『シャイライ』
・シャイタン×ライラ(バカップル度増し増し)
・792の脚派悪魔と焔子話の続き
・焔子が長女に焚きつけられて悪魔を誘ったら押し倒されたよ
・三姉妹と悪魔夫婦は顔見知り設定
・口調、性格、設定、全てにおいて捏造注意
ライラです。
残酷な『永遠』という苦い毒を喰らう覚悟を決めてシャイターンと共に生きる道を選んだ
私ですが、最近困っています。
シャイターンがですね、口付けの時にやたらと脚を撫でるんです。
撫でてる内に段々息が荒くなってきてですね、私が声をかけるとぎゅっと抱きしめられて、
スマナイ、って謝られるんですが、暫くどこかに行ってしまうんです。
弱い私は、何をどうすればいい? 嗚呼……誰か教えて……!
「――って、ライラちゃんに相談されたんだけど」
「あはははははっ! うぶーい!」
「笑い事ではないと思うのだけれど……」
笑いを噛み殺しながらの長女の言葉に、そっくり返って大笑いする三女、溜息をつく次女。
「だって、だって! それ! 明らかに【やらないか】フラグじゃない!?」
「それで、何て答えたの?」
「勿論、好きあう男女の"模範的な数式"的な営みを教えて『やさしく抱いてください』って
言うように伝えたわ!」
「さっすが! 姉さま! 模範的ィ!」
「……子供になんてことを」
「悪魔と少女がいなければ、イベリアでの聖戦はもっと長引いていたことでしょう。
自らが敵となり戦火を消した彼らのために、私達も少しは力になるべきだと思うのよ!」
「言っている事は真っ当だけれど、やっている事はおかしいわ、お姉様……」
「まあ、トゥリーンたら冷たいのね。――エーニャは私の行動を支持するわよね?」
「もっちろん! えへへ! じゃ、行こうか!」
「……何処へ?」
「もちろん、「『歴史が語らざる叙情詩を観測しに!!』」
「ああ……そう」
きれいに唱和した二人の声に呆れた声で答えながら、遠くから歩いてくる師の姿を見て
トゥリーンは更に深い溜息を付いた。
……
ライラです。
部屋に帰って、教わった通りにシャイターンの胸に飛び込んで「や、やさしくしてね」
と言ってギュッとしたら、押し倒されました。
両脇に手を付かれて、紅蓮の瞳がすっごくぎらぎらしてるのですが。
これは……貞操の危機ってやつですね、わかります。
「――ひっ」
ひたりと腿に手を這わした瞬間、ライラは小さく声を上げた。
怯えたようなその声音に、シャイターンは迷う。このまま進めていいのだろうか。
ついカッとなって押し倒してしまったが、ライラは胸の前で手を握り締めて顔を背け、
閉じた睫が濡れ、哀れなほどに震えている。受け入れられているようには……みえない。
「ライラ……スマナカッタ……」
「え、や、嫌ではないの!! こ、怖いだけ……で」
ライラはシャイターンが自分を傷つけるような事はしないとは分かっている。
それでも、自分よりもずっと身体が大きい相手に組み伏せられるのは、例えそれが愛しい
者だとしても、その手の経験が無いライラにとって、どうしようもない恐怖だった。
だから答えた語尾も、どこうとしたシャイターンの上着の裾を掴む指先も、かたかたと
震えていたが、それでもライラは「やめて欲しい」とは言わなかった。
「……ライラ、シテミルガ、ドウシテモ嫌ニナッタラ言ッテクレ」
シャイターンは静かな口調で告げ、そっと唇を重ねた。
触れ合うだけではない、深く絡めあう口付けに、段々とライラの体から力が抜けていく。
暫くして唇を離して見ると、白い頬が薄紅色に染まって紅玉の瞳がとろけたように潤んで
いた。うっすらと開いた唇が互いの唾液でてらてらと濡れている。
衝動的に強く掻き抱きたくなったが、シャイターンは逸る気持ちを抑えて爪をしまうと、
ライラの服に手をかけ、ゆっくりと脱がした。
「う……恥ずかしい」
口の中で呟くと、ライラは掌で胸を隠した。小さな膨らみと、うっすらと浮いた肋骨、
ほっそりとした二の腕は儚げで少女らしい。けれど、腿や腰の辺りはむっちりとしていて、
もぞもぞと恥じらうように膝を擦り合わせているのが誘っているように見えてならない。
