『Sacrifice Love』
「ギャ!グッワ!待ってくれ!待ってくれ!」
神父は、叫んだ。
「許してくれよ!入れたかっただけなんだから」
「バキッ!ボコッ!」
姉はかまわず殴り続ける。
「ヒッー!助けてー!助けてー!」
神父が悲鳴に近い叫び声をあげた。
「お前みたいな奴がいるからいけないんだ!」
姉が叫びながら殴り続ける。
「ギャー」
神父の血があたりに飛び散った。姉のコブシも血で染まっている。
「世の中!狂ってんだよ!狂ってんだよ!」
姉の形相は、もうフツウではなかった。その様子を見ていた、妹も仮面のオヤジも言葉を失ってしまっていた。
思わず妹が言った。
「姉さん!それ以上やったら死んじゃう!」
「ガッシ!ボカ!」
姉には、まったく聞こえていない。神父も失神したのか動かなくなった。
「キャー、やめて!」
妹が叫んだ。
「あっ……はい」
仮面のオヤジが後ろから姉を押さえた。