「タナトス様、どちらへお出かけしたのかしら。今日は遅いわ」
そう言って噂の主が出て行った方を見つめて、溜め息を吐くミュー。
多分噂の主は、人間にとっては迷惑な「死」と言う名の愛を振り撒きに行ったのだろう。此処にはそうして求愛を受けてやって来た亡者共がわんさかいる。しかしそれだけでは無いことを、この片割れは知らない。
今は冥王の留守。そして彼女はこちらに意識を向けていない。何気ない素振りでミューに話しかける。
「タナトス様はお出かけ先で、何してると思う?」
「えー、そんなの難しいわ。私達の仲間を増やしてるんじゃないの?」
無邪気な返しにミューは笑った。
「ふふ、それもあるけど、最近は」
突然無防備なミューを体当たりで押し倒した。馬乗りになった勢いで、服に隠れた豊満な二つの丘を頂上を中心に揉みしだく。
「やっ、ちょ、いきなり何!?」慌てて起き上がろうとするミューをウエイトと満身の力で押さえつけながら囁いた。
「私ね、見ちゃったの。タナトス様が黙ってお出かけした時はね、アルテミシア様の所に行くの。そこで二人は………」
丘の頂点を強く摘んだ。
「きゃ!」「ふふっ、服の下に何も着てないないもんね。誰かにバレたら襲われちゃうよ?」
敏感な突起を手の平と指で巧みに弄び、合わせて蜜壷の入り口も刺激する。
「や!あぁぁっ」今までに味わった事の無い淫らな快感が、ぞくぞくとせり上がる。
「だ……めよ、女の子同士で…こんな……」弱く、それでも理性を見せるミューに、艶やかに笑いかける。
「大丈夫。誰も見てないもん」脚を押し広げ、太股の内側から徐々に舌先を割れ目に向って進めて行く。
「ひっ…あ…ぅ…」
体温を持たない蛇の様な冷たい舌先が這う感覚に身震いし喘ぎ声が漏れる。みるみる理性の消えた恍惚の表情に変わっていく。
「ね…気持ち良いでしょう…?」付け根に到達し、縦の割れ目に沿って蜜を二、三度掬い上げた。
「はぅん…ぅ……」
蜜壺へ、フィーの中指を水音と共に押し込む。
「ちょっ…やめ…!」
無視して更に奥へ進める。まだ異物を受け入れたことのない内部がきゅんきゅんと締め付ける。
「やっ…い、いた…っ…」「わ…とろとろ……」「あぁぁんっ」
不意に豆をぴんと弾いた。びくんと腰が浮く。狭くきつくなってきたのでぐっと押し入れる。
「やぁああああん!」膜を破られる痛みにミューは悲鳴を上げる。
「ミュー、もしかして初めて?」「……する人なんて……いないもん…」
「元イーリオンの神官様たちならいつでもお相手してくれるよ」
もう一本追加し、愛でる様に抜き挿しし始めた。
「いっ、あんっ、やあっ!やめてぇっ!」
言葉と裏腹に、蜜は止めど無く床に溜まる程溢れる。「ここが『止めないで』って言ってるよ?」
「そんなこと言ってな…!ああぁっ……」
滑り込んだ右手が固くなった頂点を摘む。蜜を含んだ二本の指が割れ目を深く往復する。上からも下からも同時に責められて声も出ず身悶える。
柔らかな果実を露にする。薄桃に染まる頂点を、硬くした舌をちろちろと往復させたり、吸い上げたり、甘噛みする。
「もぅだめぇぇ……ああぁああ!」
かっくんと全身の力が抜けて、ミューは絶頂に達した。
「あ、もうイっちゃったの?」
返事はない。急激に責めあげたことを少し悔いた。未だ痙攣しているミューの内部を弄ぶ。
「タナトス様にこのミュー見せたらどう思うかなぁ」
上着はたくしあげられ、スカートからは隠すべき部分が丸見えになっている、ある意味素っ裸より淫猥なミューを指し、一連の情事を覗き見していた亡者共に話を振ったが、
全員カタカタと逃げ出した。
「なあんだ、つまんないの。――聞いて、ミュー」
微かに安らかな寝息を立てる片割れに話しかける。
「アルテミシア様、とっても気持ち良さそうだったの。今のミューの顔みたいに。私、ミューのそういう表情が見たかった」
まだ寝ているミューの手を、自らのスカートの下に誘う。
「次は私の番……一人だけなんて、許さないんだから」