薄暗い部屋の中。軋む音。荒々しい吐息。  
寝台で男が動く度に、組み敷かれた少女の身体が跳ねた。  
 
「んぅ…あっ…」  
 
無理矢理足を開かされ、繋がれた結合部。  
男を受け入れた部分からは、粘液の音が絶え間なく溢れている。  
少女は泣きそうな声で訴えた。  
 
「ノア…もうやめっ…あっ!」  
 
だが男は止めるどころか、まるで少女の反応を楽しむように、腰をわざと動かす。  
 
「その割には、感じているようだがねえ」  
 
「ちが…う…いやだ……あぁんっ!」  
 
「何が、違うのかね?」  
 
くつくつと笑いながら、男――ノアはルキアの身体を犯していた。  
白い肌に、無数に刻まれた、緋色の所有印。  
手枷を嵌められているため、抵抗することも声を抑えることすらも叶わない。  
 
「ああ…こんなに濡らして。いけない子だねえ、ルキアは」  
 
そう言って、ノアは少女の薄く色づいた突起を弄ぶ。  
更に緩急をつけて、最も弱い部分を突き上げる。  
意思とは関係なく与えられる、快楽の波。  
上からも下からも絶え間なく責められて、ルキアは更なる嬌声を上げた。  
 
「いやぁ…ダメっ…あぁんっ!んぅ!」  
 
凛とした普段の彼女からは想像出来ない光景。  
 
ノアは更に自分が抑えられなくなるのを感じた。  
 
「今夜も、手加減は出来ないようだよ。覚悟しておきなさい」  
 
「…ッ!?」  
 
その言葉通り、ノアはルキアが気を失うまでの間、ありとあらゆる行為を存分に続けた。  
意識を無くしてからも、好き勝手にされたかも知れない。  
だが、その後のことをルキアはよく覚えていなかった。  
思い出せるのは…。  
 
(これで、何度目だろうか…)  
 
幾度となく吐き出された精を胎内に受けながら、ルキアはぼんやりとした頭でノアへの想いを巡らせる。  
 
(信頼していたのに)  
 
孤児である自分を引き取ってくれたノア。  
今まで育ててくれた養父。  
どんな人間であっても、自分にとっては大切な家族だった。  
それなのに。  
 
(……裏切られた)  
 
彼は自分のことを、義娘として見ていなかった。  
枷を嵌められて、無理矢理女にさせられた。  
抵抗しても所詮は少女の力。  
本気を出した男に敵うはずもなく、ルキアはそのままノアに犯された。  
 
何日にも渡って。  
 
 
(ノアにとってボクは…そういう道具でしかなかったの?)  
 
――どうして?  
 
問いに対する答えは、返って来ることはなくて。  
ルキアの瞳から、涙が溢れた。  
 
 
その後――  
 
黒の教団への疑問。信頼していたノアへの失望。そして…。  
様々な理由が重なって、ルキアは組織を逃亡した。  
 
 
 
-------  
 
(この子だけは、ボクが護らないと)  
 
自らの身体に訪れた異変。原因はわかっていた。  
…望んだかたちではない。でも、宿った生命は大切な家族に違いなかった。  
愛おしむように、そっとお腹を撫でる。  
 
「……」  
 
どこか寂しそうな蒼い瞳で空を仰ぐ。  
 
(…今は、とにかく前へ進もう)  
 
そして、ルキアは歩き出した。  
 

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