シャイターンは真っ先にそのやわらかそうな腿に噛みつきたいのを自重し、折れそうな
首筋に口付けた。次いでくっきりと窪んだ鎖骨を、期待につんと膨らんだ頂きを、唇で舌で、
未知の感覚に構える身体を解きほぐすように、ゆっくりじっくりと愛撫を続ける。
「ん、んっ……ふ」
くすぐるように臍に舌を這わすと鼻にかかった甘い声が漏れ、ふらりと膝が離れた。
ふわりと漂った濡れた香りに誘われるままに内腿に口付ける。頬に感じる瑞々しい張りと
弾力の心地良さにシャイターンは目を細めた。付け根に向かって唇を滑らせていく。
「や、くすぐった――きゃっ!?」
息が触れた瞬間、ライラは反射的に膝を閉じ、閉じた膝でシャイターンの角を強打した。
「……ライラ、大丈夫カ?」
「え? うん! ぁ、ううん! 私こそ、ごめんね!」
「気ニシナクテイイ」
謝りながらゆるゆると膝を開くライラにやさしく告げながら、シャイターンはそっと
腿を掴んだ。気にするなと言いつつも閉じられないように固定する辺り、悪魔だった。
舌で割れ目をなぞり、敏感な芽を撫で回し、入り口をほぐすように突き入れ掻き乱す。
慣れてきたところで、指も加えた。
段々とライラの体が張り詰めてくるのに、そろそろ頃合いかと思い、シャイターンは
指先で入り口を緩く刺激しながら、ぷっくりと起った肉の芽を強く舐め上げた。
「っ!? 〜〜〜っ!」
ライラは声も立てずに身を震わせ、シャイターンの指をぎちぎちと締め付けた。
やがて強張った身体から力が抜ける。強すぎる快感に翻弄され、ぐったりと横たわって
肩で息をするライラの髪を慈しむように梳きながら、シャイターンは声をかけた。
「ライラ、ソロソロ……」
「……う、うん、わかった」
ふらふらと身体を起こそうとするので、手を添えて手伝う。
もたれるように小さな頭を寄せられると、髪の結び目がシャイターンの胸元をくすぐった。
触ってもいい?との問いに頷くと下腹部で張り詰めた物に花のような指先が触れる。
微かに震えているが、それを抑えようとしているのがいじらしかった。
「み、見てもいい?」
また頷くとたどたどしい手付きでベルトを外――そうとしたが、ガチャガチャと鳴らす
ばかりで一向に外れない。
シャイターンはライラの手を制して自分で外し、前を開いた。
――ジィィィ、ジ……、チィィィィィッ
膨らみかけたもので一旦ひっかかった後、軽快な音で解き放たれる。
露わになったその部位を恐る恐る覗きこんだ刹那、
ひっ、と喉の奥で悲鳴を上げ、一気に身を引くと、ライラは膝を抱えてちぢこまった。
「む、無理だよ――大きさ間違ってるよ! 絶対間違ってる!!」
ふるふると首を振って主張する。
ほめ言葉と言えばほめ言葉なのだろうが……間違ってると言われてもシャイターンには
どうしようもない。
「……赤子ガ通ル場所ダカラ、大丈夫」
フォローになっていない苦し紛れの言い訳にライラは首をかしげた。
「う……そう……かな?」
「ソウダ、入ルヨウニ出来テイルカラ、大丈夫ダ」
重ねて言うと「なら、頑張る」と涙目で頷く。その健気な姿に罪悪感と征服欲、二つの
感情がシャイターンの胸に湧き上がり、一瞬天秤にかけられたそれらは結局後者が勝った。
「……大丈夫、チャント解セバ入ルカラ」
「うう……ゆっくりね! やさしくだからね!」
潤んだ瞳で懇願されると、逆に滅茶苦茶にしてしまいたい……、と言う悪魔的な衝動も
込み上げたが、そこはグッと堪えると、シャイターンは先程の続きを始めた。
直前のやり取りで少し乾いてしまったようだが、丁寧に愛撫を続けると直ぐに新たに
溢れ出した液体で、とろとろとほころんでくる。
ほぐす指が、なんとか3本まで増えたところで、いよいよ挿入を試みることにした。
馴染ませるように何度かなぞると、ライラの身体が震え、咥え込もうとするかのように
薄紅色の入り口が収縮する。その誘いに応え、そっと押し当て沈めた。
ほんの少し広がったと思うと、ライラが小さく呻いて腰を引き、するっと外れてしまった。
気を取り直して再び、ぐっと腰を進めると、無意識に逃れるように身体をずらされる。
