う〜ん…これはさすがに照れるわねぇ…  
 
今あたしとガウリイはセイルーン王家からの正式な依頼である観光地に足を運んでいる。  
この付近に指名手配犯が潜んでいてそれを捜査・身柄の確保を行うという依頼内容を受けたからである。  
セイルーン王家ともあって報酬も良く、もちろん払いだって良いのであたしはすぐにオッケーをだしたのだが…  
 
「わかっちゃいたけど…むずかゆいわね」  
「すごいなこりゃ、何処を見てもあつあつ☆らぶらぶカップルだ」  
のほほんとガウリイがつぶやく………そう、この街にはたくさんの若いカップルが滞在しているのだ。  
…ここで質問です。なぜ指名犯の追跡に正規のセイルーンの捜査部ではなくあたし達を雇ったのでしょう?  
…答え。その観光地がハネムーンのメッカであり、さらに、年頃の男女がちょうど出払ってたから♪  
土地柄的に新婚さんを装えば怪しまれずに調査できるとあって王子&王女様の信頼厚きあたし達に白羽の矢がたったのであるっ!  
とっいうわけでっ!いま!あたしたちリナ=インバースとガウリイ=ガブリエフは新婚さん(演技)なのだぁ〜!!  
…恥ずかしさでちょっとテンションが上がってるかもしんない…おちつけリナちゃん!仕事よこれは!  
「どしたんだ?さっきからぶつぶつ言って」  
「なっななな!なんでもないわよ!犯人はどこに潜伏してるかな〜?とかよ!」  
「ふ〜ん…それにしても…」  
「なによっ」  
「いや、オレ達が新婚さんに見えるのかなぁって」  
「あらめずらしい、ガウリイでも心配なんかするんだ。…で見えるのかなぁってどういうこと?」  
「リナが新婦さんに見えるかどうか」(きっぱし)  
…  
「悪かったわね!どうせあたしはガキっぽいわよ!!」  
すっぱあぁぁぁぁぁぁあん!!!  
「こんな時にもスリッパを忍ばせてるのかよ…」  
後頭部をさすりながらつぶやくガウリイ、ふん年頃の乙女に対する暴言に対する罰がこの程度ですんでありがたくおもうことねっ。  
 
それにしても…辺りを見回してみると年間を通して暑い地域とあってみんなそれなりに大胆なかっこである。  
カップルの女の方だけを見てみるとキャミソールや襟ぐりの深いノースリーブ、チューブトップに更にブラトップまでいる。  
…それにみんなけっこう胸がある。一方あたしといえばセイルーンから支給された襟付きの白いノースリーブワンピース。ちなみにガウリイはアロハなシャツである。  
他にも色々デザインがあったのだが胸元があらわになるのがいやでこういう清楚なデザインのモノばかりを使うことにしたのだ。  
「どうしたリナ、他人の胸元ばかりみて」  
ガウリイがとんでもないことをささやきかけてくる、とたんに赤くなるあたしの顔。それを見てガウリイはいじわるそうに笑うと  
「たしかに…もうちょっとお前さんの胸が大きければ年相応に見えるかもな。…せっかくの機会だし少し揉んで大きくしてやろうか?」  
むにむに  
 
・・・・こっ…この男は〜!あたしが怒りのスリッパを炸裂させるよりも先に本当に胸を揉んだのである!あたしがあまりのショックで固まっていると  
「呪文はナシだぞ、目立つからな。それからもっとくっついて歩けよ、こんな中じゃいちゃつかない方がめだつからな」  
にやりと笑いながらささやくガウリイ。たしかにまわりのカップル達は普通なら考えられないほどベタベタしている。…あ、キスしてるのまでいるやい。  
「………!」  
真っ赤になりながらうつむいてうなる、ガウリイの言ってることは一応はその通りなんだけど…  
「胸はやりすぎでしょ、胸は!え・ん・ぎなんだから…」  
なんとか言葉を絞り出す、仕事が終わったら竜破斬だかんねっ  
「そんなことよりも早くチェックインしようぜ。ほら、さっさとホテルに行くぞ」  
「えっちょっと…きゃあ」  
あたしの抗議も軽くかわして事もあろうにあたしの腰を抱いて歩き出す。真っ赤になって飛び退くが心臓がドキドキして何も言えない。  
 
そんなそんなあたしにガウリイはやれやれと笑いながら手をさしのべてくる。  
「じゃ、手つなぐくらいならいいだろ。せめてこれくらいはしとかないとへんだぞ。」  
むぅ。おそるおそる手をつなぐ。するとそのとき  
「ずいぶんと恥ずかしがりやな奥さんだねぇ。」  
声の方を見てみると人の良さそうな花売りのおばちゃんだった。  
「そんなに若々しいんだから無理もないかもねぇ。恥ずかしすぎて逃げちゃわ無いように花の一つもプレゼントしてあげなくちゃ、旦那さん」  
んな新妻おるんかい、とつっこむことも出来ずにいると  
「そうかい?じゃあその白いのをくれ」  
「あいよ」  
白くて大きな花を一輪買うガウリイ。ぽーと見ているあたしの方をむくと  
「ほら、動くなよ」  
と、あたしの頭に飾り付けた。  
「おお、けっこうに合うじゃないか♪」  
「ほんとかわいらしいおくさんねぇ」  
……もう多少のこっぱずかしさは無視した方がいいかもしんない……  
 
