夜半過ぎ、あたしは隣の部屋の物音で目が覚めた。  
確か隣は空き部屋だったはず・・・遅くに誰かが入ったのだろうか?  
「ねぇガウリ―――」  
隣で寝ているガウリイに声を掛けようと振り向くと、そこにガウリイの姿はなかった。  
「こんな時間にどこにいったのかしら?」  
あたしはベッドから降り、パジャマのままショートソードだけ取ると部屋の外へ出た。  
廊下へと出て隣の部屋のドアへと耳を当てると、物音が人の声だと分かった。  
『あ・・・ん・・・ああ・・』  
所々に聞こえる聞き覚えのある喘ぎ声。  
――この声は・・・。  
鍵がかかってないことを確認すると、静かに扉を開いた。  
中に入って静かに扉を閉めると部屋の奥から聞こえる声に確信を持った。  
恐る恐る暗がりの中、息を潜めて部屋の中心まで歩み寄ると、そこには信じられない光景が待っていた。  
過去、あたしを付け回していた自称「ライバル」白蛇のナーガ。  
ほとんど露出狂と言えるコスチュームは全て外され、そこには主張するかのようにプルンとゆれる乳房が誰かによって弄ばれていた。  
目を凝らしてその相手を見れば、先ほどまで自分を愛して隣で眠っていたガウリイの姿だった。  
「なっ!・・・」  
思わず声を出してしまった自分の口を急いで塞いだが、もう遅い。  
「フッ・・・ンっ・・リナ・・・借りてるわよ・・・はぁっ・・・」  
ナーガの口からは予想されていたかのように驚きの様子はなかった。  
そして、あたしに構わずガウリイとの行為を続けた。  
「が、ガウリイっ!あ、あんた何やってんのよっ!」  
ガウリイはあたしが目に入っていないかのように、平然と目の前の女に性欲をぶつけていた。  
 
「ね、ねぇっ!ガウリイ!!」  
あたしが叫び声に近い声を上げても、ガウリイはうつろな目をしてナーガを抱いていた。  
「ナーガッ!あんた、ガウリイに何したのよ!!」  
「ンン・・・アッん、あっ・・・・いい・・・んん・・・」  
ガウリイの腰の動きが早くなるにつれて、ナーガの体が反りあがっていく。  
目の前の出来事がまるで夢であるかのようにあたしの中でゆっくりと流れていった。  
「あっ・・・あっ・・・イって・・・」  
「くっ・・・」  
絶頂に達した二人をどうすることもできなく見入ってしまっていた自分がいることに気づいた。  
あたしは全身の力が抜け、その場に座り込んでしまった。  
どれくらいの時が経ったのか、気がつくと全裸のままのナーガがあたしの前に座り顔を覗き込んでいた。  
「久しぶりね、リナ。気分はどう?」  
「・・・・・・」  
「あの男いいじゃない。まぁ、あんたみたいな胸がないに等しい女より、私の方があの男も満足したんじゃない?」  
「・・・・・・」  
「あらあら、言葉もでないくらいショックだったかしら?」  
「・・・あんた・・・が・ガウリイに・・・なにしたのよ・・・?」  
「ああ、あれ?ちょっとね。新しい魔法覚えたのよ。」  
「ま・・・ほう・・・」  
「そう、それにね、もう一つあるのよ。リナの為にわざわざ私が作ったんだけどね」  
そう言うとナーガは口の中で何かを唱えるとあたしの顔に手を添え唇を奪った。  
「なっなにすんのよ!」  
ナーガの突然の行為に思わず、正気に戻りナーガの顔を殴ろうと手を―――。  
動かないっ!  
「何したの!?」  
ナーガはあたしのパジャマのボタンに指をかけながらニヤリと笑う。  
 
