夜眠っていたリナは、自分の口から漏れる声に目を覚ました。  
「んっ、あ・・がうりい?」  
「リナ」  
 訳がわからなくて傍にいるはずの相棒の名前を呼ぶと、すぐ耳の傍で返事が来た。  
 そうして、リナは自分がその相棒に抱きかかえられて、後ろから体をまさぐられている事を知った。  
「んなっ!?な、なにしてっ、あ、あん」  
 目の前には、ちろちろと燃える焚き火の炎。後ろからはガウリイの息遣いと鼓動を感じる。  
「あ、だめっ・・・ここ外なのよっ」  
「何がダメ?気持ちいいだろ?」  
「そ、んあっ・・・は、あ・・やめ・・・誰かに、見られ、たら・・・」  
「そうだな、見られるかもな。  
 こんないやらしいとこ見られたら恥ずかしいな」  
「何言って・・・はうっ」  
 既に力の抜けた体はガウリイの膝の上から逃れることもかなわず、されるがままのリナの耳元を舌で弄びながらガウリイは行為を止めようとしない。  
 静かな森の中にリナの声が吸い込まれていく。  
「あ、あ、がうり・・やっそこっ」  
 ズボンの中に入り込んでいる手はリナの敏感な場所を的確に攻めてくる。リナの制止など聞くつもりはなさそうだ。  
 
「リナ、気持ちいい?」  
「ひっ・・・あんっ・・あ・あ、何で・・こんなっ」  
「・・・気持ちよさそうだな。聞こえるか?リナのここ・・・」  
 ガウリイはリナには答えずに、クチュクチュとわざと音を立ててリナを弄る。恥ずかしくて、リナはぎゅっと目をつぶった。  
「こんなに濡れてるもんな」  
「あ、あ・・・やめっ、はずかしっ」  
 ガウリイは、濡れた指先をリナの目の前に突きつけて愉しそうに笑う。リナの頬に塗りつけるようにガウリイの太い指がなぞる。  
「外なのに、こんなに感じて・・・リナはいやらしいなー」  
「やっ、ちが・・」  
「もっと、してやるよ」  
 ガウリイは、再びリナのズボンに手を忍ばせる。  
「あぅ、あっあっ」  
 ガウリイの指がリナの中をかき回すたびに、リナは声を上げて体を引きつらせる。  
 もう片方の手はリナの胸をくすぐる。  
「リナ」  
「ふあ、あ、・・・あ」  
 肌蹴られた胸元は、冷たい外気が当たっているはずなのに熱く汗ばんでいる。リナはどうしようもなくガウリイの与える刺激に身を捩る。  
「な、リナ、俺のこと好きか?」  
「何言って・・・きゃうっ、やああん」  
「リナ、好きか?」  
 注がれる快楽と、耳元に囁かれる低い声に、リナの思考が蝕まれる。  
「ああ、あ・・あん・は・・・き、」  
「リナ」  
 聞こえないとばかりに、ガウリイがリナの弱いところをいじめる。リナは電気を流されたように体をびくりと強張らせた。  
「あああっ、あ・・すき、大好きっ」  
 その瞬間、見えないガウリイの顔が笑ったのをリナははっきりと感じた。  
「ふあ、あ、ガウリイっ・ああああああっ!!」  
 
 どろりと、何かがリナから溢れてガウリイの指をつたった。  
 
 
「・・・・・・なんで、こんなこと」  
 向かい合わせにむきなおされて、自分の涙を唇でぬぐうガウリイにリナはようやく聞いた。  
 すると、ガウリイは笑った。それは男を感じさせるけれど、意地の悪い笑顔だった。  
「リナが困って真っ赤になる顔ってすっげーそそるんだよな」  
「んなっ!?」  
 驚いて目を見開いたリナにガウリイはチュっと音を立ててキスをした。  
「お前さんが瞳に一杯涙ためてんのもすっげーくる、だから時々いぢめたくなるんだよな」  
 リナは絶句して固まった。  
 そんなリナをくすくす笑いながら、ガウリイはリナの顔中にキスをする。  
 そして、いつの間にかズボンをくつろがせて取り出したものをリナにゆっくりと挿入した。  
「あっ・・・・」  
 いつもよりも大きく硬いそれに、リナは震えた。  
 リナの腰を掴んだガウリイの手がゆっくりとリナを揺り動かす。  
「あ、あ・・」  
 ガウリイにしがみついて喘ぐリナをガウリイは激しく突き上げ出した。  
「普段見れないリナを・・・オレだけが見れると・・思うと興奮するっ」  
「ひあああっああっだめえっ」  
 奥の奥まで突き上げられてかきまわされて、リナが仰け反る。  
 そのリナに食らい吐くようにキスをして、ガウリイはより激しくリナを求める。  
「ふぐっ・・・・んんっん―――――!!!」  
 上と下から犯されて、逃げ場の無い快感にリナはくぐもった悲鳴を上げて意識を手放した。  
 