そしてそのホテルはなかなか立派なところであった。  
「お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?」  
「ラウリイ=ガブリエルとミナ=ガブリエルです。」  
「…四泊五日のご予約ですね。こちらがお部屋の鍵になります。どうぞごゆっくり。」  
微妙な偽名で受付をすますとあたし達はボーイの案内で部屋に入った。おーさすがセイルーン!セミスウィートとはなかなかですなあ♪  
「アメリアを脅したくせに…」  
こちらの心を読んだかのようにつぶやくガウリイ。ほっとけ。  
「ふっ外部委託は高いのよっ」  
「そーなのか?…で、今からどうするんだ?」  
「これを見てちょうだい」  
セイルーンから預かった資料を見せる。  
「これが指名手配犯とその妻よ、多少なりとも変装しているだろうけど参考までにね」  
「オレは覚えられんぞ」  
 
「あははは」  
あたしの乾いた笑いに少し憮然とした顔をしながらガウリイはあたしに質問をした。  
「で、こいつらが何やったんだよ」  
あたしは少し嫌な顔をしてこう言った。  
「連続婦女暴行殺人よ」  
一瞬、呼吸を詰まらせたガウリイが更に問いかけてくる。  
「ほんとか?じゃあなんでこいつ嫁さんといっしょなんだ!?」  
「妻も共犯者よ、夫の手伝いをしてたの。  
…多分だけど、夫に逆らえない、逆らったら捨てられる、夫無しでは生きてけない…って人なのかもしれないわね」  
「そんな人いるのか…」  
「いる、みたいよ。だからガウリイ、あたしはそれとなくみんなの顔を見ていくからあなたは他の女性を怪しい目で見ている男とか  
パートナーに対して異様におどおどしてたりする女を勘でさぐってって」  
「わかった、けど…」  
「けど?」  
「オレの側からはなれるなよ」  
「やーね、心配しすぎよガウリイ」  
「当たり前だ!オレはお前さんの保護者なんだからな」  
「あーはいはい、とりあえずまだ夕食まで間があるし調査に行きましょ」  
まったく、あたしのこととなるとうるさいクラゲである。  
 
 
そうしてあたしとガウリイは近くにあるセントラルパークに到着した。  
そして、そこは新婚さん達があちこちの物陰で「うわぁ」なことをいたしている場所であった!  
「リナ…お前さん…」  
「なによ」  
ガウリイの言いたいことはわかる、しかしこんな人の出入りが激しい上に誰が来たかどうかごまかしやすいこのような場所の調査は必須!  
嫌なことは早めになれておこうというわけだ。  
「オレを誘ってるのか?」  
ずべしゃああああぁぁぁぁ  
予想外でした。しかしこれ以上目立つのを避けるためにもこれ以上のリアクションはせずにすっくと立ち上がりガウリイにささやく。  
「違うわよ…こうゆうグチャグチャしたところの調査になれるためにまずここにしたのよ…」  
「ふーん」  
「とりあえずそのへんの茂みでいちゃつく振りしながら、歩行者といちゃついてる奴らを観察するわよ」  
「おう!」  
「いっとくけどさっきのようなセクハラは無しだかんね」  
そうして場所を移動しながらあたし達は調査をしていった。  
「だいぶ慣れてきたわね、お腹もすいてきたし次でいったん区切りましょ」  
そういってから周りからは少し見にくい、けど周りは見渡しやすい茂みにガウリイはあぐらをかいて座り込んだ。  
そしてその上にあたしが座り込み更に上体を軽くひねって両手をガウリイの首に回す。こうすると互いの髪の毛をカーテン代わりにして周りを観察できるのだ!  
そのうえ実際の密着度以上に二人はくっついてるように見える、おぉーし一石二鳥だぞ!  
唯一の問題は少し下を向いたら見えるのだ。普段は麻のハイネックを着ているから見えることはないのだが…今日はアロハなシャツ第二ボタンまであけ!  
そう、つまりはガウリイの胸元チラリズムが!さっきからずっとこの鍛えられた胸元を見続けている。その上ガウリイの男っぽい香りがその男らしさを強調している。  
覚悟を決めたとはいえ、さっきからドキドキしっぱなし。また今回もちょっぴし気になって視線を下に落とそうとしたその時であった。  
ふぅっ…  
「んっ…!」  
 
