「あ、あの、本当に……」
震えながら発したリセリナの言葉は途中で塞がれた。膝から力が抜け、その場に
座り込みそうになった彼女をフェリオは優しく抱え上げ、寝室へと歩き出す。
大きな寝台にはウルクが腰掛けて待っていた。
「……はあっ」
リセリナはウルクの隣に降ろされて大きく息をついた。
二人の間にフェリオが腰を下ろし、それぞれの肩に両腕を廻して抱き寄せる。ウルクは
柔らかくフェリオにしなだれかかり、リセリナは身を硬くしつつも抗いはしなかった。
「そんなに震えないでリセリナ、わたしも緊張してしまいます。ほら」
ウルクがフェリオの体ごしに腕を差し出し、リセリナの手をとって自らの胸に引き寄せた。
ゆったりと落ち着いて見えたウルクの心臓が豊かな乳房の下で早鐘を打っていることに
気づくと、リセリナの体から少し力が抜けた。
二人が微笑みを交わすのを見てフェリオは安堵した。
「3人、仲良くやってゆけるかな」
「ええ。きっと」「……にゃ」
ウルクが頬を染めて答え、リセリナはただ頬を摺り寄せた。
「……え?」
「にゃあ」
リセリナがフェリオにほお擦りしつつウルクを引き寄せる。
「ちょ、ちょっとそれは待ってくれリセリナ、俺はともかくウルクは」
「わたしはだいじょ……きゃあ!」
「ぅにゃあっっ!」
--断絶--
翌日、ウルクは昼過ぎまで寝台から起き上がれなかった。
おしまい。
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