シャイターンは焦れったさに溜息をついた。けれど押さえつけて進めてしまったのでは、
後々、ライラの心に傷を残す事になるかもしれない。
迷ったところでふと閃いて、ライラの背に手を回し抱き起こした。
向かい合って抱き合うような形になり、目線が合う。
「な、なに?」
「ライラ、自分デ入レテミテクレルカ?」
「え……ええぇ!?」
「自分デヤリ易イヨウニ、シテミテクレ。ドウシテモ駄目ナラバ、今日ハモウ良イカラ」
頬を撫でながら頼むと、ライラは神妙な表情で頷いた。
シャイターンの肩にすがって身体を起こすと、屹立に手を添え、腰を落とし始める。
少し入れては止まり、位置を調整するように身じろぎして、また少し体重をかける。
その間、自重で無理に入ってしまわないよう、細い腰に回されたシャイターンの腕が
しっかりと支えていた。
ようやく先端が入ったところで、ライラは眉間に皺を寄せ、唇を噛んで止まる。
何回か深呼吸をして、ゆっくりと顔を上げた。
「……この位置でいい、と思うから、あの、ね、ちょっと手伝って」
自分では怖いから、との言葉に、シャイターンはライラから求められている事に気付く。
背と腿に手を回してしっかりと抱き、声をかける。
「ライラ、」
「……うん、して……!」
その言葉に、一思いに引き落とした。
抵抗を破った瞬間、ぎりっと歯を噛み締める音が響く。
首に回された腕に込められた力が、ライラが感じている痛みを物語っていた。
それでも声を上げずにじっと耐えている姿に、シャイターンが思わず強く抱きしめると、
ライラは泣きそうな声を上げる。
「ひゃ、あ、だめっ……う、動かないでぇ」
「ス、スマナイ」
相当痛いのだろう。ぼろぼろと涙を零し、動かないで、と再び呟くライラを刺激しない
ように、努めてやさしく背をさすった。
破瓜直後の強い締め付けは、入れているだけでぞくぞくするような快感をシャイターンに
与えてくれる。けれど同時に、ライラも入っているだけの刺激でも辛いらしく、じっと身を
強張らせたままで、一向に解れる気配がない。
「…………ライラ、少シ我慢シテクレ」
「え?や、あああっ!」
シャイターンはライラの腰をそっと掴み、一気に引き抜いた。
ぽたぽたと緋い滴が落ち、それから少し遅れて白い腿に緋い筋が伝っていく。
どうして?と言いたげな表情で見つめるライラに、シャイターンは穏やかに微笑んだ。
「ライラハ良ク頑張ッタ、モウイイ」
「!? ……うぅ……っ、ご……ごめんね、シャイタン……ぅ」
「謝ラナクテイイ」
痛みからの解放による安堵と、続けると言えない悲しさから、ライラはぐすぐすと泣く。
シャイターンはそれをあやすように撫で、汗で張り付いた髪を二色で分けて、額に口付け、
そして……固まった。視線を落とすと、ライラの指が未だ脈打つ己の屹立に触れている。
「えっく……ん、がんばる……から……っ」
小さくしゃくり上げながらそう宣言すると、血と愛液でどろどろになった陰茎を両手で
包み込むように握り締める。
「――ナ、何ヲ?」
「サランダさ…が…ぅ、男の人は途中でやめたら…辛いから…最後までしてあげなさいって」
……アノ人間達、私ノライラニ何ヲ教エテルンダ。
シャイターンは一瞬苦い気持ちになった。が、ライラに呼ばれて直ぐに気を取り直す。
「こすれば、いいんだよね?」
はにかむように尋ねられ、頷くと、ふわふわとやわらかな手が躊躇いがちに上下する。
破瓜の血と二人分の体液がその手の動きを助けた。
その情景と刺激に一瞬、あっさり快感に身を委ねかけ、シャイターンはふっと我に返る。
ライラの気持ちは嬉しいが、このままでは、ライラはただ痛くて疲れた、という思いで
終わってしまう。出来れば、初めての交わりを良い記憶にしてやりたい。
そして、どうせならば一緒に心地良くなって終わりたい。……そう考え、名前を呼び、
再び腿の上に抱き上げた。ライラはびくっと怯えたように身を強張らせる。
「大丈夫ダ、中ニハ入レナイ。ライラモ一緒ニ感ジテクレ」
「え? ――んっ!」
