「なるほど。これを作ってたから俺を入れさせたくなかったんだな」
「……ゴメンなさい」
怒ってはないみたいだけど、やっぱり頭が上がらない。
あの時は必死だったからわかんなかったけど、冷静に考えると私、トンデモないことしてた。
「べつに、さっきのお詫びってワケじゃないけど」
切り分けて、お皿の上に置いたケーキ。フォークで分ける。
「私が、食べさせてあげる」
「えっ……」
そのフォークをトモキの方に向けた。
自分で作ったケーキ。お店で売ってる物に比べると、少しだけ不格好。
そのせいかとってもハズかしいけど、それでもフォークは下ろさない。
「じゃ、じゃあいただきます」
「ど、どうぞ」
いつもの私達の会話じゃない。私も、多分トモキもドキドキしてる。
微妙に震えてる手で、なんとかトモキの口の中にケーキの欠片を入れることが出来た。
「んっ……もぐ……」
口が閉じられる。今トモキが、私の作ったケーキを食べてる。
美味しい、のかな。
よく考えたらちゃんと味見をしてない。早くトモキに食べてほしいって、ずっと考えてたから。
途端に不安になる。もし美味しくなかったら、どうしようって。
「……あれ?」
「えっ? なにかおかしかった!?」
そんな時に、トモキが急に首を傾げるものだから本当にビックリした。
何か失敗したのか、必死に思い出そうとしてたら。
「美味しい……?」
「なんで美味しいのに首を傾げてるのよっ!」
思わず叫ぶ。今までトモキが、私の料理の腕をどういう風に見ていたのか、よくわかった。
危うく、勢いに任せてまた殴り飛ばすところだったけど。
「冗談冗談。いや、美味かったのはホントだけどさ」
「きゃっ」
そう言ってトモキは、私の頭に手を載せて。
「ありがとな、ニンフ」
「トモキ……。うんっ」
そのまま、頭を撫でながら褒めてくれた。
もらうことが出来た。
『おいしい』『ありがとう』
嬉しい。
私はトモキにその言葉を言ってほしくて、褒めてほしくて、ケーキを作ったんだから。
「これ全部、トモキが食べていいよ」
「んー……それはさすがにキビしいけど、まあありがたく頂戴しますか」
もう一度ケーキの欠片をフォークで刺す。
今度は、トモキが自分で食べた。
もう一回くらい、してみたかったんだけどなぁ。
「……なぁニンフ」
「え、なに?」
そんな事を考えてると、トモキが声をかけてくる。
「このケーキに使ったチョコって、まだ余ってたりするか?」
「うん。余ってるけど……」
フシギな質問。余ったチョコなんて、どうするんだろう。
「じゃ、一つだけお願いしちゃうか」
「?」
トモキの顔が、少しだけイヤらしく見えた。
ある意味、いつもと同じかもしれないけど。
「と、トモキ……」
「ん? どしたニンフ?」
「これはさすがに、ハズかしいんだけど……」
今の私は、裸になってトモキの目の前で横になってる。
それだけならいい。
ううん、よくはないけどここまでハズかしくはならない。
「まぁまぁ。お願いなんだしさ」
「うぅ……」
問題なのは、私の身体の上に塗りたくられたたくさんのチョコクリーム。
トモキに頼まれて、こんなカッコになってしまった。
「私をこんな姿にして喜ぶなんて……ホントトモキってヘンタイね」
「ええヘンタイですとも。仕方ないだろ、男のロマンってやつだ」
「ロマンねぇ……」
よくわからないけど……トモキがしてほしいって言うなら、しょうがないわよね。
マスターからの命令なワケだし。
「じゃ、早速試食といきますか。ちゅっ」
「んんっ……!」
まず最初に、私の胸に口づけてくるトモキ。
「ぺろっ、んっ……甘くて美味しいぞ、ニンフの胸」
「そ、それは私の胸じゃなくて、チョコが甘いから……ひやぁっ!」
胸についたチョコを舌でペロペロって舐めとってゆく。
その、トモキの舌の感触が妙にイヤらしくって、身体がビクビクって反応しちゃう。
「んー、そうかなぁ? れるっ」
「っ――!?」
トモキの唇が、今度は私の乳首に吸いついてくる。
口の中で、勃ってきた乳首をコロコロと弄る舌の感触。
「トモキ、そんなしつこく……んんぅっ!」
「んーっ……」
何度も何度もそうやって私の乳首をイジめていたトモキが、やっと唇を離す。
どうしたんだろって視線を向けてみると、トモキは口を開いた。
