「わぁっ……」  
 思わず声を上げてしまう。  
「これがその、トモキ、の……?」  
 目の前の大きくなっているモノを見て。  
「ん、まぁ……」  
 トモキも、さすがにこんな風にマジマジと見られるのはハズかしいのか顔が赤くなってる。  
 というか私も、なんでこんな目が離せないでいるんだろう。  
 分かんないけど、トモキのを見てるとスゴくドキドキして。  
「じゃあ、頼む」  
「う、うん……」  
 ぎこちない会話。  
 多分二人とも、こういう時に何を話していいのかが分からないから。  
「ちゅ……」  
 とりあえず舌を出して、ちょっとだけ舐めてみる。  
「ん……!」  
「なっなに!?」  
 いきなりトモキが声を上げたから、おどろいてしまった。  
 なにか失敗しちゃったんじゃないかって。  
「いや大丈夫。気持ち良かっただけだから」  
 よかった。ちゃんと気持ち良かったみたい。  
「そっか。それじゃ続ける、ね」  
 ニ回三回とトモキの先っちょを舐める。  
 最初は本当に先の先をちょっとだけ。  
「んっ、ちゅっ、れろっ……」  
 だけど少しずつ、全体に舌を這わせてく。  
「どう? トモキ」  
 顔を一度上げて、トモキに訊く。  
   
   
「どう? トモキ」  
 上目遣いで訊いてくるニンフが、とてつもなく可愛い。  
「ああ、気持ち良い。後、口に咥えてもらったら……」  
「口? わかった」  
 小さな口を広げて、俺のモノを包み込む。  
 湿った、でもすごく温かいものに包まれて、すごく気持ち良い。  
「ぇあ、れろ……っ」  
 舌を竿全体に這わせてくる。  
 ……舌って、こんなに熱い物だったっけ?  
 一瞬浮かんだそんな疑問も、すぐに流されてしまう。  
「んっ、ぴちゃっ……」  
 ニンフの、休みなく襲ってくる舌での刺激で。  
 けど流されそうなのは、それだけじゃない。  
「ちゅっ、んんっ……」  
 確かにニンフのフェラは気持ち良い。  
 けどあと一歩のところで刺激が足りてないっていうか。  
 いや、単純に俺が貪欲に求めてるだけなのかもしれない。  
 もっと奥まで、ニンフの口を……  
「……ッ」  
 
 そんな感じの焦りが、徐々に積ってきて、  
「ゴメンニンフ! 俺――!」  
「えっ? ――うぶッ!?」  
 ついに我慢出来なくなって、ニンフの頭を両手で掴む。  
 そのまま引き寄せて、喉奥にまでモノを突き込む。  
「んっ、んっ――!」  
 ニンフが苦しそうにしているのは、判る。  
 けどそれでも、止める気にはなれなかった。  
 喉の粘膜に先端を擦りつける快感は俺の想像を遥かに超えていて、手放す事が出来ない。  
 まだ、もっと、味わっていたい。  
「ニン、フ……ッ!」  
 けどそれはどうあっても適わない。  
 これだけの気持ち良さだ。いつまでも保つワケがない。  
「もう、出る――!」  
 最後に腰を一旦引いて、一気に突き込む。  
「んっ? ンンンッ――!?」  
   
   
 急にトモキが強引になった。  
「ニン、フ……ッ!」  
 私の頭を掴んで、ムリヤリ前後させる。  
 正直、トモキのが喉の奥まで突き込まれるから、とっても苦しい。  
 けど、どうしてだろう。  
 トモキにされるなら、こういうのも悪くないかなって思う。  
 頭の中が、ポーっとしてきて。  
「もう、出る――!」  
 そんな状態で、トモキが一際強く、突っ込んできたのが判って。  
「んっ? ンンンッ――!?」  
 直後に、先端が爆発した。  
 奥にまで挿れられてたから、そのまま喉に流し込まれる。  
「ん……こくっ」  
 ニガい。お菓子の甘さとは正反対。  
 でもこれは、トモキが私で気持ち良くなってくれた証拠だから。  
 そう考えると、溢れ出そうとしてる精液を吐きだす気にはなれなくて。  
「――ぷはっ」  
「に、ニンフ……?」  
「のん、じゃった」  
 身体が、さっきよりもさらに熱い。  
 喉を通ってお腹の中に落ちていった精液の熱さが、伝染ったみたいに。  
「トモキ……」  
 良いよね。ここまでしちゃったんだし。  
 トモキも、きっと。  
「うわっ!?」  
 今度は私が、トモキを押し倒す。  
 そのままトモキの上に乗って、腰を沈めてく。  
「んんっ」  
 膣内に入ってくるのが判る。すごく、太い。  
 それに、ただ入ってきてるだけなのにすごく気持ち良い。  
 ゆっくりと腰を進めてく。  
 これで動かれたりしたら、どうなっちゃうんだろう。  
 
