暗く最低限の明かりしか灯って居ない街並みは、そこから人だけが綺麗に消え去った様に沈黙し生活の後すら感じさせない。まるで眠りの帳が落ちたまま朝を知らない様に、街は眠り続けて居る――――
「ふふふ…素晴らしい。僕は詩人だなぁ……」
レオパルドは器用に四角錐の端に掛けた眼鏡をくいっと片手で上げると、自己陶酔した表情で目を細めた。
ピラミッド状の四角錐に上下から包まれている球体――レオパルド本体の中央部にあるレンズだ。
深い桜色のレンズが瞳の役割のままに動き、窓から外を覗くと宇宙に散らばる星が瞬いている。
その光を反射してレンズが小さく輝くが、見慣れ過ぎた光景に最早感動も無く
「…暇だ…うむ、インターネットでも嗜むか…サイトを立ち上げてこの僕の感動的な詩を発表するのも良いかも知れないな…名作揃いで世間が騒ぎ出すだろうな!世間が放って置けない才能!ふはははは!!!」
笑いながらレオパルドは秋葉から無理矢理借りたパソコンを開いて黄色いコードの様な指先でリズム良くキーをタッチした。カタカタカタとキーが動く度にパソコンに表示された画像がレンズに映り消えていく。
「ふ〜ん♪ふ〜ふふん♪」
やがては鼻歌混じりにキーのリズムを楽しみつつ歌っていた。
僕には作曲のセンスもあるかもしれないなとレオパルドがニヤリと微笑し、更に激しくキーを叩いた時だった。
「検索♪検索♪検索ぅとっ…………ぬぁあああ!!!?!!これは…」
先程までの上機嫌な鼻歌が突如として奇声に変わり小刻みに全身が震え出した。
「ちょ!ちょっとまて…ま、まさか僕がっ!僕は…僕は………」
「あー酷い目にあった」
先程お風呂から上り、パジャマに袖を通した秋葉は鏡の前で上気し桃色に染まった頬に化粧水とクリームを簡単に塗り終えて自室に向かった。
「何だか色々疲れちゃった…」
誰にともなく呟くとそのまま気怠そうに歩き、長い廊下の先にある自室に向う。
身体の疲れからか、窓に指先を沿わせながら進むと湯上りの体温のせいで窓が指の線に曇る。その曇りは飛行機雲の様に離れた先から外の闇に消えて行く。
窓の外には薄く明かりを燈された日本庭園が美しさを際立たせていたが、幾ら庭師が塀の外の景観をも考え美しく計算し造り上げた努力の庭園も見慣れた上に脱力した秋葉の意識には残らなかった。
「……はぁ」
やっとたどり着いた安らぎのベッドに身を投げ出し秋葉は目を閉じた。
「……う…ん」
小さな伸びをしてベッドに潜り込み何時もの心地好い体勢になると秋葉は隣りにある小さいベッドを覗いた。
「妹ちゃんまだなんだ…ふぁぁ…疲れた」
そもそもどうしてこんなに疲れているんだろうかとぼんやりと考えると、誰の所為でも無いあの高慢ちきに笑うレオパルドが浮かんだ。途端に腹が立つと思ったが思い出すと不思議と身体の芯が熱くなった。
「何…これ…」
秋葉は眉をしかめながら身体を這い回るコードの感触が全身を駆け巡る感覚を鮮明に思い出して背筋が泡立つのを感じ、股間が熱くなった。快楽を欲しがる自分の感覚に混乱する。
自然に自分の手が快楽に招かれる様に乳房に触れ、待構えて尖った乳首を捏ねた。
「ぁっ……ん……」
気持ち良い
「はぁ…ぁっ」
でも、しちゃはいけない事な気もする
「ぁっ…はぁっ…」
でも指先が止まらない。
両胸の先端を摘み、撫で、押して、捏ねる。「ふぁっ…ぁっあっ」
その度に甘い電流が秋葉の理性を痺れさせる。片手が下腹部を撫でながら下降していくとショーツの中に手を入れた。
生え揃い始めた柔毛を掻分け、体の中で熱を帯び始め誘導されるままにクリトリスに触れた。
ぷっくりと膨れたそれを指の腹で撫でると体を快感が突き抜け
「ひっぁ気持ち良い…よぅ…」
吐息を熱くして秋葉は囁いた。
「ぁっう…はぁっもっと…もっと…」
指先を早く動かすと溢れ出ていた蜜につるりと滑った指が熱を放つ花弁に触れた。
