむと身を捩じらせてリナが喘ぐ。  
ちょうど半身がシーツから離れたところへ、ガウリイの右手が滑り込み、背中のファスナーを下ろしていく。  
リナはそのことには気が回らないふうで、耳への攻撃に意識をまだボンヤリとさせていたままだった。  
首筋へと愛撫は移しながら、彼女の着衣を取り去っていった。ぱさりと音を立てて、先ほどまで彼女を覆っていたメイド服が、微かな音と共に床へとその身を落とす。  
下着姿になった肌に夜の静かで、少し涼やかな空気が触れる。  
微かに意識を取り戻した彼女が、自分の今置かれている状況に改めて気付いた時には、もう既に胸を覆っていた物は彼によって取り去られた瞬間で、  
恥ずかしさに隠す間もなく、彼の手によってそれは覆われていた。  
「あ・・や・・んっ・・」  
微かに抵抗を試みるものの、すぐに彼の手管によって、理性は快感の向こうへ押しやられてしまう。  
『だめ・・このままじゃ・・なんとか、この場を切り抜けないと、あたし・・』  
「あっ・・ん・・ふぅ・・ガウリィ・・さま・・っん・・」  
 
「ん?なんだ?」  
聞き返しながら、ガウリイの右手は、円を描くように右の乳房を変化をつけて揉みしだきながら、すでに愛撫によって硬くなった突起へと、指でリズムを与える。  
左手ももう一つの乳房を味わいながら、こちらは舌先で先端を転がしていたガウリイが、問いに応える。しかし、手は止めずに。  
「んんっ・・はぁ・・あのっ・・あたし・・ぃん。やっぱり・・」  
彼の指使いに言葉も考えも上手くまとまらない。このまま流されてしまうのかと不安になりながら、なす術がみつからない。  
「はっきり言わないとわからないぞ」  
そう言いながら、やはり愛撫の動きは止めない。  
更に右手は、下腹部へと降りて行き、左手は背へと周り、舌と唇は、胸へと残り、たくさんの紅い花を散らしていった。  
リナは、なんとか頭の隅では、この場から逃れようと思うのだが、上手く言いくるめる言葉どころか、与えられる快感によって、考えさえも纏まらない。  
身体もしっかり抱え込まれていて身を捩じらせても、それは抗うというよりも、時折漏れる甘いと息と相まっては、愛撫に身悶えて応えるようでしかなかった。  
彼の腕から抜け出せないまま、ガウリイの右手がリナの下布の内へと滑り込む。  
 
「あぁっ!ん・・・」  
秘められた場所への刺激に、目を見開きリナの背が跳ねる。脚を閉じようとするが、既にその間には彼の膝があり、阻まれてしまう。  
それ以上手が進むのを阻止しようにも、背に回された腕に押さえられて、両の手も自由にならなかった。  
「や・・ダメッ・・ぅんっ・・」  
なんとか紡ぎだした抗いの言葉も、脚の間で蠢く指に甘い紡ぎに代えられてしまう。  
「ここはダメって言ってないぞ」  
もうすでに蜜で溢れかえったそこを指でなぞりながら意地悪そうにガウリイが囁く。さっき見つけた弱点の耳の傍で。  
「んんっ・・はぅっん・・」  
「いい声だ。もっと啼かせたい」  
リナの表情を楽しむようにしながら、ガウリイは更に秘められた場所へと指を進ませた。  
つぷり・・。  
「ああぁっ!ぅっん・・」  
背筋を仰け反らせてリナが喘ぐ。彼の指を締め付けて、奥から新しい蜜が溢れ出す。  
「いい表情だ・・そそられるな・・」  
「ぃや・・見ない・・で・・んっ!あぁんっ・・ダメっ・ぅぅっんっ・・」  
彼女の表情を楽しみながら、更に奥へと指を進める。恥ずかしさに目を瞑り、身を捩じらせるが、そこからは逃れられなかった。  
「はんっ・・んふぅ・・」  
 