「だってさっき言っただろ。甘いのはニンフの胸じゃなくてチョコだって」
「えっ……?」
「だから確かめないとな。まずは徹底的にチョコを落とすよう舐め回して……っ」
「きゃぅっ」
そう言ってトモキはまた、私のおっぱいを舐め回し始めた。
もちろん、乳首を特に重点的に。
「んっ、きゅうぅんっ!」
そんなにしつこく舐められ続けたら、おかしくなっちゃう。
「――はっ。ほら、やっぱり甘い。こんだけ舐めて甘いんだから、チョコの所為じゃないだろ?」
「わ、わかった。わかったからトモキ。もうおっぱいは……!」
「こんな甘くておいしいもの、手放せるワケないだろ。こっちも……っ」
「――あんっ!」
私の訴えを無視して、今度はもう片方の乳首に吸いついてくる。
今までの刺激のせいで、そっちの方もとっくに、勃ってしまってた。
「ぺろっ、ぴちゅっ……。ん、こっちもいい感じだ」
「ひゅっ、んんっ……!」
両方の胸を何度も何度も責められ続ける。
私というお菓子の試食は、まだまだ終わりそうにない。
「トモキ、トモキぃ……!」
そのうちに切なくなって、トモキの名を呼び続ける。
ただ、何のために名前を呼んでるのかはわからないまま。
「ニンフ。……んぅ」
「ふぅんっ……!」
唇がふさがれる。トモキの、唇で。
そのまま舌が入ってくる。
私の舌にトモキの舌が絡んできて、頭がボーっとしてきた。
「ん、んんっ……?」
トモキの口の中、スゴく甘い。比喩じゃなくてホントに。
これは……チョコ?
「――ぷはっ、トモキ……?」
「俺からのお返し。甘かっただろ?」
「……もっと、欲しい」
トモキの質問には答えずに、チョコをねだる。
今の食べ方、病みつきになったらどうしよう。
「んっ」
「ちゅっ、んぅっ……」
ちょっと困る。だけどそれ以上に、今はそうやって食べさせてほしい。
トモキの舌に絡まったチョコを、舐めとってゆく。
粘膜同士が擦れ合って、チョコとは別の甘みも、頭の中に広がってく。
まるで麻薬かなにかのように、その甘みは私の頭を染めてゆく。
ただでさえおかしくなり始めていたのに、これは完全なトドメになった。
「トモキぃっ!」
「うわっ!」
私がエッチになったのは、トモキとチョコのせい。
そう心の中で言い訳しながら、私は起き上がった瞬間、トモキを逆に押し倒した。
「えっと、ニンフさん……?」
「なぁに?」
「これは一体、どういうコトでしょうか?」
これっていうのは間違いなく、今トモキが置かれている状況のことだろう。
さっきとは完全に立場が逆転して、私はトモキの上に乗っかる形になってる。
そしてトモキのズボンを脱がして、硬くなったおチンチンをジッと見つめてる。
「さっきのお返し。今度は、私がトモキを試食する番なんだから」
「お前、なに言って……んんっ!?」
極めつけはトモキのおチンチンにチョコを塗した事。
「私の身体にも散々塗りたくったんだから、これくらいカワイイものでしょ」
「男に塗って何が楽しい――あっ!」
「んちゅっ、ぺろっ……」
これ以上トモキの文句を聴くのも面倒だったから、問答無用でトモキのアソコを舐め始める。
「れるっ、んんぅっ……」
「くっ……あぅっ!」
トモキはああ言ったけど、私は楽しい。
感じてるトモキの声は聞けるし、そんなトモキは少しだけ可愛く見える。
それに、トモキのおチンチン、甘くてとっても美味しいし。
「はぅむ、れろっ」
『ほら、やっぱり甘い。こんだけ舐めて甘いんだから、チョコの所為じゃないだろ?』
トモキがさっき言ってたコト、今なら理解できる。
チョコなんてもう全部舐めとっちゃったハズなのに、甘い。
おチンチンって、こんなに甘いものだったんだ。
「に、ニンフ……このままじゃ、俺……!」
「ぴちゃっ、じゅうぅっ」
「ぐうぅっ!」
また、トモキの言い分を無視。
ここまで来たんだから、一回出しちゃわないとお互いスッキリしない。
トモキはもちろん、私も。
キモチよくなってくれた証拠を、ちゃんと見せてほしいから。
「じゅるっ、ぺろっ……」
口の中にたまった唾液が、イヤらしい音を響かせる。
私が今、とってもエッチなコトをしているって教えてるみたいに。
「じゅっ、じゅるるるっ!」
思いきりトモキのアソコを吸い上げたら、限界が来ちゃったみたい。
ギリギリのところで引き抜いて、
「――っ! 出るッ!」
「んンンーっ!?」
