朝の日差しが窓の隙間から智樹の顔にあたり目が覚めた。  
いつもならイカロスが智樹のそばにいるのだが今日はいない。  
いや・・・・正確には今日もいない、というべきだ。  
「・・・・イカロス、オマエなぁ!」バッ!と毛布を跳ねのけた  
そこには智樹に寄り添って温まっているイカロスがいた。  
エンジェロイドは寝ることが出来ないのだ。  
「おはようございます、マスター」  
「あぁ、おはようっじゃなくて!」  
びしっ!と智樹の痛くもないチョップがイカロスのでこに命中。  
「なにか不満でもお有りでしたか?」  
「いや、不満といえば不満だけど」  
ちらっと首を少し傾けたイカロスを見ると怒る気力もない。  
「んじゃイカロス、飯を頼むわ」  
「かしこまりました、マスター」  
たったった、とステップのように階段を下りていくイカロスと入れ替わるようにニンフがやってきた。  
「おはよっ、トモキ」  
「あぁ、おはよう、ニンフ」  
ニンフは以前羽根をむしりとられたが智樹とインプティングしたことにより  
新たな羽根が生えたのである  
軽い挨拶をすませると洗面台へ行き顔を洗い、歯を磨く。  
それをすませて居間に行けばイカロスの作った豪華な朝飯が腹の虫を暴れさせるいい匂いを出しやがる  
これが智樹の日課になっていた  
 
飯を済ませると仕度をし、学校へ行く・・・のだが今日は土曜日だ。  
部活に加入していない智樹にとっては休息日である。  
ニンフはどこかへ出かけてしまったしそはらは母親と遠出するらしく  
明日までは帰ってこないそうだ。先輩と会長もこの土日は忙しいそうなので  
遊びに行くのはやめよう、とおもっていた。  
「さてっと〜寝ようかな〜」  
「お休みなさいませ、マスター」  
そういえば俺が寝ている間はずっと起きているんだっけな、と考える智樹。  
そして・・  
「イカロス、今日俺とお前しかいない、何か好きなことやらせてやるよ」  
「好きなこと・・・ですか?」  
首をかしげるイカロスであった。無理もない、智樹が望むこと=エンジェロイドの使命だそうだからな  
「決まったか?」  
「では・・・・」  
「では?」  
「も・・・・もっと・・」  
「ふむふむ」  
「もっとマスターのことが知りたいです」  
「なんだ、そんなことでいいのか?」  
たったそれだけで顔を真っ赤にしているイカロスがかわいらしい。  
「はい」  
短い返事が返ってきた  
「分かった、ちょっとまってろ」  
がさがさっと物置をあさる音を立てながらほこりまみれになったアルバムを持ってきた。  
「ほれ、これでいいのか?」  
アルバムを差し出す。  
「これが幼い頃のマスターですか?」  
「ああ」  
「今とは少し違います」  
「そりゃそうだな、昔はもっと優柔不断でおとなしくなくって  
 危険な山とかにいっては珍しいもんを見つけて友達に見せてたよ」  
少し顔の笑みが消えた智樹を見たイカロスは表情を変えた。  
驚き、といったところか?  
「でもな・・・そんなとこにいくもんだから怪我とかする子が多くてな、  
 気付いたら誰もいなくなってたんだ、たぶん親に止められてるかなんかだろうけど  
 お前たちがまた同じように突然いなくなるのかとおもうと、重なってしまうからさ、ははっ・・ん?  
 智樹がしゃべり終わる前にイカロスは智樹にキスをしていた。  
3秒程たってからイカロスは唇を離した。  
「私はずっとマスターのそばにいます、これからもずっと」  
「なっ、何すんじゃお前はー!」  
「申し訳ありません、マスター」  
しょんぼりしたイカロスを見ているとなぜだか落ち着く。  
「もういいよ、で、ほかにやりたいことは?」  
「ほかに・・・ですか?」  
考え込むイカロスであった  
 
では、マスター、私に『好き』という感情を教えてください」  
「え?(おっとぉ、こいつは難しい要望がきたな)」  
「お願いします、マスター」  
「はぁー、いいか?好きっていうのわだな、一緒にいたい、て心からおもうことだ、分かったか?」  
コクッとうなずくイカロス。  
「では私の動力炉に高まるこの熱くこみ上げてくるものは何ですか?マスター」  
「それは知らんな、んじゃそれを言葉にしてみろ」  
「言葉に・・・ですか?」  
「そうそう、やってみろ」  
「マスターとずっと、一緒にいたい・・?です」  
「っ・・・・まじか?」  
「はい」  
「まじか・・・・」  
イカロスが俺のことを好き?っていうことになるよな・・・智樹の冷静な回答  
「イカロス、胸が、いや、動力炉が苦しいか?」  
「はい、締め付けられるような感覚です」  
「そうか、なら、楽にしてやる」  
「えっ?」  
しんっとした空気が張り詰めた。  
 
イカロスの腕を一気に引っ張ってイカロスにキスをする。  
「!!?ますったぁ・・?んっ・ちゅっ・・」  
焦りを見せたイカロスであったがすぐに目は虚ろになり智樹のされるがままになっていた。  
「ん・・・・ふぅ・・ちゅ・・は・・ぁ・・・ん」  
だらしなくイカロスの体の力は抜け、口が開いてきた。  
智樹の舌がイカロスの唇の割れ目に入っていく・・・  
びくっ!体を震えさせるイカロスだったがまたもや智樹に身を預けている状態になった。  
イカロスの舌を軽く吸うとイカロスの甘い吐息がもれ出た。  
「ちゅ・・・ん・・ふぅ・・ん」  
 
しばらくディープキスを何度か繰り返し浅いキスから深いキスまで何度も唇を押し当てキスの形を理解しようとするイカロスに  
智樹もそれに答えるのであった。  
「ん・・・ぁ・・・・ぅ・・・・・・」  
智樹はイカロスの唇から自分の唇を離した。  
「どうだ?イカロス、はぁっ、楽に・・はぁっ、なったか?」  
かなり粋を切らした智樹の質問にイカロスは  
「はぁっ・・はぁっ・・・はぁっ・・・はい、はぁっ・ますったぁ」  
ここでイカロスの顔に変化が訪れた。  
笑うことが出来ないイカロスに笑みが出たのだ。しかもつくりものではない心のそこから出る『笑み』であった。  
「ありがとうございます、マスター」  
「・・・・よかったな、イカロス」  
蝉の声が終わる夏の最期の日であった。  
 

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