4人で談笑しているとき、ふと井上を見ると真剣な視線とぶつかった。
「どうした?」
笹本の問いかけに井上はいや、と続ける。
「笹本さんって胸どんくらいあるのかなーって」
笹本は瞼をピクピクさせた。
「訴えるぞ」
「着痩せタイプっぽいっすよね。脱いだらすごいかも」
ゴクリ。山本と石田は唾を飲む。
「ちょ、何考えてんのよ」
んー、と井上は呟いた。
「パイズリやったことあります?」
デスクで尾形が茶を噴いた。
「係長…!」
笹本はプルプルと全身を震わせていた。
「ま、待て。今のは不可抗力だ。井上もいい加減にしろ」
はーい、と井上は手をあげた。
「でも一度はやられたいっすよね〜」
「口を慎め…柔らかそうだな」
ハッと尾形は口を抑えた。
笹本は席を立った。
「次に会うときは法廷で」
「さ、笹本…!ほんの冗談だ」
「特に係長が言うと冗談に聞こえません」
では、と笹本は四係を後にした。
後日新聞の一面を警察の不祥事が飾った。