まるで舐めとられたチョコの代わりのように、トモキのおチンチンから飛び出した精液が、私に降りかかってくる。
「あっ……」
トモキにかけられて、頭が少しボーっとしてしまう。
「ニンフ……」
「トモキ……?」
だけどトモキの方は、もう動けるみたい。
ううん、ガマン、出来ないのかな。
私のアソコに、おチンチンの先を擦りつけてくる。
「いい、かっ……?」
「……うん」
精液のせいでヌルヌルしてるおチンチン。
こんな風にされて、ガマンできるワケない。
「私のアソコに挿れて? トモキ」
思わずおねだりしてしまう。
トモキはそれを聴いて、腰を押し進めてきた。
「んっ……」
「だいぶ濡れてるからな。すんなりっ……くっ、入るぞ」
トモキのおチンチンが、私の中に入ってくる。
ヘンな圧迫感。トモキと繋がってるのが判る。
「トモキのっ、おっきいぃっ……!」
私のアソコを思いきり広げてる。これ、スゴい。
「ニンフのおマンコ、さっきはすんなり入ったのに、こんなにキツく締めつけてきて……ああっ!」
トモキの口からはヘンな声が出続ける。私のアソコでちゃんとキモチよくなってくれてるみたい。
「トモキぃ。んんっ……」
顔を精一杯近づけて、トモキにキスする。
トモキもそれに応えて舌まで絡めてくれた。
「んちゅっ、はぁ……っ」
キスをするたびに幸せな気分になる。
トモキが私のことを大切に思ってくれてる気持ちが伝わってくる気がするから。
「ふっ、んんっ……ニンフっ……」
私の気持ちも、このキスで伝わっているのかな。
だったら、嬉しい。
「トモキ、トモキぃっ!」
自分の口からは、どうしても言えないから。
『好き』っていうたった一言が。
前に言おうとしたけど、その時の勇気はいつの間にか引っ込んじゃったし。
こうしていれば、告白する勇気も戻ってきてくれるかな。
「ニンフっ……くっ、んん」
トモキの声がどんどん苦しげになってくる。
ガマン、してるのかな。
「トモキ……?」
「悪いニンフ、俺もう……限界っぽいっ……!」
そう言ってトモキが腰を退くのを素早く察知した。
「――やっ!」
抜いてほしくない。そう思って、トモキの身体にしがみつく。
「に、ニンフっ? いや、俺……っ!」
「ダメっ! このまま私の膣内でっ……!」
腰の動きを緩めたトモキの代わりに、激しく動く。
離さないし、止めてほしくない。
ただこのまま、最後まで……。
「あくっ……うああああっ!」
「――っ!? やあぁ……っ!」
トモキのアソコが私の膣内で激しく脈打ったのがわかった。
次の瞬間、アツいなにかが溢れ出して、私の膣内を満たしていって。
「ひゅ、あぅ……っ」
一度ビクンって身体が痙攣した直後、私もイッちゃった。
トモキ、ちゃんと膣内に出してくれたんだ。
それだけ、わかって。
「トモ、キ……」
「ニンフ……?」
そのままトモキの身体にもたれかかった。
「ゴメンな、ニンフ……その、なんか調子に乗っちゃって」
「えっ……?」
トモキの言ってることの意味がホントにわからなかった。
「いや、お願いとか言ってこんなエロいコトしてさ」
「なーんだ、そんなことか」
どうりでイミがわからなかったハズね。
私にとってそれは、謝る事でもなんでもなかったんだから。
「んっ……」
「んむぅっ!?」
不意打ち気味にトモキにキスする。
舌まで絡めて、ひたすらにトモキを求めるように。
「これでもまだ、謝らないといけないと思う?」
だいたい膣内に出してほしいってお願いしたくらいなんだから、その時点で解ってくれててよさそうなものなのに。
ホント、トモキって鈍感なんだから。
「……いや、悪いニンフ」
「だから謝らなくても……ひゃっ!?」
抱きしめられる。トモキに。
私の額に押しつけられているのは、トモキの胸。
トモキの鼓動が、伝わってくる。
「トモキ……」
心地良い。とても。
もし私が人間だったら、このまままどろみに身を任せて、眠ってしまうと思う。
でも私はそう出来ないから。
「トモキ、大好きっ」
強く、抱きしめ返す。
私の想いを、強く強く、トモキに伝えたくて。
ケーキをプレゼントしたのは、私のはずなのに。
気がつけば私は、トモキからとても大切なものをもらった。
「俺も、ニンフのこと、好きだぞ」
大切なものをくれた人は、私の目の前で微笑んでくれている。