「石田さん」
笹本がロッカールームへ、井上が仮眠室へ消えた後、先ほどまで考え込んだ風だった山本が石田を手招きする。
「何だ」
「みましたか、笹本さんの。」
「何のことだ」
「首筋ですよ、井上だよなぁ…くそお」
「ああ、そうだな」
「髪の毛で隠れないギリッギリの所にですよ!?腹立つ」
「盛り(サカリ)だ、盛り。」
「俺は常に盛ってるつもりですけど」
「気味悪いぞ」