ねちゃねちゃと水音を立てる蜜蕾にゆっくりと指を挿入すると入り込みながら肉壁を擦る感覚に秋葉の目がとろりと溶ける。より背を丸め指を深く挿入すると秋葉は律動させた。
一突きする度に走る震度が体を翻弄していく
「ぁっあっあっ…ぁっん」
上壁を突きたて外からも充血した豆を刺激すると、あの底から押し寄せる様な快楽の波が近付く来ている事に気付き、秋葉は更に早くと夢中で指を動かした。
「ぁっ…あっぁっイク!イっちゃぅ!!ぁぁあん!!!」
その波に乗り絶頂で果てると同時に掛布団を捲られ
「秋葉、迎えに来た」
「……え?」
甘い吐息を吐き、余韻の残る体と思考で秋葉が見上げた先には何時もの無表情なほのかの顔があり、そこに光る物がある。
「…黄金銃…?」
言葉と時を同じくして銃でい抜かれた秋葉は思考と視界を白い空間に投げ出されたと感じた後に、背中に堅く冷たい床があたり、ゆっくりと重い瞼を開けた。
「待っていたぞ!枯れ葉!!しかし良いタイミングだ!」
「レオパルド……?」
体から離れない余韻を持って状況に混乱したまま秋葉は声の主を見つけて呟いた。薄暗い室内は何時もは埃っぽく乾燥した空気だが、今日はやけに湿度が高く湿気っている気がする。
そこで滑る様な音がすると昼間の真紅のコードが床を走った。
「何を…するの…」
手首を縛られた先のコードがするすると手首を滑り摩擦で熱くなったと思うと足首に向ってコードが伸びて行った。
手首と足を繋ぐ様に秋葉は囚われると自然と足がM字開脚になり秘所を晒す格好になる。先程達したそこは蜜が光り、滑りながらひくひくと苦しそうに呼吸をしているように蜜を更に垂らした。
「グチョグチョではないか…だが…これを見ろ……男性器だ!!!」
ヌハハハと笑った後にレオパルドはぬっと秋葉に近付くとぬらぬらと光る人工であろう男根を突出した。
その男根には無数のコードが繋がり、レオパルドの至る所に繋がっていた。
「男性データが無いのは残念だが、前の秋葉…貴様のデータとリンクさせてある。…僕は知らなかったのだよ!童貞だと!!この僕が童貞?…いやいやそんな事が許される筈があろうか?何故なら」
まくし立てる様に一気に話すとレオパルドは一息付いて、ぬらぬらと光る男根を秋葉の秘所に押し当てた。
「完璧な存在である僕は男になる……!!」
「………嘘!レオパルド止めて止めて!!挿れないで!」
秘部に男根をあてがわれてやっと状況を飲み込み、危機を感じて秋葉が叫ぶ
「嫌だと?…確かこう言う時の対処法がネットにあったな……」
秘所を擦る様にしてレオパルドが男根を動かすと、余韻を引き摺る秋葉の体が期待で再度熱を帯始める。
頭では拒否を繰り返すが、その拒否を少し捲ってみれば期待が隠れている事にも自分で薄々気が付いている。
どうしてこんなエッチな体になってしまったのと秋葉は眉値を寄せて唇を噛んだ。
男根を擦る度に興奮が募る。先を擦っただけでこれだ――ごくりと生唾も飲めないのに覚悟を決めたのかレオパルドは叫んだ。
「さ、さきっぽだけだから!!さきっぽ!!」
こじあける様に先端を愛液でつるりと滑らせたかと思うと不意に先端を秋葉に挿入した。
「…いったぁあああああい!!」
甘く体に纏わりついていた余韻が消え去り引き裂かれる痛みに秋葉が身を捩り叫んだ。
「無理無理!…止めてっ!!馬鹿パルド!痛いよっ!」
体を引き裂く様な痛みと共に異物が確実に身体の中に入り込むのが分かる。
「ひっぐぅ…ぃたい…」
「っぁあん!……この圧迫感!ふぅんっ!」
めりめりと狭い通路を無遠慮に押し進む感覚に漏れ無く痛みがセットで付いて来て秋葉は無意識に逃げようと腰を逃がす。
だが所詮囚われた格好で逃げ場の無い上に、すっり興奮したレオパルドが腰が逃げられない様にコードをウェストにも巻き付かせた。
引き裂く様な痛みに下腹部が引き裂かれる様だ。
それでも杭を差し込む様に進んだ男根は秋葉を貫き捕らえていく。
「っもう駄目えぇ!!」
自然に涙が溢れるのと同時に秘所からぽたりぽたりと血が垂れた。