ガウリイは、一度彼女の中から指を引き抜くと、邪魔な最後の薄布を取り去り、脚の間に体ごと割り入れ、内股に手をかけると大きく開かせた。  
「や・・そんなっ・・はずかし・・」  
大事な部分が人の目に曝け出されるのを拒もうとする手も、そこへ行き着く前に片手で一つに束ねられ、自由を失ってしまう。  
左手で彼女の細い手首を束ねたまま、腕で太ももを押し広げ、右手ももう片方を押しやると、ガウリイは、零れ落ちる甘い蜜へと舌を這わせた。  
「あああんっ!だめぇ、、そんなとこっ・・んっ!はぁぁっ・・んっ、、んっ・・くふぅぅっ」  
ぴちゃ・・ぺちゃ・・くちゅ・・  
味わうように、貪るようにより一層溢れ出した蜜を舐めとっていくガウリイ。いつのまにか、リナの両手は抵抗を忘れていた。  
やがて彼の舌は、彼女の内側へも潜り込んで水音を奏でた。それに彼女の声が呼応する。  
「あっ!!ぅんっ・・んっ・・はぁっ・・んっ・・んっ・・」  
先ほどまで抗っていた彼女の指は、彼の金色の髪にいつしか絡み付いていた。  
ガウリイの、内ももに添えていた片手はリナの脚の付け根、前の部分へと動き、隠されていた敏感な芽を探り出す。やがて舌もそれに加わる  
「はっ・・ぁん。・・くぅぅん。あっ・・だめぇ・・あた・・しなんか・・ヘンに・・はぅっん・・ぁんっ・・」  
「ああああっ!!!んっっ・・」  
探り当てた紅く色づくそれをガウリイが強く吸い上げた瞬間、リナの背が痺れたように弓なりにしなり、硬直した後、くたりとくずおれる。  
先ほどまで愛撫を受けていた秘所からは、先ほどまでよりも濃密な愛駅がトロリと溢れ出していた。  
 
まだ息が整わず、達した余韻の中にいる彼女の腰を持ち上げ、ガウリイは、自らの分身を、彼女の入り口の溝へと擦り付けた。  
「あぅんっ・・・」  
まだまどろみの中にいる彼女の唇から甘い音が漏れる。  
彼女の内から齎された蜜を纏わせたそれの先を彼女のもう一つの唇へと合わせると、静かに腰を沈めていった。  
くちゅ・・  
「んっ・・あっ?んっ・・」  
濡れていたせいで、あまり抵抗無く、彼女のそこはガウリイの逞しいそれを受け入れていった。  
しかし、感じる圧迫感に、あやふやだった彼女の意識が覚醒を始める。  
「大丈夫。力、抜いて」  
一旦進入を止め、彼女の唇を、自分のそれで塞ぐ。不安を宿していた紅い瞳も閉じられていった。  
貪るように深いキスを続けながら、ガウリイは、更に腰を沈めて行った。  
ゆっくりと、二人の間が近づき、侵入者を阻むものによって、再び一旦その侵攻も歩みを止めた。  
ガウリイは、息乱れる彼女の耳元でこう囁くと、一気に腰を沈めた。  
「リナ・・。愛してる」  
「んはぁ・・はぁっ・・えっ?ガウリイさまっ・・あうっっんっっっ!!」  
耳元で囁かれた声に背筋がざわつく間もなく、引き裂かれるような痛みに、リナは身を強張らせた。  
 
ガウリイは、彼女の最深部まで辿り着くと、そのまま彼女に覆いかぶさるようにして、腰を密着して動かないまま、リナの額に張り付いた髪をやさしくはらってやると、荒い息をつく彼女をいとおしそうに見つめつつ、栗色の髪を撫でていた。  
そんなガウリイに気付き、熱っぽいような瞳で、見つめ返すリナ。  
「がうりぃ・・さま・・?」  
訝しげに見上げる瞳にガウリイが応える。  
「かわいいなって思ってさ」  
「えっ?なっ・・」  
一気に真っ赤になる彼女を可笑しそうに、いとおしそうに見つめながら、再び彼女の唇を奪う。ついばむように、柔らかく味わうように。  
名残惜しそうに唇を離すと、ガウリイはゆっくりと静かに動き出した。それによって与えられる痛みに、リナの眉間に皺が刻まれた。  
「くっ・・ぅぅん・・んっ・・はっ・・ん・・はぅっ・・んんっ」  
しかし、ガウリイがその動きを続けるうちに、だんだんその中に甘い響きも混じってきていった。  
「んっ・・っふぅ・・ん・・ん・・ぁんっ・・っっはぁっ・・んんっ・・」  
そして、それに併せるように、ガウリイの抽送も速さを増して行った。  
「んっ、んっ、んっ、、ぁっ・・ん。っはぁ・・あっ・・またっ・・やっ・・きちゃうっ・・んっ、んっ、んっ・・」  
昇らされていく感覚に恐怖の声を上げるリナ。  
そんなリナの手を自分の首に回させると、ガウリイはその動きを一層激しくして、彼女を追い詰めていった。  
「あっ、あっ、あっ、あっ・・はぁぁっっっっんっ!!!!」  
ガウリイに、腕と、脚とを絡めてしがみつき、溺れるのを抗っていたリナは、身を痙攣させ、やがてその意識を手放していった。  
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
 