 
 だるい体を起こしたリナにガウリイは爽やかな笑顔を見せた。  
「起きたか?」  
「・・・・・・・・・・」  
 青空もかくやと言う爽やかなガウリイを、リナはしかしじと目で睨んだ。  
「悪い悪い」  
 悪びれた様子もなく謝るガウリイにリナはぷいっとそっぽを向いて頬を膨らませた。昨夜あんな意地悪をされたのだ。しかもガウリイ本人もいじめているとはっきりと明言していた。  
「リナのそんな顔もカワイイ」  
「!!!」  
 耳元でそっと囁かれて、リナはガウリイから体を離すと無理に顔をしかめた。  
 一瞬きょとんとしたガウリイはプッと噴出すとリナを抱き寄せてその頬にキスを送った。  
「ホント、お前さんは飽きないな」  
「なによっ、このいじめっ子!!」  
「好きな子ほどいじめたくなるって言うだろ?」  
 あっさりと言い返されて、リナは更に真っ赤に染まる。  
「リナ、愛してるよ」  
「・・・いじめっ子は嫌いよ」  
 悔し紛れにリナが言い返す。が、ガウリイは平然としたもので。  
「じゃ、また好きって言うまでいじめてやるからな」  
「!!!!!」  
「ま、とりあえず朝飯食って出発するか」  
 マイペースないじめっ子ガウリイにリナは今日も翻弄される。  
 
 
 
「今夜は縛ってみるかな」  
「何か言ったガウリイ?」  
 ぴたりと脚を止めて振り返ったリナに何でもないと言いながら、ガウリイは今夜もリナをいじめる計画を立てていた。  
 
 
 
 腰掛けていた宿のベッドに押し倒された時、リナは抵抗しなかった。  
 それまで飲んでいたアルコールが程よく体に回って気分がよかったせいだ。むしろ火照った体は積極的にガウリイを求めている。  
「んふ・・・ん」  
 深く舌を絡めあいながら、ガウリイの手がリナの夜着を剥ぎ取っていく。あらわになる白い肌。  
 そしてそこに縄が這う。  
「・・・んっ?え!?ガウリイ!?!?」  
「おとなしくしろって」  
 キスの感覚に酔いしれていたリナはその状況に気付くのが遅れた。  
 慌てて身を捩るリナを難なく押さえて、ガウリイは縄を巻きつける。  
「こんなもんかな?」  
「ちょっと!?」  
 縄で縛られてベッドに転がされ、リナは顔を真っ赤にしてガウリイを睨みつけた。しかし自分を見返してくるガウリイの視線と、自分の今の格好に恥ずかしさから顔を背けた。  
 リナは後ろに手を組む形で、脚はM字開脚に縛られている。  
 
「おーこうしてるといつもよりおっきく見えるぞ?」  
 ガウリイはそう言って、縄が上下を走るリナの胸を掴んだ。そのまま柔らかくリナの胸を揉み解す。  
「んっ・・・やめてよっこんな・・・」  
 嫌がる声に怯えを滲ませているリナ。  
 ガウリイは何も答えずに、リナが唯一身に纏っている下着を引きちぎった。開かされている脚はそれを隠すことも出来ずに秘所を晒してしまう。  
 そこに、ガウリイはいきなり指を差し入れる。茂みをかきわけ、リナの中に潜り込む。  
「ああっ!?ひあぅっ」  
 まだほとんど濡れていないそこをかき回され、リナは悲鳴とも嬌声ともつかない声を上げた。  
「いっ痛いよっ!ガウリイっまだっっ」  
 逃れようにも体を揺することしか出来ない。そして体を揺する程度では逆に柔らかい内壁を刺激してしまう。  
 それでも慣れた体は次第に潤みを持ち始め湿った音を立て始める。  
「いやっ!やめてこんなのっ!!」  
 そう言いながらもリナの体は熱をもち、ガウリイの指に敏感に反応する。  
 リナの耳に自分の荒い呼吸の音が聞こえる。  
「良くなってきたみたいだな」  
 滑りの良くなる指に、ガウリイはリナの耳元にそう囁く。  
「・・・ん、やだぁ・・・ガウリイのばかっダイッキライ!」  
 涙の滲む瞳で睨みつけて精一杯の抗議をする。  
「そうか?」  
 その声を聞いたガウリイはリナの中を泳ぐ指を止めて、真っ赤になった顔を覗き込んだ。  
「キライっ、キライキライ!」  
 
