暗い室内の中、寝台の蝋燭だけが、ゆらゆらと、ふたりの影を揺らしている。
・・フェリオはそっと、リセリナを寝台に座らせた。
緊張しているのか、リセリナは一言も発しない。フェリオのほうも、こめかみがどくどくと響くような身体の火照りを感じた。
「リセリナ・・」
リセリナの緊張を解すように、まずフェリオは、彼女の白い手を取り口付けた。
リセリナが、びくりと震える。次に額に、愛しさをこめて口付ける・・。
リセリナはおとなしくフェリオに従っていた。・・黒髪を撫でリセリナをゆっくり寝台に寝かせながら、フェリオは自問する。いつから、この黒髪の少女をこんなに愛しく思うようになったのか・・。
思えばフェリオは子供の頃から、何も欲しがってはいけない子供だった。
第四王子として規制されていたことは、数限りない。・・だから、成長した今も、どこかで自分の気持ちを抑制することに慣れてしまっている傾向がある。
リセリナは、そんなフェリオの前に突然現れた。
思えば、御柱で初めてリセリナを見たときから、すでにどこかひかれていたのかもしれない。
他の者に彼女を託すのは嫌で、リセリナを自分の保護下に置いた。そして、リセリナを保護下に置いた時から、どこかで彼女に対する所有権は自分にあると思っていたのだ。
・・そんな気持ちをフェリオは今まで経験したことはなかった。
「フェリオさん・・?」
無意識に笑っていたらしい、リセリナが不安げに囁いた。フェリオは安心させるように、リセリナの頬に触れる。
そして、小さい唇に、そっと・・本当に、そっと口付けた。それは、ひんやりとした感触だった。甘い味がする、と思った。
フェリオは胸の鼓動が激しくなるのを感じた。
―身体が熱い。
蜜をもっとほしくなり、フェリオの舌はリセリナの口内に侵入した。
「・・ん・・あう・・」
リセリナが軽く身じろぎする。逃げる彼女の舌を追い掛け、絡めると、リセリナの瞳がだんだん潤んでくるのがわかった。
「・・はぁ・・う・・・んんっ・・はぅ・・」
リセリナは一生懸命フェリオの舌に応えようとしている。
その様子は可愛くて仕方ない。口付けはそのままに、フェリオは右手で、リセリナの左胸にそっと触れた・・
衣の上から優しく愛撫する・・。リセリナは一瞬身を硬くしたが、嫌がらないのを見て取ると、フェリオは今度は薄衣の下の素肌に直に触れた・・。甘い薫りが部屋を乱舞している・・。
ゆっくり、リセリナの衣服を剥がし胸の花弁に口付けた。・・最初は控えめに、次に少し強めに吸い上げる。
「・・はぁ・・あうっ・・フェリオさ・・」
リセリナの吐息がどんどん荒くなる。
「・・やぁっ・・はぁ・・ぁっ・・」
息を乱しながら、それでもリセリナはフェリオにしがみ付いてくる。・・まるで、この世でフェリオだけが味方だと言わんばかりに。
左手で、今度は下着に触れた。湿った感触がし、フェリオは内心驚いた。
「・・あっ・・そこ・・めぇっ・・!!」
指を侵入させるとリセリナが嬌声をあげた。
フェリオは手を止める。
「痛い?」
リセリナが首を横に振る気配がした。
「・・そんなんじゃないんです・・だけど・・なんだか頭がぼうっとして・・」おかしくなっちゃう・・
小さく呟いたリセリナの表情は艶っぽく、頬は紅く染まっていた。