「思想及び良心の自由?」  
 草木も眠る丑三つ時。  
 普段であれば既に床に就いている筈のパジャマ姿の少年の言葉に、虹色に透き通った翅を持つツインテイルの影が首を傾げて繰り返した。  
「そう、この国の憲法19条では、実際に行動に起こさずに頭の中で済ませてしまうのなら如何なる行為に及んでも許されると規定されているのだよ。ニンフ君」  
 社会の教科書を片手に語ってきた智樹を、ニンフが「ふ〜ん……」と生返事で返した。  
「で、それがどうしたって言うのよ? ダウナーの決まり事とそれを私に話した事と何の関係があるわけ?」  
「ふふふ……。頭の中。つまり、夢の中で起こった事は全て合法と言うワケですよ。ニンフ君」  
「夢? あぁ、そう言う事ね」  
 夢と言う言葉に、合点が行ったとばかりに瞳を閉じて頷くニンフ。  
「またダイブ・ゲームをやりたいの? トモキ」  
「やらいでか!」  
「き、きゃっ!?」  
 咆哮を上げた智樹に、思わず肩を竦めて後退りするニンフ。  
 それに構わず、智樹はぐっ、と拳を硬く握り締めた。  
「聞く所に拠れば、人は寝ている間に大体90分置きに夢を見ていると言う。そして、次の夢を見ると前に見た夢は殆ど思い出せないらしい……」  
「ふーん。良く解かんないケド、ダウナーたちが見る夢ってそう言うものなんだ?」  
「そう!! だからこそ、まだ次の夢を見る時間がある今、俺はダイブ・ゲームを敢行するっ!! と言うワケで、頼む!! ニンフ!!」  
「わ、分かったわよ。どうせ、夜中はテレビも映らないし、暇潰しくらいにはなるでしょ」  
「サンキュー、ニンフ!!」  
 何処までもフリーダムな少年の冒険が、今始まった。  
 
「で、一体誰の夢に入りたいの? トモキ」  
「そりゃあ、やっぱりそはらだろう? センパイや会長の夢に入ったら逆に罰ゲームみたいなモンだしな」  
「そう。じゃあ、行き先はそはらに設定するわね。潜る時間はどれくらいが良いの?」  
「20分ぐらいで頼む」  
「分かったわ。それじゃ、行ってらっしゃいトモキ」  
「おう」  
 破裂音を鳴らすリングゲートが、少年を幼馴染の夢へと導いた。  
 
「ここがそはらの夢か……」  
 みょ〜ん…と、そんな擬態語が出てきそうな幼稚園児が描き殴った様な不思議空間に降り立ち、智樹は周囲を見渡しながらそう呟いた。  
「しかし、何でそはらの家だけリアルなんだ? まぁ、変にねじ曲がってるとかよりは良いケドな……」  
 そはらの家の玄関戸を開けながら、上がり込んだ智樹が廊下を進む。  
「う〜ん。居間にも台所にも風呂にも居ないとなると……。やっぱ、二階か?」  
 と、家の中を見回したものの、目当ての人物が見当たらない智樹は、その儘階段を上って辿り着いた二階の幼馴染の部屋のドアを開いた。  
「ん? そはらの奴、夢の中で寝てるのかよ?」  
 言葉の通り、智樹の視線の先では、部屋のベッドで眠るそはらの姿があった。  
 抜き足差し足で忍び寄り、その様を見下ろした智樹の口元がだらしなく緩む。  
「ふっふっふっ……。まぁ、寝ているのならこちらにとっても好都合。奇襲も立派な戦術だよなぁ?」  
 わきわきと指を動かしながら、智樹はそっと掛けられていた布団を捲り上げた。  
 そして現れたのは、パジャマを裏から突き上げて主張する二つのマッターホルン。  
 勝利を確信し、股間のホルンも吹き鳴らされた智樹は無言で拳を天井に向けて高く掲げた。  
 高く掲げたのだった。  
「くっくっくっ……。さぁて、先ずはそのけしからん胸に強襲しますかね」  
 逡巡も躊躇も無く、智樹の両手がそはらの双丘に押し当てられる。  
「うひょ、うひょひょひょひょひょ……」  
 指が食い込むどころか、逆に呑み込まれそうになるボリュームと弾力に、智樹の鼻からつつー、と赤い筋が顎を伝って行った。  
 捏ねては揉み、回しては掴む。  
 智樹の意志で自由自在にその形を変える柔らかでありながらも、張りと瑞々しさを備えたそれは直ぐに元の形に戻ってゆく。  
 