ガウリイのため息があたしの耳元にクリーンヒットしたのである。普段ならこそばゆいだけであるが気持ちがたかぶっていた今のあたしには堪らなかった。  
「どうしたリナ?なんか見つけたのか?」  
更にかかる吐息  
「なんでも…ないわよ…」  
「なんか苦しそうだぞ?体調くずしたのか?」  
そう言いながら体を離してあたしの顔をのぞき込む。  
…見られたっ!そのとき軽くではあるけれど確実に頬に赤みがかって、瞳は少し潤んでいただろう。慌てて顔を逸らす。少し感じてしまったのが、ばれた?  
「少し悪そうだな…少し休んでから引き上げるぞ」  
ばれな…かった?ガウリイはそう言ってあたしを抱きかかえ直し背中を撫でてきた。  
びくん!  
撫で方がいつもと違っていた。いつもはわしわしと撫でてくるところを今日は触れるかふれないかの強さで撫でてくる。髪を梳きながら指で耳や首筋までそっと触れてきた。  
「うっん……、ん…ん……」  
こいつ!確信犯!?息が漏れる、恥ずかしい、少し悔しい。  
「なんかひどくなってるぞ?すぐ帰った方がよさそうか?」  
なにいってんのよ!と思ってガウリイを見てみるとそこにはいつもの保護者の顔があった。  
その顔はあたしが思い違いをしていたと言ってるようで、さっきまでの自分がひどく恥ずかしく思えてきたのであった。  
「だっ大丈夫よ!ご飯食べたら直るから、さっ帰ろ」  
恥ずかしさをごまかすように慌てて立ち上がる。心配そうなガウリイを後目にあたしは急いで歩き出した。  
 
その後、ご飯に行く前に念のためトイレに行ってみたら案の定っていうかあたしのそこは少し濡れていて。  
恥ずかしさとガウリイを疑ったことに対する軽い罪悪感を感じながらそれをふき取ったのである。その日のご飯は良く味が分からなかった。  
 
食事時に大人しかったのが心配だったのか部屋に帰るとガウリイは  
「おいリナ、もう今日は早く風呂入ってねろよ」  
といってきた。さっきからの気恥ずかしさからあたしは素直に寝間着をひっつかんで浴室へと向かうことにした。  
「はー、広いお風呂ってやっぱし気持ちいいわねー」  
このあたりは火山帯が通っていることもあって、各部屋に露天温泉が備え付けられてある。二人で一緒にはいることを想定されているのかその広さはなかなかのモノである。  
「体のおっきなガウリイでもこれならゆったりよねー」  
とつぶやきながらガウリイと一緒に入る場面を想定して頬を赤らめる。あっあたしの馬鹿ばかぁ!明日もまた二人で演技しなければならないのである。  
今からこれじゃあ身が持たないっ!最後にばしゃあと頭から冷水を浴びると  
−今日中に気持ちを切り替えてやるっ!−  
と気合いをいれる。脱衣場で鏡を見ながらもちょっと胸が大きかったらなあ、と自分の胸を一揉みし、ちょっとせくしいな寝間着に着替える。  
「ガウリイ、待たせたわね!お風呂使って」  
「おー、なんか元気になったな。温泉のお陰かぁ?」  
「ふっまあそんなところね。もう心配ご無用よっ」  
おーし切り替え完了!さすがリナちゃん、さあ、明日に備えて寝るわよ。きっとベッドもふかふかね♪  
……そりゃ、そうよね……  
ベッドを見てふと思い出す、そう、この部屋には3人ぐらい余裕で寝れそうなたいそうなダブルベッドがあるだけだということを  
……はぁぁぁぁぁ……  
ため息をつきながら真ん中に二人の荷物で国境線をつくる。ああああっだめっ、二人でよりそって眠ってるとこなんて想像するなあたしぃっ!  
 
気を切り替えるのよっ…もうガウリイがお風呂から出る前に寝てやれっ!眠りの呪文をアレンジし自分にかけて無理矢理眠り込むことにした。  
そのせいであたしは気づくことが出来なかったのだ。  
お風呂からあがったガウリイがあたしが国境線をつくって寝ているのを見てやれやれと肩をすくめてこう呟いたことを  
「いくら異性を意識させようとしてたとしてもちょっとやりすぎたかなぁ…まぁ、今日はごちそうさまな♪リナ♪」  
 
それからは調査にも順調に慣れていった。そして、調査を開始してから三日目の朝に事は起こったのであった。  
「リナ、すまんがちょっとトイレに行って来るからここで待っててくれ」  
「ん、わかった」  
「ちゃーんと、待ってるんだぞ」  
「もー、わかってるわよ」  
過保護度が通常の三割り増しなガウリイがあたしのそばを離れたその一瞬……見つけ…た!  
たくさんの出店が並び人でごった返した道に変装しているが確かに手配書の二人をあたしは見ることが出来たのだ。  
−見失うっ−  
あたしはガウリイを待たずに二人を尾行することにした。周りに迷惑がかかん無いところ  
まできたら呪文の一発でお仕事完了!!  
これであと二泊はリゾート三昧ね。もしかしたら…そのもしかしたらだけどガウリイとなにか進展があるかも…あはは恥ずかしいぞ、あたしめ。  
んっ  
女の方がトイレに入っていった。男は少し待って…それからおもむろに明後日の方向へ歩き出した。  
おい…待ってやれよ。ほんとこの男は傲慢なようである。そう考えている間にも男はどんどん好き勝手に歩き出している。  
このままじゃ男を見失う。男か…女か……!男を野放しにする方が危ない!!  
あたしは男を追いかけることにした。男は人気のない方へ進んでいき、そしてとうとうまばらに生える木や植物くらいしか無い場所までたどり着いた。  
ここなら呪文で一発よね♪そうしてあたしが呪文を唱え始めたその時であった。  
 
