軽く啄むようにキスをしてから、再び唇を重ねて今度はそっと舌を絡ませる。
一瞬びくっとしたものの、おずおずと不器用に応じてくれる彼女が愛しい。
思わずくすりと笑うとすぐさま離れて睨みつけられた。
「何がおかしいんだ!」
一見怒っているようで、だけど瞳が不安げに揺れる。
何か変なことをしてしまっただろうか──そんな事を考えているのがダイレクトに伝わって来た。
「おかしくないよ。ただ可愛いなーなんて、思っただけ」
言いながら頭をなでると、いつも通り下向きにそっぽを向いてしまう。耳まで真っ赤なのが
さらに可愛い。
「ほらほら、拗ねないの」
やや強引に自分の方を向かせ、唇を重ねてそのまま彼女をベッドに横たえた。
「……た、かみ……!」
慌てたように見上げてくる光稀さんは敢えて無視。そのまま覆い被さるようにして耳を
甘噛みする。
「……んっ…!」
「光稀さん、耳弱いよね」
反応して可愛い声を出す彼女に、わざとそんな事を言ってみる。
「ばっ…馬鹿!」
真っ赤になって今更抵抗を始める光稀さん。だけどいくら鍛え方が違う自衛官と言えど、
この体勢から脱出するのは困難だろう。
あっさりと片手で彼女の抵抗を封じて、もう片方の手で彼女の服を脱がしにかかる。
スーツの上着のボタンを外したところで一旦手を止め、
「どうする?」
と訊いてみた。
「何がだ」
あっさり抵抗を封じられたせいなのか、不貞腐れたように光稀さん。
「いや、ほんとに嫌なら今回は諦めようかなーなんて。こんな事で嫌われるのも切ないし」
言うとちょっと困ったような表情で逡巡し、
「……嫌……じゃない……ただその、心の準備と言うものが……」
そう言う彼女の唇に軽く指で触れる。
「そ。良かった」
口では諦めようとか言ったものの、正直止まる自信はなかったから。
安心したところで、にこりと笑いかけて軽くキス。
そのまま首筋、鎖骨とキスをしながら移動しつつ、ブラウスのボタンを外した。
色白の肌に似合う白いブラとそれに包まれた形の良い胸。
ブラを外して直接触れる。堪らないくらい柔らかくて気持ち良い。
「んっ……た、高巳…なんか手慣れていないか? お前」
「そんな事ありませんって。そんなに経験豊富ってワケでもないし」
そう答えつつ、綺麗なピンク色の頂点の片方を口に含み、もう片方は指で軽く嬲る。
「ん……んんっ…!」
目をつぶりながら、いやいやするように体を捩る。
「ん…はっ…ぁ……」
段々と彼女の息が荒くなり瞑った目の縁には涙が滲む。
もう抵抗もないので、空いた手で今度はベルトを外し、スラックスを脱がすと、ブラとお揃いの
シンプルな白い下着。
一旦胸への愛撫を止めて段々下にキスをしていく。細っそりした腰に手を回して臍のあたりに
跡をつけながら、彼女を見下ろした。
「光稀さんて、腰細いよね。乱暴に扱ったら折れちゃいそう」
「戦闘機のGにだって耐えられるのに、お前の力如きで折れるか! というかひとの裸を
じろじろ見るな馬鹿者!」
率直な感想を述べたら怒られた。
まあ、こういう気が強い所がまた堪らなく可愛いのだが。
「はいはい」
苦笑気味に言いながらご機嫌を取るように唇を重ね、深く口付ける。
「…ん…ぅ…んっ」
キスをしながら一方の手で胸への愛撫を再開し、もう片方は布越しに彼女の秘所を探る。
「……っ…た、かみ…!」
瞬間、びくりと光稀さんの体が震えた。
半ば無意識に逃れようとする彼女の腰を掴み、下着を脱がした。
そのまま茂みの奥の秘所に指を進めると、じんわりと濡れ始めている。
「た…かみ…やだ……」
「ちょっと我慢してね。ちゃんと解しておかないと君が後で辛いから、ね」
宥めるようにきつく閉じられたままの瞼にキスをすると、光稀さんがこくりと頷いた。
それを確認してから再び指で愛撫を再開。
そっと筋にそって指を這わせ、何度かなぞった後に一番敏感な部分を刺激する。
「…ん…っ」
途端に彼女の体が震え、手でシーツを握り締めた。
必死に耐えている彼女が可愛らしくて、我ながらどうかと思うが、ついついからかって
しまいたくなる。
「光稀さん、我慢しないで声出して良いよ」
耳元で囁いてみた。
「うるさいっ! とっとと終わらせろこの変態!!」
予想通り噛み付くように怒鳴られたが、やや上気した顔に涙が滲んだ瞳で睨み付けられても
怖くない。
それどころかそう言うところがまた可愛くて、男心を煽るということは、多分──いや絶対に
分かってないんだろうなと思う。
「はいはい」
軽く答えながら、指では愛撫を続けた。
彼女の息がどんどん荒くなるに従って、秘所も潤ってくる。
十分に濡れてきているのを確認してから、優しく指を差し入れた。
「あっ…」
目を伏せてなされるがままになっていた光稀さんが不安そうにこちらをみるが、
敢えてなんにも反応せずに続行。
差し入れた人差し指を軽く動かす。彼女の中は狭くて熱い。やはりと言うか何と言うか、
初めてか。まあ、男っ気もなさそうだったし、さもありなんといったところだろうか。
そうこうしているうちに彼女がだいぶ解れて来た。
頃合を見計らって指の数を二本に増やす。
「あっ…ん…!」
堪え切れなくなったかのような光稀さんの喘ぎ声。
「ぁ…はぁっ…」
声が高くなるに従い秘所はさらに熱く潤っていく。
もうそろそろ、か。
指を抜いて改めて光稀さんを見た。
肩で息をして、堅く閉じた瞼の端に涙が滲んでいる。
上気した白い肌に赤く残るキスマークがこれまた男心を煽る。ま、付けたの俺だけど。
「光稀さん、大丈夫?」
一応声を掛けてみるが反応はない。というか反応する余裕が無いと言った方が正しいか。
もう一度軽くキスをして、耳元に囁く。
「いい?」
短く尋ねると、光稀さんは瞳を閉じたまま頷いた。
「ダメそうだったら言ってね」
言いながら彼女の足を開き、己を宛行う。一瞬怯えるように震える光稀さんに最後の確認。
「いくよ?」
と、再び彼女が頷く。