「少し入り切らなかったか…よし秋葉!少しずつ動かすぞ」
「ひと…の話しを聞きなさいよ…!!」
ゆっくりと引き抜かれ下腹部の異物が出て行く事にホッと息を吐いた瞬間に振動が身体を走り抜けた。
「ああぁっ!!」
突き上げた痛みに目を見開いて秋葉が声を漏らすと、レオパルドも声を上げる。
膣にきゅうきゅうと締め付けられた男根が動かした事によりダイレクトな快楽が瞬時にブレイン部に伝達される。
「はぁっ!!きっもちいい!!!」
レオパルドはその快楽に夢中になってはいるがゆっくりと引き抜き、秋葉を再度突き上げた。
「かっ…はぁ…」
窒の奥に叩き付ける様な振動が襲い掛り空気と苦痛の声が上がる。そのまま身体を近くにとコードごと秋葉は引き摺られた。
開けていた服が捲れ上がり乳房が覗くと突かれ最奥にも律動が届き、全身が揺れ乳房が小さく揺れた秋葉は小さく呻いた。
そこに幾度も幾度もレオパルドが奥を貫いて行くと、不意に秋葉の身体に痛みでは無い何かが芽生えた。
じわじわと快楽を楽しむように男根を引き抜くレオパルドの行動に声が出そうになる。
下唇を噛んで声を殺すと次の突き上げる衝撃に秋葉は脳髄まで駈け登る快感と共に艶のある声が溢れた。
「っ……ぁぁんっ!」
その感覚を『何?これ』と思うが、ぶつけられる度に声が溢れて口を閉ざしたいのに閉じる事さえ叶わない。
滑りを良くした膣内に律動させる早さを上げてレオパルドも快楽を貪る。
「ぁっんああっああっ」
「くぅっ…良くなってきたぞ!!」
打ち付けに合わせる様に喘ぎ始めると秋葉の腰がもっと突いてと求めて揺れた。それに応える様にレオパルドも速度を速め
「イくぞ…速度を最速だ!!!」
機械ならではの速さで秋葉に打ち付けた。
「あっあっあっぁぁっあん…あぁぁっ」
ぐちゅぐちゅと掻き回され余りの速い律動に泡になった愛液が止めど無く溢れて秋葉は狂った様に体を震わせ、閉じられない唇からは唾液が垂れて流れる。
「ひぁ…ひゃぁっんああっあぁぁっああああああ」
悲鳴に近い声を上げて秋葉は鳴いた。
疲れを知らない律動は瞬時に子宮を刺激して秋葉は絶叫し続けるしか出来ない。余計な思考も何も無く、唯齎される快楽に思考も感覚も溺れる。
絶頂を直前に締まりをよくし続ける膣にレオパルドもぐうと息を漏らす様に呻く
「くあっんイくぞ!!秋葉!!はぁっ…限界だあああっ!!!」
「あっあっあっふぅ…ああああああああああっあぁぁぁぁぁぁぁぁ…………」
「…ふぅ……これは癖になりそうだな……ふふ…ヌハハハ……勝ったああっ僕はリアルに勝った!!!くくっ世の童貞共涙目だろう!ふははははははは………おや?……枯れ葉?おい!枯れ葉!!……不味いな…失神してないか?…」
白目を向いて秋葉はだらりと唾液を頬に垂らして失神していた。
「脈は早いが呼吸も大丈夫だな……起きても面倒だろうし……おい!!!ほのか!!」
レオパルドが叫ぶと静かにドアが開きほのかが無表情なまま入ってきた。
ほのかは白目を向いて気絶している秋葉を見た後に不機嫌な表情でレオパルドを睨む。
その視線は珍しく怒りに満ちていて、うむと声を出しやり過ぎたかと考えるとレオパルドは言った。
「夢落ちな出来で頼む!!」
「お嬢様朝ですよ」
「う…ん………妹ちゃん………おはよう」
何時もより重い瞼を擦ると何故か気怠い身体を起こし秋葉はゆっくりと歩く。昨晩は何時もより早めに眠った気がするのに疲れが取れてない。
「何か腰が痛いなあ……」
まさかと秋葉は顔を赤らめた。凄くエッチな夢を見たのは眠る前にあんなことをしてしまったせいだと納得し、断片的な記憶は夢のはずと黙ったまま頷いた。
きちんとベッドで眠っていたのがその証拠。
「あはは……夢だよね……」
小さく呟くと秋葉はゆっくりと痛む腰に手を当てリビングに向って歩き出した。
その後ろ姿に不思議そうな顔をして妹子は秋葉に近付きながら誰にも聞こえない声で呟いた。
「何だかお嬢様…少し蟹股な…」
終わり