がっ!!  
一瞬本当に目の前に星がとんだ。  
…暗く、落ちてゆく意識の中後ろに立っている人物を見ることが出来た…あの、女だった。  
…はめられ……た………  
 
・  
・  
・  
!  
…あたしはどれくらい気を失っていたんだろうか、目の前には薄暗い天井、どんな状況だったけ…?体を起こしてみる。  
あれ?体が動かない!!意識が急速に覚醒する、今の状況を急いで確認する。  
く…しまった!あたしの体は古い湿ったベッドの上で両手両足を縛られていた。背中に、冷たいものが走る。  
「お嬢ちゃん、お目覚めか?」  
声のした方に視線を泳がすとそこには件の二人が立っていた。  
口は、…大丈夫!とっさに呪文を唱え出すあたし。  
「魔導士かよ」  
ばしいぃぃぃっ!!  
呪文が完成するより早く男はなんのためらいもなくあたしの頬を思い切り殴ったのだ。呪文が中断され、口の中に鉄の味が広がる。  
「…う……」  
痛みで小さく唸るしかできないあたしを見下しながら男は喋りだした。  
「まあ…大方セイルーンの者なんだろうけどな。仕事とはいえ運がないね、あんたも」  
「どういう…意味かしら…?」  
何とか言葉を絞り出す。  
「…ふん、まぁどっちでもいいけど正直に言った方がいいんでない?」  
「だから…どういう意味かしらって…言ってるじゃない」  
「まあとぼけるのは勝手だけどね…おい!」  
呼ばれて女は顔を上げた。  
「ちょっと表見張ってろ」  
「…はい」  
少し悲しげに頷くと女は扉の方に消えていった。  
 
「…さて、と。正直に言わないあんたが悪いと言うことで」  
男があたしの口と鼻を押さえてくる。息が…できないっ!  
「呪文唱えられたら面倒だしな」  
あたしのワンピースに手をかけ一気に引き下ろす。ベッドのあちらこちらにボタンが飛び散る。  
………こいつあたしを犯してから殺す気だ!  
恐怖でパニックになってくるあたし。必死で身をよじって抵抗する。  
がっ!  
それが気に入らなかったのか今度は水月のあたりを殴られた。もうダメだ、痛みと絶望であたしの思考回路はどんどん鈍くなっていく。  
…今までこんな時どうやって切り抜けてたっけ…  
あの時はけしかけられたのが体外受精だったから大丈夫だった…あの時はガウリイがとっさに病気もちだと言って難無きを得た、こいつには無駄っぽいけど…  
…一人旅の時は…もっと警戒心持ってたわね……いつのまにあたしはこんなに自分の体の安全に無関心になっていたんだろうか…  
…わかってる、自分で気をつけなくても守ってもらえていたからだ。三年というその月日はあたしをこんなにも無警戒にさせてきたのか。  
「…!」  
胸元にひときわ強い痛みを感じ息が詰まる。あたしはもう服だった布きれが体にひっかけてる位の格好だ。胸は強く握られ赤黒い痣がついた。  
縛られた両足がそのまま高く持ち上げられ、まだ誰にも見られたことが無い場所を晒される。  
い…や…あ!叫ぼうとするが全く声は出ない、もう口元を押さえられてもいなかったのに!  
その場所を荒々しくこねくり回され粘膜が悲鳴をあげる。それでもあたしの口からは悲鳴では出ず、とぎれとぎれの呼吸があるのみだった。  
本当の恐怖に、声は出ない。  
…助けて、たすけてっ!!  
もうそう思うことがあたしにできる唯一のことであった。  
そしてついに男がズボンを脱ぎだした。  
…がうりい…それを最後にあたしはもう何も考えることが出来なくなっていった。  
 
 
…女の悲鳴と重い者が倒れる音、驚きの声を上げる男、走っている足音、扉が何かに斬られる音、あたしの名を呼ぶもう一人男の声、二人の男が一瞬交差し…  
…  
あたしは夢でも見てるんだろうか?  
そこには、がうりい。  
ガウリイが、立っていた。足下に一人の男を地に伏せさせて。  
「リナ…!!」  
朦朧とした意識の中で、ただ周りの光景だけはゆっくりと、はっきりと…だけども、現実感はもう無くなっていて。  
感情以外は驚くほどクリアに感じられるこの世界の中で無表情のままガウリイの声を聞いていた。  
そんなあたしを見てガウリイの表情は必死な形相から、強い悲痛を宿したモノになっていった。  
「リナ…すまん」  
どうしてガウリイが謝るの?一人で行動したのはあたしなのに。  
謝罪の言葉を紡ぎ続けながら、あたしの拘束を解いていく。体に触れないよう、気を使いながら。  
あたしのことをすごく大切に思ってくれているのがわかる。…優しい、ヒト。  
そう思った瞬間涙があふれてきた。あとからあとからとどまることなく。  
「リナっ!」  
「ガウリイ…」  
「リナ…もうちょっと、待ってろよ!」  
あたしの拘束を取りきり、大慌てで自分のシャツを脱ぐ。  
「ほら、これ」  
あたしをシャツでくるんでくる。大慌てだったのか汗でそれはけっこう濡れていた。  
「汗だくじゃない」  
「…すまん」  
「また謝ってる…」  
「ダメか…?」  
「………」  
「………」  
 
