心地良いまどろみから、ゆっくりと意識が浮上してくる。  
 ぼんやりと目蓋を開いたイヴェールの視界に、見慣れた寝室の天井が  
映り込む。室内は仄かに薄明るく、どうやらまだカーテンが開かれていな  
いらしい。いつもなら彼の起床時には、起こしに来た双子によってとっくに  
開けられているのだが。  
 ということは、珍しく───と言うか初めてじゃないだろうか───彼女  
たちが起こしてくれるより先に目が覚めたということだろうか。カーテン越  
しに透ける陽射しは眩しく、すでに太陽は充分な高さまで上っていることを  
示している。姫君たちも寝坊だろうか、などと呑気なことを考えつつ、もそ  
もそと布団を被り直すイヴェール。  
 たまには先に起きて彼女たちを驚かせる、という考えも一瞬頭を過ぎっ  
たのだが、二度寝の誘惑の前にそんな選択肢はあっさりと消え去った。  
それに、何だか今朝はひどくベッドの中があたたかくて気持ちがいい。あ  
と5分、と寝坊の常套句を口の中で呟きつつ寝返りを打ったイヴェール  
の目の前に、  
 
「────────え?」  
 
 すやすやと穏やかに寝息を立てる、オルタンスの寝顔があった。  
 
「ッ……!!?!?」  
 ぎょっとして反対側に振り返れば、そちらにも同じように静かに眠るヴィオ  
レットの姿がある。思わずがば、と上半身を起こして二人を交互に見比べ  
るイヴェール。  
「なっ……なんで、二人がここに、」  
 いるのか、と言おうとして、イヴェールは捲れたシーツから覗く白い裸身  
に気が付いた。  
 ヴィオレットとオルタンスは何も身に着けていない。と言うか、よく見れば  
自分もだ。寝台の周りには彼女たちのドレスや自分の洋服が無造作に脱  
ぎ捨てられていて、それでようやく、イヴェールは昨晩ここで何があったの  
かを思い出した。  
 
「……あ、…………そうだった……」  
 
 自分は、彼女たちと結ばれた───のだった。  
 まぁ、結ばれたと言ってもそれほど劇的な何かがあったわけではないの  
だが。ただふと自分が彼女たちに向ける感情が、愛しいと呼べるものだと  
気が付いただけ。二人を求めて、応えてくれて────そうして今この状  
態にある。  
 昨晩の情交を思い出してしまい、朝の生理現象も手伝って何とも居た堪  
れない気分で赤くなった顔を片手で覆うイヴェール。と、不意に彼を呼ぶ  
声があった。  
 
「…………ムシュー……? お目覚めになられたのですか……?」  
「ん……、おはよぅございます、ムシュー……」  
 とろん、とした瞳を開け、こちらを見上げるヴィオレットと、目許を擦りな  
がらあどけない微笑を浮かべるオルタンス。寝起きの彼女たちを見たの  
は初めてかもしれない。普段のしっかりとした姿からは想像も付かないほ  
ど無防備な様子に、イヴェールは思わずどきりとしながらぎこちなく頷いた。  
「あ、う、うん。おはよう、ヴィオレットにオルタンス……わっ!?」  
 急に手を引っ張られ、ぼふ、と再び寝台に倒れ込むイヴェール。その彼  
に、双子の姫君が左右からぴったりと身体を寄せる。  
「もう……寒いんですから、いつまでもお布団を捲ったままでいないで下さ  
い」  
「えっ、あ、ご、ごめんオルタンス……」  
「ムシューも、寒くはありませんか……?」  
 囁くようなヴィオレットの声に、かくかくと頷くイヴェール。台詞の内容など  
半分も頭に入って来ない。腕に直接触れてくる素肌の柔らかさの方が、よ  
ほど意識を奪っていく。  
 ……いや、昨晩の行為を思えばそんなのは全然たいしたことではない  
はずなのだが。とにかく落ち着け、クールになれイヴェール・ローラン、と  
頭の中で繰り返して、彼は大きく息を吐き出した。  
「……二人とも、今朝はゆっくりなんだね」  
「は、はい。……その、主人と同じベッドで起きるなど、無礼だとは思った  
のですが……」  
「いいじゃないですか、今日くらい。そーゆー気分なんです〜」  
 言いつつ、さらに二人は身体をすり寄せてくる。思わず抱きしめたくなる  
衝動をぐっと堪え────なくてもいいんじゃないかなー、などとあっさり  
天秤が傾き始めたその時。  
「ッ……!!?」  
 背筋を駆け上がる快感に、イヴェールの身体が跳ねた。  
「ふふっ……ムシューってば、朝から元気ですねー」  
 くすくすと微笑いながら、オルタンスの小さな手がイヴェールのソレに触  
れる。細い指先がつぅっと竿をなぞると、否が応にも口から声が漏れた。  
「オ、オルタンス、何をっ……」  
「朝に殿方がこうなってしまわれるのは存じ上げていますもの。ですから、  
鎮めて差し上げようかと……」  
 柔らかい手のひらがイヴェールのモノを握り、ゆっくりと上下し始める。  
刺激自体は緩慢なものだが、ぞくぞくと這い上がる快楽は彼の理性を容  
易く剥ぎ取っていく。  
 