 (やっぱり、おっぱいは良いものですなぁ……)  
 うんうんと、智樹が頷きながらそはらの胸を揉みしだいていると、  
「――いぃっ!?」  
 ぞくりと、腰が砕けそうになる感覚が智樹の背中を冷やした。  
「うふふふ。トモちゃんったら、本当にエッチなんだから♪」  
「そ、そはら!? お前、何して――くうっ!?」  
 胸をいじるのに夢中になっていた智樹は、そこで初めて自分が何をされているのかに気が付いた。  
「トモちゃんだって私の胸を触ってるんだもん。お返しだよ?」  
「ふおおぉぉおおっ!」  
 そろりそろりと、既にパジャマ越しにはっきりと判る程に屹立した智樹のホーンを撫で上げながら、そはらが悪戯っぽく笑い掛けた。  
「トモちゃぁん?」  
「うぉっ!?」  
 腰が砕けた智樹を、そはらがベッドに引き摺り込んで押し倒す。  
「ち、ちょ!? お前どこ触って――うぁ!」  
「どこって、それは触られてるトモちゃんが一番解ってるんじゃないかな?」  
 その儘羽交締めにされ、背筋を伸ばされた智樹のズボンに滑り込まされたそはらの手が中の竿を何度も扱き上げ、その度に智樹の口から切ない声が漏れていた。  
 そんな智樹の様子を見て、蕩けた表情のそはらがズボンを膝まで擦り下ろした。  
「ほら、見てトモちゃん。トモちゃんのあそこ、もうこんなになってるよ?」  
「く……。そ、そはら……」  
トランクスの窓から飛び出た怒涛をそはらの指が忙しなく責めている様子が、智樹の視界に映った。  
 その光景に、智樹の中で大きい脈動が始まった。  
「こ、これ以上は、そはら……」  
「出ちゃう? 出ちゃうの? トモちゃん? 良いよ、いっぱい出して?」  
 智樹の限界の近さを知らされたそはらが、更に愛撫する手を苛烈にして耳元で優しく囁いた。  
 智樹も、そはらの手の動きに合わせて腰を振って登り詰める。  
 そして、智樹の中で何かが決壊した瞬間。  
「ふ、ふあぁぁああっ!」  
「きゃっ! 出た! トモちゃんのおちんちんから、白いのがいっぱい出たよ!」  
 びゅっ、びゅっ、びゅうっ、と痙攣する度に吐き出される少年の精を見て、そはらがうっとりとして呟いた。  
「あ、あ、あ……」  
「トモちゃん、凄く可愛かったよ?」  
 腰が抜けた智樹を、そはらが後ろから唇を重ねて抱き締めた。  
 
じゅるじゅると唾液を吸われながら、服を次々と脱ぎ落されていく智樹。  
 そして一糸纏わぬ姿になった頃には、  
「あは♪ トモちゃんってば、またおっきくなってる? も〜、ホントにエッチなんだから〜?」  
「う、そ、そはらさん……?」  
 同じく全裸になったそはらに組み伏せられていたのだった。  
「もう、トモちゃんのエッチは全部絞り出さないと治らないんじゃないかな?」  
「全部? 絞る?」  
「そう。男の子って、溜まるからムラムラしちゃうんだよね? じゃあ、トモちゃんのを一滴残らず絞り出しちゃえばトモちゃんもエッチじゃなくなると思うんだ」  
 智樹の足を閉じさせる様に太腿で挟みながら、そはらが鼻息荒く馬乗りになる。  
「やっぱり、手で出してあげるより、ちゃんと絞り出す仕組みになってるところで出してあげた方が効率が良いと思うから。 ね? トモちゃん」  
「お、おい。そはら……?」  
 智樹を握り、位置を調整するそはら。  
 ぴたり、と粘膜同士が触れ合った感触を智樹が先端に覚えた直後に、  
「ふあっ、ふあぁぁあっ! トモちゃぁん!」  
「くぅっ!? ぁああっ!?」  
 密着した肉を割り開いていく感覚と、先端から根元までぬめった肉襞に絡み付かれる感覚に智樹の脳髄に快楽の電流が迸った。  
 にちゅ、ぬちゅと、卑猥な粘膜の擦れる音がそはらの跳ねる腰に合わせて響き、咥え込まれた智樹の幹に白く半濁した模様が年輪の如く積み重なっていく。  
「感じてるトモちゃん、可愛い? もっと気持ち良くなって良いんだよ? トモちゃあん♪」  
「ま、待て! そはら! そんなに動かれると」  
「また出しちゃうの? おちんちんの先から、白いの出ちゃうの? トモちゃん」  
 智樹の切羽詰まった態度に、そはらが堪らないと言った表情で智樹の脇の下に腕を通して抱き締めた。  
「全部、私が絞り取ってあげるから。ね? トモちゃん」  
「そ、そはら。――むぅ、ん」  
 名前を呼ぶ少年の口に、そはらの舌が滑り込む。  
 口も生殖器も繋がった儘、汗と体液が混ざり合い、二人の周囲には噎せ返る様な性臭が満ちていた。  
「〜〜っ! ――ぅあっ!」  
「ふぁあんっ?」  
 びゅくびゅくと、尿道をこじ開けて吐き出された精液がそはらの膣を満たしていく。  
 その感覚に、そはらの中で一際大きな快感が走り抜けた。  
「あ、う……」  
「トモちゃあん……」  
 達した余韻で放心している智樹に、甘える様に抱き付いたそはらが膣内に咥え込んでいる半勃ち状態のものをきゅうきゅうと刺激を与え続けていた。  
「ふふっ……。トモちゃん♪」  
「お、おい……。少し、休ませろよ……。――って、抜けねぇ!?」  
 逃げようと腰を引いた智樹の体が、結合が解けそうになった所で留まった。  
 先端のカリのエラの部分が膣口に引っ掛かり、それ以上抜けなくなっていた。  
「あん♪ ダーメ? トモちゃんのおちんちんは、私が全部絞り取るまで返さないんだから?」  
「ちょ、マジですか?」  
 にちゃ、にちゃと淫猥な水音がそはらの淫裂から立ち始める。  
「トモちゃんってば。何だかんだ言ってもここはもう元気だよ? 本当にエッチなんだから?」  
「そ、そはら……」  
 自分の上で胸を揺らしながら踊り始めた幼馴染を眺めながら、智樹は敵を見誤っていた事を悟った。  
「あは♪ トモちゃん、もう出ちゃったの? でも、トモちゃんエッチだから直ぐに元気になるから平気だよね? ほら、もう一回しよ?」  
 (じいちゃん、俺腹上死するかもしんない……)  
 かくして、設定時間の20分が来てニンフに呼び戻される迄、智樹はそはらに絞り続けられたのだった。  
 
 

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