片手を後ろに付いて軽く身を倒し、もう片方の腕でライラの腰を抱いて、秘所が陰茎の
幹に触れるように引き寄せると、小さく声があがった。
その声に微かに甘い響きが混じっているのに、シャイターンの頬がゆるむ。
幹に触れる膣口が求めるようにひくついている。それだけでも充分に気持ち良かったが、
ライラはシャイターンの意図を察したように、膝を付けて腿をぴったりと閉じた。
色づきほてった肌はやわらかく、吸いつくようで、少し身体を揺らしてこすってみると、
じんと腰から蕩けるような快感をシャイターンに与えてくれる。ライラも花芯から伝わる
痺れにも似た快い感覚に、陶酔の声を上げた。
「んん、シャイタンっ、あ……き、もち、いっ」
その声を合図にシャイターンは動き出した。支えるように抱きかかえて、敏感な部位を
擦りつけ合い、擬似的な交わりを繰り返す。初めは、揺さ振られるままだったライラも、
途中から支える腕にしがみつくようにして、自らも腰を動かし出した。
緩やかだった動きは段々と激しいものになっていく。二人の間で先走りと愛液と血液とが
ぐちゃぐちゃに混じって鳴る音も一層激しくなっていき、互いの快感を引き出していく。
呆けたように半開きになったライラの唇から吐息と唾液が零れた。目を半ば閉じて、
眉を寄せ、段々と昇りつめていく。ライラの身体に力が込もるにつれて、段々と締め付けを
増してゆく腿のぬめりながら吸いつくような感触に、シャイターンもまた限界に近付く。
「あっ、ああっ! やだっ、やっ、しゃいたっ、ぁんんっ!」
「ライラ……ッ」
蕩けきった声で名を呼ばれ、呼び返しながら、口付けるために強く抱き寄せ、引き上げた。
付け根から先端に向かって一気に擦り上げられ、その刺激がライラの止めとなった。
「んっ――はっ、ゃぁああああぁっ!!」
細く高い声が響いた直後、ライラが達したことで一層強く閉じ合わされた腿の圧力と、
甘噛むように収縮する亀裂の刺激でシャイターンも達し、小さな呻きと共に精を放った。
身体を濡らす愛しい感触に、ライラは絶頂の余韻に震えながら熱い息を漏らす。
荒い呼吸が響く中、快感を共に出来た悦びに、二人は満たされた心地で抱き合っていた。
……
「――あぁ、若いっていいですわね」
「いいのう、いいのう、わしゃ、10年は若返った気分じゃ!」
「まあ、サディ先生ったら! うふふふ!」
「ふぉっほっほっ! 照れるのう!」
「……そろそろ帰りましょうよ、ほら、エーニャ先に下りて頂戴」
「うん! ああ面白かった!」
「しっ、エーニャ、声が大きいわよ」
「ごめんなさーい!」
一部始終を覗き終え、窓の外のにぎやかな観測者達も満たされた心地で帰っていった。
「……誰かの話し声が聞こえたんだけど。気のせいかしら」
「ソウダナ、キットキノセイダ」
「もう、そういう事じゃないわ」
「ジャア、風ノセイダロウ」
「もう……」
目と目で笑い合って、口付ける。シャイターンはいたわるようにライラの背を撫でた。
ライラはくすぐったそうに目を細めた後、ひたむきな眼差しで告げる。
「シャイタン、大好きよ」
「……ライラ、私モ君ガ大好キダ」
静かに想いを込めて返された言葉に、ライラは眩いばかりの満面の笑みを浮かべた。
その笑みのまま両脚をシャイターンのがっしりした腰に巻きつけ、首に腕を回し、最後に
絞め落とさんばかりの強さでぎゅうと抱きしめる。
シャイターンは一瞬息が詰まって咽かけたが、そっと抱き返した。
「……次は、もっと上手に出来るようになるから」
熱が込もった真剣な声音で、喉元で呟かれる。
「サランダさん達に教わって、もっとがんばるから――待っててね!」
「ライラ……」
心遣イハ嬉シイガ、変ナ事バカリ教ワルノハヤメテクレ……とシャイターンは思ったが、
ライラが望むのならば、まあ、良いか、とも思った。
そんな心配と嫉妬と期待とが入り混じった、奇妙な心境で笑い、ライラの髪を撫でる。
ライラはその胸元に頬をすり寄せ、満足そうにそっと瞳を閉じた。
……その後、ライラとシャイターンの睦言での勢力図が反転するまで、それほどの時間は
かからなかったそうだ。
お終い