「ちょっ……、待、やめっ……!」  
「ほら……ヴィオレットも、見ているだけじゃなくて手伝って?」  
 赤くなったまま状況を見つめていたヴィオレットは、オルタンスの言葉に  
はっと我に返る。そしてちらりとイヴェールの顔を窺い、さらに頬を朱に染  
めながら呟いた。  
「そ、それでは……失礼致します、ムシュー……」  
「ヴィ、ヴィオレ、ッ……!」  
 制止するより先に、おずおずと伸ばされた手がイヴェールのモノへと触  
れる。はじめは恐る恐る指先で触れるだけだった手付きも、やがて手の  
ひら全体で包み込むように握り締めて、オルタンスと共に全体を擦り上げ  
てきた。  
「ぁ、くっ……! ふ、ふたり、とも……」  
 知らず背筋が反り、零れ出た先走りの液が双子の手を濡らす。それで  
も手を止めることなく、イヴェールの腕をぎゅっと抱え込んだまま行為に没  
頭するヴィオレットとオルタンス。粘ついた水音に羞恥が沸き起こるが、や  
めて欲しいとは言えるはずもなかった。  
「ぅ、あ……は、ッ……!」  
「……ムシュー、い、いたくはありませんか……?」  
「ふふ……男の方も、感じると濡れちゃうんですねー……」  
 言葉こそ余裕ぶっているオルタンスだが、その顔はすでに真っ赤に染ま  
っている。二人はそれぞれイヴェールの胸元に痕を残すように接吻けると、  
もぞもぞとシーツの中に潜り込んだ。  
「っ、え……? な、なに……、ッ!」  
 彼女たちの行動に一瞬きょとんとなるイヴェール。だがすぐに、不意打  
ち気味に背筋を駆け上がった快感に声を詰まらせる。  
 シーツの中に潜り込んだヴィオレットとオルタンスが、彼のモノにそっと  
接吻けてきたのだ。  
「ん……これが……ムシューの……」  
「あむ……痛かったりしたら、言って下さいね……」  
 驚きと羞恥と快楽でイヴェールが言葉を失っているうちにも、二人はそ  
ろそろと肉棒に小さな舌を這わせていく。手でされるのとはまた違う感覚  
にシーツを握り締めるイヴェール。何より顔を真っ赤にしながら、醜く屹立  
した一物に口唇を寄せる二人の姿は破壊力抜群だった。不慣れな舌運  
びさえ、一層の快感を掻き立ててくる。  
「ふぁ……ん、ちゅっ……」  
「ムシュー……んむ、んっ……!」  
 唾液と腺液が混ざり合い、シーツの中でちゅぷちゅぷと淫猥に鳴り響く。  
最初のうちはイヴェールの反応を窺うようにちろちろと舌を動かしていた  
少女たちだったが、いつの間にか表情を恍惚とさせ、積極的に肉棒へと  
舌を絡めていた。亀頭を咥え、丹念に竿を舐め上げ、玉袋の方まで口に  
含んでいく。  
 