「トモキ……」  
「うわっ!?」  
 ニンフの口の中に射精してしまった。  
 それ以前に、欲望に任せてかなり乱暴にしてしまった。  
 一度出しきって、少し冷静さを取り戻して。  
 罪悪感が胸に込み上げてきたその時、  
「んんっ」  
 ニンフは俺を押し倒して、腰を下ろしてきた。  
 俺の、未だに滾ったままの息子を、飲み込んでゆく。  
 そして飲み込まれた部分から感じる、強烈な締め付け。  
 そもそも悲しいかな、年齢=彼女いない歴の俺。  
 こんな事初めてで、ただでさえ頭の中はスゴイ事になってるってのに。  
「挿入ってくる……トモキ、のっ。あんっ」  
「ッくぅっ!」  
 未確認生物とはいえ、コイツ、かなりカワイイし。  
 それがこんなエッチな声を出しながら悶えつつ、俺の上に乗ってる。  
 俺にとってはトンデモナイ事態で。  
「私のアソコ、トモキのおっきいので、拡げられちゃってる……!」  
「俺も、お前がギュウギュウに締め付けてきて……このままいても、もう……!」  
 出てしまいそうで。けどそれは、かなり勿体ない。  
 ニンフもそう思ったのか、腰を一旦浮かして、  
「んくっ」  
 また沈めての、往復を始めた。  
 ニンフが動くたびに、カリの部分にニンフの幾つもの襞が擦れる。  
 それ以外の箇所にしても、膣全体が俺のモノを容赦なく締め上げ、扱いてくる。  
 こんな刺激、どう足掻いてもそんなには保たない。  
 けどこのまま流されてっていうのだけは、なんかイヤだ。  
「――ふっ!」  
「――ひゃあんっ」  
 俺自身が動いて、気持ち良くなりたい。  
 ニンフに、気持ち良くなってほしい。  
 いつの間にか、抱いてる想いがどんどん変わってきている。  
 今日のこの事態に限った事じゃない。  
 最初に出会った時から、ずっと。  
「ニンフ、俺――!」  
「トモキ、こんな――あっ!」  
 ひたすら強くなっていく想いを吐きだすように、腰の動きが激しくなっていく。  
 俺は多分、こいつが……  
   
   
 いきなりトモキの方から動いてきて、とてもビックリした。  
 自分で動いてる時には調節出来てたのに、トモキが激しく突いてきて。  
 熱くておっきいのが、奥まで届く。  
「ニンフ、俺――!」  
 トモキの言葉。なんだろう。すごく真剣な声色。  
「トモキ、こんな――あっ!」  
 でもそれより、私はトモキに翻弄され続けてる。  
「俺……!」  
「……っ!」  
 トモキがいきなり上半身を起き上がらせて、私を抱き締める。  
 
 突然でワケが分かんなくて、ただでさえ真っ白になりかけてた頭の中が、止まる。  
 抱き締めながらも、腰の動きだけで私の膣内を突いてくるし。  
「俺、お前の事が……」  
「……………」  
 けどその声だけは、はっきりと聞こえて。  
「お前の事がス――!?」  
「トモキ! んぅん――!」  
 トモキの唇を塞ぐ。  
『マスターになってやる』それと同じくらいかそれ以上に欲しかった言葉。  
 でも今それを言われるのは、少しコワくて。  
 私はそれを遮った。  
 今は、ただ抱いてくれるだけで十分だから。  
「んっちゅっ、れろっ……!」  
 こんなに求めてるのに、説得力ないけど。  
 トモキの舌を捕まえて自分のそれを絡める。  
「待てニンフ! 俺、もう――!」  
 私の膣内でビクビクしてるトモキ。  
「うん! 出してトモキ! 私の膣内に!」  
 私の方からもまた腰を振る。  
 もう限界だったんだから、そこで刺激が大きくなれば。  
「――出るっ!」  
「ああっ――トモキぃー!」  
 全部、弾ける。  
 私の膣内に、トモキの精液が、注がれてく。  
 全く同時に私もイッちゃって。  
 トモキの胸に、倒れ込んだ。  
   
「なぁ、ニンフ」  
 同じ布団の中。すぐ隣。  
 トモキの体温が直に感じられる場所で、声を聴く。  
「さっきはなんか、言いそびれちまったけど、さ」  
 真剣な眼で見つめられる。  
 抱いた勢いで言うんじゃないって、訴えるように。  
 何度掻き消そうとしても、都合の良い言葉が、頭の中でもう何度も再生してる。  
「俺、お前の事が好きだ」  
 だから、マヌケな話だとは思うけど、トモキのその言葉が現実なのか何回目かの再生なのか、一瞬判らなかった。  
「……え?」  
「その、デートとかキスとか、さっきみたいなのとか、そういう事がしたいっていう好きな」  
 ようやく現実だって判って。  
「トモキが、私を?」  
「あ、ああ。そうだよ」  
 頷いた後、トモキはこっちに背中を向ける。  
 私は思わずトモキの身体をムリヤリこっちに引き寄せて、  
「トモキっ!」  
「んんっ――!?」  
 思いきり抱きついて、キスをした。  
 トモキは一瞬驚いてたみたいだけど、  
 私の背中に手を回して、抱き締めながら、キスに応えてくれた。  
   
 この夜は、私にとって絶対に忘れられない日になった。  
 
 

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