「オレは愛してるぞ」  
 更に言い募ろうとしていたリナは、ガウリイの真剣な顔に息を飲んだ。  
「愛してる。リナだけが大事だ」  
「な、・・・何言って・・・・・・」  
「リナが愛しくって仕方ない」  
 怯んだリナに、ガウリイは甘い声で言葉を重ねていく。  
 その言葉にリナの顔が更に赤面していく。  
「・・・リナ」  
 ガウリイが一段と低く名前を呼ぶと、リナはもう耐えられないとばかりにぎゅっと目を閉じて見つめてくる青い瞳から逃れた。  
 だから、ガウリイの口元が意地悪く歪んだのを見逃した。  
「なあリナ・・・・・・  
 オレさっきから指動かしてないのに、ここ、どんどん溢れてきてるぞ」  
 ガウリイは差し込んだままだった指を引き抜く。ずちゅ、と大きな水音にリナの体がビクッと震えた。  
「あ・・・・・・」  
 リナから溢れた蜜は既にベッドのシーツに染みを作っている。  
 刺激を欲しがってヒクつくそこから更に溢れてくるのを鮮明に感じてしまう。  
「リナはオレのことキライなんだろう?  
 嫌いなやつに指を入れられてるだけでこんなになっちまうのか・・・」  
 わざと呆れたようにガウリイが言う。  
「ち、ちが・・・」  
「それとも、縛られてるだけで感じちまうとか?」  
 終にリナの瞳から涙が零れ落ちる。  
「どちらにしろ随分と淫乱な体だ」  
「うっ・・・・ふぇ」  
「誰にでも腰を振りそうだな」  
「ちっ違う!!  
 ガウリイだから、・・・」  
 冷たく言われてリナは必死にかぶりを振った。不自由に縛られた体ごと揺れてシーツの染みが広がる。  
「ガウリイだから・こんなになるの・・・  
 おねが・・・もういじわ・・る・・・しないでぇ」  
 
「へぇ?  
 オレだとこんな風にされても感じるんだ」  
 ガウリイは満足そうに笑ってリナの頬を流れる涙を舐める。  
「そ・・なの・・・だから・・・もう」  
「そっか、じゃあ縛られたまんまでも問題ないな。  
 リナはこれでも充分感じるんだからな」  
 その不吉な言葉にリナが反応するより早く、開かれたままの脚の間にガウリイは腰を押し付けた。  
 中を押し広げて侵入してくる塊にリナはうめく。  
「う・・あああ・・・」  
「ぬるぬるだな」  
 一気に奥まで入れるとガウリイは激しくリナを攻め出した。  
「ああっあっ・・そんなっぁ」  
 いきなりもたらされた激しい快楽にリナはそれを流そうと身を捩るが体の自由が利かない。いつもならばガウリイの背中に縋る手は後ろ手に縛られたまま。  
 体を自分で動かすことは出来ずにただ激しくガウリイに叩きつけられる。  
「いやっ・・・あんっああっ」  
 まるで犯されているみたいだ。ガウリイに犯されている。そう考えるとリナの中が緊張して中のガウリイを締め付ける。  
「リナッ・・・く」  
 ガウリイは低くうめくとリナの脚を広げているロープだけほどき体をひっくり返して後ろから突き立てる。  
 縛られているリナは顔をシーツに押し付けたまま、たくましい腕に抱えられた腰に容赦なく熱い塊を何度もぶつけられる。  
 その度に肌の打つ音と、ぐじゅぐじゅとした水音が響く。  
 
「あひっ・・・やっ・・・奥までッんあっ」  
 お腹の中まで突き上げてくる感覚にリナは悲鳴のような声を上げる。  
 伸びてきた手にむずと胸をつかまれて更に犯される。  
「あっあっ・・ひあっ・・や・こん・・・なのっ・・・  
 ああっ・んっ・・こ・われちゃ・・・うぅっ」  
「いいぞっリナッ」  
 リナの締め付けにガウリイが更に挿入を激しくする。  
「ひあっあっあっだめっ・・だめっ・あんっ・・らめえっ」  
 がくがくとリナの体が意思に反してふるえる。  
「らめっ・・ひっひゃうぅっ・・らうりぃっ・・らめっらめぇぇええ」  
「あっりなあぁ」  
 高められた快感にリナは中のガウリイを引き絞るように締め付けて身をそらせた。ガウリイもリナの奥まで潜り込んで、深い場所で精を放つ。  
「あふっ・・あっあっ」  
「ふ・・う・・・」  
 満足げな溜息と共にガウリイが吐き出すたびにリナがビクッと身を震わせて精を飲み干した。  
 しばらくリナに覆い被さったまま余韻に浸っていたガウリイがリナの中から抜け出す。その感触にリナの体が震えるが、瞳はしっかりと閉じられたままだ。  
「やりすぎたか?」  
 ガウリイはぽりぽりと頬をかいて、とりあえずリナのロープを全てほどいてやるとその小さな体を守るように抱きしめて布団を被った。  
 

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