「あ、くっ……! 二人とも、これ以上、はっ……」  
 交互に行き来する舌の感触に、限界は寸前だった。荒く息を途切れさ  
せながら双子にそれを告げるが、ヴィオレットとオルタンスはなおも夢中  
で奉仕を続ける。二人の顔に出すわけには───と思うものの、吸い付  
くように咥え込まれ堪えることが出来ない。  
「────ッ……!!」  
 快感に意識が呑まれる。びゅくん、とイヴェールのモノが大きく震え、熱  
い雫が勢い良く放たれた。  
「っあ……!」  
「ひゃんっ……!」  
 次々と溢れ出る白濁が、姫君たちの顔を、髪を汚していく。  
 しかし彼女たちは驚きこそしたものの、嫌な顔一つすることなく付着した  
精液を指で掬い、自らの口へ運んだ。  
「……ん……、不思議な味がします……」  
「ぁむ……けっこう濃いと言いますか……でも、嫌じゃないです……」  
 陶然とした表情で、二人はソレを躊躇うことなく嚥下する。どろりとした  
液体に塗れた指を互いに舐め合うヴィオレットとオルタンス。淫靡な光景  
に、イヴェールは思わずごくりと喉を鳴らした。  
「……ふ、ふたりとも、どこでそんなこと覚えてきたの……」  
 絶頂の余韻に大きく胸を上下させながら、それでも少女たちから目が  
離せない。イヴェールの下腹部に残った精液までもを綺麗に舐め取りつ  
つ、二人は熱っぽく潤んだ瞳をイヴェールに向けた。  
「知識だけ、ですが……≪物語≫を探すために地平線を廻る過程で……」  
「えっと……はしたない……と思われましたか……?」  
「……そういうわけじゃないけど……普通、女の子ってそういうのは嫌が  
るものなんじゃないの……?」  
 ましてや二人とも、性行為は昨晩が初めてだったはずだ。……もっとも  
それは彼にしても同じなので、普通、と言っても実際はよくわからないの  
だが。  
 肘を付いて上体を起こしつつ言うイヴェールに、二人は頬を染めたまま、  
ほぅと小さく吐息を漏らして、  
「……ムシューのものですから……嫌などということは、ありえません……」  
「ムシューが気持ちよさそうにして下さると、嬉しいんですよー……」  
 そう言ってもう一度愛おしげに、イヴェールのソレへと接吻けた。  
 ……くらり、という、目眩にも似た感覚。そんな可愛いことを言われて、  
どうかならない方がどうかしてる……!  
「きゃっ……!?」  
「やっ、ムシュー……ま、またおおきく……」  
 目の前で再び固く持ち上がってきたモノに、かぁっと頬を赤らめるヴィオ  
レットとオルタンス。その彼女たちの手を、イヴェールはぐいっと自分の方  
へ引っ張った。  
 
「煽ったのはそっちなんだから、責任は取ってもらわないとね」  
 小さな身体をベッドの上に組み敷く。明るい場所で二人を見下ろすのは  
初めてだ。凹凸のほとんど無い体つきに、強く握れば折れてしまいそうな  
手足。白い肌にはところどころ、昨晩彼が付けた印が残されている。  
「ム、ムシュー、朝食は……」  
「今はヴィオレットとオルタンスが食べたいなぁ」  
「っ……、ムシューこそ、そんな言葉をどこで覚えていらっしゃるんですか……」  
 口ではそう言うものの、二人に拒む素振りはない。上気した頬は羞恥  
によるものだけではないだろう。小さく笑みを浮かべ、イヴェールは少女  
たちの秘所へと手を伸ばした。  
「あ、そ、そこはっ……」  
「んっ……!」  
 くちゅ、という湿った音。割れ目の上をなぞるように軽く撫でただけでも、  
奥からはぬるぬるとした液体が溢れ出てくる。  
「もうこんなにしてる……ご奉仕しながら感じちゃったの?」  
「そ、それ、はっ……!」  
「だってムシューの……、んんっ……!」  
 甘い悲鳴を上げる姫君たちの頬にキスを落とし、首筋、胸元へと交互  
に口唇を降らせていくイヴェール。そのたびにぴくん、と反応する二人が  
愛らしく、細い肢体をまとめて抱きしめて擦り寄ってみる。柔らかくて滑ら  
かな肌の感触が気持ちいい。  
「んー、もういっそ今日はこのまま、ずーっとベッドの中でいちゃいちゃし  
てよっかー」  
「な……、何をばかなことを仰ってるんですか……!」  
「いや?」  
「嫌というわけではっ……で、ですが≪物語≫を探さないと……ひぁんっ!」  
 オルタンスの胸の先端を口に含み、ヴィオレットのそれは指で摘む。淡  
い色の小さな突起をコリコリと転がすと、抗議の言葉は嬌声にかき消され  
た。  
「やっ……、あ、あっ……!」  
「ムシューっ……、ふ、あぁん……!」  
 イヴェールの頭を抱え込んで可愛らしく身悶える姫君たち。その姿に欲  
望はますます高まり、理性が完全に決壊する。  
 
────結局。  
 その日双子がベッドから出られたのは、昼近くになってからのことであった。  
 
 めでたしめでたし。  
 

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