こたつがあった。  
三人が足を入れていた。  
正直、異様だった。  
 
「ロマン探しに行きなさいよ、イヴェール」  
 
男に語りかけた、その紫陽花の少女は男の右手側。  
男はふるふると首を横に振る。  
 
「ロマンを探しに行った方がいいんじゃないですか…イヴェールさん?」  
 
男に語りかけた、その菫の少女は男の左手側。  
男はふるふると首を横に振る。  
 
「だって…寒いし…。」  
 
そう言って男、イヴェールは側にあったらき○すたに手を伸ばした。  
と、その手を右側の少女ヴィオレットが制する。  
 
「アンタさ、こんなの読んでる場合じゃないでしょ?」  
 
手を戻したイヴェールは口を尖らせる。  
 
「…ヴィオレットとオルタンシアで行って来てよー…形だけでいいからさー。」  
 
「イヴェール!!」  
 
「うゎ、オルタンシアー、ヴィオレットがいじめるー…」  
 
「えと…あの、ヴィオもイヴェールさんも落ち着いて……って、イヴェールさん、どこ触ってるんですか!?」  
 
 
 

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