にちゃにちゃと粘着質な水音と肌同士がぶつかり合う乾いた音が、熱い吐息と
共に薄暗がりの中で響く。ラギは壁に手をついて腰を突き出し、立ったまま後ろから
ゲルダが犯されて喘いでいた。壁についたまま重ねられた無骨な手と、時折甲高く
上がる嬌声が拒否の色を一切含んでいないのが、決して彼女が一方的な欲望の
捌け口にされているのでなく、むしろ進んで犯されているのが伺えた。
「奥にッ! 奥にぃッ!」
突き出された舌を伝った唾液が床へと垂れるのも構わず、ゲルダは自分の中心を
最奥まで貫く肉塊を、自身の肉欲に支配された器官で思う存分受け止め貪る。
やがて間近にまで訪れた限界は、肉塊の持ち主の方のものだった。
「ゲルダ…くぅッ!」
「あぅッ、ラギッ! いぃんんッ! く、くださいッ、膣(なか)にくださいッ!!」
限界を感じて身を起こしたラギが、目の前の汗の浮いた美しい背中に金色の
コントラストが広がっているのを眺めながら、ゲルダの腰を掴む。ガクガクと
震えて崩れ落ちそうなそれとがっちりとひとつに繋がったまま離れぬように、
そしてゲルダに快楽を与えようとしていた今までの動きから、自身が快楽を得る
ための動きに切り替えるために。
「あッあッあッあッんあッあッあッあッあッんんッ!」
腿の筋肉がリズミカルに柔らかい尻肉を叩いてはリースの艶やかな声が上がる。
一本調子にならないように腰を溜めて深く突いてやると、一際高い声と共に
強く締め付けてくるのが堪らない。それでも射精を堪えるのはできる限り我慢を
重ねた方が、より高い快感を得られるのを知っているから。最後の最後に抜ける
寸前まで腰を引くと、一気に最奥までを貫いた。
「出る…! うぅッッ!!!」
「あひッッ! 来てるッ! 来てるのぉッッッ!!!」
ゲルダの秘肉に包まれたまま、欲望の塊から精が迸って膣内を白く染めていく。
注ぎ込まれる熱さを尚も搾り出そうとするように蠢く肉襞の圧倒的な快感に気を
失いそうになりながらも、歯を食いしばって耐えつつ射精を続ける。壁に涙の
跡を残しながらずり落ちていくゲルダに、尿道に残った精までも注ぎ込もうと
仰け反ると、天井の隅に染みが見えた。
「ゲ、ゲルダ…ぅッ!」
咥えたままラギの顔を覗くと自然と上目遣いとなった。その仕草も男心を
くすぐる刺激のひとつとなっている事には気付かず、丹念に奉仕を続ける。
幹を伝わった唾液が草むらを濡らす頃、慣れない行為に顎が疲れたのだろう。
一度口内から剛直を開放すると何度か熱い息を吐いた。
「…唇でくびれてる所をしごくんだ。」
再び口での奉仕を再開しようとしたゲルダにラギはつぶやく。
「舌で先の穴を」と付け加えられてゲルダが実行してみる。
「ん…! そうだ、あぁ…。」
ラギが自分の愛撫で心地良さそうにしているのが嬉しくて、より一層奉仕は
丹念になっていく。ラギの方も自分がどうされると気持ちいいかを次々に
ゲルダに教えていった。指で、舌で、唇で、時には歯で、亀頭を、雁首を、
幹を、袋までを そうされる内に限界が近付いていく。
「そろそろ、出るぞ…!」
「んっ、んッんんんっンッ。」
裏筋に這わせた舌、そして上顎でぎっちりと口内の空間を極力減らすよう剛直を
挟み込んで吸い付きつつ、頭を上下に振って全体を愛撫する。初めてという事も
あって駆け引きもペースもない全力疾走での行為に、間もなく噴火が始まった。
「出るッ〜〜〜ッくぁッ!!」
ラギが限界まで堪えてもゲルダは咥えたまま、その迸りを口内で受けた。
何度も放たれる熱くて形容し難い味の粘液、それに伴って口に広がる濃厚な
雄の匂いに夢中で喉を鳴らした。喉に引っ掛かる奇妙な味わいの体液が愛しい
人の身体から湧き出た物だと思えば、そしてそれが自分の一部となって自身が
相手の色に染まっていくようにも思え、ただただ嚥下を続ける。更に言えば、
ラギを快楽の果てへと導ける口唇での奉仕は、既にゲルダの中で辛苦から
至福の行為へと昇華されていた。