「ん?」  
「怖かった」  
「リナ…」  
「怖かったの!」  
あたしは声を上げて泣き出してしまった。そんなあたしはガウリイは抱き留められ、そのまま感情の赴くままあたしは声を上げて泣き続けた。  
そのまま、意識が遠のくまで。  
 
気がつくとあたしはホテルのベッドに横たえられていた。とりあえず体を起こす。  
ずきり  
体に鈍い痛みが走り、一瞬あの出来事がフラッシュバックする。  
いやだ!あたしはふらつく足で浴室に向かう。…洗わなきゃ、体洗っとかなきゃ…  
体中を洗い、頭から水で流す。あ、…だめ…  
がしゃーん  
あたしは浴室のドアに向かって倒れてしまった。幸いどこも壊れてはいないようだが痛みとだるさで体が動かない。  
「リナっどうした!」  
どうやら応接間にいたらしいガウリイが騒ぎを聞きつけて駆けつけてきた。  
「大丈夫か!?」  
聞きながらバスタオルを巻き付けてくる。そのままあたしはベッドへと運ばれていく。  
「体…どうだ?」  
「ん、なんか体中が痛くてだるいの」  
「一応目に見える傷は全部治してもらったんだが…」  
「誰に?」  
「街の外でまってるセイルーンの人」  
「来てるの?」  
「ああ、今報告の真っ最中だから。…オレに任せてリナはまだ寝てろ」  
「…………」  
「…いちおう、オレだって、そんくらい出来るぞ…」  
「…まぢで?」  
疑わしいことこの上ないが今はそれしかないようなので、あたしは素直に再び目を閉じることにした。  
 
……眩しい。  
どうやらいつの間にか朝になっていたようである。  
…っ!!!一瞬裸で寝ていたので驚いてしまった、そういやバスタオルだけで寝てたものね。  
………っっ!!!!!!がっがうりい??!!ああ目の前の鍛えられた胸板、少し視線を上げると端正な寝顔、たれて広がる黄金の髪。間違いなくガウリイである。  
ていうかパジャマはちゃんと上も着れ。  
「◇@×○*△#&☆%□〜!」  
声にならない声を上げて藻掻いているとガウリイが目を覚ました。あたしの必死の形相を見て、……ななっなんと抱きしめてきたのだ!  
じたばたじたばたじたばたじたばた  
「リナっ!大丈夫か?落ち着け」  
「落ち着けるかーー!」  
すっぱこ〜〜ん  
「いってー…て元気そうだな、大丈夫ってことでいいのか?」  
「どういうことよっっ!」  
「いや、昨晩オレは応接間のソファで寝ようと思ったんだがな、お前さんひどくうなされてて。…で、抱きしめたら楽になったみたいだったから…そのまま、な」  
なんですとっ…そういや…嫌な夢見た気もしないでもないが……けど、けど〜!自分でも真っ赤になってるのが分かってしまう。  
「せめて服着せてよね」  
「…お前さん、服着せるために部屋を明るくしてそれからタオルとって上半身起こさせて腕上げさせて袖通させて胸元でボタンを留めて…」  
ガウリイはにやりと笑うと  
「そしてなによりも片足ずつ下着に足通させる、ってのをやってほしかったのか?」  
「あはははははは、ありがとう」(一本調子)  
「いやー、照れるなー♪」  
ありがたいけどありがたくないやいっあんたのきづかひっ  
まあこんな感じで朝のドタバタがあって、それから食堂であたし達は朝食を食べにいった。  
朝のバイキングを二周したところでフォークを置く。  
「あたし、あんまし食欲無いから先に部屋に帰んね」  
「えっ、それならオレも…」  
「大丈夫よガウリイ。あとでお腹減っちゃうでしょ」  
「…でもな」  
「それに女の子はお出かけ準備に時間がかかるの、わかった?」  
「う゛ー…」  
 