「あなた用に作った魔法だって言ったじゃない?」  
徐々に露になっていく自分の肌。  
ナーガはボタンを全部外し終えると肩からスルリとパジャマを脱がした。  
「やぁ・・やめてっ!」  
「『立ちなさい、リナ』」  
自分の意思をは無関係に体が勝手に立ち上がる。  
ナーガは立ち上がったあたしの下着に人差し指をかけるとそのまま下へと下げた。  
「い、いやぁあああっ!!!」  
声だけがむなしく反抗しているだけで、体は素直にナーガの思うままに従っていく。  
「『ガウリイ、リナを気持ちよくさせてあげなさい』」  
ナーガの言葉にベッドで大人しく座っていたガウリイが立ち上がり近寄ってくる。  
「がっガウリイ、やめて!」  
ナーガは立ち上がるとあたしの後ろへと回り、後ろから既に硬くなった乳首へと手を伸ばし人差し指と親指でその先端をつまんだ。  
右へ左へをゆっくりとこねるように硬くなったあたしの先端を弄る。  
相変わらずうつろな目をしたガウリイはあたしの元で膝まづくとあたしの片足を自分の肩に乗せ、茂みへと口を寄せた。  
「やぁあああっっ!!はぁっ・・・・んあ・・・」  
こんな恥ずかしいカッコをさせられながら、気分が段々と高揚していくのが分かる。  
ガウリイの舌が周りから徐々に膣へと進入してくる。  
全身の力が抜け、ナーガにもたれかかる状態になりながらも、この状況から逃げ出す方法を考える。  
 
「呪文を唱えても無駄よ。私のかけた魔法にはね、一定時間魔法の制御ができなくなる作用もあるんだから」  
「な、んはぁ・・・そん、な・・・うンン・・・」  
「まぁ、でも、こんな状態じゃあまともに呪文なんか唱えられないと思うけど。」  
ガウリイの口からはぴちゃぴちゃといやらしい音が聞こえ、舌が一番敏感な場所をなぞり、唇がすする。  
「やめ・・・て・・・おねがい・・・」  
「やめて?体は求めてるみたいだけど?まぁいいわ。『ガウリイ、やめなさい』」  
そういうとナーガはあたしから離れ、ガウリイの元へ歩み寄る。  
「ナーガ!ガウリイになにするつもり!?」  
「あなたがやめてって言ったんじゃない。あなたばかり気持ちよくなるのもなんだし、今度は私の相手もさせようと思って」  
「何ですって!?」  
「あなたはそこで見てるのね。『ガウリイ、寝て私の相手をするのよ』」  
あたしの目の前でガウリイが横になり、ガウリイの顔を跨ぐようにしてナーガが重なる。  
既に大きくなっているガウリイのモノをナーガが手に取ると、あたしを見てニッと笑いそれを口へと含んだ。  
ガウリイはナーガの腰を掴むと舌を中へと押し込んだ。  
 
見たくも無い光景を目にしながら、一度火がついた体がまた火照りだす。  
あたしの意思に関わらず無理矢理立たされてる足の間からは粘り気を帯びた液体がこぼれ始めていた。  
「・・・が・・・ガウリイ・・・」  
さっきまでその手の中にいたのはあたしなのに・・・。  
ガウリイ・・・あたしを、見てよ・・・。  
ナーガなんか舐めないで。  
あたしだってこんなになってるのに・・・。  
無意識のうちに瞳から涙がこぼれた。  
零れ落ちる涙さえ拭うこともできず、ひたすらナーガとガウリイの愛撫を眺めることしかできない。  
その瞬間―――  
「っ・・・」  
小さな声と共にナーガの顔に浴びせられる白濁した液体。  
ナーガは口の周りを舌で舐めながら拭き取り、スッと立ち上がるとあたしの前でその舌を出す。  
そのまま、あたしの胸の先端へ擦り付けるように舐めあげた。  
「あらあら、リナったらどーしたの?涙なんか流して。下のお口からも涙がこぼれてるわよ?」  
そう言いながらナーガはあたしの内股を人差し指でなぞり、流れ落ちる愛液を絡め取るとその指を舐める。  
 