「ん・・」  
目が覚めるとあたしはガウリイに抱えられていた。抱えられているというよりは、抱っこされているというか・・。向かい合って抱き合ってるというか・・。  
「気が付いたか」  
あたしを膝の上で抱きしめたまま、ガウリイが、やさしそうに言う。いや・・あんましこういう状況で見つめられると照れるんですけど・・。  
・・そう、この状況。あたしとガウリイは、一糸纏わぬ姿で抱き合ってて、しかも、あたしの中には、その。。まだ彼のアレが、居座ってるわけで。。  
かなりの圧迫感を持つそれは、あたしの中で脈打ち、その熱さと堅さと存在感を誇示していた。  
先程までの事が夢ではないと突きつけるように。  
さっきは、翻弄されて訳がわからないままだったけれど、少し冷静になった今の状況は、却ってとてつもなく恥ずかしいものがある。  
そんな事を考えてしまって身じろぎしたら、どうしようもない快感が押し寄せてきて、あたしの内側が、中にいる彼をきゅんと締め付けた。  
ただでさえ存在感のあるそれが、余計に存在感を主張する。まるで蕩けたようなあたしの内側が、また一層蕩けたように、蜜を零したのが自分でもわかる。  
「んんっ・・」  
心知らず甘い声が漏れて、彼にしがみついてしまった。しがみついてしまってから、はっ、と我に返ると、ガウリイが意地悪そうな笑みを浮かべてこう言った。  
「積極的になってきたな」  
「なっ・・何言ってっ・・ぁあんっ・・はうっん・・ぁんっ・・」  
抗議しようと思った声が、彼によって違う音色に代えられる。  
 
あたしの腰に伸びた彼の手が、軽々と持ち上げ、上下へ、円を描くように、動かし始めたからだ。また、あの波が来る・・。  
そして、あたしは彼の攻めを受けながら、その波に呑まれる事を望んでいる自分を、ぼんやりとだけれど自覚していたのだった・・・。  
「んっ!んっ!はぁんっ、ぅっん、あっ、あっ、、あっ、、だめっ、、あっ・・・んっ」  
翻弄され、突き動かされるままに、ただ、彼にしがみつくしかなかった。そして、やがてあの真っ白な世界へ放り出される。  
「あああああっ!!んっっっっ!!」  
彼の手があたしの腰を力いっぱい引き寄せ、最奥の更に奥に到達を果たす。  
同時にあたしも脚と腕とで力いっぱいしがみついた時、あたしの奥で熱いものが爆ぜるのを感じた。  
暴れうねる大蛇に抗うように、あたしの内側がびくびくと締め付ける。  
彼から放たれるその熱い飛沫を自分でも知らない深い場所で感じながら、あたしはまた意識を手放した・・。  
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  
 
リナが再び目を覚ました時、まだ、先ほどとほとんど同じ状況の中にいた。気を失っていたのは、ほんの数秒のことらしい。  
まだ、彼自身は、リナの中にあり、腰を強く押し付けられたままの彼女は、いまだ余韻の中にいた。  
「大丈夫か?」  
体制はそのままで、彼女を抱きしめながら、ガウリイが問いかける。  
「ん・・」  
物憂げながら、小さく頷き、その問いに応えるリナ。  
やがてガウリイの手が、リナの顎を持ち上げると、二人はまた唇を重ねた。  
「ん・・ふ・・ん」  
何度も角度を変えて重ねられる口付けに、時折リナの吐息が部屋の夜気を流れた。  
先ほど顎を捉えた手は、いつしか二人を繋ぐもう一箇所へと伸び、接合部の上に位置する、彼女の敏感な芽を苛め始めていた。  
「んっ!んはっ・・んっ・・やっ・・んっ・ぁあっんっ・・だめ、そんなもう・・あたしっ・・」  
力なく抗い、逃げようともがくものの、腰はしっかり抱きしめられたままで動けない。  
再開された愛撫によって締め付けている相手が、もう先程の堅さを取り戻し始めている事を、実感して、絶望に似たものが、彼女を襲った。  
そして、同時に歓喜に似たものも。  
 