まだ不満顔のガウリイを後目にあたしは食堂をあとにした。  
てくてく、てくてく、てくてく、てくてく  
食堂から続く廊下で、ふと、背後に見知らぬ男の気配に気づく。昨日のことで、ちょっと過敏になっているようだ。  
その廊下の途中にある階段から上に上がる。…少し間をおき男も続く。……偶然よね、偶然。  
二階…三階と上がり階段から見て左右に広がる廊下を右に曲がって進む。…数歩遅れて男も続く。…心音が激しくなってきた。  
更にT字路を右に曲がり…まだ、ついてくる! 体から血の気が引いていくのがはっきりと分かる。  
部屋の戸が見えてきた、もう歩いている感覚もほとんどない!恐怖に駆られ、部屋まで駆けだそうとしたその時  
がちゃ、ばたん  
………隣の、人だったんだ…力が抜けたふにゃふにゃした足取りで部屋に戻る。そのままぺたんと腰を落としてあたしは惚けてしまった。  
…あたし、これからずっと見知らぬ男におびえて暮らして行かなきゃいけないんだろうか…  
想像して、ぞくりとする  
「リナどうした?こんな所で惚けて」  
名前を呼ばれてハッと我に返る。そこにはお口にソースをつけたまま息を切らしているガウリイがいた。  
「ガウリイっあたし……」  
堪えきれずにあたしはさっきの恐怖をガウリイに向かって吐き出す。ガウリイはじっとこちらを見つめたままだ。  
…永遠とも思える永い一瞬。もしかして、もうこんな情けないあたしとは一緒に旅はできないの?そう思いかけたとき  
ふありっ…と優しくガウリイに抱き留められた。  
「リナ…すまん…謝ったからってどうにもならないがオレがもう少し気をつけていたらこんな事には…」  
よく見ると、ガウリイの目頭は少し潤んでいた。胸が締め付けられる。  
「なあ、お前さん、オレも怖いか?」  
慌てて首を振るあたし  
「それは無いわよっ…でも…それよりこんな頼りないあたしが嫌になったりしない?」  
「そんなことあるわけないだろうがっ!」  
思いのほか強い口調で言われ、びっくりして目をつむる。…そっと目を開けたその先にはガウリイの、まっすぐな視線。  
潤んだ瞳が近づき、唇が触れた。  
「ん……」  
そして唇が離れたと思ったら今度はあたしの体は宙に浮いた。ガウリイに、抱き上げられたのだ。ベットルームまで運ばれ優しく横たえられる。再び顔が近づき  
 
「ん…ん……ふあっ」  
あたしに唇に落とされた唇はあたしの体に押しつけられたまま首筋に下りてくる。声が、押さえられない。  
服の間から手を入れられて体がびくつく、未知への恐怖に身がすくむ。  
するとガウリイはあたしから身を離し、背を向けるようにベッドの端へ座り込んだ。  
「…ダメだよな…こんな、お前の心の隙狙ったような…」  
あ……  
「水でも浴びて気分変えてくるな」  
立ち上がろうとするガウリイ。あたしは慌てて…後ろから抱きしめてしまった。  
「リナ!?」  
「ガウリイ!…あたしのこと、好き!?」  
…こくん  
「ずっと、一緒にいてくれるんでしょうね」  
こくん  
「ガウリイ…」  
意を決し、ガウリイを振り向かせ、唇をかさねる。  
「そんなことしたら、止まらんぞ…」  
その言葉に対し、こくん、と頷くと、あたしは再びベッドの上に横たえられた。  
そして服を脱ぎ出すガウリイ。普段は見えない鎖骨や胸板、腹筋があらわになっていく……足の付け根あたりでその存在を主張しているモノも。  
あたしは急いで目をそらす  
「…ちょっと、そんないきなし服脱がないでよ!」  
「ん…早いか?」  
こっちははぢめてなんだからゆっくりしてよね!、とも言えずそっぽを向く。そんなあたしを見てガウリイはにっこりとほほえみ  
「なんだ、もしかして先に脱がして欲しかったのか?」  
……あほー!!といおうとするが緊張して口がぱくぱくするだけ、ああもう何がなにやら。  
そんなこと思ってるうちにもガウリイは嬉しそうにあたしのワンピースをはぎ取ってくる。  
「やっ…だ……!」  
「んー、リナは着たままが好きか?」  
「そっそんなわけないでしょうが!」  
「じゃあ脱がした方がいいだろ♪」  
びっくりするほどご機嫌のガウリイに翻弄されているうちにあたしはもう下着姿にされていた。急いで胸を隠す。  
 