「私の中で子供できちゃったらどうしようかしらね。フフッ」  
「・・・ガウリイを―――・・・返して・・・」  
「そうね、返してあげなくもないけど・・・リナもこのままじゃ不満でしょうし、とりあえず一緒に楽しみましょうか?『おいで、リナ』」  
手を差し出すナーガの言葉に誘われるように、あたしはナーガに連れられて横たわるガウリイの上へと腰を下ろした。  
勃起するガウリイのモノが少しずつあたしの中に入ってく。  
ナーガとガウリイの情事を見せつけられ、興奮していた体が喜んでいるかのように飲み込んでいった。  
「ん、んふぅん・・・」  
気持ちよさに思わず声が漏れる。  
ナーガはさっきのようにガウリイの顔の上に跨り、あたしの方を向いて笑っていたがもうどうでもよかった。  
「あンン・・・」  
自ら奥につくようにと動き出すと、ナーガがあたしの胸へしゃぶりつく。  
そしてあたしの手を自分の巨乳へと導き、あたしはその胸を揉みしだいた。  
 
「が・・うり・・ぃ・・・」  
焦らされていた分、あたしが頂点に達するには時間はかからなかった。  
しばらくガウリイの上で呆けているとナーガがもたれかかってきた。  
「んあっ」  
どうやらナーガもガウリイの舌でイカされたようだった。  
「・・・フッ、なかなかタフな男ね、リナ。」  
「ナーガ。あんたが何したいのかわかんないけど、もう気が済んだでしょう?いい加減あたし達の魔法解いてよ」  
あたしの言葉に顔を上げたナーガはニヤリと笑い、  
「よく言うわよ。あんたも十分楽しんだじゃない。まぁ確かに私の気は済んだわ。だからそろそろ解放してあげるわよ。」  
そう言うと、むっくりと起き上がり今とそう代わり映えのしない服を身にまとう。  
「ちょ、ちょっと!早く魔法解いてよ!」  
「リナ、甘いわよ。私がそんな魔法覚えてからわざわざ来ると思ってるわけ?」  
「・・・なっ!?」  
ガウリイに跨ったままの格好で呆然となる。  
ガウリイの顔を見ると変わりなくうつろな目をしながら横たわっているだけだった。  
このまま魔法が解けずにあたしはガウリイから降りることもできず、ガウリイはうつろなマグロなままだったら・・・。  
「絶対、いやぁあああああっっ!!」  
頭を抱えて叫びたかったが、できたのは声を上げることだけだった。  
 
「じゃあ、リナ、宿代よろしくね」  
窓に手をかけて、今まさに部屋から出て行こうとするナーガの声を聞き慌てて呼び止めた。  
「待って!じゃあ、こうして!いつも通りのあたし達に戻るように命令してよ」  
「ふぅん。まぁ、そのままじゃあいくらなんでもあんたも可哀想だしね。いいわ。『リナ、普段通りに戻りなさい』」  
ナーガの言葉に反応して体に力が戻ってくる。  
あたしは急いでガウリイから立ち上がると自分のパジャマで体を隠す。  
「じゃあね、リナ」  
窓から離れようとしたその瞬間、パジャマの中からショートソード取り出すと月明かりに照らされて部屋の中に伸びるナーガの影に命中させる。  
「影縛り(シャドウ・スナップ)」  
すかさずナーガの窓枠から動けなくなっているナーガの口にパジャマで猿轡をかませ、後ろ手に縛ると部屋の中に転がしてショートソードを床から引き抜いた。  
そこでやっと下着だけ身に着けるとあたしはようやく口を開いた。  
「ナーガ、随分楽しんでくれたみたいだけど。あたしがこのまま大人しく返すとでも思ったわけ?」  
 
 
翌朝、ガウリイが何事もなかったかのように目を覚ましたのを見て安堵した。  
夕べ、あれから浮遊(レビテーション)を使ってガウリイを部屋まで運んだのだが、元に戻るかどうかは賭けだった。  
所詮はナーガの術だからそんなに長時間は持たないとは思ったが、それでも不安はあった。  
ガウリイの状態を確認した後、すぐに宿を出た。  
もちろん宿代は隣の部屋でボコボコにされて簀巻きにされているナーガにつけてきたのは当たり前の事。  
 
 

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