そこはネルヴァル・ルームのなか。
中央に浮遊するネルヴァル頭脳体の前に、グッタリとなった獅子堂ナミが両腕で吊り下げ
られている。
「・・・うううっ」
肘や肩の関節が痛むのか、朦朧とした表情の中に時折、眉を寄せ呻き声が漏れる。
「それでは獅子堂の血肉をスキャンするとしよう」
ネルヴァルはその頭脳体の「底」にある「特別なセンサープローブ」を伸ばした。人間が
一抱えするほどある太い触手は、身動きできないナミの腰に真下から迫りまるで獣の顎の
ように大きく二つに割れる。
「・・・さっ、さわんな、メカお化け!」
その顎の中に居並ぶ、大小さまざまな形のグロテスクな触手群にナミは顔色を変える。細
いチューブや、鉗子、イソギンチャクのような触手や、男性器状の突起が、まるで開腹手
術中の内臓のようにウネウネと蠢いているのだ。
「・・・や、やめろってんだろ!」
「ふはははは! 無駄な抵抗だ!」
中性的な脚をバタつかせ、口を開いた触手の縁を蹴りつけるナミだったが、やがて足首を
内臓触手に絡め取られ、膝や太ももに這い進んだそれに動きを封じられてしまった。
「どうだ、我が妃とならないか、獅子堂の娘?」
「うぁぁぁーっ! アッーッ!」
ナミの腰は、前と後ろから閉じ合わされた触手の顎に挟み込まれた。まるで赤ん坊の「オ
ムツ」のように触手に包み込まれた、その内部では粘液が衣服や下着を溶かし、小さく整
えられたアンダーヘアや、敏感な粘膜に浸透していく・・・。
「やめてっ! ワタシ、まだ女の子なのにぃぃぃーっ!」
ヴァギナの外側を「の」の字を描いて接触探査した細い探査プローブは、コルク抜きのよ
うに形を変えると、グルグルと螺旋を描きナミの内部に侵入していった。
「やめッ! ・・・イタイっ! イタイーッ!」
回転するセンサーの先端は、ピンク色の肉ヒダのひとつひとつを検分しながら、まるでネ
ジを切るようにナミの奥へ、さらに奥へと進んでいった。
「すばらしい「味」だ。・・・我が妻よ」
鉗子状のパーツにクリトリスを挟み出され、その先端に放電注射針が突き刺さる。まだ薄
い花弁や、その花弁で隠された紅い粘膜にも無数の針が群がり、放電と薬液の注入をおこ
なった。
「ハァハァハァ・・・」
両脚の間の「火照り」にナミの呼吸が荒くなる。なでらかな下腹や尻をザワザワと撫でま
わし、さすり上げる繊毛のような触手たちが、まるで、その部分に熱を掻き寄せているよ
うだった。
「はぎいぃぃぃーッ!」
小さな尿道孔と、可愛らしく窄まった肛門も無事ではない。凹凸のあるチューブに蹂躙さ
れ、イソギンチャクのような吸引触手が密着する。バイブレーションをともなった抽挿と
リズミカルな吸い上げは、まだ幼い性の感覚を強引に揺さぶり立てた。やがて焦点を失っ
たナミの眼は見開かれ、小さな舌が口から真っ直ぐ宙に突き出されてしまう。
「どうした? おまえの身体は「感じて」いるようだぞ!」
「らめぇ、らめぇーッ! でっ、でもカンジちゃうのぉーッ!」
ナミのつま先から生じた「さざ波」が、ヘソの真下までヒタヒタと満ちていき、幼い乳首
の先端が熱く、そして痛く尖っていった。
ビクンビクン!
ナミの身体はエビのように丸まり、次には反対側に反り返り、よじれてのたうつ。滝のよ
うな汗で濡れそぼった全身に痙攣が走り抜けた。
「欲しいか、我が伴侶となるか、獅子堂の娘よ?」
「・・・ほ、欲しい? ・・・欲しい!? な、なにをくれるのォ!!」
触手の「オムツ」の中で、ネルヴァルの太く熱い「いのち」が、ナミの熱く潤んだ「いの
ち」にあてがわれた。
「これだ、クイーンよ。・・・今こそ、ひとつとなろうぞ」
「ちょうだいっ! その熱いのを、ち・ょ・う・だ・い・ッ!!」
少女らしからぬ、オンナの叫びをナミは吼えていた。心と身体を満たしてくれるものを全
身全霊が予感していた。
「受けとめよ、我がソウル・シャウツっ!」
たわめられ、力を乗せられた男根状の触手は、小刻みに前進と後退を繰り返しながら、ナ
ミの肉の結び目を目指して微細なヒダの中をグイグイと突き進む。
「アアッ! 入ってくるッ! ふとっ、太いのぉぉぉーっ!」
ナミが、この世界に誕生したときから、固く攀じ合わされてきた肉の結び目は今、強引に
引き千切られ、ほどばしった鮮血が胎内を染め上げた。
「かっ、神様ぁぁぁーッ! わっ、ワタシ、イっちゃうぅぅぅーッ!!」
突き進んだ「いのち」と、迎え入れた「いのち」は今ひとつに融合し、新たな存在へと昇
華しようとしている。
−−−−−おわり