そっとあたしのキスをしながら胸元にあるあたしの手を掴んでくる。ゆっくりとあたしの手をどけるとやわやわと胸を揉んできた。  
びくんっ  
それだけで過敏に反応するあたしの体。声を上げそうになるが次第に深くなっていくキスでそれはくぐもったものになってしまった。  
「リナは感じやすいな」  
唇をいったんはなして囁いてくる。その言葉で更に体の奥が熱くなってくる。  
「そんなこと言わな…ひゃんっ」  
そのまま耳を舌と唇でもて遊ばれ、声があがる。…つーか…『ひゃんっ』って!キャラにあわねーとか思われてんじゃ…うぅ  
「どーした、リナ?」  
変な顔をしてしまったのがばれてガウリイが尋ねてくる。  
「いや…なんてゆーか…変な声、でちゃうし…恥ずかしい…」  
「そうかぁ?かわいい声だと思うぞ」  
「っ!あっ……くぅ!」  
首筋を吸われ、再び声を上げてしまう。  
「ほら、かわいい……すっごくそそられる」  
「ば…かぁ……んんっ!」  
「この部屋なら周りにも聞こえないから、安心して声だしな…」  
そう言って、ガウリイはあたしの胸の先端を指でこねくりだした。鎖骨を、舌でつつっと舐められる。  
「んっ…んくっ!」  
「がまんするなよ」  
そのままガウリイの口は下へ移動していく。胸の先端を堅くした舌で転がされ、あたしは首をぶんぶん振って声を堪えた。  
ガウリイは口と手であたしを翻弄しながらどんどん下の方へ近づいてきた。  
恥ずかしい…けど、下半身を中心としてどうしても熱くなってきたあたしの体を早くどうにかして欲しい…甘い期待に、心がふるえる。  
「や…だ…がうりい…」  
内股を吸いながらついにあたしのショーツに手をかけてきた。  
「…見ないでよ、…恥ずかしいから…」  
「もう透けて見えてる」  
!!!そんなに…濡れてるの!?顔を真っ赤に染めて固まっているうちに、あたしの体を覆う最後の一枚はあっさりとはぎ取られた。  
 
「やっ……あぁっ!!」  
流れるように舌で既にかたくなっていた所を吸われてついに大きく声を上げてしまった。  
「リナはここもちっちゃいくてかわいいな」  
両手で足の根本をほぐすようにあたしのあそこを押し広げ、なおもあたしの一番感じる所を吸い上げてくる。  
「やあんっ…!がうり…こわ…いっ…、くる…し…くるしっ!」  
何かにすがりたくて虚空に向かって手を伸ばす、するとガウリイは身を起こし、あたしを抱きしめてきた。片手で肩を抱き、もう片方の手で優しく頬を撫でてくる。  
「怖くないから…」  
そういうと頬を撫でていた手をさっきまで吸っていた場所あたりにもっていった。くにくにとその場所を弄ばれ、おもわずガウリイにきつく抱きつく。  
「痛かったら言ってくれ」  
ガウリイの与えてくる快感で朦朧とした頭ではその言葉の意味が理解できずにいたら、急に下半身に異物感が襲ってきた。  
「いやっ!…ガウリイ、何!?」  
「力抜け、指入れてるだけだから」  
ゆびっ!正直一人でしたことはあるけれど怖くて一度も指なんて入れたことはない!それなのにっあたしより太いガウリイの指が今あたしの中にはいってるなんてっ!!  
その時ガウリイの、多分親指であろう、指先があふれ出している蜜をすくってさっき弄んでいた場所に塗りつけてくる。肩を掴んでいた手もいつの間にか胸元に移動していた。  
「ああっ!がうり…い、んっ…ふうっ…」  
緊張が解けてきたのを見計らってあたしの中のガウリイの指がゆるゆると動き出した。感じやすいところの刺激をうけてか、そこからはじんじんと快感があふれ出してきた。  
ガウリイの指先は、あたしの一番感じるところを探り当て、擦り上げてきた。今まで感じたことの無いような大きな快感が私を襲う。  
「きゃっ…やっ!がうりい…こわいっ…こわいーっ!」  
「大丈夫、オレを信じて」  
あたしに優しくキスをしてきながらも快感を与え続ける動きは激しさを増していく。  
「はっ…くぅ…がうり、がうり……あああああっ!!」  
あそこを中心に全身を駆けめぐる快感に、狂わされる。  
朦朧とした瞳でガウリイを見つめる。ガウリイは優しい一優しい瞳であたしを見つめかえしてきた。  
「が…うり…い…」  
「なあ…そろそろ、いいか?」  
「あ…ちょっと、待って…」  
 
さっきちらっとしか見ていなかったガウリイのあそこに恐る恐る手を伸ばす。やっぱしどんなモノが入ってくるか一応確認しなとかないと  
触れた瞬間ガウリイのモノがぴくりと震える…堅いぞこりは…  
更におそるおそるガウリイのモノに視線を送る……………  
「ガウリイ、無理、これは無理っ!!」  
「へっ!?」  
他の男のを見たこと無い以上比べようがないがそれは多分大きかった。つーか他の男もそうなのか?そうだとしたらなんとゆーいたわりの無い作りであろうかっ!  
「こんな堅くて…おっきぃ…の、入るわけ無いじゃないっ」  
「むぅ………、っ!、リナちょっとここ触ってみ、優しく」  
ガウリイに促され、その堅く熱くなっているモノの先端に触れる…あ、やわかい  
「柔らかいだろ」  
その感触が面白くてぷにぷにと指先でそこを弄びながら、こくりと頷く。  
「こんな風にちゃんと優しく入れるようになってる、リナのもちゃんと受け入れるよう出来ている。それにオレだって極力優しくする。  
…それでもだめなら、がんばってあきらめる」  
…あたしは……思い切って頷くことにした、ここで逃げては女が廃るっ!…でもやっぱこあいよう…  
ガウリイは本当に嬉しそうにあたしの胸に吸い付いてきた。一一度達したあたしの体は、簡単に再び熱を取り戻した。  
「や……ふ…んっ!」  
場所を確認するように入り口付近を二本の指でかき回される。くちゃくちゃという音が更にあたしを興奮させる。  
もう片方の手であたしの足をぐっと開かせ…動きが止まる  
「なあリナ先にきいとくけど…中で出してもいいか?」  
「ふぇ……?」  
快楽でふにゃふにゃな頭を総動員させて最後にあったあの日を思い出す、そして計算する。  
「あ…がうり…今日、だめっ…」  
「そうじゃなくて、つくってもいいかってことなんだが」  
ぼふっ  
ただでさえ赤みを帯びていたあたしの顔が一気に赤く染まる。つっつつつつっつくるだとぉっ!!なっなななな何をだぁっ!!  
「だめか…?もうオレもそろそろ子どもが欲しい年頃なんだが…」  
やっぱりこどもかぁぁっ!いやまだあたしそんな年じゃないし…ああそんなにまっすぐこっちを見るなあっ!!  
「リナ…」  
 
