その日井上は大学時代のゼミ仲間の結婚式に行った。
披露宴会場には、ゼミの友人が陣取っている。
「よう井上!どうだ、おまわりさんは。」
「ああ、まぁ・・・大変だよ。日本の平和を守るのは。」
口の端を挙げて言う井上の背中に、友人の容赦ない平手がかまされる。
「つか、ミニスカポリスとか紹介しろよ。」
「俺は部署が違うっつーの。」
「じゃ、お前の部署にいい女いないの?あれ、お前ドコだっけ?」
「いい女・・・いい女かぁ・・・。」
中空を見つめる井上が、あ。と小声で呟く。友人は空かさず尋ねた。
「いるのか!」
「いや・・・お前好みじゃないな。」
「どんな女だ?!」
「こう・・・ウェーブヘアーでさ、眼光鋭い感じで・・・強そう?」
「凛々しい女か。・・・うん・・・それで?」
「胸なんかドーンだよ、ドーン!」
井上が両手をお椀を持つ形にして、前に突き出した。
「ドーン!って・・・どれ位と見た?」
「んー。Gだな。」
「ぢっ・・・! EFGのGか・・・!」
「G以上・・・あるかなぁ? いやGだろうなぁ。基本
強そうなんだけど、ふかーっと柔らかそうでさぁ・・・。」
ウットリと呟く井上に、友人はゴクリと喉を鳴らす。
「そりゃあ・・・たまらんな。お前、行かないのか?」
「いやぁ・・・俺は相手にしてもらえねぇな。」
「何で。毎日同じ職場にいるんだろ?」
「俺、後輩に当たるからさ・・・ダメだな。」
「そうか・・・で、顔は?似てる芸能人とか。」
「えーっと・・・・・・どらえもん?」