※オリキャラ注意※
これは、『黒の予言書』に決して書かれぬ、もう一つのChronicle...
フォマは、ペンを持つ手を止め、唇をつり上げた。
「やあ──待っていたよ。遅かったじゃないか」
ゆっくりと、落ち着き払った仕草で扉のほうを見遣る。撫でつけられた黒髪が鈍く光る。
ローファーと、黒いニーソックスに浮かんだ脚のラインが彼の視界に入る。
青色のキュロットスカートの内側に閉じ込められた革の貞操帯を想像し、白いシャツの奥には革のコルセットと、これまた革のブラジャーが僅かに透けて見える。
ブラジャーの中では、カフに絞り出された乳首が切なげに革壁をひっかいているのだろう。
そのまま視線を上にあげて行くと、同年代くらいの少女の体が跳ね、振り乱された銀髪に見え隠れする蒼の瞳をとらえた。
「──ぼ、ボクっ!お願い早く...もうボク…ぁああっ!!」
自慰さえも剥奪されてしまった手でシャツの裾を握り締めながら、三日ぶりの快楽への期待と緊張の入り混じった哀願をする少女。
哀願することそのものにさえ彼女が昴ぶってゆくのが──見てとれるほどに──見てとれる。
フォマはあえて近付かずにおもむろに手招きする。
それだけで、この愛しい少女は、このしなやかな肢体は♂を渇望して♀をたぎらせるのだから。
「んっ...んぅ……っ!あん!」
震える足で歩くだけで、あえぎ、うねり、発情する。
固い床に体重をかけるだけで、拘束具が尻肉を揉み、腰を撫でさすり、乳首を押し潰す。欲情させ飢えさせて、貞操を守らせる。
「フォ…マあっ!早く...早く...」
目の前まで歩いてきた少女の背後に素早く回りこみ、そのまま抱き締める。
右手に右手を絡ませるとひどく暖かく柔らかい。
「服を汚したら、ダメだろ?───自分で、脱いでごらん?」
耳元で噛みつくように囁いた。
「ふぁぁ……っ、はい...」
利き手を封印されたまま、片手でもだかしげにシャツのボタンを一つずつ外していく少女。
その無防備な首筋に吸い付き、耳たぶをねぶりながら、キュロットスカートの上から秘裂を撫でさする。
ぶるっと体を震わせて、最後のボタンがはずされた。
両手を後ろに突き出させてシャツを取り払うと、瞬間、熱気を伴った匂いが鼻をつく。
革と汗と♀の入り混じったそれが体を触れるだけで、♂が痛いほどにたぎっていく。
この少女の体を、心を、なぶり尽したい──ドス黒い情動が少年を突き抜けた。
「凄い匂いだよ。凄く...嫌らしい匂いだ。ルキアはこんなに嫌らしい子だったんだ?こんなに嫌らしいヘンタイルキアにはお仕置きが必要だね」
「…っ!違う!...違うの...ボク……ボクは……」
「ふうん..."お仕置き"って聞いただけで悦んでイキそうになるんだ?触られただけでイクようなヘンタイを直してあげようとしたのに、これじゃ逆効果じゃないか。言葉だけでイクようになる前に、しっかり寸止め調教してあげないとね!」
瞬間、少女の顔色が変わった。
[→to be continude→]
ルキア「ぬ、ヌードって何なのさ!ボク、ハダカなんて嫌だからね!」
フォマ(……そう簡単に脱がせてあげるわけないだろ...)
【次回予告】
......失脚した権力者の情婦の末路など、言わずと知れている。
nymphomaniaの孕んだ子供だから、名前はフォマと名付けられた。
<黒の神子>を我が物にして教主の地位まで登りつめながら、自らの心の闇に食い潰された愚か者の
政争を制する器しか無かった父親など、忘れ去られてしまえば塵程の価値も遺さない。
嗚呼、やはり僕の心は、この躰を流れる血のように汚れているのかもしれない......
......母の愛を知らず、父への怨みだけで生きてきた。
人肌が恋しくて、怨みを捨て去りたくて、僕はルキアにのめり込んだ。
父のようになるまいと、二人で幸福になろうと心に誓って生きてきた。
その為ならこの両手など幾らでも汚してやる。
愚か者の父と淫売と呼ばれた母の汚れた血が流れるこの躰に、これ以上汚れる所などないのだから。
そう思って、どんな道も切り開いてきた。
今思えば、そう────かつて父がそうであったように。
嗚呼、やはり僕の魂は、この躰を流れる血のように汚れているのだ。
僕はその事を、心の底から感謝している。
何故なら──この淀んだ魂だけが、ルキアと僕を繋ぎ止める楔なのだから......