あうあうあうあ…う……うみゅう…どうせ中で出さなくてもリスクはあるのよね…くぅ…こうなったら…腹を決めるか…  
「いいよ…ガウリイ、きて…」  
「リナ…!」  
これまた心底嬉しそうにあたしの入り口に自身の猛りを押し当ててきた。ぐちゅりと音を立てその先端がめり込んでくる。  
「あっ…う…ん………!」  
ゆっくり、ゆっくりとガウリイが力を込めるたびにぐぐっと中に入り込んでくる。…正直、苦しい。  
「やぁがうりいっ…もっと…もっとやさしくしてぇっ…!」  
「リナ、もっと…力抜いてくれ…きついっ」  
「そんなこといっても…くぅっ!」  
ガウリイはいったん挿入を止めるとあたしにキスをし、それから唇を移動させ胸の先にきゅっと吸い付いた。思わず声がうわずる。  
その、力が抜けた一瞬を見計らってガウリイは奥までずんっと挿入してきた。  
「やっ…ふあああっ!!」  
その衝撃で悲鳴とも嬌声ともつかない声が出る。がうりいは、はあ…とため息をもらすとあたしの頭を撫でてきた。  
「大丈夫か?」  
「ん…い…がい、と…」  
「動かしてもいいか?」  
「ん…ゆっくり、お願い…」  
頼んだ通りゆっくりとガウリイは動き出す。たっぷりと濡らしたせいかそれでもちゅぷにゅぷと二人の結合部からは音が漏れた。  
「はっ…あ…ん……」  
それで興奮したのやガウリイが絶えず他の敏感なところを刺激してくれているお陰か、次第に快感を感じられるようなってきた。  
「んっんんっ!ひゃあっ……んうっ!」  
快楽で乱れていくにつれて、ガウリイの動きも激しくなっていく。部屋にはあたしの声、ガウリイの息づかい、激しさを増していく結合部のたてる水音。  
「リナ…ここさわってろ」  
「えっ…ふあぅっ…やっやだぁっ!!」  
ガウリイの手があたしの手を結合部のすぐ上でひくついていた所に押しつける。  
「手、どけるなよ」  
溢れだした蜜でぬるぬるになったそこをぐりぐりと擦り上げる。その間もガウリイの攻めは止まらない。  
 
「はあっ!んくふっ…あっ……ふあっ!!」  
「くっ……う…、りな…」  
ぽたぽたと汗を滴らせながらガウリイはあたしの名前を呼んできた。眉間にしわを寄せ苦しそうな顔をしながら、更に激しく突き上げてくる。  
「…………っ!!」  
最後は声にならなかった。少し遅れて達したガウリイの熱い白濁を感じながらあたしの意識は落ちていった。  
 
その後すぐに意識を取り戻したあたしは再び熱を取り戻したガウリイに何度も抱かれ…お陰で残り一泊ほとんど観光できなかった!  
 
その後、ガウリイが詳しい報告はセイルーンで直接します、じゃあ成功報酬はその時にってことになってた為にセイルーンに向かって旅立つこととなった。  
やっぱし、くらげに任すとろくな事がなかった…こっからセイルーン、3週間もかかるのよっ  
その旅の間に、ガウリイの深い理解と優しさのお陰か恐怖症も少しずつではあるが良くなっていった。  
 
「…で、もうそろそろ妊娠6週に入ろうという訳ね。一応ハネムーンベイビーじゃない、おめでとうリナ!」  
「ちょっそんな大声でっ!やめてよアメリア!」  
「なぁ、なんでもう6週なんだ?」  
「あーガウリイさん。それはね、最後にあったあの日の初日から数えるからよ」  
「ふーん」  
「あんたらー!!!」  
 
それから、セイルーンで出産をすませたあたし達はゼフィーリアへと向かったのだが。まぁ父ちゃんの驚くこと驚くこと。  
ものすごくドタバタはあったがなんとかあたし達は無事に結婚できた。  
ちなみに…二人目もちゃっかりハネムーンベイビーだったことはあたし達の永遠の秘密である。  
 

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