「リナ」  
ふいに芽への愛撫を止め、ガウリイが話しかける。  
「・・え?」  
「見てごらん」  
「あ・・」  
促されたそこは、二人が繋がっている場所だった。思わず恥ずかしさに目を逸らそうと思うが、なぜか目が離せなかった。  
そんなリナの手を取ると、接合部分に沿わせる。一瞬躊躇したリナだったが、おずおずとそれに従った。  
あてがわせたままで、ガウリイは、彼女の腰を持ち上げる。  
ずちゅ・・  
こぽっ・・  
先程までの行為による破瓜の証と侵略の証が交じり合い、ピンク色の愛液となって、中から押し出され、リナの白い内股を伝う。  
「はぁぁんっ・・」  
ギリギリまで引き抜かれた感触に、リナが声を漏らす。その声の甘美さに笑みを浮かべながら、また静かに彼女の腰を降ろさせていくガウリイ。  
「リナ」  
耳元で囁く  
「んっ・・はい・・あぅん・・」  
「感じるんだ。今、入っていってるだろ?」  
「ぁん・・っ・・は・・い・・あはっん・・」  
奥まで彼女の中に身を沈めると、接合部分に沿わせた手に再び自分の手を重ね、耳元で囁く  
「わかるか?リナの中にこれが入ってる」  
 
今はピンク色にぬるつくリナの秘所には、ガウリイの身体から繋がる太く熱いものの根本が潜り込んでいるのが、リナの指先でも、視覚でも、そして何よりその身体の奥で感じられた。  
そして、それを実感して更に強く締め上げようとするのだった。  
そんな自分の身体の反応に戸惑うように、リナはガウリイの瞳を、熱く潤む瞳で見上げた。  
そんなリナに、先ほどの答えを促すようにその瞳は答える。  
「あ、はい・・。わかり・・・ます。ガウリイ様が、私のここに今いらっしゃいます」  
自分の下腹部へもう片方の手を当てて、リナは答えた。その手の奥で自分以外の脈を感じる。  
身体の奥がどうしようもなく疼きに侵食されていくのを、自分にはどうしようもない熱さに浮かされながらリナはぼんやりと感じていた。  
「いい子だ」  
満足そうに微笑むと、褒美を与えるように、キスをする。リナも褒美をもらうように、そのキスを受けた。  
唇を離すと、一旦彼女を持ち上げ、自らを引き抜いた。  
「はうっん。。っあ・・・?」  
戸惑うリナにガウリイは言った。  
「今度はリナからおいで。」  
 
「えっ・・?」  
困惑の表情を浮かべるリナにガウリイは答えた  
「リナはメイドだろう?メイドはご主人様に奉仕しないとな」  
「・・・はい。ガウリイ様」  
意を決してリナはガウリイの方へとおずおずとではあるが、身を進める。  
ガウリイに促されて、片手は、ガウリイの肩へ、そしてもう片方をガウリイのものへと沿わせた。  
そして、自分へとあてがい、それを自分の中へ導くように腰を沈めていった。  
「んっ・・・あんっ・・っは・・ぁん・・ぅっ・・ん・・っはぁぁん・・・」  
根本まで沈めたところで、深く甘い吐息が漏れる。背筋を軽く電気がはしり、きゅんと締め付ける。  
「入れただけではだめだぞ。自分で動いてみるんだ」  
「はい・・」  
「んっ・・ふぅっ・・んっ、んっ、んっ、はんっ・・あんっ・・」  
彼に腰を支えられながら、なんとか腰を動かしていくリナ。  
時々ガウリイの手が様々な動きを見せ、力が抜けたようになる。それをなんとか堪えて、抽送を繰り返すリナだった。  
ふいにそんなリナの動きを押し留め、シーツに押し付けるようにして、激しく腰を打ち付けるガウリイ。  
その余りの激しさにただ翻弄されるままのリナだった、  
「きゃっ!あうんっ、ガウっ・・ああっ!あんっあっあっあっ・・・んんんんっ〜〜〜〜!!!」  
そして声にならない声と共に昇り詰めたリナの奥で、また熱い迸りが放たれたのだった・・。  
 

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